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2015.08.09
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カテゴリ: 無線機
穴埋め問題です。
受信機の感度と選択度という基本性能の定義を答える問題です。カタログスペックを読むのにも役立ちますので、理解してしまいましょう。

<出題ケース1>
次の記述は、受信機の特性について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句を下の番号から選べ。
(1) 感度とは、どのくらい[ア]な電波まで受信できるかの能力を表すもので、受信機を構成する各部の利得等によって左右されるが、大きな影響を与えるのは、[イ]増幅器で発生する熱雑音である。
(2) 選択度とは、受信しようとする電波を、多数の電波のうちからどの程度まで[ウ]して受信することができるかの能力を表すもので、主として受信機を構成する[エ]とフイルタのそれぞれの個数と[オ]によって定まる。

1 せん鋭度(Q) 2 検波回路  3 忠実度   4 分離    5 同調回路
6 高周波   7 強力    8 低周波   9 微弱    10 混合


それでは、解答に移ります。
9微弱 な電波まで受信できるか、の指標です
 イ…感度に最も大きな影響があるのは、 6高周波 増幅器の熱雑音です
 ウ…選択度は他の電波から目的波をどれだけ 4分離 できるかの指標です
 エ…選択度は受信機の 5同調回路 やフィルタで決まります
 オ…選択度は 同調回路 やフィルタの段数や 1せん鋭度(Q) で決まります
となります。



次の記述は、受信機の特性について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。
(1) 感度とは、どの程度の微弱な電波まで受信できるかの能力を表すもので、受信機を構成する各部の利得等によって左右されるが、大きな影響を与えるのは、[A]増幅器で発生する[B]である。
(2) 選択度とは、受信しようとする電波を、多数の電波のうちからどの程度まで分離して受信することができるかの能力を表すもので、主として受信機を構成する同調回路やフィルタの[C]などによって定まる。

    A       B       C
1   高周波     ひずみ雑音   安定度

3   中間周波    ひずみ雑音   せん鋭度(Q)
4   中間周波    熱雑音     せん鋭度(Q)
5   中間周波    ひずみ雑音   安定度


それでは、解答に移ります。
 A…受信機の雑音レベルは、ほとんど高周波増幅器で決まります
 B…高周波増幅器で問題になる雑音は熱雑音です
 C…選択度は、同調回路等のせん鋭度(Q)に依存します
となりますから、 正解は2 と分かります

受信機感度-R.jpg

受信機の感度を上げる方法 は、いくつかありますが以下のようなものがメインです。
・低ノイズで高利得な高周波増幅段を設ける
(ここで発生するノイズがほぼ受信機のノイズレベルを決めるから)
・通過帯域を狭くする(帯域の狭い通信方式を用いる)

高周波増幅段については常識的に理解できますが、 通過帯域を狭くすると、なぜ感度が上がるのか 、については以下のように解釈します。

 通過帯域内には、まんべんなくノイズ電力(高周波増幅段の熱雑音)が分布しており、帯域を広くするとその成分も広く集めてしまうことになり、ノイズが大きくなりますが、 帯域を狭くすればそこを通過するノイズ電力が減る一方、信号電力は減らない(減らないような帯域フィルタを用いるから)ので、S/Nが向上します。

受信機選択度-R.jpg

受信機の選択度を上げる方法 は、以下のようなものがメインです。
・同調回路のQを大きくする
Qを大きくすると、共振曲線が急峻になりますから、減衰傾度が大きくなります。

・同調回路・フィルタを多段に接続する
多段接続では、帯域内の信号は低い減衰に留め、帯域外の減衰のみをどんどん増加させることができるためです。

 クリスタルフィルタなどでシェープファクタが1に近い物は、中のQが非常に大きいものを多段接続したりしています。あまり多段に接続すると、減衰が増えるので、効果とのトレードオフになります。


出典: 受信機の性能のうち、感度と選択度の定義とそれらの性能の向上方法





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最終更新日  2015.08.09 20:03:44
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