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今でも未だあるのかどうかは知りませんが、愚生が小学生だった敗戦直後には、学校の課外授業としての映画鑑賞というものがありました。学年全部で映画館の早朝興行へ行くのです。
観に行ったのが1本だけということはなかった筈ですが、残念乍ら、その中で覚えているのは、「わが谷は緑なりき」だけです。その頃の自由ケ丘には、南風座とロマンス座という2館があり、確か南風座でこれを観ました。
前から気になっていた、この「わが谷は緑なりき」と500円DVDで何と69年振り(!)に再会。ジョン・フォード監督が1941年のアカデミー作品賞、監督賞を取っただけのことはあって、良かったですなあ。
この映画の素晴らしさについては、もう十分に語り尽くされていて、映画素人の愚生に付け加えるべきものはありませんが、
ネイティヴ・アメリカンを殺す場面のある、彼の西部劇(騎兵隊もの)とは違って、ウェールズの炭鉱夫一家の生活、家族の絆、喜びと悲しみを主人公の少年の目を通して、正義感溢れるヒューマンなタッチで描いていました。
北海道の炭鉱で働いた経験のある愚生には、本当に他人事とは思えない感覚が胸に迫ってきました。
少年が主人公ということと作品の評価が当時から高かったことから、先生方もこの映画を選んだのでしょうが、小学生には一寸難しかったと思います。
モノクロームですが、本当に美しい画面です。
炭鉱夫の父親役のドナルド・クリスプ(この映画でアカデミー助演男優賞を取った)と主人公の少年役のロディ・マクドウォールのコンビは、
2年後の「名犬ラッシー 家路」でも失業した父親と息子の役で共演しています。
「わが谷は緑なりき」---「How Green Was My Valley」
それにしても、最近の横文字その侭の意味不明な題名と違って、昔は、映画の題名を見事に訳していたものですね。
嘗ては美しかった故郷への万感の想いが過不足なく和訳されています。
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