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2007.07.20
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カテゴリ: Serie A
先日、リボルノに所属するFWルカレッリがウクライナのシャフタール・ドネツクに移籍することが決まった。移籍金は約13億5千万円で3年契約。昨シーズンは得点ランキングでトッティに次ぐ20得点を挙げたものの、クラブの会長であるスピネッリとの確執が噂され、退団が濃厚となっていた。

ここ数シーズン、イタリア人選手の国外移籍が急増しており、今夏の移籍市場では特に顕著である。ルカレッリの他にもデ・サンクティス(GK、ウディネーゼ→セビージャ)、トニ(FW、フィオレンティーナ→バイエルン)、グロッソ(DF、インテル→リヨン)などが国外移籍を果たしており、いずれも大物選手やクラブのレギュラークラスの選手ばかりである。過去を振り返ってもカンナバーロやザンブロッタを筆頭にカッサーノ、フィオーレ、コッラーディと、それだけイタリア代表がつくれそうな選手ばかりである。カルチョ・スキャンダルによるイレギュラーな移籍があったとはいえ、ではなぜ、このようにイタリア人選手の国外移籍が増えるようになったのだろう。


これについて考える前に、他国ではどのような傾向にあるのか見る必要がある。
いわゆる3大リーグ(イタリア、スペイン、イングランド)に限ると、イタリア同様にスペイン人選手の流出も最近では増えている。今夏に移籍を果たしたFトーレスをはじめ、シャビ・アロンソやレイナなどである。だがこれらのほとんどがリバプールへの移籍である。リバプールといえば監督のベニテスが以前バレンシアで指揮を執った経験があり、異国の地で自分の戦術をクラブに素早く浸透させるために、ベニテスの希望で呼び寄せた、つまりスペイン人を呼ぶだけのれっきとした理由があり、ベニテスに賛同した選手が好んで移籍を望んだのであってイタリアの場合とは少し異なる。またリバプール以外のクラブに移籍したスペイン人を見ると、エバートンのアルテタやボルトンのカンポ、古くはブレシアやローマに所属したグアルディオラなど、若手の頃から出場機会を他国に求めた選手や、国内に居場所をなくしたピークを過ぎた選手が多いことからも、イタリアとスペインでは数の上では大差ないが、内容にかなりのズレがあり、同等で扱うことはできない。

ではイングランドはどうか。
イングランド人の国外移籍というケースはほとんどない。ベッカムの移籍がインパクトを大きくしているだけで、我がユナイテッドに今夏から加入するハーグリーブスも15歳のころからバイエルンに入団していたし、イングランドでプレー経験のある外国人選手が他国に移り活躍するケースはカヌーテやフォルランのようにあるのだが、イングランド人となると絶対的に少ない。これはどこに移籍するにも有り得るが国によるプレースタイルの違いもあるだろうし、母国としてのプライドが他国でのプレーを潜在的に拒否しているのかもしれない。また外へ出なくてもそれなりの出場機会を得られることが出来るのもあるだろう。いずれにせよ、イングランドもまたイタリアと同等には扱えない。


ならば、なぜイタリア人だけがこのように様々な国に移籍を決断するようになったのか。
これにも様々な理由があるだろう。1つは単純に金のため。これまで他国は他国でもその国のビッグクラブへ移籍する場合が多かった。つまりは金を積まれ渋々クラブが承諾した、あるいは選手が金に釣られて移籍するケースがあるだろう。これに付随して、クラブとしても金はもちろん、国内のライバルに渡すぐらいなら他国へ渡したほうが良いという考えを持っていたはずだ。さらに付随すると各国の税制の違いがある。イタリアではクラブが選手に支払う約半分に当たる額を税金として納めなければならないのに対し、スペインでは約4分の1に当たる額で良い。カンナバーロやザンブロッタもこれを理解したうえで、もちろんユベントスの国内ライバルの手助け阻止もあるだろうが、スペインへの移籍を決めたのだろう。

しかし、昨シーズンまでならこれらの理由にも納得がいくわけだ。カルチョ・スキャンダルはもちろん、税制を含む金銭面でもだ。だが今シーズンは特に3大リーグでもビッグクラブ以外のクラブであったり、3大リーグ以外への移籍も目立っている。典型的な例が最初に上げたルカレッリであり、会長との確執があったとはいえ、代表にも名を連ね、かつ昨シーズンの得点ランク2位の選手がウクライナでプレーすることを誰が予想出来ただろうか。また少し調べてみると、スペインは約4分の1に当たる額を税金として納めなければならないのだが、イギリス(イングランド)は約40%、ドイツも約45%と、イタリアより低いとはいえそれほど大差はないことが分かった。ならばより一層なぜなのか。




この件に関して、トッティはこのようにコメントしている。
「イタリアサッカー協会を脱退する覚悟も出来ているよ。
 僕達選手が主役のはずなのに、その意見を聞いてもらえなかった。
 今は僕達の声を聞いてもらいたい。」

この1年、ワールドカップでは代表が、チャンピオンズリーグではミランが優勝を果たしたが、どうしてもカルチョ・スキャンダルや1人の警官が死亡した2月の暴動のイメージを払拭することはできなかった。

「ファンあってのサッカー」とよく言われる。確かにそうだ。だが主役を演じるべき選手がいくら頑張っても、悪いイメージを払拭しようとしても、それを無にするような行為を犯す人間が上にいる限り、これからも国外流出は拡大するだろう。



ほな、また。





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Last updated  2007.07.20 21:20:25
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