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2026/05
2009/10/30
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カテゴリ: J-REIT
ふむ。本日は、株価も1万円回復しましたが、J-REITがやたら上昇しましたね。おかげで、1日で月給以上が戻ってきましたが、でも、10月はトータルではマイナスで終了ですね。J-REITの上昇は昨日のリテールとラサールの合併の件でも好感されたんでしょうか。まあ、個人的にもちょっと目障りなREITが減っていくことには賛成です。多分、来年の今頃は5銘柄くらいは減っているでしょうね。もっとかも。

でも、これははっきり言ってビックリしました。まったくの想定外でしたので。ラサールは親が無理矢理ねじ込んだ商業施設がポートフォリオの半分以上となってはおりましたが、オフィスやレジデンスももっているため、商業施設一辺倒のリテールと合併とは全く考えておりませんでした。あるにしても、日コマにも手を出しているオリックスとかユナイテッドアーバンとかその辺かなってくらいで、そもそも、ラサールが手放すとも思っていませんでしたし。

ラサールが第三者割当で入れた資金は、すでにだいぶ溶けてしまったでしょうが、なにしろ、最初のイオンモールのぶち込み方がえげつなかったですしね。分配金も得ているとすれば、トータルではプラスで撤退かもしれません。まあ、合併後のリテールファンドに変わった投資口をどうするのかはまだ分かりませんが。

ラサールの今年4月期の決算短信から数字を取ってくると、以下の通りです。簿価で1189億円の不動産で、純資産額は542億円ですが、鑑定評価との差額が約100億円あり、これが含み損になっておりますので、これを引くと、純資産額としては441億円程度の計算となります。半年前の鑑定ですから、さらに含み損が拡大して純資産価値が目減りしているかもしれませんが、時価総額は148億円(10/30)なので、負ののれんが発生することでしょう。

簿価
 オフィス 23,863百万円
 商業施設 75,660百万円
 住居 19,341百万円
合計 118,865百万円

資産総額 129.510百万円
負債総額 75,290百万円
 うち有利子負債 69,700百万円(現時点では69,007百万円)
純資産額 54,219百万円

鑑定評価額
 オフィス 25,787百万円
 商業施設 65,994百万円
 住居 17,021百万円
合計 108,802百万円

鑑定評価額と簿価の差額
▲10,063百万円



さて、鑑定評価ベースで純資産額が441億円ということは、現時点での有利子負債が690億円ありますので、純資産額の1.5倍以上。すなわち、LTVにすると、60%を上回っている計算になります。リテールファンドとしては、いまのまま合併すれば、一時的には財務的にさらに窮屈になります。今でも商業施設ファンドとしてはややLTVが高いと思いますが。

しかしながら、財務改善の手段として、現時点の投資口価格では大規模な公募増資もなかなかですので、ラサールとの合併を利用して、財務改善を目論んでいるものと思慮します。とりあえずは、規約を変更して、オフィスやレジデンスも取り込むようですが、将来的にはやはり商業施設のみとしていく方針と書かれています。4月時点の鑑定評価額として、ラサールは428億円のオフィス、レジデンスを保有していますので、あまり焦って売ることは出来ないでしょうが、390億円くらいで売却出来れば、譲渡損38億円は負ののれんで処理し、また、ラサールの有利子負債を300億円に圧縮できます。すなわち、オフィス、レジデンスは同レベルの負債と見合いにして、残りの、660億円の商業施設と300億円の負債を手に入れる。これがリテールファンドのねらいじゃないかと思います。この数字なら、少なくともリテールファンド側のLTVもわずかですが低減でき、財務が改善します。

端「投資口」(以下「端株」と記述)の処理ですが、これもまた面倒そうな合併比率にしていますね。アドレジ、日レジ方式のように綺麗な比にもなっていませんし。もし端株を出さないようにするとすれば、例えば、リテールファンドを200分割し、その後に、1:59で合併するとかそういった手法ですね。アドレジ日レジ方式で言えば、リテールファンド1口に200口の新リテール、ラサール1口に59口の新リテールとこんな具合です。これなら単元未満(100口で1単元として)は出ますが、端株は出ませんので、合併の際に金銭の授受は必要なくなるでしょう。個人的には、J-REITもボチボチ100分割(または200分割)とかしておいて、100口単位にしたらどうかと思うのですけどね。そうしておけば、小数点以下2桁の合併比率にすれば、端株は出ないので合併もしやすいでしょうし。

とりあえず、端株は考えないとして、新リテールの姿は以下のような感じです。ただし、リテールは簿価、ラサールは鑑定評価ベースの数字を使いました。

投資口数 422,049口(+9.20%)

有利子負債 3249億円(+26.97%)

やはり、資産の増え方に対して、有利子負債の増え方の方がキツイので、LTVは上昇します。現時点の両者の予想分配金額をもとに単純計算すると、合併後の分配金は13,900円くらいですが、リテールにとって見れば、毎期の誤差程度の分配金上積みです。さらに、オフィス・レジを売却して、負債圧縮額が390億円だったとすると

総資産 6651億円(+13.01%)
有利子負債 2859億円(+11.74%)

この辺では資産と有利子負債のバランスが取れてきますね。この状態でザックリ言えば、投資口、資産、負債がみな1割増えるわけで、単に1.1倍にしただけになります。巡航速度的にも、今のリテールに近づくでしょう。まあ、リテール側にとって見れば、ラサールの商業施設しか眼中になく、商業施設のみを評価して、その基準で合併比率を決定したと、そんな感じですね。いずれにせよ、今回の合併はリテールにとって無茶苦茶有利かというと、そうでもなく、誤差範囲程度の話になりそうです。これにより、分配金が2割上昇するとか、そういったことはなさそうということですね。ただ、ラサールももとはと言えば1万円以上の分配金を出していたわけでして、リテールに変わったことでファイナンスコストが低減したり、将来金融環境がより改善したりすれば、多少の上乗せは期待できるでしょう。

ラサールにとっては、金融環境が元に戻ったとしても、二度と分配金は戻ることはなく、リテールの3割の額にしかなりません。今の一口あたりでは約4千円程度で、二度と1万円などという額は拝めず、固定されちゃうと言うことですから、数字の上ではまあ不利となります。その不利となった分、信用を勝ち得たというところでしょう。リテールにとってはほとんど有利と言うほどでもなく、ラサールにとっては不利というのは一見矛盾していますが、基本的にはサイズの違いですかね。ラサールの数千円はリテールの数百円程度の話ですから。まあ、個人的にはこんな具合に評価します。





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Last updated  2009/10/30 06:03:08 PM
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