70年代に入って、国内アーティストの LP をほとんど買わないまま過ごしていたのだが、何年ぶりかでついに買ったのが「憂歌団」だった。はっぴいえんどの「ゆでめん」以来の画期的な出来事だったのだ。 憂歌団は、当時の日本のブルースバンド、たとえばブルース・クリエーションやウエストロード・ブルースバンドのような、典型的な一群の人気バンドの中にあって、そのアコースティックなスタイルがずいぶん特異であった。僕はすぐさま飛びついてしまった。 そんな彼らの1st アルバム「憂歌団」の中に何曲かあったカヴァー曲のうち、"Nobody Knows You (When You're Down and Out)" の日本語翻訳版『ドツボ節』には、感心してしまった。
僕はこの曲は本来 Derek and the Dominos がやっているような、ゆったりとしたテンポの曲だと思っていたから、『ドツボ節』のテンポはかなり早いと思えた。 で、ちょうどそのころ渡米した兄に頼んで買ってきてもらったベシー・スミス(Bessie Smith) の二枚組の中では、彼女は Derek and the Dominos と憂歌団の間ぐらいのミディアム・テンポで歌っている。彼女は1929年にこの曲を吹き込んでいるから、当時このテンポがごく一般的だったのだろう。 それにしても、ずいぶん昔からある歌なんだなあと、それも驚きだったけど、当然オリジナルも彼女だったろう。また、時間があるときにじっくり調べてみたい。
で、この二枚組中開きのベシー・スミスのレコード・ジャケットを開いてみると、結構しっかりした解説が付いていて、"Nobody Knows You When You're Down and Out" のところには、「彼女自身、金で作った友人たちが、売れなくなると消えていってしまったのを目の当たりにしていた頃の歌で、ちょうど自分を歌っていたとも言える」という意味のことが記されている。 何度も繰り返すが、こんな、ブルースそのもののような暗い内容の歌なのに、マイナー(短調)でもなく、いわゆるブルースコードでもなく、明るいコード進行がかえって胸を打つ。 これがさらに40年後の Derek and the Dominos では、あのエリック・クラプトンの声とギターテクニック、そして不可欠なデュアン・オールマンの泣きのスライドギターを得て、不滅の名曲として定着したのだ。
クラプトンがこの曲を Derek and the Dominos のレパートリーに選んだということは、実に興味深いではないか。
さて、久しぶりに Derek and the Dominos の "Nobody Knows You (When You're Down and Out)" でも聴いてみようかと思う。これ、『誰も知らない』っていうのね。日本盤だと。
後で探してみるけど、いや、たぶん売ったね。 LP だったら、一枚目の A 面の4曲目。最初に手に入れた CD だったら、二枚組だったから、一枚目の4曲目。去年500円で買った CD だったら、一枚に全曲収まっているので、単に4曲目。 そうなんですよ。一枚に収まってしまっているんですよ。 やっぱいいなあ、このイントロ。 ジム・ゴードンのドラムも好きだったなあ。
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