セミリアイア「晩年」日記

セミリアイア「晩年」日記

PR

×

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

q蔵

q蔵

カレンダー

お気に入りブログ

まだ登録されていません

コメント新着

コメントに書き込みはありません。

フリーページ

2019.11.01
XML
カテゴリ: 評論
さて、次年度から実施される「大学入試共通テスト」だが、基本的な骨格は、現在の「大学入試センター試験」と変わらない。世間は、変わったことだけを強調し、それが全体であるかのように騒ぎ立てるのが通例だが、そこは違うのだ。

基本的にはマーク式の選択問題が主となり、それに若干の記述問題がプラスされる。その記述問題は、マーク式部分に完全に組み込まれるのではない。例えば、国語はマーク式200点に関しては、従来と同じ評論・小説・古文・漢文に各50点となっている。記述問題は、それと別枠で3題。こちらは、A~Eの5段階で採点される。それで、3問がA-A-Aなら満点、A-A-Bなら8割、などとなる。

そして、ここからが肝心なのだが、この記述式問題に関しては、各大学がどう入試判定に使うかは、完全に自由なのだ。ある大学では「参考程度」という極めて曖昧な表現で、結局何も決めていないし、ある大学では点数化した上で、マーク式と合わせて得点率を決める。得点率75%なら、200点満点で150点ということになる。

さらにそれ以前に、センター試験と同じく、国語なら国語の共通テストの点数をどういう比率で合否判定に使うかは、やはり各大学・学部に決定権があり、二次試験の配点が大きいレベルの高い大学では、国語の全体の比率が、二次の数学の大問1題分より低いこともある。東大が特にそうで、京大などの旧帝大では、二次配点の方が大きい。

英語の外部試験に関していえば、そもそも参考程度であれ、合否判定に使用する大学は全体のせいぜい半分。使っても、例えば「出願資格」としていわば足切りの材料にしたり、「参考程度」であったりして、その比率は軽い。英語自体は、受験のキー科目であり、文系でも理系でもほとんどの二次試験科目となっているが、その中の「共通テスト」部分の比率は低く、「外部試験」得点となるとさらに低い。「外部試験」と大騒ぎしているマスコミは多分誰もこのことを知らないか、知っていても無視している。

こう書いてくると、この制度の複雑さは一体何なのだ?と思うだろうが、それが当然だ。このわけのわからなさは、突飛な連想のようだが、年金制度に似ている。共通テストも年金も制度が複雑すぎて、ほとんど誰も理解できないのだが、とりあえず、自分に関わるところだけはしっかりと把握した上で、申請しないと支給されない、あるいは受験できない。

そんな非生産的なことはやめよう、ということで、年金の方は、共済年金と厚生年金が一元化し、結局支給率は下がった。

文科省は、シンプルな大学受験を共通一次試験時代から非常に複雑化する一方で、しかも受験生のレベルを下げている。これも一般には知られていないことだが、大学受験生の全体のレベルは信じられないくらい、各大学で下がっている。大事なのは「各大学」でというところだ。レベルの高い大学でも下がっているのである。理系では大学院進学が当たり前になっているが、以前の学部教育の水準が大学院の修士課程でようやくできるレベルになってしまっていると聞いたことがある。

「受験地獄」という言葉は、いまや死語となっている。そうなると、たいした難しくもない大学で、参考程度にしか使用しない、英語外部試験の受験機会がどうこう・・・という議論全体が「バカみたい」に見えてくるだろう。



その世代は自分のように共通一次すらない時代に大学受験を経験した高齢者層であり、孫の小学校入学式くらいには喜々として参加するのかもしれないが、大学入試までは生きていないか、生きていてもちゃんと理解する能力はなくなっている。

つまり、この話題は「地方で、予備校もなく、それでも一生懸命がんばっている受験生が、外部試験導入という暴力的な制度改革によって、大変な経済的負担を強いられ、受験機会さえ奪われてしまう」というテレビ視聴者の大好物である「お涙ちょうだい」的ストーリーにコメンテーターと称する正義の味方が憤慨してみせる、という「定型」には当てはまらないことが分かった時点で、それを消費しなくなるということなのだ。

また、英語の外部テスト導入の本質を書くのを忘れていた。次回に。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2019.11.01 05:26:16


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: