越中屋*四十五右衛門*商店
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「秋立ちぬ」成瀬巳喜男 1960年秋の作品 東宝なんですね。東宝のこの時代のものとしてすぐ浮かぶのは、「クレージー」と「若大将」の娯楽物ですね。 調べると、「クレージー」のシリーズ(62年夏~)、と「若大将」シリーズ(61年夏~)、怪獣物では「モスラ」(61年夏)、「キングコング対ゴジラ」(62年夏)なんですね。 64年生まれのわたしの、映画館デビューは「東映まんが祭」(74年春)だったでしょうか。「仮面ライダーX」と飛び出す立体映画「イナズマン」を3Dメガネで観たのを記憶してます。東宝の子供向けシリーズでは、怪獣物も「長編ドラえもん」(80年~)も体験しなかったです。 wikiってみると、黒沢明の「悪い奴ほどよく眠る」と併映だったそうです。黒沢のフィルモグラフィを見れば興行成績的にピーク期の作品であり、ヒットしたであろうことは推測できます。 社会派サスペンスの大作を観た後のお客に「秋立ちぬ」はどのように受け止められたんでしょう。藤原釜足、賀原夏子、菅井きんがこっちにも出てて・・・これは、ぜひ今一度、観返したいものです。 「秋立ちぬ」、先日CSで放送したものを、今回マイミクさんにDVDにしていただきました。 実に「せつない」映画です。元来、悲しみに涙するタイプの人間じゃないですが、涙は出ないまでも、こういうのは「悲しみ」のツボです。子供が「不幸せになる話」は辛いものです。 他にどんなのがあったか、と聞かれると・・・思い出せなくなって来たのが悲しいです・・・が、「シンドラーのリスト」とか、天童荒太の児童虐待もののTVドラマだったか・・・ ただしストーリーは、子供が大人になって行く過程に不可避の通過儀礼のような物で、大人社会に対して初めて受ける失望のような事は大なり小なりあったような気もします。 そんな男の子のラスト・シーンには未来の光が見え、彼も、相手の女の子も、大人になってきっとお母さんを許したことでしょう。 「秋立ちぬ」と言うよりは、子供たちにとっては春のはじまりでもあるんですよね。(わたしの映画館デビューの4年生は、この「順子ちゃん」といっしょ!) でも、背景が夏休みの終わりなので、楽しい子供の時間の「終わり」という点では、やっぱり秋ですか。 付け加えるなら、成瀬にとって晩年の作品であり、私小説的側面が指摘されていますので、その意味ではやはり「出発点」の一つの節目をテーマにしているのかもしれません。 さて、黒沢と共に関係も深く、同時期の名匠としても必ず比較される小津安二郎は、この60年秋は「秋日和」です。 このカテゴリでは繰り返しお薦めしてきた大好きな映画。小津にとっても最晩年の3作は、「秋日和」、「小早川家の秋」(東宝)、「秋刀魚の味」で、「秋」を描いていましたね。 ちなみに、興行収入だけじゃない60年のライン・アップは?、ということで、「キネマ旬報」ベスト10を見てみると、3位「悪い奴ほどよく眠る」5位「秋日和」で、成瀬作品では「女が階段を上る時」が14位、「娘・妻・母」が19位でした。 成瀬作品はこれまでほとんど観てきてないので、「秋立ちぬ」のような、こんな簡潔に作り込まれた佳作があったなんて・・・一度も単品で市販されていないこんな名作があるなんて・・・映画の黄金時代の「春から夏」だったんだなあ、とつくづく思いました。 成瀬巳喜男 THE MASTERWORKS 2(DVD) ◆20%OFF! 東京人2009.11月号
2010年04月27日
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