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2006年06月13日
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2日で「エマ」全巻をそろえました。

給料日の直前に!

いろいろな意味で、予想とちがう作品でした。

同じ森薫さんの作品「 シャーリー 」のような、ほのぼの路線だと思ったら・・・展開がトリプルアクセルのごとくグルグルグル。

(以下、ネタばれあり注意)


19世紀イギリスを舞台に、ウィリアムとエマの身分違いの恋を描いているのですが・・・

インドの王族は出てくるわ、エマは新大陸へ連れ去られるわ、階級差別は出るわ、社交界の光と影は描かれるわ、貴族と商人の対立は根が深いわ、ターシャはドジっ娘だわ、文化庁メディア芸術祭優秀賞を受賞するわ、エレノアは失恋するわ、よく10巻以内でおさまったものです。

もうひとつの衝撃は、失礼かもしれませんが、作者の森薫さんが 女性 だったこと。



無口で美人で照れやで品があるんですよ。

そんでもって一途。

こんな私の・・・もとい、男の趣味そのままのキャラを描く方がそうだとは、スピリチュアル・カウンセラーだって見ぬけませんよ。

それにコミック1巻61ページから66ページの、インドの男性を見てください。

上半身裸なんですが、リアルです。

女性マンガ家の描く男の上半身は、とくに胸板は文字通り板のようで、筋肉の弾力を感じないこと多し。

ファッション用のデザイン画に近い。

森薫さんの絵は違う。

写実画です。

よけい男性だと信じてしまったのです。

失礼しました。



ラストは、二人いっしょに新たな道を歩み始めたリトル・ハッピー・スタート(?)でした。

ウィリアムとエマの二人には、これからも、階級の違いや、ジョーンズ家にエマが溶け込めるかや、偏見や社交界のいじわるなど、次々に困難がふりかかるでしょう。

すべての問題が解決したハッピーエンドではなかったことに、最初はむずむず違和感がありました。

何度が読み返して、今はこれでいいのだ!と悟りましたが。

ウィリアムとエマの恋路。



階級の違う者同士の自由な恋愛をゆるさない、社会の構造そのもの。

その壁は厚く高い。

個人の力では壊すことも越えることも、そうそうできない。

それが、二人の愛の力とやらで、きれいさっぱり解決したのでは、ご都合主義そのもの。

築き上げたリアリティのバランスが土砂崩れ。

二人が、壁の強大さに悲壮感にくれていたことも、幽霊の正体見たり枯れ尾花に、おじけづいていただけになる。

だから、あのラストで、すべてに片がついていないけど、二人がスタートラインに立つことができた最後でよかったと思うのです。

ただ、エレノアはちょいとかわいそうだった。

これ以上ないくらいの失恋をしたのですが、彼女が悪いわけではないもの。

しいて言うなら、運が悪かったと言うべきか。

エマより先にウィリアムに出会い、かつ、父親のキャンベル子爵が、「王様の仕立て屋」のウォーレン卿程度に話のわかる人物なら、すべてはスムースに進んだでしょうから。

今後エマの番外編が描かれるそうですが、ぜひエレノアの焦点をあててほしい。

「チャングムの誓い」のクミョンは、恋にやぶれてダークサイドへ落ちました。

が、同じような境遇ながらエレノアにはジェダイの魂が残っています(※1)。

彼女の元気な顔を見たいと願うのでした。


(この日記がおもしろいと思ったら、えいやとクリックを)

※1 クミョンとエレノア
 上流階級の出(チェ一族とキャンベル家)であること、意中の男性にふられてしまうこと、
 濃いの・・・もとい恋のライバルの身分が低いことなど、いろいろ共通点があります。
 本人はいい子なのに、一族が一筋縄ではいかないところも。

エマ全巻~さあ、あなたも大人買い
エマ(1) エマ(2)

エマ(3) エマ(4)

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最終更新日  2006年06月13日 22時48分39秒
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