一昨日の “穴沢ジョージの Good Old Music” いかがでしたか。前半にリクエストを全部で5曲、いつもながら番組の性質を理解していただいている皆さんのグッドな選曲のおかげで、曲順決定も実に上手く行きました。・・・と、自画自賛しておりますが。 後半は、ちょっとした「リバプール対マンチェスター」の一戦と、それに続き最後は2曲の "Another You" を。
というわけで、次のような曲目でお送りしました。 1. アイドルを探せ (シルビー・バルタン) 2. Georgia on My Mind (レイ・チャールズ) 3. 風に吹かれて (ボブ・ディラン) 4. Summertime (ジャニス・ジョプリン) 5. ハロー・リバプール (カプリコーン) 6. マンチェスターとリバプール (ピンキーとフェラス) 7. 恋の特効薬 (サーチャーズ) 8. Just One Look (ホリーズ) 9. I'll Never Find Another You (The Seekers) 10. There Will Never Be Another You (Chet Baker)
以上が、 3月7日の “穴沢ジョージの Good Old Music” でした。では、次回もおたのしみに。
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ジャズをやる人たちの間で、"Another You" といえば、スタンダードナンバーとして有名な “There Will Never Be Another You” のことだと知ったのは、以前軽井沢であったジャズ合宿の時だった。 もちろん長いタイトルだから縮めて言ったりするのはよくあることだけど、"Another You" やりますって最初に言われた時、えっ?シーカーズ?って、一瞬思ったりしたもんでした。 当然、ジャズのセッションで、シーカーズの “I'll Never Find Another You” はやらないわなと思ったら、 “There Will Never Be Another You” が始まったんですよね。ああ、そりゃそうだと、納得。
ジャズの方の "Another You" は、曲が良いので誰のものもいいんですけど、僕はどうしてもチェット・ベイカーがすぐに頭に浮かびます。 良いですねえ、若き日のチェット・ベイカー。 もちろん晩年の枯れた感じも素敵ですが、まだ若いのに既に枯れ始めているかと思わせる独特の乾いた感じは、誰にも真似できるもんじゃありません。 で、このことはトランペットと声の両方に当てはまるから不思議です。 もう既に何度か書いたことかもしれませんが・・・。
シーカーズの "Another You" は、1964年当時にそれほど日本では流行らなかったせいか、邦題の『恋はたったひとつ』はあまりなじみがない。こちらを使えば紛らわしくないし、そんなに長くもないけれど、たぶん『ジョージー・ガール』が流行った頃に、ついでに良く聴いたときには、原題の方を耳にしていたような記憶が・・・。
ジュディスの張りのある声と、12弦ギターの音を前面に出した演奏。まさにシーカーズの真骨頂のこの曲が、ダスティ・スプリングフィールドのお兄さんのトム・スプリングフィールドの作品だと知ったのは、つい去年のことだった。 前回ちょっと触れた Dusty と Tom の兄妹がやっていた The Springfields は、きっとシーカーズのようなバンドだったんでしょうね。 Dusty は、オーストラリアからツアーでイギリスに来ていたシーカーズが気に入って、彼らのために曲を書くように進言して、この曲が生まれたということです。 知らないことばかりですよ。まったく。