セミリアイア「晩年」日記

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2022.06.07
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カテゴリ: 時評


3日前ほどの新聞で、「少子化止まらず、出生数81万人」という記事があった。第2次ベビーブームのころ、ミリオン入試などと受験産業は騒ぎ立て、競争過熱を煽ったが、今や、出生数すら100万人を割り込んで久しい。第2次ベビーブーマーは、非婚、晩婚、離婚ともに記録を塗り替え、当然生涯出生率は大きく低下し、第3次ベビーブームは到来しなかった。

その理由は二つある。一つは、どこでも言われていることだが、子育ての「コスト」が意識され、しかもそれが急激に上昇したことだ。適当なサイトを見ると、一人の子どもの養育費、教育費は3,500万~5,000万。自宅外、私立大学の場合、最大になる。生涯賃金が大卒で2億~3億というところだが、それは大企業、公務員などの場合であり、地方都市では1億5千万~2億くらいではないか。そこに5,000万の負担はきついし、まして二人1億となると無理という結論はすぐ出てくる。

もう一つは、あまり言われていないことだが、子育ての「リスク」である。例えば、夫婦二人で正規就業をしていれば、二人の子どもを持つのは、「コスト」としては何とかまかなえる。しかし、例えば「待機児童」問題。子どもの保育施設が見つからなければ、母親が正規から非正規に仕事を変えなければならないこともあるだろう。現に、大都市圏ではせめて新生児ゼロ歳の間は育休で育て、1歳から保育園にという人間としてまっとうな願いを持っても、保育施設はゼロ歳で入れないと見つからないということが常態化している。「待機児童ゼロ」を謳う自治体でも実態はそうなのだ。娘の子どもは二人ともゼロ歳からの保育だ。

リスクはそれだけではない。子どもが成長し、学校でいじめに遭い不登校になってしまうリスク。成人してから引きこもり状態に陥り、いつまでも生活の面倒をみなければならず、退職後の親の年金にぶらさがるリスク。あるいは、離婚してシングルマザーとして子育てをしなければならなくなるリスク。数え上げてみても、ざっとこのくらいのリスクにさらされる。

そんなことになるくらいなら、子育てをしない選択もあるのではないか、と若い人たちが考えるのは無理もないだろう。

しかし、「子育て」という動物としての「種の保存」本能に根ざす行動を「コスト」や「リスク」として捉える現代社会は、やはりどこかおかしいのであり、先進国は日本だけでなく確実に衰退期に入ってきているのだとは言えるだろう。





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最終更新日  2022.06.07 06:28:27
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