漫望のなんでもかんでも

漫望のなんでもかんでも

PR

Profile

まろ0301

まろ0301

Freepage List

2005.06.13
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
「夏は来ぬ」の音楽で始まる新潮社のカセットブックを聞く。

 今日は朝はゆっくり起きて、ゴミを出し、近くのイトーヨーカドーに行って、『昼メシの丸かじり』文春文庫、『多民族国家 中国』岩波新書、『古代中国の文明観』岩波新書、『日本一多くの木を植えた男』(NHK 『知るを楽しむ』テキスト)を買う。

 冷やし中華も買い込んで、キュウリを刻み、薄焼き卵を焼いて薄切りにしてトッピングとする。夏は冷やし中華だ。

 で、カセットブックを聞く。

 まずは、中島敦『山月記・名人伝・牛人』。朗読は江守徹さん。

 『山月記』は、なんどか読んだ事はあるが、朗読を聴くとまた違った感慨がある。李徴の述懐は、胸に迫るものがある。「臆病な自尊心」という言葉、そして以下の言葉。

 「本当は、まず、この事の方を先にお願いすべきだったのだ、己が人間だったなら。飢え凍えようとする妻子のことよりも、己の乏しい詩業の方を気にかけているような男だから、こんな獣に身を堕すのだ。」



 『名人伝』の読み方は、軽い。

 一つ一つのエピソードは、「うそだよー・・」という種類のものなのだが、聞くものにそんな思いを起こさせないように読まねばならない。

 軽く、軽く。これが良い。

 『牛人』。これはまだ読んでいなかった。

 ぼんやりとベッドに横になって朗読テープ(最近ではCDも)を聞くのは素敵だ。


 小泉八雲『ろくろ首・雪女・耳なし芳一・むじな』。朗読は橋爪功さん。

 うまいなぁ。


 以前、NHK「テレビ文学館」という番組があった。いろんな俳優が朗読を披露する。

 強く印象に残っているのが、滝沢修さんの『トロッコ』。芥川龍之介の作品だ。印象に残ったのは、もちろん滝沢さんの朗読の素晴らしさにあるのだが、実はもう一つ理由がある。
 次の日の朗読者は、名前の知れた俳優(名は伏せる)だったが、全く何も伝わってこなかった。
 「朗読」というものの怖ろしさを知った。俳優の力が如実に現れてしまう・・。




 「朗読」というものの怖ろしさというか、素晴らしさを知った体験はもう一つある。

 やはり、NHKの『授業』という番組だったと思うが、長岡輝子さんが宮沢賢治の『アメニモマケズ』を取り上げて小学生たちの前で朗読した。

 賢治がどんな状態でこの詩を書き綴ったのかを噛んで含めるように語った後に、朗読が始まった。こんな『アメニモマケズ』の朗読は初めて聴いた。
 自分でも日本史の時間などに何の気なしに読んだ事があったのだが、解釈と読み方が全く違う。



 借り出して聞いているテープは、国語科の備品だ。感謝!


 文化祭も終わったので、演劇部の生徒諸君には、きちんとしたメニューで練習をさせる必要がある。その一環として、「朗読」を入れようという魂胆なのだ。
 部活の事と趣味が一致しているというのは大変な幸せだ。

明日から、もう一人の顧問(common?)のI先生に発声、腹式呼吸を生徒たちに指導していただく予定。きちんと基礎を作って、10月の地区大会に備えよう。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2005.06.13 21:58:34
コメント(12) | コメントを書く


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ

利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


朗読は奥が深い、深すぎる  
エヌ さん
私もNHKのセミナーに何回も参加して朗読を勉強しましたが、講師の先生の読むのを聞くと本当に惚れ惚れしました。すうっと入ってくるのです、意味が。自然体なんですね。
当たり前のことですがまったく技術を感じさせません。私のような初心者はアクセント、イントネーション、鼻濁音、滑舌などなど、とらわれることが多く、汗水たらして読んでしまいます。いつの日か、教室中がしーんとして聞き惚れるような朗読をしたいものだと夢見ています。 (2005.06.13 22:41:22)

Re:朗読の魅力(06/13)  
私がこのところ朗読しているのは、古文と漢文、世界史の教科書です。

ムスコの勉強に付き合っているので。

世界史はともかく、古文・漢文はいいカンジですね。 (2005.06.13 23:26:24)

本格的だ!!  
まろ0301  さん
エヌさん

>当たり前のことですがまったく技術を感じさせません。私のような初心者はアクセント、イントネーション、鼻濁音、滑舌などなど、とらわれることが多く、汗水たらして読んでしまいます。いつの日か、教室中がしーんとして聞き惚れるような朗読をしたいものだと夢見ています。

☆これって、『名人伝』みたいですね。
 読んでいる人が消えていくのかな。でも、確かにその人が読んでいる・・。
 セミナー参加とは本格的ですね。 (2005.06.14 00:39:12)

いいですねー  
まろ0301  さん
スピッツのチャーさん
>世界史はともかく、古文・漢文はいいカンジですね。

☆『平家』の扇の的などは、読んでいて快感がありますね。 (2005.06.14 00:40:47)

お久しぶりです  
サリィ斉藤  さん
文化祭、お疲れさまでした。
NHKの「テレビ文学館」、私も好きでよく見ていました。橋爪功さんの怪談というのも、興味あります。

宮沢賢治作品の朗読には、忘れられない思い出があります。
中学に入って、最初の国語の授業で、先生が「永訣の朝」を生徒に朗読させました。
詩の中に出てくる、賢治の死にゆく妹の言葉。
その東北訛りがおかしくて、指された生徒がその部分を読むたび、クスクス笑いが起きたのです。
すると、先生が
「詩の意味をつかまずに、言葉の響きだけで笑っているようでは、文学を味わう資格はありません」
と、ものすごく怖い調子で言い放ったので、あぁ私たちはもう大人の本の読み方をしなくてはいけないんだなぁ…と、思い知らされたのでした。 (2005.06.14 18:27:14)

方言と朗読  
まろ0301  さん
サリィ斉藤さん

>すると、先生が
>「詩の意味をつかまずに、言葉の響きだけで笑っているようでは、文学を味わう資格はありません」
>と、ものすごく怖い調子で言い放ったので、あぁ私たちはもう大人の本の読み方をしなくてはいけないんだなぁ…と、思い知らされたのでした。
-----
☆良い先生ですね。ここで注意しないで、どこで注意するんだ・・という感じがします。

 ただ、『イーハトーブ乱入記』で、ますむらひろしさんが同じような体験を書いておられます。
 紹介は、ブログで。 (2005.06.14 18:47:31)

名人伝です。  
エヌ さん
>☆これって、『名人伝』みたいですね。
> 読んでいる人が消えていくのかな。でも、確かにその人が読んでいる・・。

まったくそのとおりです。どこがどう違うと言えないのですが、講師のアナウンサーが読むのと、受講生が読むのとでは、天と地の差があるのです。

> セミナー参加とは本格的ですね。

大枚はたいて東京まで行ってきました。でも日々の
研鑽を積まないとせっかくちょっと身につきかけたことが元の木阿弥。嗚呼、です。
(2005.06.14 21:13:30)

怖い調子  
エヌ さん
サリィ斉藤さんへ

>「詩の意味をつかまずに、言葉の響きだけで笑っているようでは、文学を味わう資格はありません」
>と、ものすごく怖い調子で言い放ったので、あぁ私たちはもう大人の本の読み方をしなくてはいけないんだなぁ…と、思い知らされたのでした。
-----

そうなんですね。ふだんはやさしくても、ここぞというときに、「ものすごく怖い」調子で注意できないといけないんですよね。この先生はものすごくカッコイイと思います。そしてその先生の言葉をちゃんと受け止めた生徒のサリィ斉藤さんも素敵だと思いました。
私は「文学を味わう資格なんていらんわ」って
返されそう、とつい思ってしまう教室の現実にいます。どういう言葉を「怖い調子で」言うべきか考えます。
(2005.06.14 21:24:37)

Re:怖い調子(06/13)  
サリィ斉藤  さん
まろさん、エヌさん、コメントへのお返事ありがとうございます。
この先生、小柄で、話す調子がゆっくりで、普段はいつもニコニコしている初老の女性でした。
小学校から中学校に上がって、最初の授業で
「あなたたちはもう子どもじゃないんですよ」
とガツーンとやられたような気がして…それが、威嚇ではなく、生徒にとっては自分たちを大人扱いしてくれているように感じ取れたんだろうと思います。
あの4月の教室から、二十数年の歳月が流れ、残念ながらその先生も、お若くして病気で亡くなられてしまいました。
でも、あの授業のひとコマは、この先も忘れられないです、きっと。

教壇に立つということは、正解のありそうでない、本当にプレッシャーの多いお仕事だと思いますが、やっぱり先生との出会いによって生徒が得られるものって、大きいんだと…実感してます。実り多い日々を過ごされますよう、応援しています。 (2005.06.15 02:01:52)

応援ありがとうございます。  
エヌ さん
サリィ斉藤さん

>この先生、小柄で、話す調子がゆっくりで、普段はいつもニコニコしている初老の女性でした。

ますます素敵です。うれしいです。

>それが、威嚇ではなく、生徒にとっては自分たちを大人扱いしてくれているように感じ取れたんだろうと思います。

威嚇では駄目なんですよね。それはよ~くわかります。

>教壇に立つということは、正解のありそうでない、本当にプレッシャーの多いお仕事だと思いますが、やっぱり先生との出会いによって生徒が得られるものって、大きいんだと…実感してます。実り多い日々を過ごされますよう、応援しています。
-----

あたたかいお言葉、応援、本当にありがとうございます。毎日、教壇で叫びまわって疲れて帰ってくるので、この励ましはとてもうれしいです。
(2005.06.15 21:35:38)

Re:朗読の魅力(06/13)  
吐夢 さん
 昨日文化祭がやっと終わり、今朝は久しぶりにゆっくり眠る事が出来ました。
 久しぶりにコンピュータの蓋を開け、このBlogを拝読いたしました。
 ちょうど今、「山月記」を授業でやっています。
 生徒に音読させるとこれが全く読めない。
 昔からそうでしたが、今年あまりにも凄まじいので
コレが新教育課程の弊害か、と、痛感しています。
 いままで使った事がなかったけど、やっぱり朗読テープの出番かも知れません。 (2005.06.19 11:26:32)

中島敦は必要なのか?  
まろ0301  さん
吐夢さん

> ちょうど今、「山月記」を授業でやっています。
> 生徒に音読させるとこれが全く読めない。

☆私は、『山月記』『弟子』を初めとする中島敦の大ファンを自認しているのですが、中島敦は、新課程を潜り抜けてきた生徒たちに(というか、もっと以前かな)教えるのは無理ではないかと勝手に考えています。
 「隴西の李徴は博学才頴、若くして名を虎榜に連ね」という最初の部分から、一字一句の細かい意味はおいといて、パッと作品世界に入れるか。目の前でシャッターが下りてしまうか。

 それとも、江守徹さんのテープを何回か聞かせ、貴女も範読し・・・引きずり込むか・・。

 大変な事に挑んでおられるのだな・・・と、思います。
 本当に、斎藤さんじゃないけれど、『理想の国語教科書』ってなんでしょう? (2005.06.19 16:29:32)

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

Favorite Blog

English speech May … New! maki5417さん

『シルバー・デモク… New! Mドングリさん

新宿彷徨(その44) 新… New! MoMo太郎009さん

「馬見丘陵公園」の… リュウちゃん6796さん

7日朝の日記 象さん123さん

Comments

まろ0301@ Re[1]:ファクトチェックはやめます(01/11) maki5417さんへ  ただ、不法移民が居な…
maki5417 @ Re:ファクトチェックはやめます(01/11) 米国は、古い移民が新しい移民を搾取して…
まろ0301@ Re[1]:ハンナ・アーレント(01/08) maki5417さんへ  「倫理」は、本来は、…
maki5417 @ Re:ハンナ・アーレント(01/08) 「受験の倫理」とはおさらばだ。 今は倫…
まろ0301@ Re[1]:1月20日(01/06) maki5417さんへ  上下両院で、トランプ…

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: