セミリアイア「晩年」日記

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2020.09.21
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カテゴリ: 評論
コロナ禍の中、日本人の「同調圧力」の強さが、改めて浮き彫りになった。

昨日の地方ニュースで、地震被災地で畑をおこす農家の青年が出ていた。誰もいない被災地の土地を、懸命に耕している。瓦礫が土の中から掘り起こされ、捨てられる。異様だったのは、彼がマスクをして作業していたことだった。誰も周囲にいないところで働くのに、なぜマスクが必要なのか。感染対策としても無意味である。

彼の心理を推測すると、「テレビに出るのだからマスクを着用していないと、何だあれは!という非難がSNSで始まるだろう。それだけでなく、自分のやっている被災地の復興自体がバカじゃないか、と非難され、それを擁護する人たちとの言い合いになり、「炎上」してしまうかもしれない。マスクをつけていれば、そういう事態は免れることはできる」というようなことなのではなかったかと思う。

もちろんコロナに対して「同調圧力」は、プラスに働いたことも否定できない。マスク、手洗い、うがいなどの感染対策をとっている日本人はおそらく90%を超すのではないか。自分は、マスクは店内に入る前につけるだけだが、消毒スプレーは店に入る時と出る時に必ずするし、夫婦で散歩する時は、人の姿が見えればつけている。これだけのことを、ほとんどの人がしている国は日本しかないのではないかと思う。ただ、それは自分が感染者になった時に受ける「非難」を回避するという理由から、そうしているだけである。ともあれ、日本で死者数が他国に比べて非常に少ないのは、ひとえにその効果だとも言えよう。

一方、「同調圧力」は同時に、同調しないものに対する白眼視という感情を生む。「自粛警察」がその典型だ。白眼視だけならいいが、具体的な攻撃もある。他県ナンバーの車に「来るな!」、営業している店のシャッターに「何、考えてるんだこの時期に」と書いた紙を貼る。あるいは近所で誰それの子どもが帰省しているということを眉をひそめて誰彼となく話して回る。だからこそ、「同調圧力」はいっそうその効果を強める。

考えてみれば、日本人は常に「世間並」であることを、最低限の価値としてきたのではないか。「同調圧力」は高度経済成長期に生まれた「一億総中流」という幻想に由来するというのが、自分の仮説である。

*この記事は、こちらのページに来られなかったため、一時的に作成した「アーチャーq蔵 part2」9月5日のものです。





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最終更新日  2020.09.21 05:01:52


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