セミリアイア「晩年」日記

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2020.03.12
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カテゴリ: 評論
WHOは新型コロナウィルスをパンデミック(世界的大流行)と初めて宣言した。前日の「パンデミックが現実味を帯びてきた」という言い方から、一歩踏み込んだ形である。

それを受けてNY株は一時1600ドルの下落。当然、きょうの日本株も大幅下落となるだろう。

このウィルスについて、マスコミが垂れ流してきた情報は、当初は「人から人への感染は確認されていない」であり、最近は「クラスターが確認されているから、ここが正念場だ」であり、昨日は「経済的影響をどう最小限にするか」である。その間、一貫して「日本は感染者、死者ともに抑制されている」という情報もあった。一方で「PCR検査が必要な人に行われていない」と言い、他方で「軽症者はとにかく自宅で安静に」と言う。

こういう一連の動きを見て、思い出すのは福島の原子力事故である。当初は「メルトダウンは起こっていない」であり、「放射線量は自然界にある量以上ではない」であり、しばらくたってからは「完全にコントロールされている」だった。

受け止めきれない事態が起こった時の心理の第一段階は「否定」である。そして次は「怒り」だ。すでに、クルーズ船への対応批判や、一方的な学校閉鎖に対する批判は生じている。3・11の時も、首相が冷静さを失って周囲を怒鳴りつけている姿が後から暴露され、国民は怒り、民主党政権は一気に信頼を失った。

問題は日本全体が、一つの方向に大衆心理が押し流されていくことだ。マスコミがそれに一役買っている。マスコミは、基本的に真実ではなく、大衆が真実と思いたいことを垂れ流す。丹念に取材すれば、あることを示す事実とあることを示さない事実が、つまり矛盾した二つの事実が見つかるはずだ。そのうち故意に大衆の意に沿わないことを切り捨てて報道するのがマスコミだ。

マスコミは不安を煽り、その不安を否定し、不安を作り出した犯人を暴き、怒りへと扇動する。そして一番たちが悪いのは、大衆が飽きたらもう報道しないことだ。

3・11をめぐる事実を検証する報道は、もうほとんどなされていない。報道のテーマは「復興」である。「災害住宅はでき、高台移転もできたが、地域コミュニティは依然として元の形を取り戻せていない」とNHKは報じていたが、一体日本の過疎に悩む地方のどこが「地域コミュニティ」を「復興」できているのか。それは被災地特有の問題ではないことも、同時に伝えなければ地域のコミュニティは復興しない。なぜなら、被災者の心に寄り添うというエモーショナルな手段では、社会システムの変容は解決しようがないからだ。

おそらく、新型コロナの問題はやがて大不況という経済問題へと移行し、初動の対応の可否などは誰も問題にしなくなる日が遠からずやってくる。






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最終更新日  2020.03.12 05:56:09


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