セミリアイア「晩年」日記

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2020.10.10
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カテゴリ: 時評
日本学術会議の会員推薦者6名を、総理大臣が任命拒否したという問題。この6名は、政府の重要法案に、ここ数年、反対の立場を明確にしてきた人たちだ。

一連の流れを見ると、政府は83年の「会議の推薦を形式的に承認し、任命するだけで、拒否することはない」という国会答弁と、「総理大臣は俯瞰的、総合的に考え、今回任命を拒否したのだ」という首相の記者に対する回答を、「解釈変更」には当たらないと強弁しているが、何をどう考えてもこれは紛れもない「変更」である。

これが「変更」でないとするのは、頭が悪すぎる生徒の答案のように、字数を埋めてはいるが、訊いたことに何も答えていない。

また、今回任命を拒否した理由にはまったく答えていない。解釈を変更しようがしまいが、拒否の理由は明らかにすべきだ。

ついでに言っておきたいのだが、NHKはニュース見出しで「ふかん的」とかな書きしている。こんなバカな表記をするから、日本語はどんどん貧しくなっていくのだ。仮名で書くなら「ふかん的」でも「こかん的」でも「ちかん的」でも音の違いでしかない。首相の強弁のおかしさを、かな書きで誤魔化しているのかと邪推したくなるほどひどい。

そして、ここ数日、「日本学術会議」の在り方自体を問題化するという、強引な「すり替え」が行なわれている。この会議体に国家予算は10億投じられ、会員には4500万の報酬が支払われているという。会員の身分は特別国家公務員である。4500万というと、一人当たり100万弱。しかも、会議の日当は20000円。(自分の感想は「安いなぁ」である。4年前まで学校法人の理事だったが、理事会日当は30000円だった。それでも安すぎる、と思っていた。現在の学問の水準で評価が高い人がここに推薦されるのだから、その人の時間を数時間拘束する値段としては、不当に安い。)

しかし、そうであれば、なおのこと拒否の理由は明らかにされるべきだ。公務員の任免は国民の権利だと言うなら、当の国民がその理由を知らないというのはおかしなことである。ここでも政府の回答は自家撞着に陥っている。

それで、今度はこの会議が10年以上法に基づく政府への「勧告」を出していないことを理由に、この会議体自体を縮小、抹消する方向の発言がなされている。こうなるともう完全な問題の「すり替え」である。

先の例で言えば、試験で酷い答案を書いて落第した学生が、そもそも試験の意義とは何かと大上段に振りかぶり、試験制度自体を問題化することで、自分の無能力を正当化しているのと同じである。



前首相もそうだった。まあ、前政権の「継承者」を自認する現首相なのだから、そうなるのも当然だろう。

科学誌「NATURE」がこの問題を政治の学問への不当な介入として、社説で取り上げたという。そういう「外圧」に情けないほど弱い日本の政治なのだが、ここはそれに屈してほしい。





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最終更新日  2020.10.10 05:41:16
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