セミリアイア「晩年」日記

セミリアイア「晩年」日記

PR

×

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

q蔵

q蔵

カレンダー

お気に入りブログ

まだ登録されていません

コメント新着

コメントに書き込みはありません。

フリーページ

2021.06.20
XML
カテゴリ: 時評
​結局、オリンピックはなし崩し的にやることになると書いたのは、5月25日の投稿だった。



無観客どころか、緊急事態宣言解除でイベント上限数を1万人と倍増させた上に、オリンピックの観客数もそれに準じるという方向である。しかも開会式は関係者を含め2万人。総理大臣のオリンピックへの執念は普通ではない。

開催について、分科会有志は反対するはずだったが、上手く丸め込められ(まあ、御用学者なのだから、結局はそうなるとは思っていたが)、「無観客」を恐る恐る主張している。「無観客」でなければいけないとは言わず、「望ましい」と言っているだけだ。それでも20数名の「専門家」の危惧を、結果としてはまったく無視して、政権はオリンピックに突き進む。

小規模な反対デモはあるようだが、マスメディアは黙殺している。新聞社も系列テレビ局も、実はオリンピック協賛企業なのだから、表だって反対は主張できない。それどころか、出場予定のアスリートの「お涙ちょうだい」のエピソードを垂れ流し始めている。

「始まってしまえば、バカな国民は全部忘れてオリンピックに夢中になる。そうなってしまえば、感染の第5波が来ても、オリンピックとの因果関係は証明されていないといって突っぱねればいい」というくらいのことは考えているだろう。現政権はなかなか腹黒いし、それを糊塗しようとすらしない。

今までも、政権は「開催の決定権はIOCにある」という契約の文言を盾に、自らの責任を認めようとはしなかった。こんな馬鹿げた理屈はない。現代世界には国際連合などの国家を越えるグローバルな組織はいくらでもあるが、国家主権を越えるグローバルな主権など存在しない、というのは政治学の常識だ。現に、国連が制裁を決議しようが、それは内政干渉だと突っぱねる国は、いくつもある。まして「世界的パンデミックという状況を鑑み、開催を断念する」と日本が世界に発表したとして、それを誰が咎めるとというのか。もし、IOCが咎めれば、たちまちIOCは世界のならず者組織と指弾され、オリンピックというイベントはもうできなくなるだろう。

G7各国の支持を得たと総理は胸を張ったが、開催しないという決断であっても、いや、その方が本気で各国は支持しただろう。御用学者でさえ言ったように、こんな時に開催するのは「狂気の沙汰」だと、オリンピックの中継で大きな利益を得るテレビ局を抱えるアメリカ以外は、みんな思っているからだ。各国は仕方がないから参加するのである。そして、自国での水際対策により、日本由来のウィルスを持ち込まないように、きちんと対策を立てるだろう。日本の「バブル方式」などというバカげたやり方は、それこそ泡沫のような頼りないものとみんな知っているからだ。

おそらく、このオリンピックは「日本」というかつての経済大国が衰退していく歴史的な起点として記述されることになる。

とはいえ、庶民の一人としては、自分もテレビで結構見るだろうし、それなりに楽しむことにもなる。さすがに、会場観戦はしないが、その隙を縫うように、小旅行にも出かける予定だ。それは自己矛盾だろうという批判は当たらない。自分がコロナについてどう考えてきたかは、このカテゴリーの駄文をみてもらえば分かるだろう。

よく「人の命とオリンピックとどちらが大事なのか」などという愚かな反対論を唱えるのがいるが、それを言うなら「現代交通システムと人の命はどちらが大事なのか」という反対も成り立つ。毎年数千の交通事故死者は、現代交通システムの必然であり、それをゼロにはできないのだ。要は、何をどうしようが人はやがて死ぬのであり、それは人の存在にとっての本質であることは、すでにパスカルが言ったことだ。

「私は自分の死を知るが、全宇宙はそれを知らない」

「死」をリスクと捉えることに反対はしないし、そのリスクをできる限り少なくしようという点で言えば、合理的なことなら、自分もそうしている。しかし、リスクはゼロどころか、この歳になればそこら中に転がっているのだ。その中で、オリンピックであれ、なんであれ、コロナで一人も死なせてはならないと本気で思うのは、「健康のためなら死んでもいい」と考えるくらい愚かなことである。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2021.06.20 06:02:05
[時評] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: