奇改屋のチラ裏雑記

2023年07月16日
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カテゴリ: 映画鑑賞




過去作品のセルフオマージュもてんこ盛りで、
まあ、白雪姫のオマージュもあったりするけど。
原作は1937年の吉野源三郎の小説「君たちはどう生きるか」ではない。
主人公の母が残した本として読んで涙するシーンが出てくる。
確実に参考にしているのは、ジョン・コナリーの「失われたものたちの本」。
この本は、最近の本で監督はたまたま手に取ったのだろうか。

この物語はいわゆる”行きて帰りし物語”である。
『主人公が日常から非日常の世界に旅立ち、試練を乗り越えて成長と遂げて、また日常に帰ってくる』という神話にもあるファンタジーの王道。

最後の作品で、音楽 久石譲 主題歌 米津玄師。

そして宮崎駿 最後のメッセージは何だったのか。
明らかにオレらではなく、若者に向けてのメッセージだ。

眞人が石で自傷するシーンとその傷との向き合い方。
構ってほしくての自傷と心の傷の象徴だが、
自傷した愚かさを認め、心の傷も自分で治すことになる。
誰かから学ぶのではなく自分で学ぶ ということを伝えている。

大叔父のあとを継ぐのを断る。同じように積み木を積まない。
誰かの真似や誰かのひいたレールを行くのではなく、
自分の頭で考えて自分の人生を生きろ と伝えている。

墓の門の意味「我を学ぶものは死す」
糸杉は、死の象徴、墓地に植えられる木。
考えるのを止めていることは死んでいるのと同じ。

吉野源三郎の小説
これはタイトルと作中に出てくる本ではあるが、
テーマは、やはり 自分の頭で考えろ である。
自分の頭で考えて選択することでしか前には進めない。

鳥というメタファー
鳥は集団、人間社会のメタファー。
集団に流される鳥たち、
同調圧力に屈して流される。。
真に自由になるために自分で考えろ と。

『失われたものたちの本』で木こり(キリコ)は語る。
「お前は道中で他の者たちと交わりながら、自分の力と勇気で、この世界での自分の役割や、自分自身を理解することができた。最初に出会ったお前はただの子供だったが、今や立派な大人になった」
これは、”行きて帰りし物語”。


自分の頭で考えろ!
生殺与奪の権を他人に握らせるな!

宮崎駿の最後のメッセージが世界の子供達に届きますように。





失われたものたちの本 (創元推理文庫) [ ジョン・コナリー ]
母親を亡くし、本の囁きが聞こえるようになった12歳のデイヴィッドは、死んだはずの母の声に導かれて幻の王国に迷い込んでしまう。狼に恋した赤ずきんが産んだ人狼、醜い白雪姫、子どもをさらうねじくれ男……そこはおとぎ話の登場人物や神話の怪物たちが生きる、美しく残酷な物語の世界だった。デイヴィッドは元の世界に戻るため、『失われたものたちの本』を探す旅に出る。全米図書館協会アレックス賞受賞の本にまつわる異世界冒険譚、文庫化!






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最終更新日  2023年07月17日 21時01分40秒


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