以前、米国では嚥下能力がないと判断された高齢の認知症患者に対して胃瘻造設をしていました。誤嚥性肺炎を防ぎ、延命につながると考えられていたためです。しかし、2000年にハーバード大医学部Muriel Gillick教授(老年科医)が「認知症が進行して口から食べられなくなった高齢者は、口渇や空腹から不快を感じることはなく、胃瘻から栄養補給や水分補給を行っても食べ物が胃から逆流するタイプの肺炎を予防できないため延命にはつながらない」「摂取できる量や質に関わらず経口摂取を優先すべきである」と報告してからは (Rethinking the role of tube feeding in patients with advanced dementia. N. Engl. J. Med. 2000; 342: 206–210.)、胃瘻造設はほとんど行わなくなっています。