セミリアイア「晩年」日記

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2020.06.07
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カテゴリ: 評論
世間では「テレワーク(在宅勤務)」という言葉をよく聞く。今まで出社してやっていた仕事を自宅で、ということだが、昨日の8時からの、コロナ後の「働き方」をテーマにしたNHKの番組では、テレワークで能率が上がったという人は少数派だった。

初めての経験で、そもそも家庭が仕事場所という想定で作られていないことを割り引いても、能率が上がった回答は20%くらいで意外に少ない割合だった。65%は下がったという。

しかし、大企業を中心に、テレワークは今後、かなり普及していくだろうと思う。企画書などは在宅で作成できるし、会社に送信すればそれでOKだ。おそらく、電子サインがさらに普及し稟議書の印鑑などは不要になる。数人で組んでする仕事だとしても、オンライン会議でほとんどは事足りる。ただし、重要な決定になればなるほど、実際に顔を合わせての喧々諤々の議論が必要で、経営意思の決定などは、テレワークとはいかないだろう。

つまり幹部社員は、会社で長時間の会議、平社員はテレワークという奇妙な光景が現れ始める。

労働時間については裁量労働制が多くなるだろう。テレワークで、勤怠管理を行うのは不可能に近く、結局は、先の企画書のような労働の成果物で勤務を認定するほかないからだ。そうすると、個人の能力差が仕事に反映される。高い能力があれば、短時間で成果物は作れるが、能力が低ければ、それこそ一日中かかっても仕上がらず、徹夜で、ということにもなりかねない。

最近よく使われる「エッセンシャル・ワーク」とは、社会を根底から支える農業、モノづくり、保育、教育、医療、介護などの分野を指す言葉だが、共通の特徴はテレワークは不可能ということだ。

今、起こっているのは、例えば休業しているホテル従業員が、技能実習の外国人労働者の穴を埋める形で農業に従事するなどという一種の労働移動だが、この稿で論じたように、今は臨時的に起こっている労働移動が、コロナ後は常態化すると思う。

問題は、このような「現場仕事」はおしなべて低賃金であることだ。おそらく、保育、介護の賃金は、コロナ以前からの重要政策だったから上がっていくだろう。農業や工場労働、運輸などは最低賃金付近に留まる。いずれにしても、公務員や大企業社員に比べると低い水準であり、裁量労働制にはならない。

息子は今、大学教員だが裁量労働制である。帰宅は大体9時くらいのようだ。その代り、朝はゆっくりできて、スーパーで買い物をしてから出勤などということもあるという。「研究」は時間がかかるし、いくらやってもこれでおしまいということもない。裁量労働制が合っている。嫁さんは今どき珍しい専業主婦だが、いずれ仕事に出るだろう。



自分は、週20時間ということだが、労働時間管理はまったくないので、週に3日、どうしてもしなければいけない授業7時間と特講3時間以外は、拘束されない。時給換算すれば、結構高い。だが、半裁量労働みたいなもので、昨日も昼に課題採点を自宅でしていた。そもそもセミリタイアの給与だから、年金の方がちょっと高いくらいの安月給である。しかし、自分としては、これが今のベストの働き方だと思っている。ワークライフバランスでいえば、ワーク2、ライフ8くらいだ。

コロナ後の日本社会は、働き方が多様になり、能力の高い者は働き方自体を選ぶことができるようになる。収入とそれを得る時間を考えて、テレワーク中心の余暇時間の多い働き方を選ぶ人が増えてくるのではないか。それでも平均以上の収入は得られるから、旅行や趣味の時間もたっぷり使うことができる。

一方で、時間単位で労働力を切り売りしなければならない労働者も依然としてなくならない。ただし、保育、介護などはシフト制で働くが、他の仕事よりも極端に低いということはなくなる。

総じて、仕事は賃金よりも、それ自体のやりがいで選ぶ時代が来るだろう。もちろん、やりがいのある仕事を選ぶためにはそれなりの努力と能力が必要だということは、これまでと何も変わらない。





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最終更新日  2020.06.07 06:28:21


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