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子供の頃に観た映画「皇帝円舞曲」をNHKの衛星放送で60年振りに観ました。子供心に他愛のないお話だなあと思った記憶がありますが、今観てもその感想は変わりませんでした。名匠ビリー・ワイルダーの監督作品ということで期待していたのですが、流石の彼もビング・クロスビーお目当てのミュージカルでは腕の振るいようがなかったのかも知れません。
お話は、20世紀の初め、皇帝フランツ・ヨゼフに蓄音機を売りつけようと、フォックス・テリヤの愛犬バトンズを連れてオーストリアにやって来たアメリカ人の蓄音機セールスマン、ヴァージル・スミス( ビング・クロスビー )。この愛犬バトンズと、伯爵令嬢ジョアンナ( ジョーン・フォンテーン )の愛犬である血統正しい牝のフレンチ・プードル、シェヘラザードが恋仲になり、飼い主の人間同士も愛し合うようになりますが、身分違いの二人故、皇帝から結婚の許可が下りません。そこからすったもんだのドタバタになるものの、最後は勿論めでたしめでたしです。
強いて褒める所を探せば、全編を流れるビング・クロスビーの甘い歌声、特にタンゴの名曲「奥様お手をどうぞ」には聞きほれました。それと、チロルの美しい風景、そして、ジョーン・フォンテーンの美しさでしょうか。「レベッカ」、「断崖」、「ジェーン・エア」の彼女は、何れもモノクロであった所為か、それ程綺麗という印象はありませんでしたが、それがカラーで見違えるような美貌。美人女優に弱い偏屈を満足させてくれました。