日々雑感
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人間は本来自己本位なものである。人間の行為には、少なからず自己本位な意思が存在する。それを人のため、誰かのためと言うのにはあまりにも偽善である。キレイゴト。所詮人間は弱いものだ。しかしそうして厭世的になってしまってもはじまらない。何もかも否定的に見てしまっては、何も生まれない。いいことばかりあるはずがない。それでも太陽は輝いている。生きているっていいことだ、そう思えるほうがしあわせだ。それからどうするのか、それを考えている。「人間は、熱誠を以って当たって然るべき程に、高尚な、真摯な、純粋な、動機や行為を常住に有するものではない。それよりも、ずっと下等なものである。その下等な動機や行為を、熱誠に取り扱うのは、無分別なる幼稚な頭脳の所有者か、然らざれば、熱誠をてらって、己を高くする山師に過ぎない。だから彼の冷淡は、人間としての進歩とは云えまいが、よりよく人間を解剖した結果に外ならなかった。彼は普通自分の動機や行為を、よく吟味して見て、そのあまりに狡猾くって、不真面目で、大抵は虚偽を含んでいるのを知っているから、遂に熱誠な勢力を以ってそれを遂行する気にはなれなかったのである。と、彼は断然信じていた。」夏目漱石「それから」より漱石の文体は好みである。
2007.02.12
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