2005年11月03日
XML
カテゴリ: どくしょ。



野間文芸新人賞?だかなんだか、何かの賞をとったやつらしい。

角田さんの描く主人公たちは、本当によく「怒る」。
ご本人も喜怒哀楽の中では基本は「怒」だという。おおらかそうな外見からは想像もできない答えだ。
私は基本はおそらく「楽」であり、「怒」はほとんど感じないもしくは極力感じないように努めているため、角田さんの描く、主人公たちの素直な反応には、毎回毎回驚かされてしまう。


フリーター文学とか、アパート文学とか言われている頃の角田さんの作品を、最近、好んでたくさん読んでいる気がする。
それは、今の自分のこころのどこかを映している気がしてしまうからだろう。
中途半端で、宙ぶらりんな、自分の姿を。


最近の私は、毎日がなんとなく過ぎていくようで、とても怖い。

大切なものは本当にたくさんあるのに、理由のわからない焦りから、気付けないでいるばかりだ。

「怒」をきちんとできない臆病者の私は、いつしかその気持ちを「哀」に変えて、溜め込んで、辛さから目をそむけて「無」にしてしまう。
それは、良くないことだ。
そんなことをしていると、感じられるはずの良いものも、感じられなくなってしまう。


「まどろむ~」に出てくる人物たちは、体当たりをするひとばかりだ。
体当たりしない、安心な生活をしていた主人公も、いつの間にか、上京してきた弟やその変な友達たちの体当たりに動かされて、体当たりの、素直であけっぴろげな世界に足を踏み入れ始めてしまう。
それがいいことなのか、悪いことなのか、臆病になっている私には、わからない。

でも。

素直になることで、大切にできることってたくさんあるんだな、と、なんとなく思った。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2005年11月04日 18時03分39秒 コメント(2) | コメントを書く
[どくしょ。] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

cocoronochie

cocoronochie

コメント新着

乗らない騎手@ ちょっとは木馬隠せw あのー、三 角 木 馬が家にあるってどん…
kdesu@ お気に入り いつも見ているHPです。 勉強になります…
ゆう@ とうとう出ちゃったね うわさは本当だったよ。 http://himitsu.…
cocoronochie @ Re[1]:「バナタイム」よしもとばなな(02/23) ・・茉莉花・・さん 書き込みありがとう…
cocoronochie @ Re:初めて訪れました。(02/23) エミイさん 書き込みありがとうございま…

フリーページ


© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: