セミリアイア「晩年」日記

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2021.01.26
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カテゴリ: 読書日記


「断片」というのは、仕事柄、入試問題として読むのだが、大抵は全文というわけではない。

三秋縋という人の『三日間の幸福』。作者については何も知らない。読んだエピソードは。

「俺」が小学生のころ、若い美人の担任が「道徳」の授業で、人の命の値段っていくらか、という問いかけをする。だいたい2億から3億がサラリーマンの生涯賃金だから、そのくらいかなというお利口さんもいるし、人の命はお金になんか替えられないと強く主張する陰気な女の子もいる。「俺」は「確かにお前の命なら値段なんかつかないよ」とシニカルに考えるクラスのつまはじきものだ。

女性教師は、それなら得体の知れない何かがあなたの命の残り半分を買うと申し出たとしたら、いくらで売るかと、さらに問いかける。

「俺」は十年後、実際に命を売ってその対価を得ることになる。

まあ、だいたいそんな内容なのだが、この歳になるとその後が知りたくなるような小説ではない。例えば、今、100%加害者の過失で自分が車にはねられ死んだとしたら、相手の対人無制限の保険からいくら入るか。おそらく「平均寿命まで生きるとして入る年金総額+今の勤務を70歳まで続けるときの賃金総額ー妻の遺族年金総額」という計算式を基本に、一定の金額が計算されるだろう。

しかし、そういう意味での自分の命の値段など興味はない。できるだけ事故などには遭遇せず、病気にもかからず、認知症にもならず、今の生活を続けたいとは願っている。そのためにコスト(お金)はもちろんかかるのだが、それが「命の値段」とも思わない。そのコストはだいたい大丈夫だという計算もある。

そんな馬鹿げたことを考える暇があったら、あと10年、20年、どう生きるかを改めて考えてみる方が余程いいではないか。
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最終更新日  2021.01.26 06:35:02


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