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「景気と消費のアップダウン」内閣府発表の7~9月のGDP速報値は名目で前期比0.5%増、年率0.9%増で、個人消費は夏の賞与と定額減税効果もあり、前期比0.9%増と連続プラスになった。8月のコメの売上は前年比2.4倍、パックご飯は約3倍に伸びて消費を押し上げ、価格帯の高い車やスマートホンの販売も好調だったことが挙げられる。(日経)又、同発表の10月街角景気は判断指数DIは9月比0.3%減の47.5で、8か月連続で好不況の分かれ目である50を下回った。住宅ローン金利の上昇で大きく下がった他、家計関連は0.6ポイント低い46.4、小売り関連は1.9ポイント低い44.0となった。2~3カ月後の先行き指数は1.4ポイント低い48.3、小売り関連は46.5に留まった。今後、消費は生活に必要な日用品とその他の消費には差が大きくなってくる。「物価と食料品」物価高はコメをトップに鶏肉やイワシ・サンマなどの魚介品の値上がりもあり、消費支出に占める食費の割合(エンゲル係数)は急伸しており、22年の26%から24年7~9月は28.7%まで上昇した。欧米先進国中で最も高く、物価は肌感覚では数年前の2倍に感じる商品もある。物価上昇の中で消費を保っているのは、女性の進出による共働き世帯の増加で、その結果、割高でも総菜などの中食の割合が増えており、23年は15.8%に上昇した。消費はこの先を考えると高齢化という大きな問題を抱えており、団塊ジュニア世代が75歳以上になる2040年には1人世帯が27.4%、2050年には28.9%となり、東京では35%を超えると予測される。又、75歳以上の世帯数は2050年に全世帯の28.3%となり、地方ほど比率は高くなる。この人口動態を捉えて、小売店はサイズ・容量の少量化、少量で高単価でも美味しい商品、少量でもいろいろ食べられる組み合わせ商品などを重視していく必要性は高い。「消費の二極・多様化に対応する小売店」24年半期・4~9月の決算発表が続く中で、三越伊勢丹HDは純利益が前年同期比71%増の253億円で13年ぶりの最高益だった。時計や宝飾品などの高額品、高単価な衣料品、インバウンド向けが好調に売れた。一方、DSのドンキホーテを運営するパンパシフィックインターナショナルHDの7~9月の連結決算は前年同期比25%増の410億円だった。同社ではインバウンド消費とディスカウント事業で業績を上げている。外食では大衆を客層にするすかいらーくHDの1~9月の連結決算は前年同期比2.3倍の104億円でメニューの見直しや効率化運営が業績を上げた。主力FRのガストは4月に6割の商品で値上げしたが、客単価増の好結果につながった。各企業の客層は異なる中で、消費者は自分に合った業種業態で賢く消費をしている。ただし同業態で客層を同じくする小売店では競争が激しくなっている。「自店の特徴を売り出す」西日本でGMSを運営するイズミは部署横断の食品のPBを立ち上げる。現在は惣菜の「ZEHI」やセブン&アイの「セブンプレミアム」を扱っているが、「物価高で消費者の節約志向が強まる中で商品戦略を見直している。イズミは今年に入り、西友の九州事業や大分県の食品スーパーを買収し体制強化を図る。九州地盤のトライアルHDは対抗策として専用アプリを組み合わせた「顔パス」を始め、セルフレジの前でカメラの前で目線をやると一瞬に清算が出来る。22~23年にこのシステムを導入したところ、顔パス決済を利用する顧客は1人当りの来店頻度が1.6倍になったという。このシステムは利用客が買い物の手軽さを重視する小型店と相性が良いという。九州に出店攻勢を強めるロピアは、コスパを重視した「モンスターバーガー」¥999、バーガー自体は500g以上、「毎日数量限定」「欲望のままかぶりつく」などユニークなPOPで来店客の購入を後押しする。特徴ある商品は高ボリューム高単価で、コスパで見るとお買い得品になる。スーパーの同質化競争が激しくなる中、自店の特徴を高める競争が強まっている。自店商圏の一定客層を固定客として取り込む戦略によって消費が二極化・多様化していく中で効果を上げている企業が目立っている。<スーパーの惣菜・米飯・寿司><鶏ムネ香草焼>*街角通信は毎週1回、配信しております。 *その他、ご興味のある方はこちらからお願いします。 http//asahi-kikaku.net
2024.11.17
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「消費の細分化進む」西友がPB「みなさまのお墨付き」の看板商品としてレトルトカレーを発売して10周年を迎え、家庭で安価に食べられることを強みに、節約志向の消費者を掴み、ベーシック商品は¥113~¥270とお得プライスが主流の中、こだわりシリーズとして、「国産鶏手羽を使用のクリーミーバターチキンカレー」¥430や、「角切り牛肉を使用のスパイシー欧風カレー」¥430は従来の商品の3~4倍の価格だ。いずれも10月初旬の発売後、1週間の販売数は従来品の発売時の1.5倍だという。ライフCPは2030年までに高付加価値のPBを中心にしたビオラル事業のアイテム数を約3倍の1000品目、売上規模を400億円に拡大する。ビオラルには「無えんせきポークウインナー」¥365や有機栽培ブルーアカベ100%使用の天然甘味料「有機アカベシロップ」¥591など同社はビオラルの拡大が成長につながり、差別化戦略につながると意気込む。矢野経済研究所によるとオーガニック食品市場は、24年度は19年比13%増の1633億円、27年には24年比6%増を予測している。ライフは3月にビオラルの商品開発や店舗運営を統括するビオラル事業本部を新設した。小売りチェーンストアの中で、話題な店舗は「ドンキホーテ」、「ロピア」、「オーケー」が元気だ。ドンキホーテは14年度に267店舗が24年には632店まで拡大、ロピアは14年に26店舗が24年2月期は89店舗へ、オーケーの出店数は今期10店舗へ拡大。3社とも通常の低価格チェーンではなく、独自の売場・商品づくりを進め、多様化・細分化する消費者志向に対応する個店経営を目指している。ロピアの場合、現場主導の運営で各部門のチーフが「店主」として、仕入れや価格を決める権限を持ち、店長は干渉しない。今までチェーンストアは平均的なニーズを重視してきた中で、同社は全体ではなく個の消費者に支持される商品づくりを優先して来た。(日経)総務省統計で65歳以上の高齢者人口は前年比2万人増の3625万人と過去最高、総人口に占める割合は0.2%上昇して29.3%と高齢化が進む中で、高齢者の就業率は25.2%に増え、65~69歳に限れば2人に1人が働いている。各店舗商圏の消費者は大きく変わって来ており、消費者が求めるのは、自分のニーズにあった商品を提示してくれる店舗だ。以前は顔の見える顧客を相手にする小さな店舗が得意にして来たが、今は大量のデータとデジタル技術を活用する個店経営が重視されている。見落として来た顧客一人ひとりのニーズに向き合うことで、新たなチャンスが見つかる。<スーパーの惣菜・米飯・寿司><4種のデリセット>*街角通信は毎週1回、配信しております。 *その他、ご興味のある方はこちらからお願いします。 http//asahi-kikaku.net
2024.11.10
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「値上げによる客数減と客単価アップ」日経MJがまとめた9月主要外食32社の売上高は、全社が前年実績を上回り、全社の増収は6月以来3カ月ぶりだった。6月以降の値上げがあり、その中で客数を落としても客単価をアップして売上増は吉野家は客数5.2%減で客単価13.2%増、幸楽苑は客数2.7%減で客単価13.3%増、一方、客数を大きく伸ばしている企業はサイゼリヤ客数は20.8%増で客単価3.5%増、スシローは客数15.1%増で客単価1.1%減、今後、値上げが環境が続く中で、客数を維持できる値上げが課題になって来る。人手不足が深刻なサービス業は人件費増を値上げに転嫁する動きが活発になる中、値上げ幅で最も多かったのは「5~10%未満」は39.9%で「5%未満」は31.7%だった。値上げ理由は「原料高を転嫁」が60.8%と最も多く、「人件費上昇を転嫁」は56.5%と続く。一方、料金を変えていないと回答の企業は42.2%と増え、物価高で節約志向が強まっていることで需要減少を懸念していることが伺える。クリーニングのサトウ商会では23年と24年7月に値上げした結果、注文数は8%ほど減少した。付加価値の付けられない値上げは、消費者の需要がストレートに減少する。「付加価値・コトづくりに取り組む」スーパー対象におにぎりを供給している大手コメ卸のミツハシは、スーパーは「おにぎりブーム」に乗り切れていないとの危機感があり、コンビニより中高年が主な客層のスーパーはこれまで鮭や昆布といった定番が多く、店頭では賞味期限は店頭に並べて1日以内が多い。この危機感から新たなおにぎりとして「地球の歩き方」シリーズをテーマに2か月ごとに商品を入れ替えて、関東地方のスーパー約500店に商品を供給している。10月には「広島お好み焼おにぎり」¥160を発売し、今後も別の地域の名物とコラボした商品の投入を予定している。「令和のコメ騒動」を契機にもち麦を使用したおにぎりなど中食や外食で増えており、はくばくのもち麦の販売額は4~9月に前年比17%増え、同社のシェアは約8割になった。もち麦はプチプチとした食感と水溶性食物繊維を豊富に含み、健康志向からもち麦入りおにぎりはコンビニの定番となり、冷食でも品揃えが増えている。同社は品種改良によって前回とは異なるもち麦に切り替わっている。非製造業の生産性について、財務省の法人企業統計によると、23年の従業員1人当りの労働生産性(付加価値)は728万円で30年前に比べ3%の伸びで、製造業の労働生産性は947万円で30年前より36%アップしている。人手不足環境で24年の賃上げは連合調べで5.1%アップし、25年は6%以上を求めるが、コストが上がった分を値上げしているだけでは利益は増えない。そこに付加価値を付けた売価に変更する技術がないと、人手不足と企業の成長はない。「食資源確保が進む」「令和のコメ騒動」が起きた2024年のコメの生産量は前年より22万t多い683万トン、24年7月~25年6月の需要見通しの674万tを上回ると予測した。しかし影響は今も残り、首都圏のスーパーでは5kg入りが軒並み¥3000以上で販売され、総務省の小売り物価統計では10月のうるち米の(5kg)価格は前年より7割高い。農水省は新米が出回る前の端境期に当たる来夏の民間在庫量は162万tになると推計、今夏の153万tから回復するものの、コメ市場の需給は引き締まると見ている。丸紅とノルウェーの企業が共同で国内陸上養殖したアトランサーモンの本格出荷を始め、首都圏のスーパーなどで販売を始めた。2025年4月にも全国で安定供給する見通しで、27年には国内最大規模の5300tに増やす計画だという。名称は「フジアトランサーモン」で、身の品質はノルウェー産と同等、寿司や刺身など生食に適している。その他、NTT グループの陸上養殖を手掛ける子会社NTTグリーン&フードは、8月に関西電力から買収した磐田市内でエビ養殖を実施、26年には年産約200tの出荷を見込む。食資源の開発が進む中でも地球人口の増加には対応できる見込みは少ない。食原材料費や人件費の増加に対して、売上と利益を確保して生産性を上げる努力は欠かせなく、その為には消費動向・ニーズを捉えた付加価値商品開発が重要になる。<スーパーの惣菜・米飯・寿司><ワインオードブル>*街角通信は毎週1回、配信しております。 *その他、ご興味のある方はこちらからお願いします。 http//asahi-kikaku.net
2024.11.03
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「人件費・物価高が経営に重くのしかかる」人手不足続く中、10月から人材派遣会社から顧客企業に請求する料金が1%上がった。派遣会社は企業から受けとった派遣料金の内、社会保険料など差し引いた残りをスタッフに時給として支払う。契約は3カ月や半年ごとの更新が通例で、料金もこのタイミングで見直す。10月の更新では主力の一般事務職が2550~2900円と中心値で25円、1%上がった。販売職は2350~2700円、製造ラインは2050~2200円で、宿泊やレジャーなどの企業からニーズが増えており、10月からの最低賃金アップの影響もある。2025年の賃上げの話題が出ており、連合は今年同様に5%賃上げ目標を決め、家電量販店のノジマは従業員の約9割の賃金を平均7%引き上げる。まず25年の1月に全従業員対象に2%のベースアップを実施し、4月には現場手当を新設する。又、25年春の入社予定の新入社員初任給を最高水準の30万円として、人材の確保を目指す。パーソナル総合研究所は2035年時点の労働者不足が23年の2倍、384万人になるとまとめた。コメの高騰で消費者は購入を控え、各社は炊飯のかさ増しが出来るもち麦の生産を増やす。穀物大手のはくばくは家庭用もち麦の売上が8月は前年比44%増、9月が30%増となり、サッポロ一番ブランドのサンヨー食品の袋めんの出荷量は前年比10%伸びた。農水省によると、9月23~29日の全国スーパーで販売されたコメは前年比24%減少した。又、消費支出に占める食費の割合(エンゲル指数)が上がっており、2024年1~8月は(2人以上世帯)28.0%と1982年以来の高い水準となっている。「上期の厳しい小売り決算」物価高と賃上げによるコストの上昇に対して、売価の値上げが追い付いていない。各社は値上げによる買え控えを懸念しており、既存商品の値上げや新商品開発が進んでいない。上期(3~8月)の営業利益はイオンが16%減、ライフCPが1%減、イズミが22%減、イオン傘下のUSMHは赤字決算となる中、25年の賃上げは今年同様の予測が出ている。利益を確保する為に消費者に納得できる値上げが出来るかが問われている。厳しい小売り決算は外国でも起きており、セブン&アイHDの上期海外事業は米国のインフレでコンビニ事業は営業利益が35%減、ミニストップのベトナム事業は赤字、中国のファミマやローソンは赤字店舗縮小を検討。又、厳しい小売り決算の中において、セブンイレブンに対して外国から買収提案が出ており、世界から見れば日本の小売りのノウハウは高い評価を得ている。「進化する小売りデジタル・DX化」鮮魚店運営の角上魚類HDはモンスターラボと業務のDX化で連携し、受注明細のデジタル化「セリ原票アプリ」を導入、買った魚の原価や数量をデータ化してアプリを通じていつでもデータを見る事ができる。地球温暖化の影響を受けやすい専業の買い付けデータを参照することで市場の値動きに合わせ勘や経験知だけに頼らない買い付けが出来るようになる。今後は年末年始など多くの量を買い付ける繁忙期に、事前の発注準備が出来るようアップデートを図っていくという。イオンは小売りとしては最大級のネットスーパー対応のAI倉庫を稼働し、倉庫への入庫から配達まで全工程をAIとロボットを活用し、徹底した温度管理と業務効率化で生鮮品を直送する。入荷した商品は無人搬送車で在庫コンテナに詰め替える仕分けラインに自立移動、ラインではクレーン型ロボットを使い、12kgの商品を軽く持ち上げ移動、専用のウェブサイトやアプリから注文が入るとロボットにデータが飛び、自動で商品をピックアップ、最大5万品目から秒速4秒で商品を集荷し、人間の10倍の作業スピードで商品が動く。(日経)スーパーのみならず小売店経営環境は厳しい状況に置かれている。仕入れ原材料や商品の値上がり、実質賃金マイナスによる消費者の買い控え、最低賃金の引き上げによる人件費の上昇、思うように商品の値上げが進まない中で、荒利額の確保が達成出来ない。この環境下において、消費者から選択される店舗・商品にする為に何が必要か。客層を絞り、その中で差別化出来るスタイルを確立することが重要になる。<スーパーの惣菜・米飯・寿司><秋の握り>*街角通信は毎週1回、配信しております。 *その他、ご興味のある方はこちらからお願いします。 http//asahi-kikaku.net
2024.10.20
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「街角景気はダウン傾向」内閣府発表の9月街角景気は判断指数DI が47.8と8月から1.2ポイント悪化した。厳しい残暑で秋物商品伸び悩んだことやコメ不足と値上げの影響が出ている。・調査は9月25日~30日、1831人から回答家計調査では減少幅が最も大きいサービス関連が48.1、小売り関連が45.9になった。2~3カ月先の先行き指数は前の月から0.6ポイント低い49.7とダウン傾向にある。厚労省発表の8月勤労者統計では実質賃金が0.6%減少、夏季賞与の押し上げ効果が薄れて3カ月ぶりにマイナスとなった。基本急を示す所定内給与は3.0%増と高い伸びになっており、パート労働者の時給も2023年の最低賃金引き上げで4.8%伸びた。一方で個人消費の伸びは8月の家計調査によると、実質1.9%減った。(日経)物価上昇、人件費の上昇によるコスト増加が経営不振の中堅・中小企業の倒産が増えている。2024年上半期の企業倒産件数は半期として10年ぶりに5000件を超えた。東京商工リサーチの発表によると、24年上半期の全国倒産件数は前年同期比18%増、上半期の物価高倒産は472件と過去最高、業種別では資材価格の高騰、人手不足に悩まされる建設業が127件と最も多く、小売業は87件だった。同社の調査ではコスト上昇分を価格に転嫁できているかを示す転嫁率が、24年2月から7月にかけて拡大した中小企業は3割にとどまった。「食品・日用品に節約の波」小売業の上半期決算が発表される中で、スーパーの苦戦が出ている。イオンが発表した2024年3~8月期の連結決算は純利益が前年比76%減の54億円だった。イオンの主要8業種の内、小売り部門が不調になった要因として、・人件費の上昇、同社は国内最多の40万人のパート時給を2年連続で7%引き上げた。・イオングループ共通のアプリ「ワオン」やクーポンの販促費はあ10%増に拡大、・老朽化した既存店の改修費用は7%増えた。小売り部門で売上げを伸ばしたが、利益の伸びが経費の伸びに追い付かなかった。ユナイテッド・スーパーマーケットHDは2025年2月期の連結最終損益が9億円の赤字になる見通しだあと発表、従来予想の黒字から一転して赤字になる。カスミや傘下のスーパーで加工食品を中心に値下げ販売を強化したことで粗利益率が想定を下回ることになった。2024年上期決算の売上は前年比2%の増、最終損益は21億円の赤味だった。上場小売業の24年6~8月期決算ではスーパー・コンビニで19%の減益となる一方、百貨店の純利益はインバウンド効果が大きく、増益を確保する企業が多い。ドラッグのコスモス薬品の24年6~8月期の連結決算は純利益が前年比25%増の81億円と発表された。同期間では過去最高で、出店の拡大で仕入れ値を押さえ、又、PB商品の拡大による割安商品がスーパー利用客からドラッグへ流れた。小売業の大きなコストアップはパート時給や賃上げによるところが大きく、この人件費のアップはこの後も続くことが予想され、コストアップ以上に値入率を確保できる商品開発が重要になる。値入率確保は割安商品の拡大では難しく、付加価値のある商品開発を強化したい。<スーパーの惣菜・米飯・寿司><サーモン寿司セット>*街角通信は毎週1回、配信しております。 *その他、ご興味のある方はこちらからお願いします。 http//asahi-kikaku.net
2024.10.13
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「店舗の活性化策」イトーヨーカ堂が海外投資ファンドに対し、株式売却が発表された。時代の流れを感じさせるニュースだが、昔を思うと寂しさを感じる中で、ヨークベニマルを含む食品スーパーの今後の動向が気になる。中堅・中小のスーパーが楽天グループとの連携を深めており、関東中心のスーパー「コモディテイイイダ」は楽天と連携し、買物でポイントを貯めたり使ったりできるようにした。高齢者には年金受給日に4万の現金チャージすると、1000円相当のポイントが還元できるなど、スーパーからディスカウントやドラッグに流れる顧客対策に連携する。楽天ポイントは全国600万か所の小売店や飲食店で利用できるサービスが大きい。外食にとって難関市場の米国で、くら寿司の新店で8時間待ちの状況が出るなど、直近3年間で倍増の66店舗の店舗に拡大し、注目されている。米国では日本で人気なネタは支持されなく、人気のゴールデンクランチはアボガドとエビマヨを包み、ピリ辛マヨと甘口醤油をかけパン粉とゴマをトッピング、サクサクパリパり食感が受けている。食は地域の味と見栄えが顧客の支持を決める個店経営が生き残る要素になる。ファミマは2024年中に3割に当たる2000店舗でイートインから売場に変える。イートインはコロナの3年間で利用者が減り、その後も回復していない状況で、同社はこの施策で3年後を目途に1店当り5~7%の売上アップを図る。持ち帰り弁当の「ほっかほっか亭」を運営するハークスレイは2025年にも冷凍弁当¥250を発売する。販路はドラッグなどを想定し、野菜を大量調達してコストを押さえ、弁当大手の強みを生かした価格で、米飯市場の競争はますます激しくなる。「商品開発の決め手」セブンイレブンは小分け惣菜シリーズ「カップデリ」が存在感を増して来ており、発売から5年超えで女性や単身者のニーズに合った商品開発や製法の改善で消費期限を1日伸ばし、約30アイテムで年間3億個を販売する。原料や味にこだわったサラダ、惣菜を少量サイズで食べられ、食品スーパーにおいても少量パックは伸びており、味・品質と価格のコスパにおいて、デパ地下惣菜と競合することも出て来る。ファミマは静岡市の弁当・惣菜店の天神屋と組んで、当地のおにぎり・弁当を開発し、「元祖タヌキむすび」¥145と「たぬきごはん弁当」¥598を発売した。おにぎりは醤油とネギの風味を加えて、天カスやダシを混ぜ込んだ天神屋の看板商品、静岡おでんと並び静岡県中部の「B級グルメ」になっている。付け合わせはカレー味焼売や味噌チキンカツなど揚物を加えて商品に仕上げた。セブンイレブンは店内調理のドーナツを2025年2月までに全国展開する。商品はメープル¥140,カスタード¥150,チョコ¥160の3種類、同社の揚げ立てドーナツは再挑戦になり、揚げ立てドーナツは発行させた生地を加熱後に冷凍して工場から出荷、店で揚げることで生地の劣化とふわふわした食感や風味を損なわないようにした。国内の小売りではインバウンドの拡大で百貨店は恩恵を受けている中、スーパーは値上げ環境下で、デスカウント店やドラッグの競争が激化しており、価格で対抗することには無理がある。地域の食ニーズの発掘、味・品質にこだわった商品や商圏客層に沿った容量・サイズなどきめ細かなMDが重要になっている。 <スーパーの惣菜・米飯・寿司><おにぎり弁当>*街角通信は毎週1回、配信しております。 *その他、ご興味のある方はこちらからお願いします。 http//asahi-kikaku.net
2024.10.05
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「国内景気拡大は7割」「社長100人アンケート」では足元の国内景気は「拡大」が7割強となり、3カ月前の「緩やかに拡大」から拡大の認識が強まった。厚労省が発表した6月の実質賃金が2年3カ月ぶりにプラスに転じ、個人消費の回復を期待する声が強まった。半年後の国内景気についても、「拡大」が76%と先行きへの期待が強まった。経営を左右する為替相場については主要企業経営者に聞くと1ドル¥135が理想が多い。(日経)猛暑8月の外食主要企業33社の実績は31社が既存店売上が昨年を上回った。特にファミレスや牛丼店、麺・科アレーなどは2桁の伸びを示し、客数・客単価共に堅調で、個人消費の強さを感じさせた。中でもファミレスのサイゼリヤは既存店売上が22%増とコスパの強さを示した。「日本の食をどう守る」各地の店頭において「コメ」が消え、「令和のコメ騒動」と揶揄されたが、コメの縮小均衡を目指した日本のコメ政策にほころびが見えた。日本の農家は65歳以上が占める割合が2022年に7割を超え、担い手の減少や高齢化、農地の縮小などが重なり生産基盤にほころびが広がった。国外においては日本食の人気や世界的人口増加による食料不足が広がっている。2024年産の外食・業務油のコメは基準価格が3~4割上昇し、各社はコメ確保に追われている。JAグループが業務用として使われる銘柄米の概算金を決めた中で、青森産のまっしぐらは前年比39%高の1俵1万5000円、宮城県産のひとめぼれは38%高の1万6500円、茨城産コシヒカリは42%高の1万8000円となった。コメ不足は米菓業界においてもコメの調達に影響を及ぼし、米菓の原料となる粒の小さい特定米穀(くず米)の価格も高騰し、米国各社は値上げの少ない輸入米の採用を増やす対応に急いでいる。輸入米の調達数は2023年11月~24年6月で前年同期比92%増、6月単月では2.3倍となった。鶏卵の卸値が8月に2割上昇、8月としては20年ぶりの異例の値段となり、スーパーに並ぶMサイズはJA玉子1kg260円でで推移、23年11月以来の高姉になった。暑さで供給が絞られる一方、需要は力強く価格高騰に輪をかけた。全国スーパーの日経POSデータでは鶏卵の平均価格は8月で199円で前月比2%高。ノルウェー産サーモンが大幅に値下がりし、産地からの輸出価格は4月上旬に比べ4割下がり、豊洲市場の卸値や小売り価格も3割値下がりした。空輸冷蔵品は9月上旬の輸出価格は1kg当り約970円と大幅に値下がりした。大手スーパーの小売価格は100g¥400~¥500前後で展開されている。秋の大衆魚について、全体的に豊漁で値下がり傾向にある。戻りカツオは8月から三陸沖で漁業が好調で豊洲市場で1kg当り700~800円、サンマの漁獲量は5割増で1尾¥200前後になり、スルメイカは青森や岩手で漁獲増だが、価格は高値で横ばい、鮭は9月下旬から漁獲増で10月以降、豊洲市場で1kg当り¥1250前後と値下げが期待できる。秋の大衆魚が増えた理由は不明の点が多いが、今後も期待出来そうだ。食資源について世界人口と気候変動に伴う食糧不足回避に黄信号が灯り、その解決策として注目された培養肉や植物肉など代替え食は伸びが鈍っており、 既存の食品の味や価格を乗り越える課題は大きく、時間がかかっている。大豆から作る植物肉大手の米ビヨンド・ミートの業績は24年4月~6月期で赤字に陥り、商品は大豆臭さが残るなど風味に課題が残る。世界の人口が50年には100億に迫り、食料の飢えを解決する「フードテック」の重要性は高い。気候変動による不作は平均気温がセ氏2度上がると世界の穀物生産被害は800億ドルに達し、特に食料自給率がCalベースで4割未満の日本ではテコ入れ策が急務になっている。(日経)<スーパーの惣菜・米飯・寿司><2種のカニちらし>*街角通信は毎週1回、配信しております。 *その他、ご興味のある方はこちらからお願いします。 http//asahi-kikaku.net
2024.09.29
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「消費多様化に刺さる商品開発」街には商品が溢れ、新商品のヒットが難しくなっている。類似性のある新商品少し売れてもヒットすることはない。そこをうまく突いているのがドンキホーテの戦略で、「みんなの75点より、誰かの120点」この政策に沿って開発された「鶏の皮だけ弁当¥538」、3カ月で約6万食を販売し、計画の1.5倍を達成した。男性からランチや酒のつまみとして支持され、売れ続けている。スーパーのチラシ買い物情報を手掛けるロコガイドは、全国スーパーが扱う総菜を対象に「美味しいもの総選挙」を実施し、山形県のスーパーが販売する「やりすぎサンド¥430」が最高グランプリを受賞した。商品は週末のみ販売で分厚いトンカツを申し訳程度のパンでサンドしたボリューム感が支持を集めた。その他はバローの「まぐろ握り寿司¥1707、福岡の「肉の秘密基地¥1080」など今までの常識を隠した高単価の商品がノミネートされた。マルハニチロは14年ぶりに冷凍餃子「赤坂離宮の餃子」を発売した。先発の味の素餃子やイーアンドイーの餃子と違いを出すために餡のぎっしり感を出した¥300~¥400の商品で、上位2社の商品とは差別化した。「スーパーの差別化戦略」同質化するスーパー各社において、ディスカウント店の「トライアルHD]の逆張り戦略が注目され、安さを出すために低コストオペレーションを実現、24時間営業、物流・建設・IT・食品製造の自前主義、田舎への出店で販売管理は17.5%の驚異的コストで売価の安さで差別化を図り成長している。同社はウォルマートを参考に戦略を練り、トライして結果を出している。ただ、同社は先行投資が続くりティールテック事業が赤字になっていること。DSの「ドンキホーテ」は35期連続の増収増益を更新してる企業で、同社の特徴はメイト(パート・アルバイト)主体の個店経営。メイトを核とした売場経営で、それに地域の消費者がくっついている。メイトの活性化に経営者も現場の社員も敬意を払い、権限も委譲しており、安さを追求する為に、「専門のプロフィットM]を養成し、顧客の声を価格に反映するアプリで消費者の活性化を図っている。同社は一個一個の商品別レビューを顧客が理解して、購買決定できる媒体としての存在価値を高め、そこの企業の将来性を見出すとしており、顧客は絶対に媒体機能のある店を支持するとしている。又、外国においては、中国の大手スーパー永起超市は3期連続の最終赤字に陥り、苦境から脱出する為に模索をする中、顧客にとって良いことは何かを追求、買物カゴを取りやすいように並べたり、清掃を徹底し快適な買い物ができるように基本の徹底かあら始め、店舗改革を始めている。人口収縮が続く中で、どのように成長していくか、各社が模索する中で、特化する商品や店づくりが注目され、消費者にとって良いことを追求する姿が見えてくる。<スーパーの惣菜・米飯・寿司><お祝パーティロール寿司>*街角通信は毎週1回、配信しております。 *その他、ご興味のある方はこちらからお願いします。 http//asahi-kikaku.net
2024.09.22
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「街角景気改善で人手不足深刻」内閣府発表の8月街角景気判断指数は、前月から1.5ポイント上昇、49.0となり夏休みの旅行需要の伸びが効いた。判断指数が上昇したのは飲食関連が大きく6.4ポイント改善し47.3、小売りサービスも上昇した。2~3カ月先の先行き判断指数は2.0ポイント上昇し、50.3だった。街角景気の改善に関連して人員獲得へ競争が激化している。アルバイト時給が一段と上昇し、8月のアルバイト・パートの募集賃金は三大都市圏で前年同期比34円増の1190円だった。時給の上昇は地方などで目立ち、8月の全国集計の時給は、1151円で増加額は39円で、地方の時給底上げが目立っている。都道府県別では東京が1268円で最高で、最低は宮崎県の1011円だった。小売りや外食など消費の現場の人出不足は深刻になっており、イオンは2030年までに4000人の外国人をグループ企業を通じて受け入れる。同社では現在グループで1500人が特定技能外国人を雇用しているが、24年3月には飲食製造業分野は工場だけでなく、食品スーパーの惣菜製造が可能になっており、同社では傘下の人材紹介会社を通じて商業施設の清掃や総菜製造などの業務に応じて、各グループ会社だけでなく、他社にも紹介するサービスを始める。「小売り各社の個店MD&販促」セブン&アイHDがコンビニと食品スーパーを融合した新型店「SIPストア」の開業から半年、新たな取り組みとして「べジBOX」と名付けて野菜の詰合せをワンコインで販売し、取引先の厚意で、市場で発生する半端な野菜などを詰め合せている。地元産品も積極的に並べ、千葉県野田市に本店があるホワイト餃子はSIP限定品として人気がある。福岡県の西部に位置する糸島市に圧倒的な集客力を誇る農産物直売所「伊都菜彩」がある。最も大きいのは品揃えの多さで、次期によって違いがあるが毎日700~800品目が並び、それを可能にしているのが、糸島市の農業スタイルで登録会員は農家や畜産農家を中心に1500人おり、品揃えの豊富さを支えている。そこで出荷量の判断になるのが、販売時にレジでバーコードをスキャンすることで、指定された時間にどれだけ売れたかをメールで知ることが出来、売切れればすぐに収穫して補充することが出来る。オーガニック食品を展開するイオン傘下の「ビオセブン」は、2021年に戦略をゼロベースで見直し、転換したことで既存店売上は年2桁成長を続ける。ビジネスの方向性が高年収の既存顧客を意識したものから、もう一度ゼロベースで見直し、何かを良くしたり、毎日をちょっとプラスにすることに価値を感じる人に注目し、オーガニックで食の楽しさを広げたいと思う人を中心に捉える。オーガニックの間口を広げ、ナッツ類の量り売りなど好きなだけ変える仕掛けを設け、まるでマルシェのように買い物を楽しめる店づくりをした。富山県地盤のスーパー、アルビスと大阪屋ショップが毎週木曜日に65歳以上の顧客を対象に購入金額から10%割り引くサービスを始めた。アルビスは「プラム友の会」、大阪屋ショップは「シルバーカード会員」が対象、背景にあるのが、北陸の高齢者比率の高さと、ドラッグとの競争激化がある。アルビスによると、木曜割引を始めて以降に洗剤や紙類など日用品の売上が好調という。日本国内人口は50年までに減少傾向が続く。小売り店舗は増加していく中で、業種を問わず競争は強まり、規模に集約されるか、ブルーオーシャンを見つけて進む方向で生き残りを図る。その中で変わらないのは顧客にとって、従業員にとって良いことかどうか。この変わらぬ視点が問われる時が来ている。<スーパーの惣菜・米飯・寿司><秋の煮物>*街角通信は毎週1回、配信しております。 *その他、ご興味のある方はこちらからお願いします。 http//asahi-kikaku.net
2024.09.15
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7月の家計調査によると、2人以上世帯の実質消費支出は前年比0.1%増で、実質賃金は2か月連続でプラスだったものの、必需品の値上がりが目立つ中で収入の伸びほどに消費が拡大していない。特に支出の3割を占める食料は肉類や野菜などは軒並みマイナスとなり、肉類では牛肉や豚肉の支出が4月から減り続ける一方、 鶏肉の支出は3カ月連続で増えている。直近の値上げが顕著なのがコメであり、スーパーの店頭では5割を超える値上げで、今年の新米の価格予想で茨城産あきたこまちは昨比2倍の5kg¥3000などこの値上りは消費者にとって一番の負担になりそうだ。コメについて1~7月の輸出が前年比23%増の数量で推移しており過去最高、国内のコメ不足なのになぜ輸出が増えているのか?コメは作付けの段階から使途を限定することが義務づけられており、一度輸出用に作付けされたコメは、国内流通に原則適用できないことになっている。今後は気候変動や訪日外国人客の需要増など外的要因に柔軟に対応できる仕組みが必要になっている。節約志向の高まりに対して、セブンイレブンは3日、手ごろな価格帯の商品をおにぎり、弁当やお菓子など270品目増やすと発表した。対象品には「うれしい値」のシールを付け、今までの安心価格のPOPを付けた商品やセブン・ザ・プライスなどにも広げ、うれしい値に統合する。今後、同社では価値訴求の商品と値ごろ感のある商品を併用していくようだ。「おせち商戦始まる」主要百貨店のおせち商品が出揃って、各社の課題は若年層の取り込みに力を入れる。高島屋は花や果物のイラストをあしらった「アデリアレトロ」と組んだ三段重¥18300、栗きんとんなど定番の他に野菜のキッシュやマロンケーキなど洋風を詰め合せた。大丸松坂屋はインフルエンサーと連携したおせち¥21600を発売し、SNSで人気を集める料理家監修のおせちで顧客層より若い30~40台の顧客を取り込む。その他、能登の被災地を支援する北陸などの材料を使用した「北陸おせち」や東武百貨店は海鮮や肉など特定食材を詰め合せたおせちを前年より7割増やしたり、セブンイレブンは主力の「和の三段重」¥19980は昨年より¥540安くして対応、他に1人用一段重¥6804や、国産原料使用の三段重¥38880を揃えて対応する。主食のコメの値上がりで、消費者の節約意識はますます高まっている中で、おせち予約商戦が始まり、全体ではおせちの価格も値上がりしているが、一番人気のおせち三段重(中心プライス)の価格を据え置くスーパーも出て来る。Xmas、年末がいずれも平日に当たる為、当日の販売点数の伸びは期待出来ないが、その前後を含む期間で予算を達成する為に際物関連商品は早めの仕掛け・展開が必要になっている。<スーパーの惣菜・米飯・寿司><寿司ベストセット>*街角通信は毎週1回、配信しております。 *その他、ご興味のある方はこちらからお願いします。 http//asahi-kikaku.net
2024.09.09
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「気候変化と食資源」スーパー店頭でコメ不足が発生し、店頭価格は2~4割高で推移する中、24年産新米価格に注目が集まり、JAグループが農家から買い取る価格は昨年より大幅に高値になっている。主要産地の北海道ゆめぴりかは前年比29%高、秋田のあきたこまちは39%高など新米価格は2~4割高が決定的になった。23年産は猛暑の影響で流通量が減ったところに、訪日外国人による外食需要が重なった。農水省調べの2024年産米の作柄状況は、青森産が「良」、法華愛堂・秋田・岩手産など11道府県が「やや良」となり、コメの生産量の多い地域で生育が順調に進んでおり、品薄感か解消に期待がかかる。その他、「平年並み」が最大産地の新潟県を含め31都府県だった。一方、「やや不良」は宮崎、佐賀、長崎の3県だったが、5月以降に気温が高くなった影響で、各産地では生育が早い傾向があり、コメが大きく影響受ける8月は適度な降雨もあり、順調な生育になっているようだ。一方、秋の味覚「サンマ」は北海道東から三陸沖にかけて「海洋熱波」が続いている。サンマが日本に近づけない状況が続いており、今秋も不漁になりそうだ。不漁の大きな理由は、暖流の黒潮が北に張り出し、北海道東から三陸沖にかけて海水温は7月下旬で平年比4~5度高いという。水深50mでは同10度以上高い海域もあり、「暖水塊」がサンマの回遊ルートに居座っており、この亜熱帯化する気候変動は水産資源に大きな影響を与えている。食資源の高騰に対して外食の7月の既存店売上は主要24社が既存店売上を上回った。客数の減少もあるが、高単価メニューや季節限定メニューで客単価が伸びて対応が出来たが、マクドナルドなど2社は客数の落ち込みを客単価で吸収出来なかった。業種が明確になっている外食の中で差別化できる商品開発が決め手になっている。食品卸最大手、日本アクセスの業績が好調で、2024年3月期は前期比6%増の最高益を更新、食品メーカーによる値上げの浸透や外食需要の拡大を追い風に消費者の間に物価高による値上げ疲れが広がる中、うまく需要拡大をして来た。同社によると、値上げが続く中で消費者はPBブランドなど安いものを購入する一方、睡眠改善など付加価値のある食品にはお金をかけるようになっていると分析、消費者の買い物行動は二極化と言われるが、今は「多極化」に変化しているという。地域に合わせた商圏分析をして、小売り側に提案する「情報卸」として今後対応していく。「物流DXに取り組む」2024年の物流問題が始まって、市場の変化と各社の対応が目立ってきた。市場では冷凍輸送が出来ない青果物で産地の収穫翌日に販売出来ない商材が出て来ており、東北産は東京市場で止まってしまうことが多くなり、週5日入荷しているものは週3日入荷まで減ったものが出て来た。産地ごとに集約が進み、直送ではなく市場経由で転送されるものしか入荷しない場合もある。コンビニの宅配好調もあり、ヤフーと出前館は2024年以内に日用品や生鮮食品の「即配」を全国で展開する。出前館に出店している各地域の小売店と連携し、最短30分で商品を配送する。LINEヤフーはダークストアを閉鎖し、倉庫方式から店舗配送型に変更し、全国の小売店と協力してより安定した配送と利益を追求する。共働き世帯や「タイパ」を重視する若年層の増加を背景に、即配市場は成長が続く。アマゾンジャパンは北海道でも注文翌日に商品が届く「翌日配送」を始めた。同社は札幌市内など7市町村を対象に、前日の正午までの注文で 他の地域向けと同等の品目数、700万点以上の商品を翌日に配送する。これまで首都圏の大型倉庫から北海道にある出荷拠点への幹線輸送はトラック輸送と海上輸送だったが、一部をANAの空輸便に変更して対応する。又、同社は国内の配送拠点から各世帯・事務所までの「ラストワンマイル」分野に250億円追加投資し、「置き配」を利用しやすくする宅配ロッカーを増やす。地球の温暖化による環境変化で食資源の産地・品質・量が変化して行き、価格はアップトレンドで進んで行く。企業は消費者の嗜好を把握して、値上げが出来る商品開発が成長の条件になる。 <スーパーの惣菜・米飯・寿司><松茸ご飯と煮物弁当>*街角通信は毎週1回、配信しております。 *その他、ご興味のある方はこちらからお願いします。 http//asahi-kikaku.net
2024.09.01
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「賃金増と宅配増、MDの変化」最低賃金を1,000円超えに引き上げる地域が増えており、これまで東京や大阪府、愛知県などに限られていたが、2024年は北海道や広島県と言った3大都市圏以外が1000円の大台に乗った。人材獲得が厳しさを増す一方、地方の中小企業は人件費負担が重くなり、生産性を高めないと賃上げは持続することは出来ない。国の審議会は7月25日、24年度の最低賃金について、全国平均で50円引き上げて時給1054円にする目安額を答申した。地方においては「人手を確保できなければそもそも売上をつくることは出来ない。最低賃金を超えて積極的に最低賃金を上げていく。」といった声が大きい。23年4月に開店したコストコ群馬昭和倉庫店はスタッフ時給¥1500~¥2000で24年4月開店した「イケア前橋店」も短時間社員は時給¥1300からになっている。日本1号店から半世紀を超えたコンビニエンスストアが転機を迎えており、国内コンビニの店舗数は初の2年連続の減少になった。出店余地の狭まりや働き手不足が要因で、22年度比0.2%減の中で、セブンイレブンとローソンの宅配サービス導入店は順調でローソンの宅配売上高は日販の2割当たる約10万円に上り、来店のピークが過ぎた午後7時~11時や週末の注文が多いという。又、セブンイレブンの宅配平均客単価は2234円と店舗の約3倍に相当し、買上げ点数も店舗の約3倍に当たる8.57点となっている。それに合わせ同社では宅配で高い需要が見込める商品開発を強化、首都圏や北海道・九州の200店舗で店内焼成のピザの本格販売を始めた。国内の食品・日用品メーカーがこの5年、商品点数を減らしており、食品では加工肉や野菜ジュースなど6割の品目で商品点数を絞った。調査会社インテージによると、スーパー・コンビニなどの実績のある商品について、新型コロナ禍前の2019年から23年度までの5年間に種類が減った品目では、、食品・飲料では魚肉ソーセージが36%、野菜ジュース19%、マーガリン・コーヒー飲料など72品目があり、全体の57%を占めた。増えすぎた商品はメーカー各社の重荷になっており、「売場面積の確保を優先した結果、SKUと在庫が10年で約2倍になり、」1商品当りの利益率が低下していた。全国スーパーマーケット協会の23年の調査で、スーパー運営企業の32%が商品数を「増やしたい」と答え、「減らしたい」17%を上回る。インテージのアナリストは「商品に違いが出しにくい、コモディテー化した商品は削減が進む」と指摘する。出費を節約する動きが消費者間で広がる中、独自の価値観を提供できるかが、商品の生き残りを左右し、店舗においては、商品特性が明確な商品、客層に合った品揃えが勝ち残りを左右する。<スーパーの惣菜・米飯・寿司><敬老御膳>*街角通信は毎週1回、配信しております。 *その他、ご興味のある方はこちらからお願いします。 http//asahi-kikaku.net
2024.08.25
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「景気持ち直し」内閣府が発表した4~6月期の国内総生産速報値は、物価変動の影響を除いた実質の季節調整値は前期比0.8%・年率換算で3.1%増だった。雇用者報酬が前年比で3年ぶりにプラスに転じ、個人消費が改善した。先行きは賃上げ効果が広がる、緩やかに回復するとの見方が多い。(日経)「地域密着と個店経営」ドンキホーテを運営するPPIHは2024年6月期の純利益が過去最高を更新し、営業利益は33%増の1401億円、5年で2倍になった。成長の原動力はチェーンストアの逆を行く個店経営と呼ばれる手法で、ドンキでは商品調達や価格設定、商品の配置などをパートアルバイトが主導し、現場の人に権限を与えて顧客からの要望にも即対応する。商品開発においても万人向けではなく、ドンキでないと作れない商品を目指し、GMSの営業利益率は7.4%と大手のイオンやイトーヨーカ堂を大きく上回る。人口当りのコンビニ数が都道府県でもっとも多い北海道で店内調理の「ホットシェフ」を武器に道内に店舗を広げるセイコーマートに対し、セブンイレブンは宅配サービス「7NOW」限定の揚物の宅配サービスを始めた。三元豚ロースカツ¥624、ザンギ10個¥840、ギザギザポテト6食¥918など5品、セーコーマートはフライドチキンにかつ丼、大きなおにぎりなどの看板商品で店内調理で出来立てを提供しながら作業の標準化などオペレーション体制を整備してきた。惣菜はコンビニにとって他店と差別化しやすい部門で、地場のセイコーマートに対し、セブンイレブンは宅配揚物で対抗する。「小売店のDX活用」コンビニ・ファミマ経済産業省店では冷蔵陳列棚の裏でロボットが人が1人歩くのがやっとの狭い空間でロボットは在庫棚から飲料を掴んで陳列棚に24時間補充している。開発したのは2017年設立のテレイグジスタンスで1日約1000本の飲料を陳列し、ロボットは空いた陳列空間に商品を何本補充すべきかなどを判断する人口知能を備えており、同社では主要都市圏で300店での導入が決まった。西鉄ストアは商品の特徴をアピールする店頭販促「POP]に生成AIを活用する。店舗の購買データと通販サイトの口コミを基に、AIが効果的な「売り文句」を考案し、一部の店舗・商品で約1か月試したところ売上が増加した。又、同社の2店舗で4月から5月までの1か月間、対話型生成AIにPOPの文章を考えさせる実験をし、同店ではカレールウやレトルトカレーといった定番の20店を対象に実施した。USMH傘下のカスミ新形店で肉や魚などの店内調理を、顧客のスマホから注文を受けて魚をさばいたり、惣菜を調理したり、作り立てを提供する。同店では売場の中にお酒が飲めるバーがある他、イートインコーナーではモーニングやアフタヌーンティが楽しめるなど、スーパーとレストランが融合したような店づくりをしている。同社のスマホアプリ「スキャン&ゴー」から「肉・魚・惣菜」を注文し、調理完了の知らせを受けて商品を受け取り、イートインで楽しむことも出来る。AIの進歩・活用は小売業の生産性向上に大きな力になっているが、商品開発や品揃えには人の存在が顧客の支持率アップに大きく影響しており、店舗で働く個人の力を引き出す権限移譲や仕組み・経営が注目されている。<スーパーの惣菜・米飯・寿司><彩り幕の内>*街角通信は毎週1回、配信しております。 *その他、ご興味のある方はこちらからお願いします。 http//asahi-kikaku.net
2024.08.18
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「景気改善は続くか」6月の勤労統計調査で、名目賃金から物価変動を除いた実質賃金は2年3カ月ぶりにプラスに転じた。従業員5人以上の事業所では実質賃金が前年比1.1%増え、夏の賞与を含む「特別給与」が7.6%増と大きく伸びたことが、基本給を示す所定内給与は2.3%増と高い伸びにつながった。日経MJがまとめた主要外食33社の6月既存店売上高は、全社が前年実績を上回り、全社増収は2023年9月以来9か月ぶり。期間限定メニューが好調だった他、人気アニメなどとのコラボや高価格帯商品を前面に打ち出したフェアで客数が伸びた。回転寿司チェーンやファミレス、麺業態は既存店2桁増収となった。内閣府発表の7月街角景気調査では、前年比0.5ポイント上昇の47.5で、2か月連続で改善した。インバウンド需要が好調だった他、円安による物価上昇懸念が和らいだ。猛暑に関する需要が急増、家電販売店は定額減税やボーナス商戦で高額品の動きが良く、先行き判断指数は前月から0.4ポイント上昇した48.3となった。「物価上昇の中でMDの対応」農水省が発表した直近1年間の主食用米の需要実績が前年比1.6%増の702万t、10年ぶりに前年実績を上回り、インバウンドなどの消費が背景にある。需要の増加と猛暑による供給不足を受け、在庫水準が大きく下がっており、24年6月末の民間在庫量は前年同期比21%減の156万tで統計を開始した1999年以降で最低水準となった。水産庁は8~12月のサンマ長期漁予報を発表した。日本近海にやって来るサンマの群れは2023年に続き低水準で推移しており、今年の分布量は前年並みの92万tで、サンマ1匹100gを下回り、8月中旬から10月ごろまでは1匹90~110gで、その後は同80~100gの予想。23年の全国水揚げ量は2万4千tと5年前より8割減少、平均卸値1kg当り1288円だった。コンビニ大手3社の3~5月決算が出揃い、ローソンとファミマは節約志向が高まる中で、増量など販促キャンペーンで増益を確保、一方セブンイレブンは節約志向への対応が遅れ、営業利益は4%減となった。ローソンはおにぎりやデザートなど価格を変えずに増量し、ファミマはチキン惣菜などを期間限定で増量したり、対象品を1点購入で1点無料の提供、これらの販促策が客数増加につながっている。セブンイレブンは6月沖縄の店舗で主力のおにぎりを従来より3割安い商品を先行発売、手巻おにぎり「しゃけ」「ツナマヨネーズ」¥138、など全国に広げた。コンビニ商品の分析を手掛けるジーアイ・マーケティングによると、24年4~6月のおにぎり平均価格は20年同期比24%高い176.5円だった。日本マクドナルドの1~6月期の連結純利益は前年比31%と同期間で最高益を達成した。既存店売上高は前年同期比7.1%増で、1月に主力のビックマックなど、3分の1の商品で10~30円値上げし、客単価が3.7%増えたほか客数も3.2%増えた。値上げ後、クーポンや期間限定の値引き策でお得感を出したことが寄与した。いちよし経済研究所の研究員は同社を「安かろう悪かろう」のイメージから一線を画している。「栄養を考える商品開発」イオンは横浜市と共同で健康に配慮した弁当2品を開発し、首都圏総合スーパーで販売した。1品目の販売数は計画を2桁%上回って推移している。横浜市が定めた主食や副食などのカテゴリー別の栄養基準に沿ってイオンがレシピを作成。例えば「ハマの元気ご飯」として、ラージは1色当り650~850KCal、主食のご飯は150~200g、食塩相当量は3.5g未満と定めている。商品は「肉の旨味が溢れるハンバーグ&彩り野菜弁当」¥645でご飯180gを入れている。厚労省は「日本人の食事摂取基準」で規定した33の栄養素を1食でバランス良くとれる食品「完全栄養食品」市場が注目されている。健康志向の消費者のみならず、コスパを重視する若い世代にも支持を得ており、市場のパイオニアは16年設立のベースフードで24年2月期売上は148億円。ベースフードは主食の特徴である「誰もが口にして、毎日食べても飽きない」点を実現する為、おかずに合う商品や多様なフレーバーを工夫している。近年、大手の日清食品「完全めし」や味の素がスープやパスタで参入している。国内消費はコスパを重視する節約消費に注目されており、小売り・外食各社はコストアップ環境の中で値上げと割安感をいかに提供できるか、一方、新たな食ニーズが広がっており、それを取り入れた商品開発が見逃せない。<スーパーの惣菜・米飯・寿司><お盆弁当>*街角通信は毎週1回、配信しております。 *その他、ご興味のある方はこちらからお願いします。 http//asahi-kikaku.net
2024.08.11
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「激変する地球環境」気象庁は今年7月の国内平均気温が平年(2020年までの30年平均)より2.16度高く、統計を始めた1898年以降で最も高くなったと発表した。記録的猛暑となった2023年の7月を上回り、2024年も過去最高を更新した。気象庁は8月以降も広い範囲で35℃以上の猛暑日が続くと予想している。総務省は24日に人口動態調査を発表し、1月1日時点の日本人は1億2156万人で前年より86万1237人減少、前年比巾は1968年の調査開始以来、最大となった。外国人は11.01%増えて過去最多の332万3374人となり、初めて300万人を超えた中で、全ての都道府県で増加しているが、東京都が最も多く6万6304人だった。人口問題研究所の将来推計人口によると日本の死亡者数は今後半世紀の間、毎年150万~160万人の規模で推移し、一方出生数は20年の84万人が70年には50万人まで減ると推計されている。15~64歳までの生産年齢人口は1990年代に減少に転じたが、足元の就業者数は高齢や女性の労働参加が進んだことで増加している。「食事メニューに見る食ニーズの変化」博報堂生活総合研究所は生活者が撮影した写真を収集・分析する生活意識調査で、日本と中国・東南アジアの写真の分析の中で日本の食の特徴と消費傾向を紹介した。2024年2月の調査によると・毎食ともにひとりで食べるという人は38%存在する。「一人で食べるのは寂しい」と考える人は1993年の64%から、 2023年は35%に大きく減少し、孤食は珍しくも、寂しくもなくなって来ている。・料理を「作る」から調理済み総菜を買うへ一人食でも作るのは自分の負担になり、一人だと手早く作る料理ですますことが多くなり、調理済食品だと多種多様な料理を楽しめることから、作るから買うへ変化している。・「ほんの一手間」を料理に組み込むただ調理済食品を「使う」だけだと家庭料理にさみしくもあり、そこに少し「作る」一手間を加えて自分好みの食事をする傾向が見える。三菱商事子会社のフードリンクは成長の柱にすえる食品加工事業を拡大する。フードリンクは原料の鶏肉や豚肉を国内外で購入して卸す商社機能と、鶏肉や豚肉を唐揚やトンカツに加工するメーカー機能を持つ。同社では食品加工を拡大して、それぞれの製品をスーパーやコンビニ、飲食店などにに販売して事業拡大を図る。人口動態の変化とそれに伴う食ニーズの変化は中食市場を拡大し、富士経済によると、国内の中食市場は23年12兆8300億円の見込みで19年比18%増だ。「ローカルスーパーの支持」地域食ニーズとローカルスーパーの取り組みについて日経・中村氏は、例えば、東三河地域はマグロを好んで食べるが、浜松はカツオと良く食べ、みそは東三河が赤みそで、浜松は信州みそや合わせみそになる。カップ焼きそばでは東三河はUFO(日清食品)で浜松はペヤング(まるか食品)だ。ローカルスーパーの中にはチラシもまかず、ポイントカードもなく、店内で料理サポートもない中で、通常の現場に人的資源を手厚く配分し、惣菜や生鮮の品揃えや売場づくりに手間をかける。そこには地元を知り尽くす現場にとことん任せて、自分や自社が何者かを追求する商品や売場づくりに消費者は支持をする。食品スーパーはローカルシェアをどれだけ高められるか、によって生き残りを図る。猛暑による異常気象が常態化し、衣料メーカーは9月までを猛暑とするMD計画に変更、イオンは2025年のおせち料理予約を1か月前倒して、ECサイトで始め9月から本州地域の総合スーパーで受付けを開始する。小売業は過去のMD計画を変更する時に来ている。<スーパーの惣菜・米飯・寿司><彩り中巻セット>*街角通信は毎週1回、配信しております。 *その他、ご興味のある方はこちらからお願いします。 http//asahi-kikaku.net
2024.08.04
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「夏のボーナス増とお盆のJR予約増」日経まとめの2024年夏のボーナス調査で、非製造業の平均支給額は23年比5.55%多い101万4800円だった。非製造業の夏ボーナス増加は3年連続で上げ幅は高い。流通外食関連は「外食・その他サービス」9.7%増、「百貨店・スーパー」は8.82%増だった。JR旅客6社は、お盆期間(8月9日~18日)の在来線指定席予約客数が、25日時点で前年比21%増の369万席だったと発表した。1日当りの平均予約数は1994年調査開始以来で最高で、混雑のピークは下りが10日、上りは12日となる見込みで、近場への旅行が人気で「1泊2日」の短期旅行が主流の予想。東海道新幹線の予約席数は26%増の161万人、東北・上越新幹線は19%増となった。「丑の日の売れ筋は変わるか」24日の丑の日商戦が終わって、丑の日の消費に変化が起きている。不漁でウナギの価格が上がる中、24日正午、外食の鰻重1600~2600円の中価格帯で販売する「鰻の成瀬・神保町店」には10人以上の列が出来ていた。又、銀座おのでらを展開するオノデラサービスではメニューの最低価格を「国産うな玉丼¥980」夜は「同ミニ鰻丼¥980」で提供。価格を抑える為に、ウナギは白焼きの状態で仕入れ、店頭では焼きと味付けの2つの作業に集約、来店客にはQRコードで注文し、セルフレジで精算するなど省力化を図っている。フランチャイズ店の「鰻の成瀬」の通常メニューは鰻重とお吸い物、漬物のセットのみで、鰻の量によって「梅¥1600」「竹¥2200」「松¥2600」の3種類でサイドメニューはご飯の大盛りのみ。同社は中価格帯の中で、鰻のサイズは大きいものを使用し、提供スピードを速め、原料は中国で養殖した二ホン鰻を使用し、原価率は高めの40%で提供する。絶滅危惧種に指定されている二ホンウナギは、完全養殖に向けて実用化への実験が進んでおり、鰻重が庶民の味になる日も近いかも知れない。(詳細は前週の街角通信で案内)「食資源の変動」年々減少する水産資源の中で、スルメイカの不漁が一段と色濃くなっており、全国主要港の1~7月の生スルメイカの水揚げ量は約2000tと前年比2割減少、豊洲市場の7月平均卸値は1kg当り¥1309と前年同期比55%上昇し、メバチマグロ赤身(同¥996)を3割上回る。イカはスーパーからも引き合いが強く、1kg¥1500~¥2000で取引される非もあるという。小麦国際価格は約4年ぶりの安値に迫っており、最大の輸出国であるロシアの減産懸念が緩和され、米国も豊作観測が高まり、米シカゴ商品取引の先物価格は9月1ブッシュル5.4ドルで5月の高値より25%下落した。小麦の国際価格はロシアのウクライナ侵攻した直後の22年3月の一時13ドル台から、世界生産の順調な伸びがあり、24~25年の小麦生産量は7億9600万tの見込み。「進む物流DX」イオンは福岡市で自動倉庫を稼働すると発表し、配車にAIを活用するなど人の作業時間を3割減らし、30年までに全国に広げ、配送に環境車も導入する。福岡市のイオンの倉庫ではトラックが倉庫に着くと、19台のロボット台車が荷物を受け取って、自動でレールに沿って走り、高さ6mの棚に商品を積んで、人手を介さずに作業が出来る。AIが車両の走行状況や積載量の情報を分析し、トラックが短時間で配送するルートを見つけたり、余裕のあるトラックを自動で手配し、走行距離を2割減らせる見込み。くら寿司は年内に活魚専用の小型水槽を導入し、漁港から活魚を積んだサバなどを販売する。小型水槽の活用で活魚と他の水産物との混載も可能になり、物流コストが10分の1に、運転手不足に対応でき、鮮度の高い寿司を提供できる。小型水槽を使うことで2トンや4tトラックの運搬も出来て物流コスト削減に大きく貢献する。今後は食資源の高騰、原材料の値上がりが続く中で、食品の原材料の手配、物流、商品の加工・調理、販売のバーチカルな運用にAIの活用が欠かせなくなり、商品力の強化につながっている。<スーパーの惣菜・米飯・寿司><おつまみセット>*街角通信は毎週1回、配信しております。 *その他、ご興味のある方はこちらからお願いします。 http//asahi-kikaku.net
2024.07.28
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「梅雨明け、涼味商品が急増」先週の梅雨明けで、猛暑関連商品やサービスが消費を押し上げている。昨年同様に梅雨明けには涼麺やアイス・炭酸飲料などの売上が急増して、反面、家庭ではフライや唐揚などの揚物調理は敬遠され、スーパーの揚物が9%伸びた。又、外食ではビアーガーデンが2桁の売上で推移、エコノミストの試算では7~9月に気温が1度上がると約2600億円の消費が期待出来るという。「賃上げと値上げ」野村総研によると、賃上げで収入が増えて積極的に消費に回す人の割合は41.0%で、2024年中に賃上げは見込めない人で、消費に積極的な人は25.7%に留まった。24年の収入増が見込めない人の割合は54.6%で、特に非正規雇用の場合ほど目立ち、その割合は69.7%に達する。(日経)日経がまとめた2023年小売業調査で、スーパーなど小売業の6割が24年に商品を値上げすると意向を示した。物価高が続き賃上げを進める中で、価格転嫁と客数維持のバランスを慎重に探る企業が浮彫になり、選別消費ではPBの拡充する動きが広がっている。人手不足を受けて小売業の賃上げ意欲は強く、調査では56.3%の企業が「24年度以降も賃上げする」と回答している。UAゼンセンによると、賃上げ率は正社員が4.95%、パートが5.75%となっている。小売業の24年度の売上見込みは(115社)2%増と緩やかで、業態別では百貨店が5%増、スーパーが4.8%増、専門店が4.5%増を見込み、客単価が23年度は63.8%が22年よりも増えていると回答した。この中で賃上げをするには人件費増を商品に価格転嫁する必要性が高くなっている。「新商品開発競争」日清食品HDは効率的な栄養摂取が可能とする「完全めし」で女性向け商品を発売すると発表し、冷凍おにぎりを18日から販売する。商品は「ほぐし鮭と大葉」「ツナマヨ味五目御飯」など6種類で、オンラインで販売し、4袋(1袋3個)で¥2680(送料別)となる。コンビニローソンはザクザクとした食感が特徴のサラダを発売する。ASMRを楽しむサラダはレタスの上にドライトマトやオリーブ、パプリカ、チーズを添えたり、又、ナッツやクルトンをかけて、ドレッシングを使わないで野菜がしならず、食材の歯ごたえが楽しめるようにした。若い世代を中心にASMRの人気が高まっており、食感を楽しめる商品に仕上げた。セブンイレブンは8月にもピザを約200店舗で販売するなど、スマホで注文した商品を最短20分で宅配するサービスを25年2月末までに全国2万店に拡大する。セブンでは店を拾いきれない顧客の需要が大きいいとの認識で、20~40代女性の利用で、体調不良や子育て、介護で買い物困難者の需要は大きいという。ベイシアはPB「ベイシアプレミアム」の一つとして「群馬県産つるぴかり100%うどん」を開発する。「つるぴかり」は群馬県でしか栽培されない品種でモチモチ食感のうどんになり、担当のバイヤーはつるピカリの種蒔から現地に足を運び、収穫まで目配りする。鮮魚では「アセロラブリヒラ」の販売を本格化しており、ブリとヒラマサの交雑種でブリのうまみとヒラマサの歯ごたえや身のきれいさを合わせ持つ。全国SM協会によるとPB商品はスーパーの8割が扱い、NBとの価格の安さだけでなく「ここでしか買えない」という個性が求められている。今週の丑の日を控え、鰻の完全養殖の明るい話題が入って来た。天然資源に依存した二ホン鰻の稚魚を人工的に大量生産する技術を水産庁の研究機関が構築したと4日発表した。成熟した母ウナギから毎週200万個の受精卵を安定的に採取することに成功し、水槽で幼生のウナギをふ化させ、鶏卵や脱脂粉乳などの原料で育て、シラスウナギの稚魚まで成長させる。専用の自動給餌装置や大型の水槽も開発、安定生産と効率化を進め、稚魚の生産コストを22分の1まで削減できる。人手不足が深刻化する小売業、賃上げによる人件費増は製造業と変わらなくなる中で、利益の原資をどう確保するかが今後の最大の課題、値入のとれる商品、他社と差別化できる商品開発が今後の企業の命題になって来た。 <スーパーの惣菜・米飯・寿司><鰻ご飯弁当>*街角通信は毎週1回、配信しております。 *その他、ご興味のある方はこちらからお願いします。 http//asahi-kikaku.net
2024.07.21
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丑の日(24日)を次週に控えて、外食を含め新規取り組みが出ている。天丼専門店の「てんや」は鰻蒲焼を天ぷらにして、とろろと一緒に盛付けた「うなとろろ丼」¥1080を売り出した。すかいらーくHDはガストやジョナサンで鰻重・梅¥1390や松¥1990を販売、日清食品HDは大豆などの植物性原料を使用した鰻蒲焼を再現した「謎鰻」¥1500を発売、大豆蛋白質や植物油脂を使って、3層に分けて食感をふわっとさせた。今年の丑の日は昨年と変わらぬ相場の中で、各業態で新規売り込みが活発になりそうだ。「景気回復でも人手不足倒産」内閣府発表の6月街角景気(DI指数)は前月より1.3ポイント高い47.0だった。小売関連や飲食関連は猛暑が影響し改善し、今後の先行き指数も47.9と予想された。その景況感の中で人手不足は深刻だ。夏季休暇を控えた宿泊施設によると、箱根ではバイト時給が¥1700でも響かない、6月には「接客手当」¥500を支給するなど、東京より高くなっている。宿泊施設では外国人採用に活路を見出し、特定技能実習生を積極的に受け入れている。毎月勤労唐家によると、パートタイム労働者の所定内給与は5月に前年比2.5%増え、時間当り給与は¥1328で前年ん同月比4.0%増えた。ビックカメラはパート時給を7%上げ、スーパーのヤオコーでは6.34%引き上げるなど、各地では深刻な人手不足に対応した賃上げが波及している。(日経)厚労省の最低賃金審議会は2024年最低賃金の引き上げに向けた議論を始め、24年の賃上げ率5%を上回る最低賃金¥50上げが攻防ラインの見識を示した。23年の最低賃金は全国加重平均1004円となり、最高は東京の1113円となっているが、中小企業にとってますます厳しい経営環境になって来る。全体に好調だった外食企業の中で、焼き肉店の倒産が増えており、帝国バンクによると、2024年1~6月は前年同期で2.5倍になった。理由は円安や米国産牛肉の値上がりが収益を圧迫しており、又、ワタミなど外食大手の焼肉参入で小規模店が価格競争に耐えられなくなっている。今後は地元のブランド牛を使ったメニューで客単価を上げる取り組みが重要になる。「原料の値上げに対するプライシング」秋に本格流通が始まる2024年産新米が値上りする見通しが出ている。収穫が始まっている鹿児島産コシヒカリは1俵(60kg)当り1万9200円、前年比5割高となり、宮崎産は1万9000円で4割高となり、昨年比5~6%増程度。コメの栽培に使う肥料の調達コスト高が価格に影響している。小売上場企業の3~5月期の営業利益が前年比7%増と増加率は下がって来た。イオンは連結の営業利益が前年比7%の減少、目立つのは来店客数の落ち込みで、食品スーパーUSMHは既存店客数が6%減少、HCのDCMも5.9%減とダウンした。消費者は生活防衛意識を高め、リユース店は中古品が活況で、トレジャー・ファクトリー25年2月期営業利益は前年比21%増になる見通しだ。外食の松屋フーズは一部で深夜料金加算を始める。午後10時から翌日5時にかけて商品の金額に7%を加算し、一都6県の松屋ととんかつ専門店の「松のや」で導入する。ゼンショウHD傘下の「すき家」でも深夜料金制として7%を加算する。値上げが続く外食の中で「餃子の王将」は過去4度の値上げを実施したが、既存店売上高は前年比プラスを維持し、同社では社員を大切にし、商品力を磨き、品質向上のゴールを目指して来た。餃子の自動焼機を止めて品質重視の鍋で焼くことにこだわり、毎年レシピを少しずつ変えて、値上げ前には全店の商品をチェックし、店の調理担当者は全員研修を続け、商品のレベルアップをしたと言う。24年の賃上げ効果は円安により消失している。消費者の節約意識は高まる中、惣菜の味・品質の進化は重要で価格以上の価値観を出せるか、の追求によって消費者の支持が得られる。<スーパーの惣菜・米飯・寿司><鰻ご飯弁当>*街角通信は毎週1回、配信しております。 *その他、ご興味のある方はこちらからお願いします。 http//asahi-kikaku.net
2024.07.14
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「消費の2極化が進む」高額消費の代表である百貨店の売上は1991年の9.71兆円をピークに2023年には5.42兆円に縮小し、今、西武池袋店がヨドバシカメラを主とする専門店に変わろうとしている。百貨店の利益頭の衣料品は構成比が91年の40.3%から26.8%に下がり、23年は食料品が27.3%と衣料品を抜いている。公務員や会社員のボーナスが支給され夏商戦が始まっている中、百貨店の時計や宝飾品などの高額品が伸びており、高額消費は堅調だ。(日経)一方、総務省が5日発表の5月の家計調査では世帯所得に明暗が分かれ、2人以上世帯の消費支出は29万328円と前年同月を1.8%割った。勤労世帯の年収別の名目消費支出は年収1000万以上の世帯が前年比4%増び対し、640万より下はマイナス1~2%で、その間の層はプラス1~2%だった。勤労低所得層に消費が伸びていないことが分かり、スーパーの店頭では値下げの動きが広がっている。イオンは3日からPBのトップバリューの紅茶飲料など32品目を2~25品値下げ、セブン&アイ傘下のイトーヨーカ堂も1日から調味料やテッシュペーパーなど100品目を平均10%値下げした。外食においても日本KFCは5月下旬から、バーガーにドリンクがついた昼食時間帯限定のセット16種類を一律40円値下げした。すかいらーくHDはFRのガストでピザやハンバーグなどのメニューとアルコールといった全体の16%に当たる30品目を対象に値下げした。夏季休暇を前にJTBが4日に発表した推計によると、7月15日から8月末出発の国内旅行は前年同月比4.2%減の6800万人の見込み、特に節約志向を受けて短期間の旅行を選ぶ消費者が増えており、1泊2日の旅行を計画している消費者は全体の37.6%と前年より5.1%上昇した。「食料確保の課題」農畜産振興機構が5日まとめた5月末時点の食肉の国内在庫が、8か月連続で前年同月比6.8%下回り、輸入品在庫減が目立つ。生産国のコスト高に加え、円安による新規調達が進んでいないことが原因。一方、鶏肉の5月末の推定在庫は前年同月比6.7%増と牛肉や豚肉に比べ落ち着いている。日本の人口が1億人を切る2050年代には世界人口が100億人が予想され、農水省は畜産物の需要が世界全体で10年比1.8倍に拡大すると試算、タンパク質需要を確保するには、2人に1人は代替え食のタンパク質と動物性をバランス良く組み合わせることが重要になると予想する。代替食として肉や魚、代替卵、植物性ミルク・スイーツ、昆虫食などが日常の食卓に並ぶことが当たり前になり、健康増進につながるとも期待される。カゴメは業務用に続く代替卵として、今春に原材料の配合を見直し、より卵に近い味わいと風味を改良した。湯煎や電子レンジで温めればすぐに食べられ、加熱しても食感や味、色を損なわない。コルステロールはゼロでカロリーや脂質はそれぞれ約6割少ない。代替卵はキューピーが発売した「ほぼたま」では約350社の卸を通じてホテルや飲食店、幼稚園・保育園に広がっている。天然資源に依存した二ホン鰻の稚魚を人工的に大量生産する技術を水産庁の研究機関が構築したと4日発表した。成熟した母ウナギから毎週200万個の受精卵を安定的に採取することに成功。水槽で幼生のウナギをふ化させ、鶏卵や脱脂粉乳などの原料で育て、シラスウナギの稚魚まで成長させる。専用の自動給餌装置や大型の水槽も開発、安定生産と効率化を進め、この技術を養殖に関心のある自治体や企業に提供し、制度面を含め整えるとしている。世界の人口増と地球温暖化に伴う食料不足による価格上昇、それに伴う物価の値上がりによる節約消費の高まり、この環境下において食料確保の技術革新が続くが、消費ニーズの2極化は深まっていく。<スーパーの惣菜・米飯・寿司><穴子重>*街角通信は毎週1回、配信しております。 *その他、ご興味のある方はこちらからお願いします。 http//asahi-kikaku.net
2024.07.07
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「原料高による値上げが続く」昨年の猛暑の影響でコメの流通量が減り、売れ筋の「コシヒカリ」や「あきたこまち」は前年より2~3割高値で販売されている。全国スーパーのPOSデータによると、5月のコメの店頭平均価格は1897円で前年同月比11.5%高く、今年の新米が出るまで高値が続く見込みだ。ハムやソーセージなどに使う輸入豚肉は国内の卸値が1年間で4割上昇し、国産豚肉もおよそ40年ぶりの高値を付けた。日経の聞き取り調査によると、チャーシューに使う肩ロースとバラ肉は欧州産の国内卸値がいずれも1kg900~920円と前年同期比4割高となった。国内消費の半分を占める欧州や北米からの豚肉は、豚の飼育頭数減や円安による買い負けで豚肉の高騰が続く。輸入鶏肉の国内卸値は世界の引き合いが強まる中で、日本の主要調達先であるタイ市場では中東勢の存在感が大きくなり、円安も重なり輸入がより難しくなっている。外食やスーパーで扱われるタイ産の鶏モモ肉は国内卸値が1kg¥480~¥500と直近安値の2023年12月から9%上昇した。ブラジル産は中国が景気の不安が後退したことで調達を増やしている。外食主要28社の5月売上は前年同月を上回り、特にGWの期間中に近場で過ごす客に対する期間限定メニューが好調だった。(日経MJ)外食企業の値上げは続いており、2023年調査では価格を「全般的に引き上げた」「一部引き上げた」との回答が94%に上がっており、値上げ効果が大きい。24年度の価格方針で値上げを3~5%未満実施する企業が最も多く約6割存在する。値上げによる客離れ対策として、・食材の質を向上する。・一部商品の価格は据え置きで、セットメニューで割安感を出す回答が多い。外食企業の価格戦略が二極化しており、インバウンド客向けに高価格メニューと選別消費を背景に値下げする企業もある。国内物価の上昇で家計の負担は重く、低価格品の人気は高い。日本ではデフレマインドが消費者に定着しており、外食ではコスト高を背景に値上げは続いていても、需要主導の値上げはまだ難しい。食材の値上げは食品メーカーやスーパーなど小売業にも影響が大きく、外食同様に製品の値上げがカギを握っており、その為には、付加価値商品の開発強化による値上げと、主力商品と準主力商品、その他商品の中で値上げと据え置き商品の値入ミックスを見直すことでトータルの値入率を改善することが必要になっている。<スーパーの惣菜・米飯・寿司><鰻飯>*街角通信は毎週1回、配信しております。 *その他、ご興味のある方はこちらからお願いします。 http//asahi-kikaku.net
2024.06.30
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「気象の変化とMD対応」「地球沸騰化」と言われた2023年を経て、企業は季節商品の取り組みが変化している。特に衣料メーカーは「夏は5カ月」とする商品スケジュール計画を始め、5月~7月を「初夏・盛夏」、8月~9月を「猛暑」と位置付けて対応する。春と秋が短くなり夏が長くなることによって、夏物商品の展開が6月~9月に変わる。特に食品では、アイスクリームが気温が1度上がることで消費者が求める味は変わり、20度では96%がアイスクリームを好むが、気温が高くなるにつれてかき氷の比率が上がり、34度で逆転する。大手マーケティング・リサーチ会社のデータから30~50代の世帯年収が1500万以上に該当する(パワーカップル)は全体の1%少数だが、パワーカップルの特徴として、・健康食品を優先し、コスパよりタイパを重視する傾向がある。低価格の物を求めて自宅から遠いスーパーに行くより、近くのコンビニで済ませる。その為、チラシが効きにくく、デリバリー活用が高いタイパ重視の特徴があり、パワーカップルは18年に0.74%から確実に増えていると分析する。市場ではタイパを重視した商品が目立ち・広がっている。丸亀のシェークうどんのヒットからローソンのパスタカップサラダ、トーヨーコーポのレンジで加熱し、ソースを入れて20秒振って完成する80秒焼きそばなど、マーケティング調査会社(ナイル)では日常生活の中でタイパを意識人の過半数が「食事・料理」を最も意識しており、同時にタイパを上げても「美味しさ」や「栄養バランス」は妥協したくないとの回答が多かった。「賃上げと働き方」人手不足が深刻な飲食業で必要な人材を採用できた割合はパート・アルバイトは平均で68%、正社員は60.9%であり、企業は単発アルバイトなどスポットワーカーの活用を増やしている。2023年の外食企業の売上高は8兆3994億円で4年ぶりに過去最高を記録、(スーパーの2023年売上高は13兆5585億円)昨年に続き全ての業種で売上げは前年比プラスとなったが、食材と人件費の高騰が大きな課題になっている。その中で、午後10時から翌日5時までの深夜料金制度を導入する企業が出て来た。すき家では牛丼・並盛通常¥430を深夜は¥460など、一律に7%加算する。その他「松屋」も店によって異なり7~10%を加算する。中小企業で業績の改善が伴わないのに人手を確保するための「防衛的な賃上げ」が日本商工会議所の調査で6割に上り、人材つなぎ止めの苦肉の賃上げになっている。従業員20人以下の企業に絞ると「防衛的」が64%に達し、物価高の中で利益を削っても人手を確保する賃上げが行われている。NTTデータ研究所によると仕事を何歳まで続けたいかを60歳5歳刻みで確認すると、50代では65歳までが37.4%と最も多く、60代で70歳が45.8%、70代では75歳までが40.3%一生働きたいも全体の16.5%に達した。日本人は健康に気を付けて働き続けることに前向きに取り組んでいる。ライフワークの考え方は日本でも広がって来ており、週休3日制は欧州・日本で広がって来ている。ドイツでは50社が感化する大規模な実証実験が始まり、日本では伊予鉄グループや日立製作所も制度を整備する。段階的導入を決めたドイツ鉄道は熟練整備士の人出不足に陥っており、労働環境の改善策として週休3日制を導入した。日本では労働時間を減らしても賃金は維持する考え方は主流であり、その為には個人が選べる働き方と生産性の向上が課題になる。気候変化による商品の売れ行き変化、人手不足による賃金の上昇と営業経費の高騰、働く人の働き方意識の変化これらの変化するニーズの対応は喫緊の課題であり、結果が出るまで時間もかかる対策であり、早急に取り組む必要がある。<スーパーの惣菜・米飯・寿司><うな玉セット>*街角通信は毎週1回、配信しております。 *その他、ご興味のある方はこちらからお願いします。 http//asahi-kikaku.net
2024.06.23
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「街角景気は雇用関連が大きく影響」内閣府発表の5月の街角景気は、現状判断指数(DI)が前月より1.7ポイント低い45.7だった。雇用関連や飲食・サービス関連を中心に景況感が悪化した。物価高による中小企業の経営悪化や、採用ミスマッチの影響が大きく、賃上げムードの中で年収アップを目指して転職希望者が多く、中小い企業への応募者が極端に減少している。(日経)2~3カ月先の先行き判断指数・DIは46.3と4月より2.2ポイント」低く、家計関連、雇用関連で見通しが悪化した。スーパー各社は服装や髪色などを多様にする方向に自由化した。パート・アルバイトなどの従業員の髪色やアクセサリーなど、身だしなみの規定を相次いで緩和している。スーパーのパート・アルバイトの充足率は10%以下で人出不足解消には程遠く、個性を尊重した働きやすい環境づくりは大きな課題になっている。「地球の温暖化で食資源に変化、値上げ続く」国連の気象機関(WMO)は今後5年間で産業革命(18世紀後半~19世紀)以前から気温上昇が1.5度に達する可能性が高いと発表した。1.5度の上昇が定着すれば豪雨や干ばつなどの自然災害が急増し、産業革命前に比べ、豪雨は1.5倍、干ばつは2倍、熱波は4.1倍と予測する。又WMOは2023年春から続いた「エルニーニョ現象」が終息し、2024年夏以降は「ラニーニャ現象」に移行する可能性が高いとし、ラニーニャは小麦など主食向け穀物の収穫に悪影響を及ぼすと指摘する。分析結果から1981~2016年のラニーニャの年には米国のトウモロコシと大豆、カナダとオーストリアの小麦収穫量が低下する傾向が見られた。米国産牛肉が円安や現地の生産減を背景に高騰し、一部の国産牛肉と卸値が逆転する減少が出ている。米国産バラ肉(ショートプレート)の国内卸値は1kg1450~1530円と前年比8割高、国産乳牛のバラ肉卸値は1kg1250円前後で、需要が国産にシフト始めた。6月川口市のスーパー肉売場では、3月より国産牛肉の売場が広がり、国産の中でも安価な「交雑牛」や「乳用牛」の扱いが増えている。豊洲市場の冷凍タコの卸値は2023年1kg1668円と10年前の2倍、タコはアフリカ西部のモーリタニア産が多く、円安の影響も大きく、外食で使用されるA2等級の黒毛和牛の卸値は1kg1550~1600円とタコより安い。物価の優等生と言われる「もやし」の価格に値上げが進んでおり、1袋20~30円だったもやしが30~40円に上昇している。原料となる中国産緑豆は減産や産地生産コストの上昇と円安が重なり、生産大手の富士食品工業は1袋(200g)4円の値上げを申請している。国内で強まっているのはコストプッシュ型インフレ圧力でモノの価格上昇は消費だけでなく、生産現場にも及んでいる。食品価格の継続的な上昇は家計を苦しめ、2人以上世帯の消費支出に占める食費の割合(エンゲル指数)は2023年27.8%に達し、現在の計算方式になった00年以降、最高を更新した。人手に頼る小売り・外食は値上げと雇用の2重苦が続く中で、売上重視から生産性アップへシフトし、業務の効率化推進が急務になっている。<スーパーの惣菜・米飯・寿司><鰻ご飯>*街角通信は毎週1回、配信しております。 *その他、ご興味のある方はこちらからお願いします。 http//asahi-kikaku.net
2024.06.16
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「スーパーの店舗戦略」イオンは千葉県船橋市で総菜の新工場を稼働した。製造能力は従来の3倍になり、家庭でレストラン風の料理を楽しむコンセプトで新しい惣菜ブランドの展開を始めた。新工場は既存の拠点近くに建設し、惣菜の生産能力を移管した。延べ床面積は約2万1870平方m、通常の工場の3倍の広さがある。新工場には研究開発の設備を置き、子会社各社の関東7都道府県の1500店舗に配送する。富山県のスーパー大阪屋ショップは今秋、岐阜県で初の各務原店を開業し、愛知県江南市に続いて中京圏で2店舗目になる。富山のアルビスは今後中京圏の店舗を3年間で3店舗から11店舗へ拡大する。北陸3県では2023年ドラッグストアの販売額がスーパーを上回っており、ドラッグが扱いにくい鮮魚・魚介類を富山県から中京件に運び、地域に富山の新鮮な魚類で消費ニーズを発掘し、ドラッグとの差別化を図る。食品スーパーを展開するOICグループ(川崎市)はバーベキュー(BBQ)を始める為、BBQ上を運営する会社を買収した。2025年4月を目途にロピアが入る商業施設にBBQ場を開設する。ロピアではステーキや焼肉用食肉を大容量パックで販売しており、BBQ用の食肉を各地のBBQ場へ供給することを検討する。「人手不足対応と働き方」深刻化する人手不足状況の中で、2024年の春闘は定期昇給を除くベア額の満額回答とした企業が6割に上った。帝国バンクの調査では正社員が不足している企業の割合は全体で51%と過去最高の18年に迫る水準になっている。各社は将来を見据えた人材の確保を積極的に進める為、賃金と働き方について真剣に取り組む状況に迫られている。食品スーパーのロピアは2024年度から20~30代が多い売場責任者を対象に年収1000万が可能になる報酬体系を導入する。対象は売場チーフや店長、チーフ以上の管理職など約700人で売場の予算管理から仕入れ、値付け、パートの採用まであらゆる裁量が与えられる。同社では店舗の売上など成果に応じた賞与を増やし、20代から年収1000万円が可能になった。ライフCPは全店の生鮮部門で人工知能(AI)の需要予測による自動発注を導入する。消費期限が短い生鮮食品は予測が難しいが、実験店の畜産部門で発注時間が3~4割減り、廃棄率も10%改善した。AIが販売実績や気象情報を7種のデータに基づき、畜産約200品目の需要を予測、発注数を算出し店員は地域イベントなどに応じた数量を調整する仕組みだ。1週間の発注にかかる時間は70~80分と導入前から3~4割減り、鶏ひき肉や手羽先など販売が少ない商品の廃棄率は10%前後改善した。働き方改革関連法の施行から5年、残業時間の減少など働き方は改善した。日経が国内の口コミサイトにある社員の投稿から労働環境と業績を分析した中で、・働きやすいが、働きがいは低い企業を「ホワイト」・働きがいは高いが、働きやすさは低い企業を「モーレツ」・両方とも高い企業を「プラチナ」と類型化した。全体に占める比率はモーレツが29%、ホワイトは20%、プラチナは24%だった。2022年度までの10年間で企業売上高の増加率はモーレツが年平均6.6%でホワイトを2ポイント上回ったが、プラチナは7.8%、PBR(株価準資産倍率)も3.3倍と高かった。従業員は働きやすく、しかも働きがいもあるプラチナ企業を求めている。従業員が会社で実現したい「夢」を企業の組織で共有する重要性が明確になった。全国スーパーマーケット協会の加盟企業調査では、必要なパート・アルバイトの人数を採用できた企業はわずか7%で、必要な人員の充足率は平均76%と、人手不足は深刻だ。食品スーパーを取り巻く環境はドラッグ・DSの出店攻勢で厳しさが増しており、深刻な人手不足に対処しつつ、顧客の利便性や買い物の楽しさを高める事が課題。<スーパーの惣菜・米飯・寿司><冷菜おつまみセット>*街角通信は毎週1回、配信しております。 *その他、ご興味のある方はこちらからお願いします。 http//asahi-kikaku.net
2024.06.09
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「2024年賃上げ率4.94%、外食がけん引」日経まとめの2024年平均賃上げ率は、非製造業で4.94%と前年比1.04%増だった。流通・外食業界の賃上げ率首位は外食ゼンショーHDが12.2%で、2位はしまむらが5.56%、食品スーパーは原信6.50%と高く、夏のボーナスはスーパーが4.23%、外食は6.48%増と伸びている。「商品開発のキーワード」セブン&アイHDのPBである「セブンプレミアム」の累計売上は15兆円を突破、同社は「美味しさを中心とした品質の追求」の結果だとしている。時代の変化にも対応し、少し価格は高くても上質な原料を使った「セブンプレミアム ゴールド」を加えて、「セブン・ザ・プライス」と消費ニーズに合わせてセブンPBの巾を広げていった。同社は、今後の商品開発のテーマは・一つの軸は健康、日々健康に留意している消費者は多く、 栄養指標の数値を意識して、付加価値を付けた商品開発をして行く。・もう一つは環境に配慮した取り組みで、環境負荷の少ない商品開発を強化、 食品ロスの削減も重要テーマだとしている。味の素は炊飯器に入れると糖の吸収が穏やかになる「白米どうぞ」を発売、食品に含まれる糖質の消化吸収が穏やかになる。白米の糖質事態は減るわけではないが、酵素の働きで白米のでんぷんを消化されにくい構造に変化させる。物価高で節約消費が強まる中でも、プチ贅沢気分が楽しめる高単価バーガーが売れている。マクドナルドは定番商品の中で「サムライマック」¥580は男性会社員らを中心に支持され、累計販売数は2億個を突破した。一方、バーガーとサイドメニュー、ドリンクが付いた「ひるマック」¥600も売れている。又、4月に2週間限定でビーフパティを3枚にした「トリプル肉厚ビーフ」¥780を販売。セブン&アイHD傘下のイトーヨーカ堂は総菜の新ブランド「ヨークデリ」を始めた。グループの開発力や商品力を生かして250品の商品を売り出し、ヨークデリは「毎日食べたい美味しさ」をコンセプトに、弁当や出し巻玉子、鶏モモ唐揚、ポテトサラダなどを販売する。又、弁当のコメは「八代目儀兵衛」監修のもと、ブレンド米にこだわった。ヨーカ堂の惣菜強化は惣菜でスーパーを選ぶ人は4割いるが、ヨーカ堂は選ばれていない。本格的な専門店の寿司を家庭で食べることが出来る冷凍すしが増えて来た。寿司は冷蔵ではシャリが固くなり、常温ではネタが傷む。その課題に対し、高級寿司店を運営するB&Tマリンプロダクトは厳選したネタを職人が握り、予備冷却を経てマイナス40℃まで「3D凍結」する。冷凍された寿司は電子レンジ解凍で容器の下に水を注ぎ、500ワットで2分半加熱する。そのまま常温で10分置くと、ネタは新鮮で冷たく、シャリは人肌で職人の握りたて寿司を90%再現できる。高級すし店「銀座おのでら」は冷凍すしの新工場を茨城県に建設中だ。個人消費の停滞、消費の多様化、グルメ消費は堅調消費ニーズが変化していく中で、売上を維持拡大していく為に「健康・環境」をキーワードにテクノロジーを駆使した商品開発が望まれている。<スーパーの惣菜・米飯・寿司><ローストビーフ・サーモン・生ハム握り>*街角通信は毎週1回、配信しております。 *その他、ご興味のある方はこちらからお願いします。 http//asahi-kikaku.net
2024.06.02
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「地球環境の変化、食資源の高騰」すり身の卸値に先高観!練製品の原料となる白身魚のすり身は北米産スケソウタラを原料にしている中、北米工場の燃料代やすり身に加工する人件費、運搬料の値上がりから直近の安値から5%ほど値上りしている。すり身消費国である日本は低カロリー、高たんぱくの食品として市場は伸びており、円安もあって秋以降の価格は値上りする観測が大きい。小麦の最大輸出国であるロシアで霜害が発生、大豆の収穫が進むブラジル南部で大規模洪水が起きた。損害を受けて小麦相場は米シカゴ市場の小麦先物は一時1ブッシュル7ドルを付け、昨年7月以来9か月ぶりの高値になった。相場の急上昇は小麦以外に大豆やトウモロコシも同じく反発しており、トウモロコシは昨年12月以来、大豆は1月以来の高値圏に上昇している。回転寿司人気1位のネタ「サーモン」の国内相場が上昇、世界的な需要増でノルウェー産の輸出価格は3年間で2倍に上場しており、生食用サーモンの輸出価格は1kg当り約¥1750、輸出量は2.4万tと前年比17%減少した。寿司チェーンの銚子丸が提供する「オーロラサーモン」は1皿¥440とマグロより高い。コメ卸会社の5月の取引価格は、新潟コシヒカリが前年同期比6割高と値上がり、2023年の猛暑でコメの品質が低下したことで流通量が減少する中、消費は増えている。日経調べの5月上旬の新潟コシヒカリは1俵(60kg)2万3150円と前年比¥8650高く、コメ需給の指標となる民間在庫量は3月末で215万tで前年比14%少ない。日経POSデータでは秋田産あきたこまちの店頭価格は5kg¥1811と前年比23%高い。飲食店では輸入米を手当する動きがあり、牛丼チェーンでは外国産米をブレンドする。「個人消費変化が店舗を変える」他人を気にせず、好きな時に好きなことを楽しみたい「一人消費」に関心が集まる。(日経)ひとり消費の要因として、・技術とサービスの進歩で、スマホを使って同じ場所に集まっても別のことをする 個人と集団の両立ができるようになった。・共働き世帯が増えて時間の使い方が変わる中、夫婦や家族、家庭や会社の密着が 緩やかになった。・あらゆる人や情報と簡単につながるようになり、たまには一人になりたいという欲求。 ひとりマグマで消費が細分化すると、少量多品種が必要になりやすいが、 パーソナル感があれば少量多品種でなくてもいい場合もあると指摘する。肉や魚に代わる「代替たんぱく質」は、世界人口増加や経済成長によって市場規模は2050年には138兆円に達すると予測される。代替タンパク質は大豆など植物から作る、家畜の細胞から培養する、藻類や酵母などと微生物由来、昆虫などに分けられる。特許調査会社と日経は4月末時点で代替タンパク質の特許を調べた中で、日本の不二製油は植物からバターやチーズに似た食感を持つ食品の特許で2位に入り、日清食品HDは培養肉で、細胞の培養に独自開発の食用可能な血清で牛の筋肉の細胞を育てたステーキ肉の開発特許を持つ。代替え肉は世界の採食主義者のニーズを掴み、世界の産業をけん引する可能性が大きい。イオン傘下のコンビニ・ミニストップは東京都千代田区にコンビニとスーパー、FF店を融合させた店舗を20日開店し、新店は既存のコンビニより4割広く、商品数は3500品目と約2倍に拡大した。生鮮品は120品でイオンの調達網を活用、イオンPBのトップバリューは約1000品目を取り扱い、値ごろ価格で節約志向の高まりに対応する。店内調理のFFは主食としてホットドッグやトルテーヤサラダを新たに販売し、コンビニニーズに日々の食生活ニーズを取り入れた新型店で勝負する。セブンイレブンは企業の福利厚生需要を取り込む目的で地方の工場などに出店する。コンパクト店舗で面積は通常の4分の1の50平方mで、商品数も最大で1200品目に絞り、店頭には人を配置しない。来店者は専用アプリQRコードで入店し、商品のバーコードを読み取って清算する。対象顧客を絞った中で、顧客の利便性を追求したコンパクト店舗で拡大を目指す。セブン&アイHD傘下のイトーヨーカ堂は業績改善策として2024年に前年3倍の200億円を投じて食品売場を改装すると発表。北海道や東北から撤退して、店舗は首都圏と関西に絞って売上改善を目指す。食品の中でも総菜を中心として、グループのセントラルキッチンを使って改装を進め、26年2月期には黒字転換させて償却前利益550億円を掲げるが先は険しい。国内の人口は減少傾向だが、世界の人口は拡大傾向にあり、食料問題は国際的課題になっている。その中で食品原料は地球の環境問題を抱えて値上りする課題に対し、企業はテクノロジーを使って人工的生産に取り組む。この環境変化に連動して消費者の購買ニーズも変化して来ており、小売店舗の形態は変化していく。<スーパーの惣菜・米飯・寿司><おつまみセット>*街角通信は毎週1回、配信しております。 *その他、ご興味のある方はこちらからお願いします。 http//asahi-kikaku.net
2024.05.27
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「国内景気の足取り重く」内閣府発表の1~3月の国内総生産速報値は物価変動を除いた実質が年換算2.0%減と2四半期ぶりのマイナスとなった。GDPの半分以上を占める個人消費は、前期比0.7%減で4半期連続のマイナス、国内の物価変動を示すGDPデフレーターは前年同期で3.6%上昇し、家計の実質所得が前期比マイナスになっていることが大きい。上場企業の24年3月期の純利益合計は製造業が22%増、非製造業が14%増だったが、25年3月期は製造業は4%減益となり、全体の増収率は2%と4ポイント低下し、製造業は4ポイント減と予想。要因は中国や欧州を中心とした海外の景気減速、2つめの要因は円安効果で多くは1ドル140~145円を想定する企業が多く、3つ目は人手不足や成長持続へAIなどの先行投資が大きい。(日経)内閣府発表の4月の街角景気判断指数は前月より2.4ポイント低い47.4だった。物価高や飲み会の減少で飲食関連で景況感が悪化した。特に目立つのは家計動向関連で前月より2.8ポイント下げて46.6、サービス関連は3.2ポイント減の49.4,小売関連は2.6ポイント減の45.1だった。先き判断DI指数も48.5に落ち込み、3月よりも2.7ポイント低い。6月の所得税減税効果を期待する声もあるが、街角景気の改善には時間を要する。「小売り業の垣根が崩れ、新規取り組み広がる」イオン傘下のミニストップはコンビニとスーパー、FF店を融合される新型店を始める。イオンの商品調達や配送網を活用し、生鮮の売上構成比を1割に引き上げ、都市部のスーパーに変えて小型店で買い物を済ませる消費者行動に対応する。1号店は東京神田錦町店を改装して、売場面積260平方mで開店する。精肉や鮮魚、野菜などの生鮮食品を大幅に拡充、生鮮品の構成比を7.5%まで高め、只、イオングループには1,000店以上のまいばすけっとがあり、棲み分けが重要になる。コンビニはセブンイレブンが1号店を開店してから今年5月で50年になる。セブン&アイグループも今年にコンビニに生鮮を拡充したSIPストアを開店し、国内で高齢化や在宅勤務などを背景に、自宅近くで生活必需品を購入する消費行動は増えており、コンビニには追い風が吹いている。ファミマは24年の衣料品売上高を前年比3割引き上げる計画で、衣料品の実績は公表されていないが、23年の衣料品は20年比4倍で着地した。21年にはPBの衣料品を発売し、23年にはボタンダウンシャツなど100品目に拡大し、普段着はユニクロの独壇場だが、コンビニで普段着を定着させえる政策だ。GMSだった西友は食品スーパーに変貌し、北海道と九州から撤退した。米ウオルマート時代のデスカウント戦略から、無駄な安売りをやめ、商品の品質を上げてコスパを重視する政策を取り、その中で売上げは下がったとしても、営業利益を上げる戦略をとる。スーパーは再編を迫られている。・コロナ下の特需が消え、人件費・物流費が高騰し、業態の垣根が崩れた。店の周辺では全ての業態が競合店に変わって来ており、売上重視の政策が問われている。スーパーの販促政策として毎日安売りのEDLP政策と週別にチラシを打って価格のアップダウンを図る方法があり、多くのスーパーは後者で運用している。どちらの政策にも一長一短があるが、今後の消費市場は高齢化が進み、買い物範囲が狭まり、買い物頻度は落ちて行く。今日の価格は安いが、明日の価格は高いと思われるより毎日がお買い得が支持されてくる。<スーパーの惣菜・米飯・寿司><エビチリ&ホタテマヨセット>*街角通信は毎週1回、配信しております。 *その他、ご興味のある方はこちらからお願いします。 http//asahi-kikaku.net
2024.05.19
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GWの人出報道の中で交通各社の発表では、ANAとJALの国内・国外の旅客数は23年を上回ったが、コロナ前の18年には及ばなかった。又、JR旅客6社の新幹線・在来線特急の利用者数も同様だった。JTBの国内旅行の販売高は23年比1割伸びたが、18年比では6割しか戻っていない。物価高が観光地で高くなる宿泊費や食事代を避け、観光意欲をそぐ要因が見られた。「円安の内圧&外圧」働く人の購買力低迷が長引いている。過去30年で実質賃金の上昇が進まない状況の中、24年は全体で賃上げ5.2%を確保したと報道がされたが、同時に円が1ドル160円になり、170円超えも聞かれるようになった。政府経済見通しでは輸入物価が1ドル160円で8.7%上昇し、170円では13.5%の上昇率になると試算されている。円安による輸入物価上昇が国内物価の値上がりにつながり、実質賃金が再びマイナスの可能性が高くなり、消費にセーブがかっている。総務省が発表した家計調査によると、23年度平均の実質消費支出は食料などが落ち込み、2人以上世帯は月29万4116円と前年度比3.2%減とコロナ下の20年以来マイナスになった。項目別では食料が前年比1.9%落ち込み、住居は6.9%減、家庭用品は5.9%減だった。物価が上昇していることで、名目の消費支出と物価の影響を除いた実質消費支出の差が広がっており、23年の消費者物価は生鮮とエネルギーを除く総合指数は前年比3.9%上昇、石油ショックのあった1981年の4.0%に次ぐ高い伸びだった。(日経)外食や食品メーカーで使用する輸入食肉の卸値が一段と上昇している。現地価格の上昇と円安も重なって、牛丼などに使う牛肉は1年間で6割高、ハムの原料の豚肉も1割高となった。牛丼チェーンが使う米国産牛バラ肉は1kg1350~1450円、前年同月比64%高、米農務省によると、2024年の牛肉生産量は前年比2%減で2年連続となり、米国からの牛肉輸入量は1~3月の累計で前年同月比22%減となった。日本食肉協会まとめでは鶏肉の輸入量見通しは5月4万6520tと前年比10%減となり、前年同月を下回るのは昨年11月以来、6か月ぶりになる。最大の調達先のブラジル産が15.6%減、タイ産は7.2%増になる見通し。「年収300万円では働けない。」日本の賃金水準についてOECDの直近データによると、米ドル換算の平均賃金は38か国中、25位に留まり、足元の円安水準では一段と見劣りがする。高度人材や人手不足の現場を支える技能実習性の確保も難しくなっている。働く場所としてワーキングホリデー協会によると、ワーキングホリデーピザの発給を受けた人は23年6月までの1年間で1万4398人と比較できる06年以降で最多となった。人気の国は豪州で、豪州の最低時給は2300円と日本の2倍の賃金水準だ。物価高に対応する政策として、セブンイレブンは8日から一部商品を増量するキャンペーンを始める。商品の価格は変えずに麺類やおにぎり、サンドイッチなど9品の数量を増やす。今回のキャンペーンは「感謝際」として全国の店舗で15日まで実施する。ざるそばは麺の重量を20%増やし、おにぎりやミックスサンドでは各1個を増量する。ただ、今年3月の既存店売上高は」2022年1月以来、25カ月ぶりに前年を下回った。「小売りで進む共同配送」フジとイズミ、ハローズの3社は発足企業として「中四国物流研究会」を立ち上げ、賛同企業としてスーパーや物流会社などが参加して物流の効率化に取り組む。主軸になるのが各社の配送センターから店舗に商品を届けるトラックの共同利用、取引先の食品メーカーとの物流共通化や配送センターの共同利用も検討する。コンビニ大手のファミマとローソンは商品の共同配送について、秋田向けの冷凍食品をファミマが多賀城市の物流センターから同社の商品を積んで出発し、ローソンの盛岡市施設で商品を積み、秋田市内のそれぞれの物流拠点に届ける。まず物流が安定している4~6月、9~11月の一部の曜日で実施する予定。外国為替市場で円安が改善する動向が見られなく、円安の悪化側面が輸入物価の高騰につながっている。消費者の節約意識が高まり、商品の販売動向に変化が起き始めており、小売り各社はお得感を出す商品づくりと販促方法に重点をかけている。<スーパーの惣菜・米飯・寿司><五つの味・マグロ尽くし>*街角通信は毎週1回、配信しております。 *その他、ご興味のある方はこちらからお願いします。 http//asahi-kikaku.net
2024.05.13
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「国内消費、人口と賃金の影響」日本の人口減少が続く中で、高齢者と子供人口の割合が1997年に逆転してからその差は拡大しており4月時点の子供人口は1401万人と過去最低が43年も続いている。一方、65歳以上の高齢者割合は29.2%と最も高くなっており、人口減少に歯止めがかからない国内の消費量は減少の一途だ。過去30年で実質賃金の上昇が進まない状況の中、24年は全体で賃上げ5.2%を確保したと報道がされたが、同時に円が1ドル160円になり、170円超えも聞かれるようになった。政府経済見通しでは輸入物価が1ドル160円で8.7%上昇し、170円では13.5%の上昇率になると試算されている。円安による輸入物価上昇が国内物価の値上がりにつながり、実質賃金が再びマイナスの可能性が高くなり、消費にセーブがかかる。「消費拡大、小売業のDXは続く」スーパー大手の西友は商品在庫など総合管理する基幹システムを始め、顧客データを適時に分析し、店舗ごとにきめ細かく商品や店価格を変えられる。提携する楽天グループのEC取引データとも連携してリテールメデアを拡充する。日々の購買データを分析し、全国300店舗の消費者の嗜好に合わせて商品売価を柔軟に変更、在庫が積みあがった商品はすぐに値下げして購入を促す。反対に特売以外で売れ行きが好調な商品は価格を上げる運用も可能になる。ローソンは宅配をウーバーイーツに対応する店舗が5000店舗を超え、店頭データをウーバーのアプリに自動連係する仕組みを導入した。従来は店員が在庫を確認して手作業でアプリに反映していたが、欠品の反映の遅れなどで商品を配送出来ないこともあった。自動連係で店頭在庫確認の作業は9割削減できるようになる。三菱食品は年内に全国スーパーに提供しているデジタルサイネージを刷新する。レシピ動画を運営するDIRYのアプリと連携して配信するサービスを始める。サイネージではクラシルがもつ約2500件のレシピ動画を放映し、スーパーなどが売りたい商品や季節のイベントに合わせてレシピを選べる。又、サイネージにビーコン(電波受信器)を埋め込み、顧客が近づいた時にアプリへ様々な通知を届け、販促に活用できる。イオンは人手不足が深刻化する中で、食品や衣料の販売部門にAIの業務システムを導入し、パート社員を対象にAI活用の研修をしたうえで、システムを使った1週間~1か月の販売計画を各店で作成する業務を任せる。先端技術を使って作業の負担を軽減しながら生産性を高める動きが本格的かして来た。中長期的に国内消費は減少トレンドにあり、製造を含め小売業には売上拡大の余地は狭められる中、新たな需要の発掘と生産性を高めることが急務であり、その為にはAIなどの先端技術を活用した全業務のDX推進が重要になっている。<スーパーの惣菜・米飯・寿司><ローストビーフ&野菜ロール>*街角通信は毎週1回、配信しております。 *その他、ご興味のある方はこちらからお願いします。 http//asahi-kikaku.net
2024.05.05
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「暑い夏、熱い消費」今年の暑い夏予報が出る中で、家電販売店では猛暑対策商品が売れ始めた。家電大手のノジマでは4月に扇風機の販売が前年比2割強の勢いで伸び、全国スーパーの販売データを集める日経POSでは「日焼け止剤」「スポーツ飲料」の1000人当りの販売がそれぞれ7%、10%増えた。イオンでは4月末から全国の大型店で猛暑対策用品の特設コー^ナーを設けた。又、GW期間には西日本、東日本で夏日になるところが増えるようだ。「日経消費DI]は4月の業況判断指数DIがプラス27と4半期連続で伸び、「外食」DIが41、「スーパー」DIが47と指数が最高だった。1月の前回調査から7ポイント伸び、全14業種中「生活関連」企業の上昇が目立ち、1~3月のインバウンド向け売上がコロナ前の2019年同期比でプラスになった。3カ月後の業績見通しはプラス22と前回調査より6ポイント高い。歴史的株高によってレジャーやイベント消費やプチ贅沢消費が伸びている一方、普段消費は節約でスーパーの来店客の買い上げ点数は減少しており、各社は値下げによって消費を盛り上げようと、大手のイオンや西友、ローカルの東武ストアなどの値下げする店舗が出ている。消費熱があっても近くに小売店舗がない「買物難民」は65歳以上の高齢者の内、約4人に1人が食料品確保に苦労している。(日経)農林水産政策研究所の集計では、前回の15年を基にした推計より1割増え、内75歳以上は同年代の30%以上を占める。買物難民は地方や離島だけでなく、都市圏にも全国の半数が存在する。「節約消費の小売店の戦略」セブンイレブンは5月売れ残った商品の値引き販売を全店に導入する。おにぎりやサンドイッチ、弁当を中心に廃棄する数時間前に20、30、50、100円引きの値下げシールを用意して「エコだ値」と名付け、本部で推奨し加盟店で判断して実施する。環境省によると国内の食品ロスは前年横這いの523万t、スーパーとコンビニが62万t発生。又、セブンイレブンはおにぎりの消費期限を従来の18時間から24時間に延長する。対象は梅、サケ、昆布、辛子明太子、ツナマヨネーズの5品、鮮度延長の為に洗浄などの衛生管理やコメの劣化防止に力を入れる。同社では消費期限の延長に取り組んでおり、2000年にはチルド弁当を1日から2日に延長した。セブンイレブンは店に置く冷凍食品ケースを表と裏から開閉できる新型を導入する。解放型のケースと比べ、2倍以上の商品を並べられ、狭い店舗に優先して導入、新規導入ケースは高さ165cm、奥行き91cm、巾227cmで100品弱を陳列できる。新型ケースを入れた店舗では1日当りの冷凍食品が平均5割伸びたという。総務省調べでは1世帯当りの冷凍食品の支出額は22年に1万円を超えて伸びている。北陸地盤のスーパーアルビスはEDLPを導入した小商圏店舗を出店する。意識するのはドラッグストアで価格で対抗しながら強みの調理食品で対応、低価格には低コストの店舗運営が必要でチラシや5倍ポイントなどは取りやめ、毎日の価格に反映させて安さを実現する。沖縄でコンビ二大手3社の動向が注目されている。進出が後進のセブンイレブンが出店したのは2019年だが、5年経っても売上優位のファミマが変わらない。 同社の糸数社長は、商品の品質を指す「機能的価値」は飽和状態にあり差別化は難しい。ファミマが好きという「情緒的価値」で差別化を強化するという。同社は地元客の嗜好や特性に合わせた政策で、地元客の支持を得れば、観光客も獲得できるという発想だ。沖縄ファミマの日商は60万円半ばで全国のファミマより10万円前後高い。」DS「ドン・キホーテ」を運営するPPHDが総合スーパーユニーを買収して5年、1点当りの営業利益は2割増えた。総合的な収益を示す総資産利益率(ROA)は7.1と0.7%高まった。改善のカギはドンキ流の「パート従業員への権限移譲」で1万9千人のパート・アルバイトに仕入れから棚割り、値付け、在庫管理までの権限を持たせ、店員同士で競わせ、現場の利益・コスト管理の意識を高めた。本部からのセールはやめて、店舗ごとの独自セールを増やし、個店MDを更に強化した。家庭は実質収入減で消費節約意識が高まる中、店は地域の特徴・ニーズにどれだけ対応できるかは個店従業員にかかっており、本部と個店のMDミックスで売場づくりが進められる政策が重要になっている。<スーパーの惣菜・米飯・寿司><GW行楽弁当>*街角通信は毎週1回、配信しております。 *その他、ご興味のある方はこちらからお願いします。 http//asahi-kikaku.net
2024.04.28
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「止まらぬ円安、内需に影」円相場が1ドル154円まで下落した。再び輸入原料の値上がりが予想され、内需の下振れリスクから小売業の収益に影響が出る思惑から株式市場では小売り株は軒並み下落した。円安は輸入コストの上昇をもたらす一方、訪日客需要を押し上げる。日本政府観光局が発表した3月の訪日客数は308万人で、2019年同月を11.6%上回り、年間目標4000万人を超えそうになっている。地域別には韓国が66万人、台湾が48万人、中国が45万人と続き、1人当りの旅行支出は19年比41.6%増の20万8700円と円安による割安感が高価格帯の消費を押し上げている。SNSでは観光地で1杯¥2000のラーメンなどが話題になった。帝国データバンクは4月に2806品目の食品が値上げされると発表、2023年10月以来6か月ぶりに2000品目を超えた値上げになり、ハムやソーセージなどの畜肉製品や冷凍食品の加工食品が最も多い。日本冷凍食品協会は2023年の冷凍食品の生産・消費統計を発表、値上げ効果もあり全体の出荷額は過去最高額を記録した。外食需要の回復もあり、業務用は1%減の78万8000トン、家庭用は22年比6%減の75万7000トンと業務用を下回った。値上げ効果もあり、全体の出荷数量は3%減だが出荷額では2%増と過去最高になった。円安の影響が大きいのが米国産牛肉を使用する牛丼各社で、使用される米国産牛バラ肉は現在1kg¥1180~¥1300と値上がり、コメの値上がりもあって、牛丼大手3社の食材は1杯当り96.9~104.3円と38%値上がりした。値上り要因は円安だけではない。おにぎりや和食に欠かせない海苔が2年連続の不作で値上げになる。海苔の主産地有明海の海水温の上昇で赤潮が発生し、海苔の収穫量は半世紀ぶりの低水準になり、価格は前年より2割上昇、足元の産地価格は全形1枚当り21.17円と過去最高を更新。産地価格の上昇を受け、6月にも主要メーカーは一斉に値上げし、希望小売価格を12~26%値上げする。「賃上げとその影響」鉄鋼などの労働組合で構成する基幹労連は春期労使交渉で6割に当たる組合が要求額に対し満額かそれ以上の回答をしたと発表、ベースアップは平均で1万7157円で03年に発足いらい最高額だった。ベア率は平均6%となる。帝国バンクが1050社からネット調査した20年の賃上げについて、賃上げ率が5%未満の企業が調査対象企業の6割に相当し、3%台が最多で2割、据え置きと回答が2割弱あったとした中で、調査のうち中小企業が87%を占める920社だった。連合の発表ではベアと定昇を合わせた賃上げ率は3283組合で平均5.2%で、中小組合でも4.75%の賃上げになり、92年以来の高水準だったと発表。賃上げの一方、その影響は業績にも影響を与え、帝国バンクによると、飲食店の倒産件数が2023年度802件と前年比56%増になった。コロナ禍の支援制度が終わり、原材料の値上がりから倒産に追い込まれた事例が多く、24年は更に厳しい経営環境が待ち受けている。日経が上場小売企業63社の業績を集計したところ、2025年の営業増益率は5%の1兆4640億円と前期の3分の1に縮小する見通しだ。相次ぐ値上りで消費者の選別消費の傾向が高まり、食品や日用品を中心に販売が伸び悩むことが予想される。今後、物価の影響を考慮した実質賃金がプラスに転じるかが焦点になる。「食品スーパー、価格のジレンマ」イオンは先月、PB商品「トップバリュー」シリーズの28品目を2~23%値下げを発表。サラダ油やマヨネーズなど定番商品やペット用品が中心で、値下げは23年9月、12月に続いて3回目で合計値下げ数は88品目になった。DS「ドン・キホーテ」を運営するPPIHは、顧客や従業員による商品の評価を価格に反映し、最大3割の値下げをすると発表。独自の電子マネー会員や従業員の選挙方式で値下げする商品を決める。会員が購入した商品について「いいよ」と「低評価の「ビミョー」の2択で評価の高い商品を全国で1~3割の値下げをする。総合スーパーのユニーでも同様な方法で約300商品を2~3割値下げする。国内では物価上昇・賃上げの気運が強まるが、日常消費には力強さを欠いている。食品スーパーでは値上げはポジティブに見ているが、価格だけでは将来はない、との意見がある。1品当りの単価上昇で購入点数は減少しているが、コロナ禍が収束して集客数が増えつつある中で売上げは伸びている。デフレからインフレへと国の政策が変化していく中で、激安スーパーの売価に消費者は引きつけられている。「スーパーは高い」、と思われないように食品スーパーはNB商品や日常・定番商品の安さを出しながら品質重視の商品を売り込む。<スーパーの惣菜・米飯・寿司><5点盛りサラダ>*街角通信は毎週1回、配信しております。 *その他、ご興味のある方はこちらからお願いします。 http//asahi-kikaku.net
2024.04.21
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「GWは旅行・外出が増加」JR各社がGW期間を含む26日~5月6日の新幹線・在来指定席予約席が前年比16%増の296万席で、混雑のピークは下りが5月3日、上りが5月6日になる見込み。JR東日本は新幹線と在来線の合計で前年比12%増の106万席だった。円安が続く中でGW海外旅行の需要はJTBが4月25日~5月5日の旅行動向は前年比68%増の52万人、新型コロナ禍前の14~18年の平均旅行者は56万人で9割まで回復してきた。GWの国内と海外需要額は9630億円の23年比11%増を見込んでいる。今年のGWは昨年以上に外出機会が増え、近場の行楽を中心にした地域消費は、昨年と同様な動向になると予想される。「街角景気と企業業績」内閣府発表の3月の街角景気DIは前月比1.5ポイント低下の49.8だった。消費の弱さを指摘する声が目立ち、家計動向は1.5ポイント低い49.4,小売関連は1.8ポイント低下の47.7となった。2~3カ月先の先行きDIは2月を1.8ポイント下回る51.2に留まった。2月の勤労統計で1人当りの賃金は物価を考慮した実質で前年比1.3%低下で、物価上昇に賃金が追い付いていないことが要因だ。2023年の全国企業倒産が前年比32%増の9年ぶりに9千件を超えた。特に建設業が39%増、卸業が27%増と資材や仕入れ価格の上昇の影響が大きく、原材料や燃料費などを価格転嫁できていないことが要因になっている。スーパーの決算発表が続いている中、最大手のイオンの連結決算は営業利益が前期比20%増の4年ぶりの最高益だった。食品スーパー事業の営業利益は前期比83%増となり、小型スーパーの「まいばすけっと」がけん引した。25年2月期の連結営業収益は10兆円を見込んでいる。食品スーパーのライフCOの25年2月期売上高は5%増の8534億円営業利益は前期比2%増の247億円、純利益は微増の170億円を見込む。「スーパーの事業変革」セブン&アイHDは参加のイトーヨーカ堂などスーパー事業を上場すると発表、不振が続くイトーヨーカ堂は昨年食品スーパーと合併してヨークとなり、27年を目途に業務改善をして黒字化を目指し、再上場する方向だ。西友は3日、九州の店舗はイズミに北海道の店舗をイオンに売却すると発表。地域スーパーが強く競争環境が厳しい中で九州・北海道から撤退して本州に集中して経営の効率化を急ぐ。本州ではM&Aも検討し、PBの開発やデジタル分野でノウハウを共有していく。総合スーパーの業態は業態別専門店にMDで勝つことが出来ず、事業ごとに分割され、食品は地域のスーパーとして生き残りを図る。「進む人口減少、揺らぐ制度、変わる生き方」人口減少が進み、一人暮らし世帯が急増する日本は一世帯当りの平均人数は9年後の2033年に1.99人と初めて2人を下回る。50年には65歳以上の一人暮らしが1083万人と20年比47%増加する。世帯主の年齢は65歳以上の割合が20年の38%から50年には46%に高まり、75歳以上の割合は19%から28%に上昇する。人口推計によると23年10月の日本の外国人を含む人口は1億2435万人だった。2050年はバブル崩壊の影響で就職難が続いた「就職氷河期時代」が高齢者として年金受給が始まるタイミングで、十分な生活資金を確保し、健康な高齢者が長く働けるような制度がテーマになる。リクルートが12日に発表した3月のアルバイト・パート募集平均時給は三大都市圏で前年比45円高い1188円だった。専門職系が最も高い1388円、販売・サービス系が1146円だった。春季労使交渉ではUAゼンセンの集計ではパートで6.11%の賃上げを実施、正社員の伸びを上回り、格差の是氏が進んでいる。頑張れば豊かになれる、その希望でモーレツ企業で働く「働きがい」は昭和の発想、平成には「働きやすさ」を尊重するホワイト企業に脚光が当り、企業と社員の関係が淡泊になって来た。令和の現在、働きがいと働きやすさを両立する「プラチナ」への進化が求められる。今日の企業が目指すべき方向は、働きがいを持って仕事に臨む社員を、組織に定着させる働きやすさの掛け算が持続的な成長を実現する。(日経)米国の人材コンサル企業の調査では「働きがいを感じる」割合は世界平均で71%、日本は59%となった。働きがいと働きやすさの両立は難しく、プラチナ化は一部の先進的企業に留まっている。<スーパーの惣菜・米飯・寿司><お花見おつまみセット>*街角通信は毎週1回、配信しております。 *その他、ご興味のある方はこちらからお願いします。 http//asahi-kikaku.net
2024.04.15
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「人手不足、変わる働き方」中小製造業の労働組合が構成する「ものづくり産業労働組合JAM」は2024年春季労使交渉で中小の3月末時点の賃上げ率は4.12%と発表した。ベースアップに相当する賃金改善額は前年を4割上回る7270円だった。主要製造業で構成する金属労協の1227組合では賃金改善額は前年比70%増の9593円となり、過去10年間で最高になった。3月の日銀短観では非製造業の雇用人員判断指数(DI)はマイナス45と1991年調査以来の33年ぶりの低水準に落ち込んだ。宿泊業などでは人出不足でインバウンド需要を取り込めない例が相次ぎ、従業員不足で予約の7割程度に稼働に抑えている例が出ている。旅館ではGWを控えて旅行会社からの予約を何度か断ることになったという。今は職に就かず仕事を希望する「働き手予備軍」は2023年に411万人で、15歳以上のうち3.7%に留まり、この20年で半減した。総務省調査によると、15歳以上で職に就かず仕事をしていないが、就業を希望する人は23年に233万人と20年前より297万人減少、職探しをしている完全失業者は178万人、合わせて411万人と減少しているのは女性や高齢者が働く環境が進んだことが影響している。帝国バンクは5日、人手不足が原因の倒産件数が、2023年に前年比2.1倍の313件に達したと発表した。時間外労働の上限規制が4月から始まり、更に人手不足が懸念される。特に3月の倒産件数が多く、建設が前年比2.3倍の94件、物流が1.8倍の46件、規模別では10人未満の倒産が全体の74%を占め、10~50人未満が20%で、50人以上が6%に留まった。従業員の少ない零細はデジタル化の対応が遅れ、生産性向上の遅れが大きい。「4月から変わる生活・働き方」帝国バンクによると、食品メーカー195社が4月から2808品目を値上げする。背景には原材料高に加え、人件費や物流費の上昇があり、足元の151円の円安が輸入原料のコストを押し上げる。物流ドライバーだけでなく、医師や建設業労働者の時間外労働の規制があり、残業は原則として年360時間、労使の合意があれば年720時間までとなる。その他、一般ドライバーの自家用車で「日本版ライドシェア」も4月から始まり、タクシー運転手の収入にも影響を与える。残業規制やライドシェアによる給与収入の減少が予想される中、値上げが生活を変える。DS型スーパーのドン・キホーテの働き方が注目されている。同店は「個店経営」と呼ばれる手法が業績と報酬に関連しており、パートタイマーに当たるメイトには1日当りの粗利益率の達成が求められ、商品の調達から棚割り、値付け、在庫管理までの業務が任せられている。こうしたメイトの働きぶりは時給にも反映され、時給の改定次期は半年ごとに実施され、日々の荒利達成状況や仕事の工夫によって評価され、最高240円アップする。同社では「メイトに狭く深い範囲で業務を任せることで、仕事は自分事になり、販売に対する責任感が強まり、結果が出るという。」同社での商談はメーカーや問屋の担当者が本部に行かず、売場担当者のメイトと直接交渉する。メイトには数百万から数千万の仕入れ権限があり、毎月の粗利益率を達成すれば半年ごとに昇級・昇進することが出来る。若い社員であっても半年後には部下になるなど、立場が逆転する例もある。又、同社の経営哲学には「仕事をワークではなくゲームとして楽しめ」とある。働きで生産性を上げるには働く人の「働きがい・働きやすさ」が伴わないと仕事の結果にはつながらない。それは正社員でもパート・アルバイトでも同じ原理だ。これを企業の組織として、どのような仕組みをつくれば良いのか、特に労働集約産業の小売り業には重要なテーマになっている。<スーパーの惣菜・米飯・寿司><お花見行楽弁当>*街角通信は毎週1回、配信しております。 *その他、ご興味のある方はこちらからお願いします。 http//asahi-kikaku.net
2024.04.07
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「原料高から人手不足による値上げ」2023年に休業や廃業、解散を決めた企業が約5万社となり、比較できる13年以降で最多となった。物価や人件費が上昇する中、新型コロナ禍の補助金もなくなり、市場から退出すを選ぶ企業が増えている。休業や廃業の企業の内、直前の決算が赤字の企業は増えており、産業別では飲食やホテルなどのサービス業が全体の33%を占め、建設業が16%、小売業が12%といずれも人手のかかる業種となっている。人手不足を映すデータは日銀短観で雇用人員が「過剰」と答えた割合から「不足」との割合を引く雇用判断DIはマイナス35となり、19年3月調査以来の厳しい状況になった。(日経)時間単位の単発で働く「スポットワーク」の仲介アプリ・タイ三―などの登録者を集計したところ、23年は約1100万人で4年前の3.6倍となった。増え続ける求人数に比べ、学生や副業を希望する社会人が隙間の時間を使った単発の仕事に流れていることが一因と見られている。宅配便や教育など多くのサービスが4月から値上げになる。食品の原材料価格の上昇が落ち着き一服感が出ている中で、サービス業での値上げは、2%の安定的な物価上昇につながると見られている。日経の大手サービス業を対象にしたアンケート調査によると4月以降に「値上げの予定」の回答は2割、「値上げを検討中」が4割弱となった。値上げを人件費の原資に充てる企業は教育や介護、家事代行など多岐にわたる。24年春闘の中で、JTBは18年以降で最高となる平均5%の賃上げを実施する。連合が発表した24年の春季労使交渉の1次集計で賃上げ率は5.2%だった。過去の集計と比べて1991年以降、33年ぶりの高水準だが、賃上げの波が波及するには最低賃金で働くパートの動向がカギを握る。最低賃金を上げた際に、その水準を下回る労働者の割合は22年は19.2%と、10年前に比べ10ポイント以上高まっている。一般労働者の賃金中央値に対する22年の最低賃金比率は、フランスが60.9%、韓国が58%、ドイツが52.6%に対し、日本は46%を下回る。首相は日本の最低賃金を30年以降に1500円以上にすると公表しているがあまりにも遅い。「店舗の差別化で業績アップを狙う」OICグループのDS型スーパーロピアが仙台駅前に出店した。同社は神奈川県を地盤に成長している食品スーパーだが、遠く離れた地域に出店出来るのか、ドミナント戦略はどうなっているのか、同社の経営スタイルは、店舗の各チーフが「個人商店主」として品揃えや価格決定に大きな裁量をもっており、仙台ヨドバシ店で人気な「鮭はらこ飯」や「握り寿司ばら売り」コーナーは人気で、各店舗の自由な発想が消費者に支持されれば、他店との差別化にもつながる。イオンは横浜でPB商品の「トップバリュー」の構成を50%まで高めた小型スーパーを実験店として開店する。周辺には若い家族層が多い地域で、物価高で生活必需品の価格に敏感な嗜好を捉え、顧客の購買状況を分析してPB開発に生かす狙いがある。セブン&アイHDはコンビニと食品スーパーを組み合わせた新型店・SIPストアを開店した。千葉県松戸市の店舗周辺には格安スーパーがひしめいており、価格競争を第一に置かないとして、弁当や総菜、レジ周りの焼物・揚物などの中食を強化し、生鮮食品や冷凍食品を1カ所で買える利便性を特徴とした。コンビニとスーパーは共存できない時代になったと言われる中で、両社の良さを取り入れた店舗で、競合はイオン系「まいばすけっと」になる。洋菓子チェーン大手がスイーツの自動販売機に活路を見え出している。銀座コージーコーナーは3月までに全国で104台設置、不二家はレストラン一部の冷凍自販機で販売を始めた。専門店以外でスイーツ需要が増えており、24時間無人販売が可能な自販機で取り込みを狙う。同社が自販機販売に力を入れる理由は、「スーパー・コンビニスイーツ白書2024」によると、スーツを購入する場所として、「専門店」26%は「スーパー62%、「コンビニ」52%に次いで3番目だった。又、スイーツを食べる時間帯は「夜間」が約4割となり、夜間のスイーツ需要は大きい。消費者物価の値上がりは商品からサービスに移り、トータルで2%の物価上昇は続く。背景にある人で不足に対して人員確保には給与のアップは、非正社員を含めて欧米に早く追い付かなくては外国人労働者も集められない。そのためには値上げが可能な商品力・サービス力が欠かせない。<スーパーの惣菜・米飯・寿司><お花見・松花堂弁当>*街角通信は毎週1回、配信しております。 *その他、ご興味のある方はこちらからお願いします。 http//asahi-kikaku.net
2024.03.31
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「春の行楽に向かう街角景気」内閣府発表の2月の街角景気は、判断指数DIが1月から1.1ポイントアップして51.3となった。景況判断は「景気は緩やかに回復基調が続いている中で一服感がある」とした。家計関連のDIは1.4ポント高い50.9、飲食関連は2.3ポイント増の52.9,小売り関連は0.7ポイント増の49.5まで改善したが、小売店の景況感は50を下回る。各地のお花見景気に向かって、先行き判断DIは0.5ポイントアップの53.0と上昇する。2024年、春のお花見についてロコガイドが利用者対象に調査の結果、誰と一緒にしたいかは、「家族」が76.9と最多で「知人・友人」が35.5、花見をしながら食事をする人は40.3に上り、予算は「2000~3000円」が26.7%と最も多く、買物は「スーパーマーケット」が48.4%、「コンビニ」が16.7%だった。スーパーでは唐揚や焼鳥、コンビニではおにぎりやサンドイッチが人気、食料品価格が高止まりする中、オーケーの¥298かつ丼が話題になっているが、地方の中小スーパーでも低価格弁当やPB商品の拡充に力を入れる。広島市内の「GOGOやまぐち」は¥298弁当が人気で、1日200~300個売れる看板商品になっている。周辺に住む住民や会社員には「安くてバランスが良く味も良い」と好評だ。この価格を維持するには、商品は段ボール陳列や生鮮野菜や鮮魚は市場に毎日行って安く仕入れている。現在、国内では物価と賃金がデフレからインフレ型に対応する状況が進む中で、賃上げが進まない企業や収入が増えない高齢者は商品の安さを求める消費は続き、それに対応するスーパーもなくならない。しかし、企業が継続するには生産性と利益のアップが伴う。「人手不足に対する働き方」イオンは2024年からグループ会社で、パートの待遇を同じ業務を行う正社員と同等にする制度を順次導入する。その場合、正社員と同じにする社員は昇格試験に合格し、月120時間以上の勤務が条件になる。その他、スーパーでもライフCPは地域・店舗限定社員を廃止して正社員と同等、ヤオコーは有給扱いの配偶者出産手当の対象をパートにも拡大、小売り・飲食業は非正規社員の依存度が高く、飲食業では8割、小売り・卸し業では5割を占めるパート社員に待遇改善が課題になる。パート比率が8割を超える飲食業のロイヤルHDの菊池会長は誌面で「お客様の満足度は提供時間や清潔な基礎的満足と 従業員の笑顔などの付加価値満足があり、 基礎的満足が出来ていないのに、付加的な満足に喜んでくれることはない。」今後起こる圧倒的な人手不足の状況は、この基礎的満足が充足出来なくなる。その為に、基礎的作業にはテクノロジーを活用し、人にしか出来ない価値を創造していく事がサービス業の目指す姿という。首都圏スーパーを運営するUSMHは調理スキルを持つ人材育成に力を入れ、2月に社員が一般客に料理を振るう1日レストランを開いた。顧客に直接食事を提供する機会を通じて、顧客目線の商品開発や発信する売場づくりに生かす。このレストランは午前と午後の二交代制で、マルエツとカスミの利用者の中から選ばれた30人が招待された。USMHの研修制度で約1年の調理スキルを学んだ6人の社員が2人ずつ3チームに分かれてコース料理を提供した。同社では2021年から社員向け研修として「リテールシェフアカデミー」を開いて事業会社から商品開発担当や販促担当が半年ごとに16人が参加しており、プロの料理人から魚の調理や献立の作り方など実践的な技術を学ぶ。日本は人手不足環境の中で、潜在的成長力を引き上げるには人材育成による労働生産性の向上が必須になっており、この投資をして収益を高められる企業が人材獲得や競争力で優位に立つだろう。<スーパーの惣菜・米飯・寿司><お花見弁当>*街角通信は毎週1回、配信しております。 *その他、ご興味のある方はこちらからお願いします。 http//asahi-kikaku.net
2024.03.24
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「賃上げ、30年の転機」2024年の春闘を迎え、賃上げが満額回答やそれ以上の賃上げが出てきている。日本の企業はバブル崩壊後の「失われた30年」の間、賃金を抑制して景気悪化対策をしてきたが、コロナ下を経て世界の企業と対抗する力と人材強化に踏み切った。企業が貯め込んだ内部留保を人件費に回す方向性が広がり、大手企業から中小企業へと物価高を上回る賃上げが進んでいる。コロナ下から景気の回復に伴い人手不足感が高まり、企業が選ばれる時代に変わって来た中で、一時集計で賃上げ率が平均5.28%に出ており、今後は中小の賃上げがどこまで近づけるかがカギになりそうだ。特に労働集約産業である小売りや外食は人手不足が営業に関係する為、「働きたい会社にしなければ生き残れない」と企業から声が出ている。小売りや外食、繊維の労働組合が加盟するUAゼンセンはパート1人当りの賃上げ率は6.45%だったと発表した。パート時給の引上げは前年と比較できる97組合で見ると、時給のアップ金額71.2円となり、前年より10.4円増えた。小売りで見ると、イオングループが7.02%増、ウェルシアHDが7.95%増、外食のロイヤルHDは7.2%増、トリドールHDは10%増と製造業を上回る。食品スーパーの中でも上場企業は5~6%増と全体の底上げが揃って来た。来週開かれる日銀の金融政策会合でマイナス金利解除が予想され、円安相場から円高に変化出てくれば、輸入物価の値下がりにつながり、小売りにはプラス与件になる。ここで商品の値下げをする企業が出て来て、値下げ競争になることは避けたい。食品スーパーにとって、付加価値を付けた商品開発が目標になる。「付加価値商品の開発へ」商品に差別化ばなく、商品競争力がない場合に値上げが難しいのは当然であり、今まで値上げに対して抵抗感がある理由になっている。その場合、低価格が消費者に評価がされ、繁盛する店舗も出てくるが、将来に対して生産性を上げていくことは難しい。北海道北見市にある回転すしチェーン「トリトン」が東京都内で店舗を拡大、目玉商品はホッキやホタテ、真鱈といった北海道から直送した数々で、北海道の味覚が消費者に評価されている。客単価は道内では2500円、都内では3000円を上回り、トリトンの競争力は寿司ネタにあり、ネタの季節感や鮮度、大きさで差別化し、商品の競争力を高めて支持を得ている。ポッカサッポロフードHDは30年までに国産レモンの収穫量を現在の3tから100tに増やす。自社の農園や契約栽培を増やし、円安に伴う輸入原料高や供給懸念に備える。日本のレモンの多くは米国やチリからの輸入に頼り、国産比率は2割に留まる中で、ウクライナ紛争や円安で国内流通価格は2割上がった。他でもサントリーは国産ブドウを100%仕様の「日本ワイン」を醸造する。ストレス緩和や免疫機能をうたった機能性表示食品が拡大している。富士経済によれば、2024年の国内市場は前年比7%増の7350億円を見込み、消費者の健康ニーズを背景に15年以降から拡大傾向が続いている。表示別では脂肪抑制分野が3%増の2928億、生活習慣病の予防やダイエット関連が多い。伸び率では睡眠分野の「ヤクルト1000」や乳酸菌飲料の拡大が顕著で、一方、同じ栄養や保険機能を表示した特定保健用食品の市場は縮小傾向。方向が分かれるのは、表示が出来るまでの過程の違いによる。消費の多様化が進む国内市場において、小売り・外食が生産性を上げて成長していく為に値上げは欠かせない。値上げは商品のこだわりと差別化を明確にして、消費者に分かってもらう。食品の健康ニーズの中で美味しさを追求する商品開発を強化したい。<スーパーの惣菜・米飯・寿司><お彼岸弁当>*街角通信は毎週1回、配信しております。 *その他、ご興味のある方はこちらからお願いします。 http//asahi-kikaku.net
2024.03.17
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「景気と消費」内閣府発表の2月の街角景気調査で、2~3カ月後の先き判断指数は0.5ポイント上昇の53.0だった。4か月連続の上昇は春闘の賃上げによる消費マインドの改善を期待している。日経MJがまとめた主要外食33社の1月既存売上高は31社が前年実績を上回り、福袋や値引きクーポンの販促効果が出た。特に居酒屋はそろって2桁の売上増、その他牛丼3社も2桁の売上を確保した。その中で回転すしの既存店客数は3社が昨年を下回った。総務省によると、2人以上世帯の消費支出に占める食費の割合(エンゲル係数)は2023年に27.8%と00年以降では最高になった。賃金上昇を上回る物価高が消費に影を卸しており、特に食品価格は24年1月の上昇率が5.7%と高水準と家計に影響している。今後の心配は1ドル150円近辺の円安が輸入物価の上昇につながる恐れがある。「賃上げと生産性」ホテルの宿泊料の高騰が顕著になって来ており、ホテルの人出不足が大きな要因で、ホテルの清掃コストは30%増という。従って都内のビジネスホテルは1泊1万円では泊まれなく、2万の競争になっている。人手不足に対して、メルカリは時間単位で働くことが出来る単発の仕事を仲介する「スポットワーク」事業を始めた。新サービスの名称は「メルカリ ハロ」で、すきま時間を有効に使いたい人と企業をつなぎ、様々な業種の人出不足に対応する。18才以上で本人確認と銀行口座登録が完了している利用者は面接や履歴書が不要で、最短1時間から働くことが出来る。人手不足環境が続く予想の中で、優秀な人材の囲い込みを急ぐ企業が増え、今春の春闘では小売り、外食企業も6%を超す企業も多い。国内最多の40万人のパート従業員を抱えるイオンの吉田社長は雇用条件の差は将来、「労働力の差」「現場の差」につながる。雇用条件を改定していかなければ、企業の格差は広がる。その為に、労使で生産性向上の協議を続けてデジタル化を推進する、という。「新店の商品力」首都圏スーパーのサミットは都心エリアで最大級の店舗を開業、三井ショッピングパーク内の「HARUMI FLAG」内の1階に出店した。売場面積は2000㎡で都心エリアでは最大級の店舗で、若いファミリー世帯から共働き夫婦を想定し、大き目のトレーに牛肉や豚肉をと調味料を加えた「レンジアップ商品」や個食にも対応するワンプレートの冷凍食品を充実した。格安店のパンパシフィックHDのドン・キホーテは24年6月期に出店を5割増やし、DS型食品スーパーのロピアも25年2月期に前期比3割増の20店を出す計画。ハレの日には高単価商品を買う一方、平日の生活必需品は節約する選択消費は、高まっている節約に対応するニーズは大きいとして新規出店を拡大する。上記2社は増収増益決算で好調を維持している。日本マクドナルドHDはコロナ下を経て、22年以降4度にわたる値上げに踏み切った中で2月の客数は3.2%増と好調。その要因として値上げとデリバリーが大きく貢献、デリバリー価格は店頭価格に比べ3~4割高に設定される中で、宅配料はカバー出来て注文単価は下限¥1500以上と客単価に貢献している。人手不足、賃金の上昇、値上げによる原資確保、生産性の向上、2024年はこの四重苦が続く中で、最大のテーマになる。<スーパーの惣菜・米飯・寿司><お彼岸天むす弁当>*街角通信は毎週1回、配信しております。 *その他、ご興味のある方はこちらからお願いします。 http//asahi-kikaku.net
2024.03.10
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「消費者物価と節約消費」総務省発表の1月消費者物価指数(CPI)生鮮を除く総合指数は前年比2.0%のプラスで日銀目標の2%は維持したが、3カ月連続で伸びが縮まった。輸入物価が先どまりする中で、サービス価格も1月は前年比2.2%プラスと7カ月ぶりに伸びが鈍った。タクシー代は前年比8.3%、警備料が4.2%プラスだが、宿泊料や航空う運賃などは2.0%プラスと12月3.6%から伸びを縮めた。外食店やスーパー惣菜で使用する食用油が5か月ぶりに値下がりした。原材料の大豆や菜種が値下がりするのと合わせ、外食において揚物を減らすメニューの動きや需要が伸びていない。業務用食用油は全体の3割を占める中で、卸し価格は1缶(16.5kg)¥6450前後と昨年末比200円安くなった。マグロの高級品であるクロマグロの価格が急落している。各国の激しい買い付け競争から、相場の流れが変わって来ており、輸入冷凍クロマグロの平均価格が23年12月は1kg¥3220と22年直近ピーク時¥4500より3~4割程度下落した。水産卸は「高級品のクロマグロは節約志向もあるせいか、正月などハレの日以外は消費は落ち気味になって来た」と指摘する。調査会社ボイスコムによると、2023年に家計を節約したと回答した割合は6割を占め、物価上昇や将来不安から食料品や外食を押さえる人が目立つ一方、旅行など楽しむ消費は増えており、支出にメリハリをつける動きが目立つ。節約した項目では、「食料品」が41.2%と最も多く、「外食」37.8%、「衣料品」30.4%が続いた。「小売り業態の進化」セブン&アイHDはコンビニと食品スーパーを融合した新型店を展開する。イトーヨーカドーの調達網を生かして生鮮食品などを充実させ、店舗面積は290㎡、品揃えはコンビニの2倍5300品目とコンビニより一回り多い。都市中心に単身世帯が増加する中で、冷凍食品を増やし生鮮食品を揃えて通常のPB商品の他、ロフトや赤ちゃん本舗のグループ会社の商品も並べる予定。1号店の日商目標は130万以上を見込む。イオン傘下のドラッグ最大手ウェルシアHDと、2位ツルハHDの経営統合を発表、売上高ではドラッグストアで世界5位となり、目指すのは高齢化が進む中国・東南アジアの20億人市場で、東南アジアは国内のドラッグストアにとって「ブルーオーシャン市場」と言える。国内では調剤薬局を併設したり、食品の品揃えを増やすことで集客でき、食品スーパーは生鮮食品と惣菜デリカの独自MDで勝負することになる。「デパ地下」が地上に出て稼ぐ動きが活発だ。市場縮小の中で、電車に乗って百貨店に来てもらう姿勢から脱却し、自ら顧客に近づく戦略でコンビニ・スーパーと同様になって来た。 阪急うめだ本店は「8984」ナンバーの移動販売車で大阪府下へ出かけ、百貨店デパ地下の食品を販売する。そごう西武は21年から始めた「e・デパチカ」の導入店舗を広げてデパ地下の食品をネット注文から最短45分で商品を届けるサービスで、広島や秋田など地方や首都圏店舗で拡大する。西武池袋店の場合は専用担当者が出パ地下食品売場で集荷し、委託配送先の業者が宅配する。80ブランド、500種類から対応し、雨の日などは1日に120件ほどの注文が入っている。消費者は普段の節約消費とハレの日やこだわり商品にはグルメ消費のメリハリをつけた買い物行動は続いている。この2極化消費に対応する為に、百貨店デパ地下の販売方法も変化し、近くのコンビニは生鮮食品を拡大強化し、消費の選択を広げる。<スーパーの惣菜・米飯・寿司><お花見寿司弁当>*街角通信は毎週1回、配信しております。 *その他、ご興味のある方はこちらからお願いします。 http//asahi-kikaku.net
2024.03.02
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「賃上げの早期妥結が進む」2024年春季労使交渉で賃上げの労働組合要求に満額回答が進んでいる。小売り外食ではイオンが6.39%、松屋フーズが10.9%や自動車ではホンダが5.6%、マツダが6.8%など、賃上げに弾みがついて来た。正社員の賃上げに伴いパート従業員も賃上げにつながり、イオンは7.02%、ニトリは6%とUAゼンセンの目標6%以上を達成した。それに伴い派遣社員の時給も上がっており、人材サービス大手のエン・ジャパンの発表では、三大都市圏で前年比32円高の1686円と17カ月前年を上回った。人材不足の中で新年度に向けた人材募集が本格化しており、派遣を受ける企業は、派遣人材より自社の賃上げで人手確保を進めたい。「企業は賃上げ原資をどこで稼ぐ」大手企業の賃上げ発表が相次ぐ中で賃上げ原資を稼ぐ対策は、・商品の値上げによる利益確保昨年の原材料の値上がりから商品の値上げが進んで来たが、原材料が一服した中で商品の値上げをどうするか、がこれからの課題になる。・新たな客層開拓により利益確保セブンイレブンは店内で作る飲料・スムージーを導入を拡大している。同社は若者の取り込みを強化する為、彼らの嗜好に合う商品を投入し、コンビニに立ち寄る「動機づくり」をつくることが必要だった。調査会社のインテージによると、コンビニの利用実態は「店舗で購入する商品は入れたてコーヒー」が男女全世帯の平均で約18%で、コーヒーが全国で行き渡った後の商品が必要になった。・物流改革によるコストダウン24年4月のドライバーの時間外労働規制をきっかけに物流改革が進む。ファミマは仕入れ先のコカ・コーラが委任するトラックと運転手の融通を受け、2月から神奈川県海老名市で営業する240店向けにコカBJIの委託トラックで常温商品の配送の取り組みを始めた。日清食品とJA全農は積載効率の向上に向けて共同輸送を始めた。日清食品のカップライスの原料として使う国産米と製品の即席麺など往路と復路で交互に運ぶ「ラウンド輸送」をする。イオンが主導してウエルシアHDとツルハHDの統合が進んでいる。2社が統合すると売上高は2兆円を超え、小売業4位の規模になり、北海道から本州までのシェアを高めることになる。ドラッグ業界は人口減少の他、医療費抑制の流れが強まっており環境は厳しい中、シェア拡大と効率的なサプライチェーンの構築でコストダウンを図る。小売りの店舗ではデジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みが広がってきており、人口知能(AI)やロボットを活用し、人手不足解消や業務効率化といった課題解決につなげようとする動きが広まった。スーパーやコンビニにおいてはスマホによる無人決済やリテールメデアの活用など、人材とAIの活用によって生産性向上と賃金アップが進行する。<スーパーの惣菜・米飯・寿司><3色おこわ弁当>*街角通信は毎週1回、配信しております。 *その他、ご興味のある方はこちらからお願いします。 http//asahi-kikaku.net
2024.02.26
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「好調な企業業績に課題」内閣府発表の1月街角景気(DI)は12月から1.6ポイント低下し、50.2となった。悪化は4か月ぶりで、能登半島地震の影響が消費マインドに出ており、家計関連が2.1ポイント悪化の49.5,小売関連は1.2ポイント悪化の48.8だった。2~3カ月先の先行き判断DIは52.5と1月より改善の見通し。法人企業統計では2023年1~9月の平均で計上利益率は7.1%となり、15日には株価も34年ぶりの3万8000円に乗せた。但し、10~12月の国内総生産(GDP)は前期比0.4%減少、年率換算0.4%減、個人消費は前期比0.2%減少、雇用者報酬は実質1.9%の減となり、物価上昇を上回る賃上げは実現出来ていない。(日経)24年春季労使交渉での一段の賃上げがなければ個人消費は上向きにくい。「賃上げ、名目3.6%が焦点」日経調査によると、個人消費を左右する実質賃金をプラスにするには、2024年に3.6%以上の賃上げが必要になる見通しだ。厚労省によると1000人以上の企業の23年の賃上げ実績は3.6%だった。賃上げとインフレの鈍化で、大和総研は24年7~9月にプラスになると見込む。問題は中小企業の賃上げで、中小企業庁の調査で23年9月時点でコスト上昇分をどれだけ転嫁できたか、3月から1.9%減の45.7%だったことから、中小企業の賃上げがカギになりそうだ。リクルートが15日に発表した1月パートアルバイトの募集平均時給は、三大都市圏で前年同月比38円(3.3%)高い1180円だった。職種別では外食などの「フード系」は前年比47円高い1146円、「販売サービス系」は46円高い1150円。人材サービス大手ディップの発表では、1月のパートアルバイトの平均時給は前年比167円高い1380円だった。日銀の企業短観では23年の企業設備投資は前年比15%増を見込むが、一方、法人企業統計の23年4~9月の設備投資実績は前年比3.9%に留まった。背景にあるのが人手不足と資源高。小売り最大手のイオンは育児休業する社員を対象に、子供が満1歳になるまで休暇前と同水準の手取り額を補償する制度を始める。国の現行制度は育休の取得期間が180日間まで月給の67%を補償し、それ以上に休業すると月給の半分になる。イオンの育児休業制度は国に比べ、期間・金額は10倍以上の保証になる見込みで、今後の人手不足は小売業にとって大きな課題になる。「物価と商品開発」現在、日本がデフレ脱却できるかどうか、重要な時期に来ている。専門家が指摘するのは日本のインフレが輸入型から国内型にシフトしていく点、国内の賃上げが実現することで、それを反映して物価も上昇する好循環だ。それには価格を上げられる商品開発がカギになり、それが出来ない企業は淘汰されていく運命が待っている。調査会社インテージによると、2023年、冷凍食品の「ワンプレート」タイプは17年比で7.7倍の規模になり、コロナ下を経てコスパやタイパを重視する消費者が増加、主婦だけでなく、高齢者や若者の二―ズを掴んで急進している。冷凍食品全体は6年間で38%増の中でワンプレート商品の成長は大きく、年代別で1人当りの購入金額は、30代の金額は6年間で2.4倍に膨らみ、10~20代も8割増と増えている。1人当りの購入金額が最も多いには60~70代で、400円程度の手頃な価格で本格的な料理が食べられるコスパは人気の要因になっている。代替え肉市場に雪国まいたけの新顔が現れた。同社は舞茸など茸を使った代替え肉の開発に成功した。キノコは低脂肪で食物繊維が多く、製造時の環境負荷も少なく、一時期の代替え肉の盛り上げりに欠ける市場でキノコミートの期待は大きい。メニューは酢豚、カツサンド、ビーフシチューや肉団子など牛・豚・鶏を網羅したラインアップに活用出来て、作りたいメニューによって複数のキノコと調味料を組み合わせ、独自の方法で柔らかかったり固かったり、様々な肉の食感を表現できる。代替え肉市場は大豆ミートが急拡大してきたが、足元では一服感が出て来た中で今後の期待感は大きい。3月~4月にかけて賃上げが個人消費だけでなく低金利からの脱却へと期待は大きい。小売業では賃上げの原資である商品価格の値上げが出来るかどうか、値上げしても消費者に買ってもらえる商品開発が小売り店のカギになる。<スーパーの惣菜・米飯・寿司><雛祭り寿司セット>*街角通信は毎週1回、配信しております。 *その他、ご興味のある方はこちらからお願いします。 http//asahi-kikaku.net
2024.02.18
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「進む企業の集中と分散」セブン&アイHD傘下のイトーヨーカ堂は北海道と東北、信越地方からの撤退を決めた。ヨーカ堂の撤退は特に地方でGMSの不振に対策がないことを浮き彫りにした。ヨーカ堂は昨年9月に食品スーパーのヨークと合併した経過の中、消費者はGMSから食品スーパーや専門店に流れており、同社は26年2月までに33店舗を閉鎖する予定で、今回は17店の閉鎖が決まった。東北・信越地方のヨーカ堂はヨークベニマルや格安スーパーロピアが引き継ぐ。ローソンがKDDIのグループに入る。KDDIはローソンの株式50%を取得し、三菱商事と合同でローソンに参加し、ローソンは全国の店舗を物流拠点として、注文から最短15分で商品を届けるサービスやKDDIの通信サービスなどと結びつけたデジタルのテックリテールを目指す。国内で高齢化・小世帯化が進む中で、消費量は減少するが、商品の品質や味覚へのこだわりは増し、品揃えは何でもあるから、欲しい物がある品揃え店舗に顧客は集まる。小売店の生産性が問われる中で、規模の拡大は省力化・自動化投資が進むが、消費者が求める商品や品揃えと一致する保障はない。「特需に沸く消費に課題」厚労省の勤労統計調査によると、23年の現金給与支給額は前年比1.2%増だが、消費者物価指数は3.8%上がり、実質賃金は2.5%減少となった。物価高の影響が大きかったのは食料品で、消費は実質2.2%減少したが、パック旅行や教養娯楽費は実質9.2%増えた。日本百貨店協会によると、23年の全国百貨店売上は既存店ベースで9.2%増の5兆4211億円となり、売上はコロナ前の19年比で3%減の水準だったが、免税売上は22年比3倍に達し、14年以降から最高額となった。円安与件によるインバウンド効果が最大の要因。日経MJまとめの23年12月の主要外食33社の既存店売上は31社が前年実績を上回り、コロナ5類移行後の初のクリスマス・年末を迎え、会社忘年会や家族集まって外食が増えた。特にファミレスや居酒屋の既存店売上は2桁の伸びになり、ワタミ居酒屋の宴会売上高は前年比2.4倍になった。しかし、この円安やコロナ特需は24年で頭打ちの様相が強い。「小売りMDに変化」日経POS情報によると、スーパー1月の主要食品156品目のうち52品目約3割で、販売数に占める特売の割合が前年同月を上回った。特売が大幅に増えたのがビールで、特売の比率は前年同月の41%から78%に、食用油の特売比率は64%から71%に上がった。1月は主要品目の内、74%で前年同月に比べ販売数量が減少や高騰していた原材料価格が足元で一服したことが大きな要因になっている。コンビニローソンはおにぎりやデザートなど19品の重量を47%増量するなど、価格は据え置きで物価高が続く中で実質値下げを実施する。6日から「盛りすぎチャレンジ」を始め、約3週間で全国のローソンで実施する。ファミマは16日から、¥500台に抑えハンバーグ弁当を発売、牛肉100%のチーズソースの鉄板焼ビーフハンバーグ弁当は¥598,新発売の木耳卵炒め弁当やネギ塩チキンステーキ弁当も¥500に抑えた。並行してハンバーグ弁当のおかずを1品減らして価格を抑え、割安感を出した。原料高下の値上げが治まり、売上対策としてスーパーは特売が増え、特売がないコンビニは商品価格の割安感で対策する。無印良品が「第二の創業」を目指し改革を進める中で、足元では10か月連続で客数が低迷している。消費者1000人調査の中で、「価格が少し高い」「高い」の合計が47.8%と「適切」に拮抗した結果になった。同社の特徴は「わけあって安い」だったが、今回「安い」は3%に満たない、同社と似たようなブランドが増えるなど、無印で買う理由が弱まっているように見える。(日経MJ)消費の2極化傾向が進む中で、商品の適正価格は「訳があって少し高い」こだわり商品を求める必要性もあり、モノが溢れるこの時代では商品の質・違いにこだわりたい。<スーパーの惣菜・米飯・寿司><お花見おにぎりセット>*街角通信は毎週1回、配信しております。 *その他、ご興味のある方はこちらからお願いします。 http//asahi-kikaku.net
2024.02.11
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「適量・買い易さを重視した今年の恵方巻」2月3日の節分恵方巻が終わり、週末与件もあり各店はお客様で賑わっていた。首都圏のスーパーを見た中で、今年の特徴と課題は・恵方巻のハーフサイズはヤオコーがハッピーサイズとして発売してから、 今年は多くの店でハーフサイズが主力になって来た。・従って価格帯はハーフで¥398、¥498、¥598に集約され、買い易い値ごろとなった。 ¥398,¥498ラインが全体の3割近くを占めていた。・恵方巻のグルメ化が進み、海鮮具材が増えることで商品名も複雑化して、 商品の違いが分かりづらくなり、お客様の商品選択が出来にくくなった。 海鮮恵方巻 ー海鮮笑福巻 ー 海鮮招福巻 -七福恵方巻・・・・巻き芯具材が多く、種類が増えることで、太巻を巻いてカットする技術が疎かになった。 海苔の巻き方が緩いことや破れやはみ出しが目立つ。今後の課題として・商品の特徴を明確にした品揃えアイテムの絞り込みが必要。 特に海鮮系は食べたときに味・食感の違いがわかること。「食品のコスパが購入の決め手」日経MJが行ったスーパーバイヤー対象に主要商品の展望は・トップは冷凍食品(64ポイント)で2位は惣菜・弁当、4位にレンジ・レトルト食品このアンケート結果はここ数年変わっていない中、お客様は食品の選択に簡便性、コスパが重視されている。スーパーの購買データを分析しているTrue Dataによると23年12月時点の食料品145品目の54%が22年9月以降のピーク時点と比べて平均購入価格が下がっている。(日経MJ)・特に500~600gのスパゲッティはピーク時より7.3%安い276円・サラダ油、天ぷら油は24年1月でピークから22.8%安い、スーパーのPB商品についても、イオンは食用油やカップ麺など60品目を値下げした。食品の値上げはピークを越し、今後はモノからサービス分野に広がりそうだ。ファミマは16日から、¥500台に抑えハンバーグ弁当を発売、牛肉100%のチーズソースの鉄板焼ビーフハンバーグ弁当¥598,新発売の木耳卵炒め弁当やネギ塩チキンステーキ弁当も¥500に抑えた。並行してハンバーグ弁当のおかずを1品減らして価格を抑え、顧客が味や価格、ボリューム共に満足できる弁当に工夫を凝らした。食材価格が一段落し、サービス価格の上昇する中、人手の掛かる飲食業は値上げが出来るかどうかにかかっており、味に自信のある店は値上げ出来るが、お客様の様子見している店は淘汰されると言われる。酒類がメインの店は不振で、焼鳥・焼肉など料理に特徴ある店が頑張っている。(日経)「スーパーの再編」イオンはグループ内のスーパー、フジ・リテイリングと西日本マックスバリューが合併し、31年には売上1兆円企業と2割強の規模拡大を狙う。人口減少が進み、スーパーは余り、今後の競争激化の中で店舗の淘汰が始まる。競合は同業だけでなく、コンビニと共存出来ない時代になると同社は見ている。その中で生き残るには、旧来のビジネスモデルではなく、電子商取引(EC)の導入など、一定の規模が必要だという。将来、過疎化・高齢化が進み、周囲に店はなく移動も難しい「買物難民者」が2030年には3人に1人なる時代が予想されており、それを支援する取り組みが始まっている。・セブンイレブンはは2025年にドローンによる配達を目指す実験を始めた。・長野県飯綱町とToppanは自宅にいながら買い物体験できるサービスを展開。・Jinsは高齢者施設に出張し、眼鏡の販売や視力の測定を行う。特に過疎化が進む北海道で、セコマ会長の丸谷氏は「店舗や物流の持続可能な貢献がなければ、過疎化が進む地域を支えられない。そのためにも店舗を支える物流が何よりも重要。」という。消費の2極化が言われる中、消費頻度の適量、味・品質の満足感に見合った売価、商品の満足感・コストパフォーマンスが最も重要な要素になる。コスパの満足度を重視した商品化でリピート購買を強化する。<スーパーの惣菜・米飯・寿司><週末弁当>*街角通信は毎週1回、配信しております。 *その他、ご興味のある方はこちらからお願いします。 http//asahi-kikaku.net
2024.02.04
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「今年は家族で楽しむ恵方巻」今年の2月3日は土曜日に当り、今まで以上にファミリー恵方巻が進みそうだ。年々単価が上がり、豪華になっている恵方巻だが、今年はハーフサイズ(長さ9cm)と組み合わせのセット販売が主流になっている。家族で何種類の恵方巻が楽しみながら、節分を盛り上げる。大手のイオンは舟盛りのトレーに海鮮や畜肉・惣菜の具材を巻いた恵方巻をカットして盛付け、家族でパーティニーズを取り込む。恵方巻イベントが広まり各年代に親しまれて来る中で、・若年を中心に具材の洋風化を図り、サーモン&ホタテとチーズ、ローストビーフ、 アンガス牛カルビ、キンパ巻などを品揃え、・中高年を対象に具材の高級化を図り、本マグロ巻、2種のマグロ巻、ご馳走海鮮巻、 瀬戸内穴子巻等、具材に特徴を持たせてご馳走感を訴求する。恵方巻はスーパー・コンビニから飲食店に広がり、吉野家はテイクアウト専門店を中心に、牛肉と玉ねぎの牛丼具材にチーズを加えた2種類の恵方巻で新規顧客の開拓につなげる。その他イトーヨーカドーは「銀座寿司幸本店」、イオンは「銀座よしたけ」など寿司専門店監修の商品で付加価値を上げた商品で差別化を狙う。「食品スーパーの絶対を追求するヤオコー」食品スーパーで35期連続営業利益を見込むヤオコー。人手不足は食品スーパーにも影響を与え、特に手間のかかる惣菜部門は店内製造作業を簡素化する動きが加速しているが、ヤオコーは店内製造とセンター製造の業務分担の中で、商品価値を高める商品は店内製造にこだわり差別化を図って成功している。スーパーの惣菜はPB商品であり、各社は惣菜のセンター製造に力を入れている。その一環として自社の惣菜センターを強化して差別化を進め、店舗では製造効率化を進めるには限界がある。只、賞味期限が短く、手作りが好まれる惣菜は店内製造が重視されるが、製造効率の観点からセンター製造へ変化している中、自店の主力商品は味・品質の絶対追求が重要になっている。人手不足は原料産地も同様で、シラウオの国内有数産地である茨城県霞ケ浦で人口知能(AI)を鮮度評価に活用することで、水揚げしたシラウオをS~Cの4段階で評価し、高評価の物はブランド化して販売、上級物価格は5倍に評価され価値を上げている。国内人口の高齢化、小世帯化の追い風に乗ってスーパーの惣菜は伸びて来たが、人手不足環境とメーカーや異業種からの参入など競争環境が激しくなって来た。今後も市場規模は拡大していくと見込まれる中で、自店の惣菜が消費者から目当てにされ、購入される商品にしていく事が重要になっている。 <スーパーの惣菜・米飯・寿司><恵方巻ハーフ3本セット>*街角通信は毎週1回、配信しております。 *その他、ご興味のある方はこちらからお願いします。 http//asahi-kikaku.net
2024.01.28
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「黒字倒産の現実」内閣府発表の12月街角景気は判断指数DIが11月より1.2ポイント上回る50.7だった。上昇は5か月ぶりだが、新型コロナの5種移行後で初の年末を迎え、忘年会の回復や集まり需要が増えたことが挙げられる。家計動向関連は50.7,サービス関連は53.1,飲食関連は58.8と高い伸びとなったが、2~3か月後の先行き指数は49.1と下げになった。2023年9~11月期の外食企業の決算は19社中18社改善した。コロナ禍の影響を脱したことによる客数増だけでなく、値上げによる客単価アップの両面からの改善が大きい。又、円安による原材料の輸入コストの伸びが一服したことも利益増につながった。コンビニ大手3社の業績が伸びており、9~11月期のファミマの連結利益は29%増、ローソンは36%増と過去最高、セブンイレブンは7%増の1990億円。今後の消費動向についてコンビニ各社は、消費者の高齢化に伴い買い物範囲は狭まり、コンビニの位置机は大きくなると見ている。一方、20233年の小規模企業の倒産数は8292件と前年比36%増となり、コロナ禍の政府の資金支援で生き残って来たが、物価高と人手不足で経営が維持できなくなったケースが目立つ。背景には人を集める原資に乏しく、十分なサービスや商品を提供できない悪循環につながっている。24年は物価は落ち着く変わりに、人手不足は深刻で倒産件数は1万件を超えると見られる。「物価上昇の主役交代」12月の企業物価指数は前年同期比0%とほぼ上昇はない中、消費者物価は生鮮を除くと2.3%の上昇に鈍化、サービス価格は2.3%のプラスの4半年連続の2%増で、公共サービスを除くと3.1%増になる。24年度のサービス価格上昇は2.8%が見込まれ、25年度は1.7%に落ち着く見通しが報告された。人手不足による人件費の上昇の影響を受けてサービス価格の値上がりにつながり、値上りは物価からホテル・飲食などサービス価格に交代予想に変わって来た。食料品の値上げが勢いを和らいできた中、国連食糧農業機構(FAD)は食料価格指数は直近10月時点で22年3月の過去最高値から25%下がったが、19年末比では4割高い。23年は世界で最も乾燥した年となり、米農務省は米国の23~24年度大豆生産量は前年度を3.3%下回ると見る。日本は9割を輸入に頼る影響は大きく、今後の気象変動は大きな火種になるという。「商品単価アップから販売点数増対策」値上げが客単価アップに大きく寄与した23年から24年は値上げが落ち着き、商品単価の伸びがなくなると予想する中で、売上を上げる重点は販売点数をいかに伸ばせるかがカギになってくる。販売点数アップには安く売ることから、商品価値で売ることに方向転換し、PB商品についても価値観を打ち出した商品がポイントになっている。事例として¥100おにぎりからコメ・具材を特徴にした手作りおにぎりが主流になり、おにぎり専門店からコンビニ・スーパーへと変化は起きている。羽田空港の建物内にあるおにぎり店舗では、ランチ時間帯には10人以上が並んでおり、工夫を凝らした具材20種以上のおにぎりを販売して、梅や鮭の定番の他、筋子やカルボラーナなど幅広い具材から選べる。コメは新潟産コシヒカリを使用し、握り方も優しく手で押さえる程度で、1個¥400から450で弁当と変わらない。スーパーの惣菜はPB商品であり、各社は惣菜のセンター製造に力を入れている。その一環として自社の惣菜センターを強化して差別化を進め、店舗では製造効率化を進めるには限界があり、店舗をカバーするセンターでは商品運搬に自動搬送車を使い、焼肉や焼魚の調理には加熱水蒸気調理を使用し、冷却には加圧冷却を活用するなど品質と製造の効率改善を追求する。販売点数アップはお客様から指定される商品づくりが求められ、売場では商品のこだわりをPRして、お客様に違いを理解して購入してもらう。価格は商品価値に見合ったもので安さではない。<スーパーの惣菜・米飯・寿司><鬼に金棒いなり>*街角通信は毎週1回、配信しております。 *その他、ご興味のある方はこちらからお願いします。 http//asahi-kikaku.net
2024.01.21
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「客単価上昇、小売り決算が好調」小売最大手のイオン今期の連結営業利益は前期比14%増の2400億円予想を発表した。4年ぶりに最高益を更新、物価高の中で節約志向を捉え、PB商品の販売が伸び、従来予想から200億円上方修正をした。一方、GMS事業部の営業利益は12億円の赤字、食品スーパー事業の営業利益は約3倍の218億円、DS店事業の営業利益も約5倍の60億円になった。コンビニローソンの今期の連結純利益は前期比68%増の500億円の見通しと発表。売上に当たる営業収入は9%増の1兆900億円で100億円の上方修正、利益率の高い店内調理の「まちかど厨房」の販売が好調で既存店の客数は4.1%増、客単価は0.5%減、売上は3.7%増と堅調。小売業主要79社の2023年9~11月期の内、6割強の企業で営業利益が前年同期比で増え、値上げとインバウンド需要が追い風となった。営業利益を押し上げた要因として・訪日客需要の取り込みは百貨店に大きなプラス要因となり、・値上げは6~8月期よりも鈍ったものの、幅広く浸透した。・コロナ禍から経済が戻りつつあり、消費者の外出機会が増えて需要につながった。実際の消費行動に比べて物価を考慮した実質消費は伸び悩んでいて、足元の生活必需品を中心に生活防衛の行動が見られる。(日経)「デジタル投資を急ぐコンビニ」セブンイレブンは公道で配送ロボットを使った実証実験に乗り出した。昨年末にかけて住民の高齢化が進む東京都八王子市の一部地域で実施、最寄り店から最短30分で商品を届けた。夜間などは配送員が集まりにくい地域もあり、ロボットを活用することで持続的配送サービスを模索する。現在国内約9000店舗で導入しており、配送料330円を払えばサービスを受けられる。コンビニ各社の既存店売上は10月まで20か月連続の前年同月比プラスとなった。セブンイレブンの永松社長は「高齢化が進み自宅から1km圏内の商圏が買い物の中心になり、コンビニの役割は今後も増していく。」「人口減少の中でも重み増す食料確保」政府は2100年に人口が半減し、6300万人程度になると発表、民間有識者でつくる「人口戦略会議」では少子化対策で8000万人で安定させる目標を掲げた。そのためには、出生率を現在の1.26から40年年には1.6,50年には1.8に引き上げる必要がある。人口減少はGDPの縮小につながる要因になるが、少子高齢化の中で国民1人当りの経済を運営する選択肢を会議では求めた。神奈川県相模原市のフードエコロジーセンターには1日に35~40トンの食糧が運び込まれ、年500トンが捨てられている。日本は衰える国内食料生産を補うために、安い食料を大量に輸入し、安すぎる食品を残して捨てるゆがんだ生産と消費の循環を変えるところに来ている。日本の農業生産者の1人当りの付加価値額は約260万円、1991年以降でほとんど増えてなく、韓国やギリシアにも抜かれている。農業人口が減少して食料生産が減っているにも関わらず、日本の食品価格は上がらず、大量の食品が捨てられている。日本の物価と賃金が上がらないデフレ経済が続いてきた中で、値上げの先頭に立ってきた大手食品の味の素、藤江社長は「日本はあらゆる価格が安すぎ、値上げしたら謝るのは日本くらいで、コストを下げる努力をしながら補いない部分を価格に転嫁し、価値に見合った価格にすることが大切だ。物価高は自らの価値を問い鍛える好機で、メーカーは価値を出せないと下請けになる。値上げしても買い続ける愛着の強い人と、安くそこそこの品質で良い人に分かれる。松竹梅で高い価値を価格に反映できる「松」と生産効率を高めて低価格でも利益が取れる「梅」の両方を開発する力が要る。値上げと賃上げはセットで、賃上げは3%の物価上昇と2%の定期昇給の計5%が出発点になる。」今、日本に求められる賃上げとその原資をつくる値上げは製販共に取り組む最大とテーマである。<スーパーの惣菜・米飯・寿司><極み恵方巻>*街角通信は毎週1回、配信しております。 *その他、ご興味のある方はこちらからお願いします。 http//asahi-kikaku.net
2024.01.14
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大きな災害によって年明けした国内小売業の初売りはコロナ下で少なかった訪日外国人の増加による高額品購入が、百貨店の売上をけん引し、都心百貨店の売上を1割上回る見通しと報じた。24年も円安が続く中で、インバウンド客が百貨店売上に貢献しそうだ。「コスパ重視による定番の強化」日経MJのコンビニ・スーパー編、ヒット商品番付に・横綱はオーケー銀座店で¥299のかつ丼が話題になった。・大関には値ごろのPB商品で大容量の商品や特徴を出した商品が上がった。・関脇にはプラントベースの野菜や代替え卵など環境配慮型商品が選ばれた。商品選定には従来の定番商品をリニューアル強化した商品やトレンドニーズを取り込む新商品開発の流れがある。PB商品強化の必要性は扱いアイテム数の少ないコンビニにとって、PBによる差別化政策は最優先項目になる。ファミマでは、PB商品売上は全体の36%を占めており、今後は定番商品をしっかり育てていく。価格面で高いと言われ始めている中で、価格面で「松竹梅」を意識した商品をバランスとって強化して行くとした。スーパーBYによる国産銘柄豚調査において、上位20アイテムの中で「かごしま黒豚」が総合評価でトップになった。味わいを評価する「味」64%、「赤身と脂身のバランス」28%、「食感」22%が評価され、知名度を含めて1位となった。かごしま黒豚の品種は全て「バークシャー」品種で、他の品種と一緒に飼育しないことを条件に、飼料にさつま芋を添加した餌を60日以上与え、飼育期間を通常の1.2~1.5倍で出荷する。豚肉の赤身と脂身のバランスにおいて、牛肉同様に霜降りを求める時代になって来ており、各養豚場で与える飼料を工夫して、赤身に脂肪率を高める研究している。実証実験から通常の豚ロース肉の脂肪率は3~4%だが、新技術で10%まで高めることが出来、「熊野ポーク」など出荷が始まった。今後、小売業に求められる課題は、値上げ出来る商品を開発して、利益・売上を確保できるか、それによって生産性を高め、有能な人員確保を出来て発展する流れだ。その商品開発には定番商品を常にブラッシュアップして強化し、消費の新規ニーズを取り込んだ新商品の開発を進めて育成していく。この2点は商品力の差別化には欠かせない。<スーパーの惣菜・米飯・寿司><ロティサリーコンボ>*街角通信は毎週1回、配信しております。 *その他、ご興味のある方はこちらからお願いします。 http//asahi-kikaku.net
2024.01.07
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能登大地震で被害を受けられたスーパーや従業員の皆様に心よりお見舞い申し上げます。「年末商戦は好調の内に終了」惣菜の海老天、エビかき揚は冷凍1個¥298の展開が多かったが、ライフやヨークで手揚げエビ天¥600、¥648の高価格商品が見られました。今年も店舗による冷凍天ぷらの品質バラツキが大きく、コスパから見ると全体にレベルがダウンしています。又、重点商品の握り寿司では鮮魚寿司が拡大している中、惣菜の握り寿司は価格帯を押さえてネタの見直しが必要で、鮮魚握りとの棲み分けが出来ています。・精肉部門によるローストビーフや馬肉の握り寿司販売が始まり、今後は部門競争が進みます。「景気拡大予想の中で賃上げが課題」日経が「社長100人調査」では国内景気は「緩やかに拡大していると拡大している」を合わせ72.5%と3四半期連続となった。内容として、「個人消費の回復」78.6%も多いが、「外国人消費の拡大」89.3%が最も多かった。しかし、今後の景況感(DI)は9月からマイナス2のプラス36で4四半期ぶりに悪化した。23年12月15日時点の産業素材や燃料、農産物など主要100品目の取引価格は全体の4割に当たる37品目が前年末から下落した。年間で下がった品目数は22年からほぼ2倍になり、相場は下げに転じた。(日経)その中で、消費者に近い商品のコメ関連は値上りしており、モチ玄米は28%、うるち米も13%高と今夏猛暑による収穫減少が影響している。「社長100人調査」の2024年春の賃上げ率の想定を尋ねたところ、検討中を除き「5%台」が最多の34.6%、「4%台」が19.3%、「7~9%」と「3%台」がそれぞれ15.4%と続いた。1年前の最多は「3%台」で34%だったことから、今年は更に高い賃上げを想定している。国内企業で最多の40万人のパートを雇用するイオンは2024年春のパート時給を平均7%上げる方針を固めたと報じた。10万人いる正社員の賃上げは、定期昇給やベースアップを含むグループ平均(4.85)を上回るようにし、パートの7%に近づけるように調整する。国内で働く外国人労働者は2022年で182万人、日本の就業者の約3%をしめ、いまや企業運営やサービスに欠かせない存在になっている。一方、東南アジアの経済成長や円安基調などの影響を受け、海外の若者は来日して働く動機が落ちており、外国人から選ばれない日本は真摯に外国人労働者を支える環境づくりが重要になっている。労働集約産業である飲食やスーパーなどの小売業は、労働人員確保が今後の最大の課題であり、賃上げは製造業以上のものが求められる。そのためにイオンのように先立って賃上げを公表することが必重要で、その原資を確保するには値上げしても売れる商品づくりとサービスが必要になっている。<スーパーの惣菜・米飯・寿司><ローストビーフ握り寿司>*街角通信は毎週1回、配信しております。 *その他、ご興味のある方はこちらからお願いします。 http//asahi-kikaku.net
2024.01.02
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「賃上げを伴う物価上昇に向けて」日経がまとめた2023年冬のボーナス調査で非製造業の平均支給額は、前年比5.16%の74万6920円と2年連続で前年を上回った。業種別で見ると百貨店・スーパーが3.62%増、その他サービスは5.23%増、スーパーの中では北海道地盤のラルズは7.63%、東北中心のユニバースは15.66%と好調だった。話題の2024年の賃上げについて、自動車や電機が加盟する金属労協は来年の春闘で基本給の底上げするベアで月1万円以上を要求することを決めた。要求額は過去最高水準で、長引く物価高を受けた賃上げを持続できるか課題だ。流通や外食などが参加するUAゼンセンは正社員とパートをあわせた賃上げ目標は6%とする執行部案を決め、連合の要求案を2年連続で上回る。産業界では大企業を中心に強気の要求が目立つ一方、中小企業の賃上げがカギになる中で、中小の労働分配率は7~9月期で69%とコロナ前の19年比2%低下に留まり、この間に大企業は8%ダウンの39%と中小企業との差は大きい。労働分配率と同様賃上げ原資となる労働生産性は日本生産性本部発表の2022年の日本の時間当り労働生産性は52.3ドル(74260円)だった。OECD加盟の38か国中30位で、比較可能な1970年以降、最低を更新した。年間1人当りの労働生産性は8万5329ドル(11,950,000円)に留まり、製造業は9万4155ドルで加盟中18位だったが、非製造業の生産性の低さが課題。「節約消費の中でコスパが課題」日本フランチャイズチェーン協会の統計によると、コンビニの客数はコロナ禍前の2016年から既存店客数は前年割れが続き、足元では訪日外国人の増加の影響で前年実績を超えているものの、19年の実績には戻っていない。調査会社インテージによると利用者がコンビニで買うモノは飲料が69%で首位、弁当・惣菜は50%で2位だが、一方で惣菜を買わない人の理由は「高い」が53%、自炊するとの差は30ポイントに上り、価格が購入のネックになっていることが浮き彫りになった。「物価高で商品の価格を高く感じる」34%、「弁当・惣菜を買わなくなった」25%とコンビニの商品開発で「美味しいけど高い」と価格を意識する人が増えているのとコンビニ利用が減った30代の男女は「変わりにドラッグを利用する」が25%に上がった。若者を中心にコンビニの利用が以前より減少する中、・セブンイレブンは健康を意識したブランドの新商品をを増やし、・ファミマは衣料品や機能性文具を扱う店を模索し、・ローソンは韓国コスメを通じ、目的買いの来店を喚起する。コンビニ各社が新たな需要を模索する中、セブンイレブンは健康を意識したブランド「サイクルミー」で時間栄養学という考え方のもと朝昼夕の時間帯に合った食品を提案する。食品や日用品でPB商品の大容量が増えている。・ビッグエーは鶏ムネ肉や冷凍ブロッコリー、シュレッドチーズ800g~1kgなど・西友は冷凍ポテトサラダ800g¥592など・ドン・キホーテはライトツナ缶10缶パックなどこれらの商品は消費量が多く、大容量にして単価が安く作れるもので保存が効く商品が中心に人気が大きい。家計収入が物価上昇に追い付かない中、消費者の節約消費が強まる傾向にあり、味・品質が良ければ売れるか、消費者は価格に見合った味・品質以上のコスパの高い商品を探している。新商品開発や重点商品はお客様にとってどんな良さ・メリットがあるのか十分な説明が求められる。<スーパーの惣菜・米飯・寿司><おせちオードブル>*街角通信は毎週1回、配信しております。 *その他、ご興味のある方はこちらからお願いします。 http//asahi-kikaku.net
2023.12.26
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「景気横這いで迎える年末年始」内閣府発表の11月街角景気は判断指数が49.5で10月から横ばいで、内閣府は「緩やかな回復基調にあるものの一服感がある」とした。家計動向関連は小売り関連が1.2ポイント改善したが、サービス関連は0.7ポイント低下、2~3か月先の先行き判断指数は1.0ポイント上回る49.4だった。(日経)JR6社は年末年始(28日~4日)の新幹線、在来線の指定席予約が前年比44%増、2018年度比8%増とコロナ前の水準を超えたと発表、混雑ピークは下りが29日、上りは1月3日となる見込みで、JR各社は年末年始に予約できる席数を前年比10%増に確保して対応する。「モノの値上げは一服、サービスに移行」日銀公表の11月企業物価指数は前年比0.3%上昇で10月より鈍化、原材料高を起点とする企業物価の上昇は弱まり、物価上昇の牽引約がモノからサービス分野に移って来た。企業物価の伸びは弱まったが、人件費などの影響を受けやすいサービス価格が上昇傾向にあり、10月のCPIの押し上げ要因はサービスの寄与度が1.05で、食品や衣服などモノは、2.63と今後は当面CPIが大きく下がらないとした。(日経)イオンは12日、PBのトップバリューシリーズの29品目を3~26%値下げを発表、鍋つゆなどの季節商品の他、ホットケーキミックスや食用油や日用品を値下げし、9月に続き2度目で、対象は合計60品目となる。前回の東武ストアやイオンなど、今後、値下げに取り組みスーパーが増えて来そうだ。「二極化の商品開発が進む」ローソンは2023年のXmasケーキの発表の中で、イチゴや飾りつけのないホール型ケーキを発売、価格は6号で¥2490と割安感を出しつつ家族で自由にデコレーションしてもらう。一方、¥4000~¥5000の高価格帯のケーキも用意し、消費の二極化に対応する。同社では制限のない年末になって、自宅や友人宅に集まり、パーティをする傾向にあると説明。進化するおにぎり界にパリの風が逆輸入している。(日経MJ)外国では寿司に比べ知名度は低いおにぎりが、日本のエンタメの影響を受けて進化、「安くて手軽に、日本らしさが味わえる」と人気が出ており、日本では「オリーブオイルご飯と生ハムおにぎり」「ペペロンチーノおにぎり」など流行しそう。「顧客の五感ニーズを取り込む店づくり」ライフCOは店舗のBGMやコマーシャルに民族音楽を取り入れ、ブランドづくりに役立てる。ライフの有機食品を扱うビオラルでは民族音楽や鳥のさいずりなど、オーガニック商の取り扱いに似合った自然の雰囲気を醸し出すBGMを導入する。ユニーは肉や魚を焼く音などの「効果音」の種類を大幅に増やした。野菜や肉の売場では鍋をグツグツ煮る音や揚げる・焼く音で効果を期待する。外食各社が小型店の展開に力を入れており、吉野家は従来の半分の店舗面積でテイクアウト専門店を24年末に約5倍の160店に増やす。初出店から約1年半が過ぎ、売上は計画を上回り、女性客の獲得につながっている。マクドナルドは同社初のテイクアウト・デリバリー専門店を東京早稲田に開業、調査会社のエヌピーディによるとテイクアウト市場は19年比13%増の1兆9260億円、実際吉野家のテイクアウト比率は37.5%となっている。今年最後のイベントに対し、消費者は節約とグルメニーズの中で、場面を捉えたメリハリをつけた消費が強まりそうだ。このニーズに対応する為に必要なことは「コスパ」であり、価格の安さのなかでの価値観、プチグルメ商品の中で価値観のある商品づくりが重要だ。<スーパーの惣菜・米飯・寿司><和洋おかずセット>*街角通信は毎週1回、配信しております。 *その他、ご興味のある方はこちらからお願いします。 http//asahi-kikaku.net
2023.12.17
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「年末商戦の動向」年末年始の消費者動向として国内旅行が過去最高の見通しと発表された。JTB発表の年末年始(23日~24年1月3日)の国内旅行は旅行者は4%増の2800万人でコロナ前の96%の水準に回復する見通しで1人あたりの費用は4万1000円と22年から4000円増えた。公務員冬のボーナスが支給され、本格的に年末商戦が始まった中で、三越伊勢丹HDの首都圏の売上高は前年比で2桁増になり、大丸松坂屋百貨店も1~7日の売上高は9%増と高級弁当や惣菜、催事が好調だった。東京都が都内企業のボーナス平均支給額を調査したところ、前年より2.48%増えた。埼玉県内のおせち予約販売は増加傾向にある中で、夫婦2人など小人数向けと子供・孫を含めた多人数向けの二極化が加速、年末年始の家庭のだんらんの光景も大きく変化してきている。年末年始に子供たちは出かけて夫婦で過ごす家庭がある一方、久しぶりに大勢での集まりを楽しむ家庭も多いと言えそうだ。県内の料亭おせち2人前は¥28000、4人前は¥46000円ですでに予約は終了している。「2023年、日経MJヒット商品番付に見る消費ニーズ」日経ヒット商品番付が発表され、食品関連では前頭に・サントリー「こだわり酒場のタコハイ」、アサヒ「スーパードライクリスタル」・丸亀製麺「丸亀シェイクうどん」、セブンイレブン「お店で作るスムージー」などが入った。同紙では3年間の巣ごもり生活で新しい楽しみも増えて、消費の現場の競争は激しくなっており、物価高も影響して普通の価格やサービスでは消費者は動かない。そういう消費者を捉えるには、今までの能力を超えた商品やサービスが番付された。横綱には東は生成AIが、西では大谷翔平&WBCが選ばれている。物価高が続き、少しでも安い商品やサービスを求めるニーズは根強く、節約志向が強まる中で消費者の心をつかんだのは、安さを追求しつつも価格だけでなく、その特徴をしっかりと磨き上げた商品やサービスだ。(日経MJ)・セブンイレブンの「お店で作るスムージー」は約70秒でスムージーが出来上がり、 約¥300の値ごろ価格でフレッシュな味わいが楽しめる。・アサヒの「スーパードライクリスタル」はアルコール度数を3%に抑え、 ビールは好きだが、お酒には強くない消費者のニーズを捉えた。又、主食とおかずを一皿にまとめた「ワンプレート冷食」は10月に前年比44%伸びた。「新ニーズを捉えた商品の動向」日清食品HDは2022年に発売した「完全めし」ブランドを拡充し、その後、完全めし「・カラムーチョやホットデリ、焼きそばやカレーライス」など11月時点で36品目を展開している。同社では、もっとジャンクフードをヘルシーに食べたいというニーズは強く、最近はカロリー当りの栄養素を意味する「カロパ」が求められている、という。首都圏中心に食品スーパーを展開する東武ストアは、今夏から値下げを実施しており、12月は食品や日用品211品目を最大4割値下げしている。足元では対象商品が3~4割販売点数が増えたほか、客数が回復してきた。節約志向が強まる中で「逆張り」の値下げで価格感の高い消費者の獲得につながっている。同社は8月から生活必需品を170~230品目を定期的に値下げする政策を行って来て、対象商品は売れ行きを見ながら毎月変更し、10月は食料品の売上は5.2%増だった。首都圏地盤の外食店「かつや」は年末感謝祭として、かつ丼、ソースカツ丼、ロースかつ弁当、カツカレー弁当を¥550で期間限定販売をする。商品の価格帯はスーパーとほとんど変わらず、商品のコスパは非常に高い。トンカツを得意とする同社の政策はスーパー惣菜と競合し、注目に値する。調査会社インテージによると、大豆原料の「大豆ミート」市場が一服している。17年には4億6000万だった大豆ミートは22年には42億円と約9倍に拡大したが、23年は1~10月は24%減の28億円に減少した。節約志向の高まりの中で、精肉と比べて割高感のある大豆ミートに買い控えが起きている。小売りPOSでは大豆ミート仕様の伊藤ハム「大豆ミートナゲット」は100g当り¥180に対し、丸大食品の「得用チキンナゲット」は100g¥80と半分以下の値段だ。大豆ミートはコストと味の改良との「コスパ」でまだ改善が必要になっている。コロナ後の年末年始を迎えて、消費者の節約志向とプチグルメ志向の2極化は鮮明になって来ており、この2つの消費ニーズを組み合わせた「コスパ」の高い商品が勝敗を決めそうだ。これは24年以降のMD政策のカギになる。<スーパーの惣菜・米飯・寿司><天ぷら盛合せ>*街角通信は毎週1回、配信しております。 *その他、ご興味のある方はこちらからお願いします。 http//asahi-kikaku.net
2023.12.10
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「2024年春季交渉、強気目標」流通や外食、繊維などの労働組合が参加するUAゼンセンは2024年の春季労使交渉でパート時給を6%賃上げする目標を明らかにした。時給で70円に相当し、昨年を上回る目標を掲げた背景には人手不足と地域の賃金上昇がある。UAゼンセンは正社員の賃上げ率も6%を掲げ、共に連合の賃上げ目標を上回る。帝国バンクによると23年7月に人手不足を感じる企業の割合は30.5%で、毎年7月時点ではコロナ前の18年に次ぎ5年ぶりの高水準だ。特に人手不足感が強いのは「飲食店」で83.5%、旅館ホテルも68.1%と過去5年で最高水準。人材サービスのリクルートやディップが発表した10月のパート・アルバイト平均時給は三大都市圏で前年比26円高い1177円、フード系は47円高い1135円、「製造・物流・清掃系」は21円高い1183円と最低賃金の引上げに沿って上昇した。「食品の値上げ効果」食品メーカーで値上げ効果が拡大しており、3月決算の食品業種の株式総額上位の数値は23年4~9月の値上げ効果は22年同期間のほぼ2倍に拡大し、原材料高630億円の影響を上回った。明治HDは23年4~9月期の効果は304億円、雪印メグミルクは前年同期比14倍以上に拡大、価格改定効果がコスト上昇分を逆転し、プラスを生む構造に転換した。帝国バンクによると、2024年の主要食品メーカーの値上げは、1万品目前後となり、23年よりも7割程度減る見通しだと発表した。主要食品メーカー195社の発表では24年1~4月期の値上げ品目は1596品目で前年比9割少ない。こうした動きの背景には消費者の値上げへの抵抗感が強まっており、21年以降値上げした主力商品について「販売量が減った」と回答した企業は全体の56%と回答。23年初めに家庭用・業務用冷凍食品を値上げした味の素は同社冷凍餃子では値上げした以降のシェアは13%減の31%となり、1位の座を「大阪王将」を展開するイート&HDに譲り渡すことになった。その他小売りPBの比率は増えており、ヤオコーとライフのPB 「スターセレクト」は23年4~9月期の売上高は前年同期比10%増になった。「物価上昇はモノからサービスへ」日銀が27日発表した10月の企業向けサービス価格指数は前年比2.3%の上昇、上昇率は3か月連続で2%を超え、調査対象146品目のうち7割近くに上った。モノとサービスの構成比比率はほぼ半々で、人件費の上昇分を転換して給与所得を増やし、消費者物価指数を上げる循環にはサービスの動向がカギになる。企業向けサービス価格の内訳はSEの人件費上昇に伴うソフト開発が前年比4.7%増、派遣労働者サービスが2.2%上昇した。専門家は日本では米国同様に労働集約的なサービス分野の価格引き上げが物価上昇を支える局面に移行しつつあると指摘する。(日経)公取は受注企業と発注企業との取引で受け取る対価について 価格転嫁を促す指針を発表し、順守しない場合は独禁法違反になる。日本は99.7%の中小企業が占め、賃上げに向けて大企業が中小との取引で支払う対価を適正に保ち、中小企業に賃上げの余力を保つ必要がある為、公取は企業間取引の交渉に企業の守るべき12の行動指針を示した。これは小売りとメーカーの関係にも相当し、仕入れ価格を長年低く据え置くなど優越的地位の乱用といった独禁法違反や「買いたたき」行為になる恐れがある。受注者は価格交渉の際に最低賃金の上昇率といった客観的なデータを用いることや、それを基に自社の希望価格を示すことで中小企業の価格転嫁を促す。日本が求める2%物価上昇に伴い、それを上回る賃金上昇が経済の好循環になる。2024年はそれに向かって日銀、政府、企業が果たす行動を期待する年になりそうだ。<スーパーの惣菜・米飯・寿司><煮しめ盛合せ>*街角通信は毎週1回、配信しております。 *その他、ご興味のある方はこちらからお願いします。 http//asahi-kikaku.net
2023.12.03
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