漫望のなんでもかんでも

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まろ0301

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2005.06.24
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19世紀の文化の項で、「美術」を扱う。

 まずは質問から。

 絵画のテーマっていうのは、例えば、「風景」、「静物」、ほら、林檎をここにポンと置いて描くみたいな、それと「人物」。さて、19世紀まで、つまりは18世紀までに一番たくさん描かれた絵はどんなテーマの絵だろうか?各自考えて。みんなに訊くから。

 はい、一人一回手を挙げて。「風景」・・二人。「静物」・・・三人。はいはい、では「人物」。なるほどね、多数。正解は、「人物」。

 ではここでまた質問。「なぜ人物画、肖像画が一番沢山描かれたと思いますか? はい、三分。」

 「写真がなかったから」「絵以外で自分の顔を残せなかったから」「描いてて一番面白かったから」「歴史に残る人が一杯いたから」「貴族の人とかが雇って描かせたから」「個性があって面白かったから」「エライ人にお金をもらって、その人の肖像を描いていたから。仕事として描いていたから」。

 画家が自分の好きな絵を描いて生活できる時代ではなかったということ。画家も生活がありますから、絵が売れなければ話にならない。

 この当時の絵は大半が注文生産でした。画家に絵を描いてくれと注文したのは、王様、貴族、教会、そしてイタリアなんかであれば都市。そういうところにしか金はなかったわけ。

 だから、「私の肖像を描くのだ」・・ということで肖像画が多く描かれた訳。




 さて、19世紀になると、風景画が多く描かれるようになってくる。

 そこで質問。なぜこの時期になって外で風景画が描けるようになったのか?それ以前は、絵を描くといえば室内でしか描けなかった。なぜ、外で描けるようになったのか?

 「絵を描く道具が持ち運びし易くなったから」「持ち運びできる台が発明された」「外で描くための道具が開発された」「戦争があまり起こらなくなったから」「外の方が日光や風があって気持ちがいいから」「人物画を描かないでも生活できるようになったから」

 この時代に発明されたものがある。それは、チューブ入りの絵の具。工業製品としての絵の具が発明されました。1840年代の事。

 これまで、絵は室内でしか描けなかった。なぜかというと、それは、絵の具つくりが大変だったから。絵の具はそれまでは、室内で鉱物などをごりごりすりつぶして、それに油を混ぜて、練って・・という作り方をしていたので、外へ持って出る事が難しかった。

 ところが、産業革命以後の技術の発達で、工業製品としての絵の具は鉛のチューブに入って持ち運びができるようになって、外で写生が出来るようになったということ。

 後一つ、この頃になると、『絵画市場』という者が成立し始めています。「画商」と呼ばれるような人たちが、絵を売ったり買ったりし始めた。
 一般庶民の中でも、生活に余裕が出てきた人たちは、絵を買い始めます。絵を買い始めた人たちの中には、それまでとは違った趣味を持つような人たちが現れた。

 びっくりするくらい値段が上がる絵もあった。図表に載っているミレーの『晩鐘』。この絵は最初、1000フランで売れたけれど、その後、どんどん値段が上がっていく。アメリカの富豪に買われ、愛国心に燃えるフランスのデパート王に買い戻され・・と、このあたりで100万フラン近くまでいったと記憶している。



 それまでの、英雄や歴史的な事件を描いたまあ、言うたら大げさな絵よりも、一般庶民を描いたり、風景を描いた絵が売れるような時代になって行ったという事。

 絵は、美術館が誕生した事でさらに身近なものとなるけれどそれはまた別の話。


 画家たちは、新しいテーマ、風景を描く事に熱中し始める。

 モネという人が教科書に載ってるけれど、この人なんか凄い。陽のあたり方によって風景は違って見える・・というわけで、同じ風景を何枚も何十枚も描いた。

 有名な「睡蓮」の絵なんかもそうやね。これが印象派。



 写実主義って教科書に書いてある。一ページ前に帰ると、そこにクールベの「石割」という絵が載っている。どこの誰かも分からないような石割り工夫が描かれている。

 クールベはこう言った。「私は天使を見た事がないから描けない」。

 見たものしか描けない言うわけやな。

 画家はだんだんと自分の描きたい作品を描けるようになった。しかし、絵が売れなかったら生活できない・・という事には変わりはない。

 ゴッホって言う人がいる。教科書では、1853年に生まれて1890年に死んでいる。37歳で自殺した画家だけれど、生きている間に売れた絵はたった一枚だけ。

 弟が画商をしていて、お兄ちゃんを養ってくれた。

 「糸杉」・・・うねるように描かれた絵。売れてない。何十億円もしているのにね、今は。

 「跳ね橋」・・・これも売れてない。

 「浮世絵の模写」・・ゴッホは日本の浮世絵の模写を何枚かしている。弟への手紙の中で、浮世絵は素晴らしい、そんな浮世絵を生んだ日本に是非行って見たい・・と言っている。

 日本人としては嬉しいことやけど、実はフランスに渡った最初の浮世絵は、陶器を包んで割れないようにするためのクッションとして輸出されている。浮世絵!として輸出されたのではなくて、今で言ったら新聞紙みたいなモンやね。

 陶器を手にしたフランスの人たちは、陶器の素晴らしさにも目を奪われたけれど、包み紙、割れないように詰められていた浮世絵にも注目して、後になると浮世絵が輸入されるようになる。

 浮世絵は、明治になると日本では廃れていく絵だったのが、ヨーロッパでは大流行して,良いものが海外に行ってしまうという事になる。

 ま、鎖国から開国、そして明治維新のあたりは、またという事にします。 





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Last updated  2005.06.24 19:30:02
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象さん123 @ Re:騙す、騙される(11/21) 斎藤知事の件では私も驚きました。 民主主…
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