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日本でも東宝が何度も公演しているミュージカル「レ・ミゼラブル」の映画版。原作は、フランスの作家ビクトル・ユーゴーで、日本では「ああ無情」というタイトルです。子供のころ、世界名作文学で読んだくらい、という人が大半でしょうか。(ワタシもそうです)で、これはお勧めです。何か1本映画を見たいけど、迷ってる。というなら、これです!ミュージカルを見たことのある人はもちろん、ミュージカルも原作も知らない、という人も大丈夫です!全編歌なので慣れないと違和感を感じるかもしれませんが、逆に、セリフを丹念に追う必要がなく、ストーリーもわかりやすいと思います。が、何よりも、歌のチカラです。大体、人前で感動をあらわすなどかっこ悪くてとんでもない!というハードボイルドな人がみても、「これは反則技だぜ!」というシーンがあります。やせ我慢が完遂できないかもしれませんので、ティッシュとハンカチお忘れなく!こんな映画が作れるうちは、まだまだ人間界捨てたもんじゃない。後世に残したい名作に間違いなく入る1本。
2013年01月14日
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歌舞伎役者中村勘三郎さんが急逝しました。好きな役者さんのお一人でもあり、しかも、現役バリバリでの死去で、さすがに残念です。勘三郎さんは少しお兄さん世代。お若いころからテレビドラマや舞台を見てきました。一緒に育ってきた、という感じです。勘三郎さんは中退されましたが、ワタシの大学の先輩にあたるのもご縁です。芝居は楽しく、お客さんにチケット代を損させない、という姿勢を、いつも明確にしていました。重厚な武将より、威勢がよくて情に篤い江戸っ子や市井に生きる人々が似合いました。きびきびと派手やかな踊りで、華かな舞台を作り上げるひとでした。もう一度見たかった勘三郎さんの舞台ベスト3「俊寛」の俊寛僧都「京鹿子娘道成寺」の白拍子花子コクーン歌舞伎「佐倉義民傳」の木内宗吾さて、明日から10日まで(正確にはベトナム滞在は9日まで)ベトナムハノイに行ってきます!
2012年12月06日
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戦国時代の埼玉県舞台の作品なので、これを見ないのは、非県民(爆)。原作は、時代小説でも司馬遼太郎先生の本のように重々しくなく、あっさり読めます。映画のほうが先に企画されたとかで、確かにこれは映像のほうがよい。一言でいえば、実に痛快。細かいことは突っ込まず、歴史エンターテインメントとして楽しんでください。全編ほぼ戦の話で、当然残酷なシーンもあります。が、それが気にならないほど、まったく悲壮感がない。たぶん、武将から農民までみんなが力を合わせて、ある目的を遂行する、というのが非常に明確だから。水攻めシーンはさすがに大迫力で、これは震災に配慮して公開を1年延期したのも仕方ないだろう、というもの。キャストは個性的な面々がそろい、全員がとても気持ちよさそうに演じていて、観るほうも楽しい。意外な掘り出し物(失礼!)は、石田三成役の上地雄輔くん。甲冑姿がよく似合い、時代劇、いけるんじゃない?勿論、何よりも、主役の野村萬斎さんなくしては成立し得ない作品であることを強調しておきます。あらすじ、キャストなどはこちらを。そして、ぜひエンドロールは最後まで見てほしい。舞台となった埼玉県行田市の現在の情景が映し出されます。歴史上の出来事の積み重ねの上に今がある、としみじみ感じさせる、とても素敵なエンドロールです。星5つ。
2012年11月23日
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映画やドラマで活躍する香川照之さんが歌舞伎の世界に入る、ということでも話題の「市川猿之助襲名披露公演::スーパー歌舞伎ヤマトタケル」に行ってきました!新猿之助さんになる旧亀治郎さんは、以前から応援している若手俳優さん。スーパー歌舞伎も好きで、特に「ヤマトタケル」は、大好きな梅原猛先生の作品ということもありお気に入り。襲名のお祝いでもあるので、ここは、1等席を奮発。新猿之助さんが大ファンである福山雅治さん撮影のポスター。新猿之助さんは、もともときりっとした娘役がとても魅力的な俳優さん。体形も男性としては華奢なので、とてもキュート!(笑)ここ数年のなかで、一番充実した観劇でした。よかった!東京ではもう1度見る機会がとれないので、来年、大阪か名古屋で上演されるときには絶対見に行こう。注目の香川さんは、さすがに、声が枯れてきてしまいましたね。歌舞伎は舞台上に集音マイクはあるけれど、俳優さんの口元にマイクはつけないので、地声で3階席まで台詞を届けなければなりません。今後、ボイストレーニングを積んでいただく、ということで。そして、旧猿之助の新猿翁さん。101氏と同じ脳卒中でしばらく舞台から遠ざかっておられました。テレビで拝見した昼の部では動きも不自由ななか、きちんと衣装をつけて、失語症の後遺症で言葉もたどたどしいながらの口上。脳疾患のリハビリがどれだけ大変かはよくわかっています。大変な努力をされたのだと思います。なによりも、動きも言葉も不十分な状態で、お客様の前に出た、という勇気に拍手を送りたい。ふつうのひとでも、中途で障害を持てば、人前に出るのにものすごい決心がいるもの。まして、大勢のお客様の前で、かっこよく決めてナンボの俳優さんです。新猿翁さんには、これからもできる範囲で舞台にお立ち頂きたい。脳卒中の後遺症を抱えて頑張っているみなさんにとって大きな励みになります。お祝いだから絶対に着物にするぞ!と雨用のコートも購入して万全の体制で臨んだ当日。お天気もよくてGOODでありました。単衣の小紋は、薄い黄緑色に白と赤の小花柄。オレンジの織りの帯は母親の遺産。簡単に着られるように、二部式のつくり帯に仕立て直しました。出来上がっているお太鼓を背中にしょってひもで結ぶだけ。こうすれば、ひとりでも着られるよん。帯揚げは白系のぼかし。帯締めは、これも母親の遺産で夏らしいきれいなグリーンにしてみました。
2012年06月29日
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あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。さて、慶州訪問以来気になっていた韓国時代劇「善徳女王」。ついに、VOD(ビデオ・オン・デマンド)で見ることを決断。20回分、大人買い(笑)してしまいました。なにしろ、62回という大作。全回視聴すると総額1万円を優に超えるので、何ヶ月かかけて、見るつもり。とにかく面白い。やめられない、とまらない、と、3日で11回分見てしまった(苦笑)。:::古代朝鮮の三国時代(新羅、高句麗、百済)。新羅の女王(朝鮮半島初の女王)となった善徳女王(トンマン)の一代記。日本では、ちょうど推古天皇の頃、聖徳太子と同時代の方です。双子姉妹として生まれた王女ふたり。しかし、王家に双子が生まれると男子の血筋が絶えるという予言のため、ひとりは極秘に王宮の外に出される。その子トンマンは王女の身分を知らずに成長。その頃王家は、ミシルという先王の側室だった女性に牛耳られ、まさに乗っ取られようとしていた。ミシルはありとあらゆる謀略を駆使し、王家を支配しようとする。王家に残ったトンマンの姉チョンミョン王女は、ミシルと戦う決意を固める。トンマンは、自分の出生の秘密を知る人物を訪ねるが、その際、偶然チョンミョン王女と出会い意気投合する。トンマンは旅をするにあたって男の子として振舞っていた。チョンミョン王女の配慮で、花郎(新羅王国の貴族の子弟で構成された部隊)のもとで兵士となり、百済との戦いに臨む。というところで11回目終了。主人公がさまざまな困難を乗り越えて成長していく、という王道のストーリー。しかも、この困難が半端じゃない。何度も死にかけるし、牢屋には入れられるし、男として兵士の特訓を受け、激しい戦闘に参加。(日本の大河ドラマもここまでやると、もっと人気が出るように思う)さらに、トンマンのまわりにはとても魅力的な男性キャラクターが集まっていて、しかも、色恋抜きで(11回時点ではトンマンは男とみんな思っている)、トンマンの人柄に魅かれて彼女を支えてくれる。そうなんです。すでにトンマンは、将来の女王に相応しいリーダーシップを身につけているわけですね。もちろん、男優さんたちがまたステキな方ばかり!しかも、豪華な王朝衣装にロングヘアですから見栄えがします^^そして、ドラマの成否は悪役にかかっている、というセオリーどおり。永遠の敵となるミシルがすばらしい!コ・ヒョンジュンさんというキャリアのある女優さんですが、本当にすさまじい悪役っぷり。男を手玉に取って手足のごとく動かしながら、政敵を葬っていくんですから。しかも、お顔はどちらかというと可愛らしい感じなのに、です。「イ・サン」や「チャングム」は李氏朝鮮王朝時代(日本の室町時代~明治時代にあたる)の話。社会もある程度安定してきた時代で、日本の時代劇なら江戸時代ものといったところでスケール感が小さくなってくるのは仕方ありません。一方古代は、歴史事実もよくわかっていない点もあるので50%は史実ではなく創作、になるのでしょうけれど、その分話を飛躍させることができるし、なにより他国との戦争アリでスケールが大きい。お好みもありますが、壮大でスピーディーな展開、戦闘シーンがお好きな方には絶対おすすめ。音楽も、堂々として、緊迫感も醸し出し、いいですよ~。さて、12話見なきゃ!
2012年01月02日
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今日は、101氏とふたりでインフルエンザの予防接種に行く。今月は、101氏の装具を作り直す(今のは入院中の痩せてたときにつくったもので、少々サイズがあわなくなってきた)のと、歯科と、脳外科の定期通院(2~3ヶ月に一度いっている)と、ついでに、ワタシの脳ドックとで、なんと、1ヶ月に7回病院に行く。歯科以外は全部同じ病院なので、毎週2日くらい通ってました(笑)。脳ドックは、なかなかおもしろかったです。MRIは、特別怖いこともなく、ガンガンと音はうるさいけれどリズミカルで、慣れると心地よく眠りを誘ってくれます。グローブのKEIKOさんがクモ膜下出血で手術されましたが、脳ドックで、その原因の大半を占める脳動脈瘤が発見される場合もあるそうなので、40過ぎたら、1度くらい受けてみるといいかもですね。さて、本日のお題。今季注目のドラマ。注目の「南極大陸」・・・といきたいところですが、ごめんね~、キムタクがワタシ、パスなんですわ。で、かわりに日曜夜のおすすめは。NHKBSプレミアムの「塚原卜伝」。時代は戦国時代。剣聖と呼ばれた人物の若き日の修行時代のオハナシ。まあ、マニアックな主人公だし、いかにも、予算少なそうなつくりだし、で誰にでもおすすめ、とは言い難いですが、主演の堺雅人さん、かっこよすぎ!影響されて、木刀で素振りなどやってみちゃってます(爆)。一番のおすすめは、フジテレビ「謎解きはディナーのあとで」。本屋大賞を受賞した原作。財閥のお嬢様が身分を隠して刑事をやっているという設定。お嬢様の執事が事件の謎解きをする、というエンタメミステリー。北川景子ちゃんのツンとした美貌が、超お嬢様にぴったり。執事の桜井翔くん。嫌味っぽく頭がよさそうな(笑)感じがこれまたぴったり。コミック風の画面がところどころに挟まれるので、そのへん好き嫌いがわかれるかも。おしゃれな雰囲気は満載です。なんたって舞台がお屋敷(池之端の旧岩崎邸がロケ地)ですから。最後に、昨日で終わってしまったのですが、NHKの「ラストマネー」はなかなか興味深いドラマでした。生命保険会社の査定員の主人公が伊藤英明、保険金詐欺を実行するのが高島礼子。保険業界の裏のハナシ、なるほどね~、と思うことも多くタメになりました。ラストは、ちゃんと救いもあるので、まあ、いいかな。NHKの経済系ドラマは優秀な作品ばかりで見ごたえあります。オマケに、映画。こちらも堺雅人さんと宮崎あおいちゃんの篤姫夫妻がまた夫婦役を演じる「ツレがうつになりまして」。ただただよかったです!いろんな人におすすめです。今の世の中、うつ病に限らず、何事もなく人生を終われる人のほうが少ないでしょう。挫折や苦難にぶちあたったときに、どう前向きに乗り越えるか?のヒントがあります。
2011年10月26日
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主役・役所さんの台詞「斬って斬って斬りまくれ~!」がすべての作品。これだけ斬り合いを見せられると、お腹いっぱい。時代劇見たな~、と思える映画です。:::江戸時代末期。将軍の弟で暴君の明石藩主を暗殺せよ、との密命が老中より下る。旗本を中心に集められた刺客は13人。狙うは藩主が参勤交代で国許へ向かう道中。刺客側は木曽山中の宿場をひとつ、まるまる借受け、要塞となして藩主一行を待つ。防備の人数を固めた藩主一行に13人は知力と腕の限りを尽くして立ち向かうのだが・・・ いくら江戸時代だって、こんな暴君は普通ほっとかないだろうし、こんな無茶苦茶は許されないだろ、という突っ込みはともかくとして、まず、暴君を演じた稲垣吾郎ちゃんに拍手。彼を見るだけでも価値あります。悪役、なんてカワイイものではなく、まさに残虐非道な鬼畜。あの端正なお顔をピクリとも崩さず、しかも視線は虚空に泳がせながら次々人を殺していくさまは、まじでコワイ!この役を受けた彼もエライが、認めたジャニーズ事務所もエライ!ほめてあげる。なにしろこのオハナシ、吾郎ちゃん扮する殿が、どんだけ赦せないヤツか知らしめねばならないのだから、彼の演技が作品全体のキーポイントになるのです。この役で、SMAPの吾郎ちゃんから、役者稲垣へと新境地を開いたと言っていいでしょう。それでも、最期に少しばかり人間らしい感情を出した部分もあって、哀れさも感じさせました。 刺客陣のなかでは、やはり御大松方弘樹さんの殺陣が群を抜いて美しい。こうやって時代劇の伝統を、きちんと伝えてほしいですね。伊原剛志さんは、刺客というキャラクターにほんとうにぴったり。カッコイイです! 全体に照明が薄暗いのは、あかりが十分でない江戸時代の室内を忠実に再現したから。武家の奥方役の谷村美月ちゃんがおはぐろして眉を落としているのも当時の習慣。(現在の時代劇では、おはぐろと眉落としはかなり違和感があるためやらないのですが、本来は結婚した女性の習慣でした。)要塞となった落合宿のセットや、大量の血糊など、リアルさを追求した時代劇。来週見るつもりの「大奥」とは対極にあるといえるでしょうか。チャンバラ系時代劇好きには是非おすすめ。
2010年09月29日
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見てきました。青島刑事がめでたく係長になり、湾岸署が新庁舎への引越しの真っ最中に事件が起こる。「踊る~」といえば、事件の緊迫感のなかでも「ユルサ」を忘れないところですが、そのへんは期待どおり。このシリーズは、キャスト・スタッフのチームが非常に上手く行っている感があり、とても安心して見ていられます。新キャラで冷徹なエリート役の小栗旬くんが好演。彼も、いつのまにか、ダークスーツにメガネが似合う役者さんになったね~。署長と副署長がこの作品を最後に勇退、ということで、これからおじさま3人組はもう見られないのか?(いやいやきっと別の形で登場しそう)新署長は、かつて湾岸署ファミリーだったアノ方(なんとなく予想できますね)です。新署長も誕生したことだし、次回の作品も楽しみにしたいところ。また、お台場やレインボーブリッジを上空から俯瞰した映像は、やはり映画の大画面ならではです。実は、友人のだんなさまがご出演されています。数年前に大病をされ、この作品がマスメディアへの事実上の復帰作。登場シーンも何気に多く、そのあたりにチームの温かい配慮も感じた次第。
2010年08月19日
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小学校の図書室に必ずあった「シャーロック・ホームズ全集」や「アルセーヌ・ルパン全集」。このシリーズでミステリーファンになった方も少なくないでしょう。どちらも好きですが、強いて言えば、ルパンのほうが好みかな。科学的に推理を展開していくホームズに対し、アドベンチャー要素が強いのがルパン。それに、粋でおしゃれなところも。そのへんは、イギリスとフランスの違いでしょうね~。そのホームズ先生、ドラマなどにもなっていますが、典型的スタイルは、インバネスコート(ケープつきのコート・・・このコートが欲しくてね!)にパイプの似合う、ダンディな英国紳士。 ところが、この映画のホームズ君は、かなり無頼(笑)。某新聞の映画評で、「ダイ・ハードを19世紀のロンドンに持ってきた様」みたいなことが書かれていましたが、まさにそのとおり。知的な推理ゲームを楽しむというよりも、ハードなアクション系サスペンスといった趣。これはこれで、十分におもしろいです。ただし、ホームズ先生のイメージを確固としてお持ちの方は、お金を出してまで見ないほうがいいかも。(テレビ放映を待ちましょ!)・・・わざわざホームズを主役に据える意味が、それほどあるのか?ということです。19世紀のロンドンを再現した映像は色合いを押さえて素敵。大英帝国の雰囲気は楽しめます。おすすめ度:::星3つ 明日は、午後から、実家の分割登記のための測量で、境界杭の確認作業。立会いです。登記費用含めて、ちょっとね、かなりの費用がかかるのであせっております。名義変更だけなら簡単なのですが、分割登記となると、一から測量が必要なんだそう。(最近は、境界確認が大変厳しいらしく、今住んでいる家土地も、売却に当たって測量し直したのです。)パパ~、現金残してくれないと、家も相続できないよ~・・・そのくらいのお金は自分たちで頑張ってナントカしなさ~い。親のお金を当てにしないの。(パパの声)
2010年03月19日
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宅配便ドライバーの主人公(堺雅人)は、大がかりな陰謀によって、総理大臣暗殺犯に仕立て上げられてしまう。なんとしても彼を犯人にしたい警察。学生時代の仲間やアウトローな人たちに助けられ、逃げぬく道を選ぶ主人公。仙台オールロケで、名所も続々登場。繊細な印象の堺雅人が、かなりのハードボイルド演技でイメージ一新。 香川照之、永島敏行、石丸健二郎ら、日頃よい役を演じることの多いオジサマたち(ゴメン!)の悪役っぷりが半端じゃない。(この作品では、悪役は警察!)武内結子(主人公の昔の恋人)は、ますます戦う女が似合うようになりました 伊坂幸太郎氏の作品に共通している特徴かもしれませんが、結局、謎は明らかにはされません。黒幕は簡単にわかるものの、事件の全容をきっちり説明してくれない。本格推理サスペンスを期待すると、ちょっとがっかりするかも。どちらかというと、全編を貫いているのは、懐かしい場所、懐かしい思い出、懐かしい仲間たち、といったキーワード。逃亡のアイディアには軽いユーモアも含ませて、内容の重さに比べ明るく見終われる作品。タイトルの「ゴールデン・スランバー」はビートルズの名曲。そういえば、好きだったなこの曲。初めて買ったビートルズのアルバム「アビーロード」に入ってました。・・・と、観る人にも、ある種の懐かしいものを思い出させるのが、この作品の一番重要なテーマでしょう。
2010年01月31日
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このテのハナシ、自分、絶対好きだなあ、との予想に違わず。ハンカチが手放せない2時間強、今年のベスト3に入る作品。「風が強く吹いている」おはなし***膝の故障でエリートランナーの道をあきらめた寛政大学4年のハイジは、天才的な素質を見せる1年生カケルを見出す。実はカケルは、高校時代、不祥事で競技から遠ざかっていた一流選手だった。ハイジは、ほとんど休部状態の陸上部を復活させ、箱根駅伝を目指そうとする。しかし、ようやく集まった10人の部員は、ひとクセもふたクセもある変人揃い。ハイジとカケル以外、走りにはほとんどシロウトの集団だった。ばらばらだったメンバーをまとめあげるハイジ。すこしずつみんなの気持ちもまとまり始め、秋の箱根駅伝予選会に向け、練習を積んでいく。駅伝の映画として完成させるくらいだから、もう展開は予想がつくし、だいたい、1年足らずで、1から初めて、箱根に行けるわけないでしょ!というご指摘も当然。でも、そんなことは大した問題じゃないのです。:::なぜ走るの?走るのが好きになってほしい。一人だけ早くてもだめなんだ。駅伝で大事なのは、速さじゃない、強さだ。勝つことが重要じゃない。みんなで、この10人で、箱根に行こう!そして、たすきをつないで、みんなでゴールしよう!キャストは本格的にトレーニングを積み、しかも時系列で撮影しているので、だんだんにフォームができてくるのがわかります。カケル役の林遣都くんの走りは本当の選手に匹敵する素晴らしさ。美しいです!ハイジ役の小出恵介くん、包容力のあるリーダーがぴたりとはまる。彼は今後、大きく伸びていくのじゃないかな。(そういえば、「JIN」でも、綾瀬はるかのおにいさんで、勝海舟に私淑する旗本を好演してますね~)男の子がみんなで何か目指す、というハナシが、ワタシはもともと好きなのですが、なかでもこれはかなり感動するレベル。「ウォーターボーイズ」「スイングガールズ」系の作品が好きな方なら是非見てください。こういうの、なんかいいなあ、とうらやましくなります。箱根駅伝本番のシーンは本物みたい。コースの空撮映像も素晴らしい!
2009年11月01日
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秋の新番組も出揃ってきましたが、なかなか面白いドラマが多い今シーズン。「浅見光彦シリーズ」の沢村さんに「相棒」の及川ミッチーが同じ時間に重なっているのは痛い!黒木瞳さんが、迫力のキャリア系マダムを演じる「リアルクローズ」もおもしろいし、藤原純香の産婦人科医「ギネ」も外せません。なんといっても一番は日曜劇場「JIN」。大沢たかおさん、久々のドラマですね~。脳外科医南方仁が、幕末の江戸にタイムスリップしてしまう、という荒唐無稽な設定。仁は、恋人の手術に失敗し、彼女が植物状態になってしまった、というとてつもないトラウマを抱えています。その彼が、偶然手術した誰か、のせいで、幕末に。ちょうど江戸ではコレラが大流行。仁は現代医学の知識を使い、江戸の人たちを助けることになりますが・・・。現代の知識を使うことで歴史を変えてしまうのではないか?と悩みながらも、目の前の患者をほっておけず、江戸の人々を救う決意をする仁。迷いを抱えつつ、でも熱いハートの持ち主である仁は、まさに大沢くんのためにあるような役です。また大沢くんの和服姿が、これまた素敵!はたして江戸の人々はどうなるのか?なぜ、仁は江戸時代にタイムスリップしたのか?そして、仁は現代に帰れるのか?現在の東京に、幕末から明治初期の実際の江戸の写真を重ねたタイトルバックのCG映像がまた秀逸。大沢ファンでない方にも、是非おすすめです!
2009年10月28日
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草薙剛主演、山崎貴監督作品ご存知の方も多いでしょう。名作と評判高い「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦」を下敷きにした実写版。なにしろ元作のアニメが、子どもに付き合って仕方なく見始めたはいいが、最後に号泣していた大人が続出という傑作なのです。その実写版となれば、はたしてアニメを超えられるか否か?春日市(これはもう、埼玉県春日部市ですね!しんちゃんは春日部市民なのです。)に住む川上しんいち(しんちゃん一家の名前と設定は変更されています。)は、不思議な夢に導かれ、戦国時代真っ只中の春日にタイムスリップ。春日の領主の娘廉姫や、侍大将井尻又兵衛と知り合う。折しも、北関東の大大名、大倉井高虎が廉姫を妻にしたいと申し入れてくる。実は井尻又兵衛を愛している廉姫。又兵衛も姫のことを想っている。それは身分違いの許されない恋だった。・・・まず、時代考証がたいへんしっかりできています。関東の小国、という設定なので、城は、石垣も天守閣もない質素な山城。(戦国時代だと、まだまだ関西と関東では生活レベルが大きく違いました。関東の生活レベルが関西に追いつくのは江戸時代に入ってからのこと。)戦国時代の武士の生活ぶりや戦いの様子も、相当史料に当たったようでリアル感十分。戦国時代の合戦というと、どうしても、有名な武将たちによる、派手な大合戦を思い浮かべると思います。実際は、こうした名もない武士たちによる小さな戦いが、あちこちで繰り広げられていたのです。映像が大変美しい。VFX技術で、戦国時代の関東を再現しています。井尻又兵衛役の草薙君は好演。彼はこんな無骨な役が案外似合います。もっと重要なのが、敵役、大倉井高虎役の大沢たかおさん優しい王子様がよく似合う大沢くんですが、実は実は!時に狂気さえ孕む悪役が素敵なんだな、これが!文句のつけようがございません(笑)。威厳ある武将姿もぴたりと決まって、これは、大沢くんの織田信長など見たいなあ、と。お子さんから大人まで楽しめて、素直に良かったなあ、と思えるいい作品です。ただ、アニメを超えられたか?といえば、残念ながら、及ばず。それは仕方ないでしょう。アニメは、しんちゃんのあのキャラクターと、戦国の無骨なロマンスの対比が、さらに涙を誘う重要な要素だったわけですから。実写版では、さすがにお下劣なギャグを飛ばすわけには行かず、しんちゃんも毒気を抜いた普通の、ちょっと情けない男の子になっています。しかし、アニメ版のクオリティがあまりにも高すぎるので、これは超えられなくても仕方ない。こちらはこちらで、十分にレベルの高い秀作と言えます。この作品よかったなあ、と思った方、是非、アニメ版も見てください。あの、しんちゃん映画でまさか泣くとは!といい意味で裏切られることを保証します。
2009年09月05日
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文句なしの名作。公式サイトとにかく、主演(リチャード・ギア様は、この映画では脇役に徹しておられます。)の秋田犬HACHI役のワンコたち。子犬役の柴犬1頭(秋田犬の子どもは大変デリケートなので柴犬を使ったそう)の愛らしさにきゅんきゅん。そして、大人犬たちのなんとも気品ある佇まいと名演技がすべてです。秋田犬は人にやたらに媚びず、逆にこれ!という相手には忠節を尽くすのだそう。まさに、武士道を地で行くワンコ。SAMURAI DOGなのであります。ごくごくシンプルなお話ながら、これほどの感動作になるというのも、人間界が殺伐としているからでしょうか?犬のほうが人間よりよっぽど立派に見えます。ともあれ、最近、感動が足りないあなた、必見!ハンカチとティッシュはお忘れなく。おまけ:日本人と犬のおつきあいは、すでに縄文時代の早い時期からありました。(1万年くらい前から)各地の遺跡から犬の骨も発見されています。中には、明らかに、葬った、という形で発見される骨もあり、犬が大事な仲間だったことが窺われます。
2009年08月10日
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フジテレビ開局50周年記念作品、ということで、なかなかに大掛かりな作品。公式サイトお話は、はっきり言って、2時間ドラマをスケールアップした、というところです。展開に少々無理な部分もあり。犯行の動機は説得力ありですが、そのために、こんな回りくどい方法をとるか?というのも。紛争国へのODA政府開発援助に関わることを動機に持ってきたのは、フジテレビらしくなく、テレビ朝日的硬派な展開。とはいえ、そこは、フジですから(笑)。全編飽きさせない、スピーディーな展開。必見の映画、とまでは言えませんが、以下の方にはおすすめ。・織田裕二のファンである。・・・文句なくカッコイイですよ・サラ・ブライトマンの美しい歌声を聴きたい。・・・音楽は映像にとても合っていたと思う。・イタリアの風景を見たい。・・・ローマ市内の観光名所が登場。そして、もっと素晴らしいのが、南イタリアの青い海に白壁の建物が映える街並み。・外交官、というオシゴトに興味がある。・・・嘘かほんとか、在外公館の事情が覗ける。・イタリア人が好き。・・・出演しているイタリア人俳優さん、特に刑事役のおじさまがイタリアのチョイ悪系おやじの魅力にはまりましょう!
2009年08月06日
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「剣岳 点の記」時は明治時代末期。富山県立山連峰で最後の未踏峰山、剣岳に三角点を設置するため陸軍測量部の測量官柴崎芳太郎たちは登頂を目指す。・・・正確な地図作成が、まずは、軍事のために必要であったことに改めて納得。日本地図は、陸軍測量部の手で作られていたのです。一方、ヨーロッパ仕込の登山を目的に結成された日本山岳会も、剣岳登頂を目指していた。・・・仲村トオルさんたち山岳会メンバーの面々が、いかにもお金持ちのおぼっちゃん風。もともと登山は、貴族やお金持ちのスポーツとして発達したのでした。柴崎らは、現地の案内人、宇治長次郎らの協力を得て、困難な登山に挑む。・・・剣岳を含む立山連峰は、立山信仰という古来からの信仰の山。信仰のなかで、剣岳は死の山として登ってはならない、とされていた。つまり、剣岳に登ることには地元の抵抗も少なからずあった。ストーリーは、基本、これだけ。原作は新田次郎。緊迫したドラマがさほどあるわけでもなく、人物同士の愛憎や確執がたいしてあるわけでもない。ただひたすら、頂上を目指してのドキュメンタリーのような作品。しかし!まさに、主役は大自然!山また山が天空に連なる立山の景観は、言葉に現せないほど。富士山まで見通せる、というのは驚きです。(3000M級の山になれば、その先見えるのは、やはり3000M級の山しかないわけです。)しかも!CG無し、空撮無し!つまり、俳優さんは勿論、カメラ・機材を抱えたスタッフまで、全員、立山連峰での登山をしながら作り上げた作品なのです。ストーリーどうのこうのよりも、むしろ、この映画を作った、ということに感動。俳優さんたちは、イマドキのハイテク登山用具やウエアではなく、明治時代の服装(ウールのジャケットや木綿の着物、足元は地下足袋に草鞋。山岳会チームは少しハイカラだけど、それでもバーバリー地のコートやサファリジャケットでどっこい、どっこい。)で雪渓や岩場を登る。まさに、行のようだった、と出演者が語っていますが、その通りでしょう。浅野忠信さんや松田龍平くんといった、どっちかといえば体育会じゃないよね~、という顔ぶれが、雪まみれ、雨まみれ、滑落したり、雪崩に埋まったり、と体はってやってます。みんな荷物になるから台本も捨てたそう。まさに、体験したからこその演技を超えた演技です。特筆すべきは、案内人長次郎役の香川照之さん。日本映画界になくてはならない男優さんになった彼ですが、おそらく、この作品は代表作になるはずです。ご両親の離婚も、まさに彼をこの現場に立たせるための必然だったか?と思わせます。・・・香川さんの父上は歌舞伎俳優市川猿之助さん、母上は女優浜木綿子さん。幼いころご両親が離婚して浜さんの元で育った香川さんは、歌舞伎俳優にならず一般の俳優の道を歩みました。それにしても、立山はすばらしい!剣岳の頂上に立つことは99.99%ないでしょうが、一度、立山黒部アルペンルートだけでも行ってみたいもの。ストーリーで盛り上がれる映画ではないけれど、圧倒的な自然の力、美しさを堪能し、人間、小さいなあ、と謙虚になれる作品。見るなら是非大画面で。余談ですが、ワタクシメも、遺跡の調査でごく初歩の測量はできます。映画の中で使っている道具も基本は同じ。そういう意味では測量官たちに親しみを感じるし、考え方も共感できるかも。
2009年06月26日
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早速観てきました!「ダヴィンチ・コード」よりも数段出来はよし。非常にテンポよく、かつわかりやすいエピソードで構成されているので(原作にかなり手を入れているよう。)、原作を読んだ人にも、読んでない人にも楽しめます。映画単独で、十分に作品として完成されています。ざっくりと・・・宗教象徴学者ラングドン教授のもとにヴァチカンから呼び出しが。ヴァチカンでは、前教皇が死去し、まさに次期教皇を決めるコンクラーベが行われるところだった。ところが、有力候補の枢機卿4人が誘拐される。そして、1時間ごとに枢機卿一人ずつを殺害し、最後にサンピエトロ大聖堂を爆破する、という脅迫が届く。一方、スイスにあるセルン(欧州原子核研究機構)から莫大なエネルギーを有するという反物質が盗み出される。犯人は反物質を使い、ヴァチカンを爆破しようとしているのだ。そして、犯人は、秘密結社「イルミナティ」を名乗る。イルミナティとは、かつて教会に弾圧されたガリレオが関わったとされる科学者の結社。すでに消滅したとされたが、ヴァチカンへの復讐のため、復活したのか?ラングドンとセルンの物理学者ヴィットリアは、イルミナティの象徴(土、空気、火、水)から枢機卿が殺される場所、そして反物質が仕掛けられた場所を探す。しかし、与えられた時間はわずか。ヴァチカンの運命は?コンクラーベの行方は?そして、科学と宗教は対立するしかないのか?1)スピーディでまさに息をもつかせぬ展開。ドラマが、コンクラーベが行われる半日ほどの時間に展開されるので、見る側もリアルタイムで事件の展開を追っている気分になります。短時間での凝縮したドラマというのが、緊迫感を増し、ミステリーとして非常におもしろいものになっていると言えそう。2)当然ながら、ローマの名所旧跡がふんだんに登場。さすがにヴァチカンのシスティナ礼拝堂は撮影許可がおりなかったようですが、実際、どこまでが実写でどこからがセットかわからないほど。サンピエトロ広場の映像などは、本当に大迫力です。3)推理の展開は、ちょこっと(どころかずいぶん)強引なところもあるけれど、ま、そんなこと感じさせないほどの説得力。実際、そうなんでしょうかね~。いやあ、ローマに行って確かめたいもの。4)トム・ハンクスは、勿論適役ですが、実はユアン・マクレガー(前教皇の侍従カメルレンゴ役)が非常によいです。かっこよいです。5)事件解決、めでたしめでたし!と思わせて、実は実はの大大どんでん返し。まさにミステリーの醍醐味。ネタバレするので、これ以上は勘弁!この作品も、ヴァチカンからはだいぶにらまれたようですが、見終わって、カトリックも素晴らしいなあ、と素直に感激してしまいました。ヴァチカンさん、教皇さま、この映画、決してカトリックを貶めるものではないと思いますよ。
2009年05月15日
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「レッドクリフ」が世間の興味をひきつけている中、もう1本、中国の歴史大作が公開。「The WARLORDS ウォーロード 男たちの誓い」ジェット・リー、アンディ・ラウ、金城武、という、アジアを代表する男優さんが集結した作品で、監督は香港のピーター・チャン。そうです。レスリー主演の名作「君さえいれば 金枝玉葉」を撮った監督ですね。ピーター・チャン監督は、どちらかといえば、ハートウォーミングなラブコメディを得意とする監督、という印象がありますが、この作品は、歴史モノで、なおかつ任侠路線?と言った趣、ものすごく男っぽい作品。ミスマッチでは、と思えますが、そこは、チャン監督流に料理され、登場人物の心理に深く食い込む人間ドラマに仕上がっています。お話・・・清朝末期(だいたい1850年~でしょうか。日本は、まさに幕末、といった時代。)アヘン戦争で負け、政治腐敗も進む清王朝。民衆の苦しみは最高潮に達し、ついに、太平天国の乱が勃発。清朝軍は太平天国軍に敗れ続け、首都北京の防衛も危ぶまれていた。清朝軍の将軍パン・チンユン(ジェット・リー)は自軍が全滅、一人生き残り荒野をさまよう。そこで運命の女リィエンに出会う。リィエンの介抱で生きる実感を取り戻したパンだが、朝起きると、彼女は消えていた。食料を求めて街を訪れたパンは、盗賊の首領ツアオ・アルフ(アンディ・ラウ)、弟分のチャン・ウーヤン(金城武)と出会う。3人は、それぞれの思惑をかかえつつも、清軍に入り太平天国軍と戦う、ということで一致。義兄弟の契りを交わす。しかし、パンは、出会った女リィエンがアルフの妻だったことを知りショックを受けるのだった。3人の軍は次々勝利を収め乱は終息しつつあった。しかし、3人の中では、微妙な亀裂が生じ始める。政治的判断から、多数を救うため少数の犠牲はやむを得ない、と考えるパン。一方、アルフは情と義の人。パンのやり方に納得できない。ウーヤンは、ただただ純粋な若者。そのときどきで自分が正しい思うことを選び、即座に実行していく。何よりも大切なのは義兄弟の契り、「投名状」なのだ。で、大変悲劇的なラストで終わり、ほとんど救いようのない、暗い作品です。ただ、ワタクシ的には、「レッドクリフ」よりおもしろかった!1)いわゆる、アクション、戦争モノ、歴史モノ、というの留まらず、人物の心理面が非常によく描けてます。そのあたりは、さすがに繊細な作品を得意とするピーター・チャン監督。2)ジェット・リーといえば、アクション、ですが、実に貫禄ある、きちんとした演技が出来る俳優なんだ、と感心。3)アンディ・ラウは、出ているだけで文句なし、ですが、とにかく、この人、ぐだんぐだんにされて死んでいく姿が、似合うのよね~。4)金城くん。「レッドクリフ」では知性派、エレガントな草食系男子(笑)を演じてましたが、打って変わって肉食系、血みどろで剣を振り回し、ワイルドな男子を好演。というか、むしろこちらのほうが彼本来のキャラでしょうか。5)アンディと金城くんの弁髪姿、かなり珍しい。ワタクシは、初めて見たかも。ただ、義兄弟の契りの場面や、戦争シーンは、かなり残酷な部分もあるので、その辺苦手な人にはお勧めしません。主役お三方のファンで、なおかつ、義兄弟の血の契りなんていう、濃~い中国人的精神世界が理解できる方には、いいですよ!それから、リィエン役のシュー・ジンレイ以外に、女ッ気はまったくなしなので、華やかさは期待しちゃいけません。なんたってテーマ「男同士の契り」ですからね。さて、今日は「母の日」ということで、ご近所徒歩10分ほどの回転寿司スシローに、おばばさん、特派員1号、101氏と4人で行ってきました。回転寿司界では人気のチェーンですが、感心したのが、ユニバーサルトイレがあったこと。これなら、安心して気軽に来れるね、とおでかけリストに加えさせてもらいました!101氏世代(団塊世代)以降の世代は、普通に遊んできたので、たとえ病気や障害があっても今までどおり出かけたい、という人が多いと思います。また、サラリーマンであった人なら、そこそこ年金もあり、楽しみのためにお金を使える人も多いのです。その世代が病気などで中途障害者になるケースは今後増えていくでしょう。従来の福祉サービス的なものではなく、きちんとお金を払って、相応のサービスを受けたい、単に障害を持ったお客様として見れば、かなり有望なマーケットになるのでは?ファミレスレベルでは、なかなかユニバーサルトイレまでは見ない中、スシローはいい配慮をしているな、と思ったので紹介しました。さて、スシローのあと、神田祭に出かけた特派員1号より。秋葉原のお神輿。神田明神の神田祭は、徳川将軍様も上覧になる「天下祭り」として、江戸っ子の自慢。アキハバラもちゃんと氏子なんですよ。
2009年05月10日
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これは見逃せない「レッドクリフPart2」見てきました。三国志の、おおよその話がわかっている人なら、Part1、を見逃していても大丈夫。ジョン・ウー監督は、わかりやすいエンタメ作品をお撮りになる監督、と自分的には思っていますが、まさに、そのとおり。あきさせず、難しくなく、しかも、三国志的におなじみのエピソードはきっちり押さえ、なおかつ人間ドラマにも仕立てた!というところがお見事。金城くん演ずる孔明の、有名なエピソード(10万本の矢を曹操軍から獲得するために、カカシを乗せた船を敵陣に向かわせる、とか、風向きを読む、とか。)は見どころ。そして「男たちの挽歌」シリーズでは、チョウ・ユンファやレスリー・チャンに、半端じゃない量の銃弾を撃たせ、派手な爆破シーンで盛り上げていたジョン・ウー監督らしく、この作品の火薬使用量は、いったいどのくらいか?(苦笑)同じ話を、たとえばチャン・イーモア監督が撮ったら、もっとどろんどろん、重~い感じに仕上がったのではないかと思われます。その点、ジョン・ウー監督は、スピーディーかつあっさりめ。色彩にこだわり、絵面の美しさにこだわりぬくチャン・イーモア監督に比べると、衣装やアクションもリアル感重視。実は、一番共感できたのが、いわゆる敵役の曹操。演ずるチャン・ホンイーは、「さらばわが愛」でレスリーの相手役を演じた俳優さんですが、正直、若い頃より、今のほうがずっといい。歳をとってから風格が出るタイプですね。病気が蔓延し戦意を喪失している兵士たちに向かい、曹操が演説する場面があります。これがよかった!情を交えながら、切々と訴えるのだけれど、これがね。まさにリーダーとはこうあるべきだ!と納得させられる。仮に曹操が、立派な兵士思いのリーダーを演じているだけなのかもしれないけれど、演じきってしまえば、それが真実になるのです。正直、一番感動してしまったシーンでありました。何故かワタクシの周囲でも、曹操がよかった、という声が続々。そして、もう1点。呉の孫権の妹、お転婆姫の尚香が、男装して曹操軍に潜入。スパイ活動をしているわけですが、その中で、曹操軍の兵士孫叔材と友情、そしてほのかな思いを通わせるエピソードが、泣かせます!いろいろな角度から楽しめる「レッドクリフPart2」。損はしないと思いますよ。ちなみに、ちょこっと豆知識を。日本の邪馬台国の女王「卑弥呼」が、中国の皇帝に使いを送っていますが、その相手が、曹操のお孫さん。三国志の世界は、日本ともご縁があるのです。
2009年04月25日
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さすがに、ここまでタイトルが馬鹿馬鹿しくなると、逆に、ひょっとしてもの凄い傑作かも?とアンテナがピン!今日みる映画は「レッドクリフ」とこちらと迷ったのですが、なんと、MOVIXさいたまで、公開初日舞台挨拶あり!綾瀬はるか嬢来館!というわけで、昨夜ネットでチケットをとり、見てきました。まずはお話、ざっくりと。1979年。北九州市。中学の国語教師寺嶋美香子(綾瀬はるか)は、転任そうそう、どうしようもない弱小男子バレー部の顧問になる。部員たちはまったくやる気がなく、考えているのは女の子のことばかり。彼らにやる気を出させるため、試合で1勝したら、なんでもしてあげる!と約束する美香子。そこで、彼らの目が輝いた。「じゃあ・・・先生、先生のおっぱい、見せてください!」戸惑う美香子だが、部員たちはやる気まんまん。その姿に、うれしくもあり、迷いもありの美香子だったが・・・。一言で言えば、極上の青春映画。最初は、中学生男子って本当にバカでアホなだよな。(元中学生男子の皆様、ごめんなさい!)と苦笑しつつ、またそれが可愛くもあり。その彼らが、頑張ることを知って成長していく姿、そして、美香子先生も教師として成長していく様子が、懐かしい景色と音楽の中で描かれます。ひとが成長する、またひとを導く、というのはこういうことなんだなあ、とさわやかな気持ちになれる作品。今日の舞台挨拶は、羽住英一郎監督、綾瀬はるか嬢、同僚教師役の青木崇高さんが登場。綾瀬はるか嬢、テロンとした素材のシンプルなクリーム色のワンピースに黒のサッシュベルト。とてもエレガント。この人は、カワイイ!とかチャーミング!ではありません。まさに正しい美人!吉永小百合、沢口靖子、鈴木京香と続く、正統派美人に連なる方ですね。キレイでしたよ。「おっぱいバレー」
2009年04月18日
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昨夜は、8時の「天地人」からスタートし、9時からの「相棒」劇場版までテレビ三昧。「相棒」は昨年スクリーンで見損なっていたので、見逃せません。新作映画「米山守の事件簿」公開にひっかけてなので、テレビ登場が早いわけね。再来週は「レッドクリフ」がパート2公開前に放送されるし、うれしいことです^^さて「相棒」、シリーズ当初からなんとなく見続けてます。他の刑事ドラマとは一線を画す雰囲気が最初から漂っていましたが、映画では、まさに、権力の闇を暴く、という重いテーマが前面に。紛争地域の国で起こった、NPOの日本人青年拉致殺害事件が、映画の核。(かつて、似たような事件が実際にありました。)ゲリラに殺害された青年を救うことなく、逆に糾弾するようマスコミや人心を動かして行った時の政府と、動かされてしまったマスコミ、そしてすべての国民の責任を追及したい、というのが事件の動機であり、映画のテーマになっています。ドラマのレギュラー出演陣はじめ、キャストがみんないい。特に、青年拉致事件当時の外務大臣の娘で、現在は国会議員として外務省改革を目指す木村佳乃がいいです。権力側の人間として何もせず終わるのか、と思いきや、最後に、自分の父親のしたこと(当時の政府がもみ消した拉致事件に関わる記録)を公表する。かっこいい!彼女は、きりりとして硬質な役が似合う。さすが、テレビ朝日、という硬派な作品。次回のテレビシリーズからは、及川ミッチーが新たな相棒としてレギュラー登場。楽しみ。楽しみ。
2009年03月30日
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3月19日は、お友達と新橋演舞場へ、「獨道中五十三駅(本当は旧字)ひとりたびごじゅうさんつぎ」を観劇。市川猿之助一門の若さ溢れる舞台です。本筋はご存知お家騒動モノですが、実際はいろいろな歌舞伎の名場面をもとネタにしたパロディ。ごくごく気楽に楽しめるので、歌舞伎ビギナーさんにもおすすめ。ストーリーはあってないようなものなので、ひたすら役者さんの魅力を堪能し、派手な仕掛けや立ち回りにワクワクすればよし。勿論、ワタクシメは、ご贔屓市川段治郎さんのため、桟敷席を張り込んでしまいました(笑)。桟敷席から舞台はこんな風に見えます。目線の高さが舞台上の役者さんとほぼ同じなので、舞台全体が大変よく見えます。他の席が一段低くなるため、前の人の頭がじゃま、ということもありません。席は左側なので、実は、目の前が花道。花道を通る役者さんの、お顔の汗まで見えますよ!桟敷席は、テーブルがついて、掘りごたつ状になっています。靴は脱いで、後ろの棚へ。座イスに座って、まあ、どんなカッコで見てもOK、というのがラクチン。胡坐だっていいの!ポットにはお茶が用意されています。お弁当つきの得チケなので、1回目の幕間に、後ろの棚へ、特製お弁当が届けられます。幕の内弁当は、お芝居の幕間に食べられることからその名がついたお弁当。ごはんが食べやすいように、俵型になっているのがポイントです。幕間休憩入れておよそ4時間30分。15000円は高いか、安いか?おうちのリビング気分で、役者さん達の熱演を間近で見られるなら、奮発する価値あり。桟敷体験は2度目ですが、ここに座っちゃうと、3階席がつらくなるのが少々難点ではあります(苦笑)。お友達が、チラシを見て、6月の新橋演舞場「NINAGAWA十二夜」是非見たい、と。またまた桟敷で行きますか!
2009年03月22日
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昨日1日は映画の日。1000円なので「少年メリケンサック」見よう!と友人と出かける。宮崎あおいちゃんの主演。佐藤浩市さんはじめ渋めの面々が、オジサンパンクバンドを演じるというのが見逃せません。ところが、映画の日と日曜日が重なったのを甘く見ていました。上映1時間半前に行ったのに、すでに満席。次の回までは時間がありすぎるし何か見られるものはないかな?「おくりびと」はさすが後々の回まで満席。「マンマ・ミーア」は見ちゃったし。「オーストラリア」か「チェンジリング」という選択になりました。こういうときシネコンは便利です。予告編で見て気になっていた「チェンジリング」をチョイス。アンジェリーナ・ジョリー主演、クリント・イーストウッドがプロデュースというのも注目。予告編で見る限り、サイコサスペンス系かな?という予想を覆し、バリバリの社会派でした。・・・1920~30年代のロス。アンジェリーナ・ジョリー扮する母の一人息子が行方不明になる。数ヶ月後に無事発見されたのだが、その子はわが子ではなかった。しかし、ロス警察はその子が行方不明の子と主張。あくまでも違うといい続ける母は、警察の手で精神病院に送られてしまう。背後には、ロス警察のとんでもない腐敗体質が隠れていた。いまやアメリカの良心を代表する人物となったクリント・イーストウッドならでは、という作品。こう言うのを見ると、アメリカも捨てたもんじゃないな、と思います。不当な権力に対抗する正義は、大切にしなければなりませんね。警察権力と戦う母を演じるアンジェリーナの、エレガントでクラシカルなファッションがとても素敵。たまたま見ることになった映画ですが、大変見ごたえあり、アタリでした。さて、明日は雛祭り、というわけで、今日は桜餅を買いました。関西では、関東で「道明寺」と呼ばれるタイプのお菓子が主流でしょうか。関東の桜餅は、お粉を薄く焼き上げた皮に餡を包んで、桜の葉の塩漬けでくるんだもの。元祖は浅草・長命寺と言われています。ところで、桜餅の餡は漉し餡がほとんどです。一般に、漉し餡のほうが手がかかるため上等なお菓子に使われることが多いようです。しかし、小豆そのものの風味を残した粒餡でなきゃ、という向きも少なくありません。実は我が家にも漉し餡は絶対に食べない派がいるので、桜餅も粒餡入りのものを探します。最近は、粒餡派の需要が増えていると見えて、漉し餡、粒餡、両方を売るお店も増えてきました。川越「亀屋」さんでも両方のタイプが買えるので、毎年こちらで購入(埼玉県内のデパ地下で買えます)。ちなみにワタクシは、漉し餡、粒餡、味噌餡、うぐいす餡、ついでにズンダ餡まで、餡子ならなんでも来い!です。(笑)みなさんは、粒餡派?漉し餡派?
2009年03月02日
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今日は野暮用をひとつ済ませつつ、時間があったので久しぶりに映画を。今月は、食指の動く作品が多いのですが、あの方が歌って踊る!という評判を聞き、半ば怖いもの見たさ(笑)でマンマ・ミーアを。全編ABBAの音楽で進行するミュージカル映画。舞台では世界各国で上演されています。日本でも劇団四季が舞台化。アラフォー以上の世代なら、間違いなく知ってる曲ばかり。・・エーゲ海に浮かぶ小さな島で小さなホテルを経営するドナとソフィの母娘。実は、シングルマザーのドナ。ソフィの父親はわかりません。結婚することになったソフィは、パパが誰か知りたい、パパとバージンロードを歩きたい、と偶然読んだ母の日記から、父親候補と思われる3人に招待状を出します。そして、結婚式の前日、島にやってきた3人。ところがドナは大慌てで何とか3人を追い出そうとしますが・・結婚式までの24時間ほどを描いたお話。ある意味他愛のない話ではありますが、とにかくABBAの歌にのって、みんなが踊る踊る!「プラダを着た悪魔」で敏腕編集長を演じたメリル・ストリープがキンキラ衣装で歌って踊るのはもうすごい!歌が下手だって踊りがいまいちだって、そんなの関係ない!ドナと友人の3人組で組んだユニット。マダム(というより、はっきり言ってオバサン)の貫録勝ち。そして、パパ候補の3人のオジサマたち。普段は渋めの役がお似合いの紳士が、これも踊る!なかでも!あの方、いとしのジェームズ・ボンド様ことピアーズ・ブロスナン様のお姿には、目が点。あのセクスィーなボンド様が~!でもね、みなさんとっても楽しそうに演じていらっしゃるのです。大人の余裕、映画界での地位を確立した人の余裕かも。とにかく楽しくて、元気をもらえる映画。おすすめ!そして、結婚式の支度をするドナとソフィのシーンは、多分お年頃の娘がいるママなら絶対ぐっ!とくる。又、3分の1でもパパになれてよかったと喜ぶ3人のパパ候補たちには、やっぱり、パパにとって娘は絶対、この世で最高に大切なものなんだよな~と思わせられます。悔しいけど、ママは娘には勝てっこないんだよね。エンディング、メリルはじめオバサマ3人と、ブロスナン様はじめオジサマ3人が、げえっ~(汗)というお姿でステージを披露してくださいます。これは必見!人生に行き詰りを感じてるあなた、是非見ましょう!よく利きます!
2009年02月19日
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22日木曜日、諸々の野暮用を片付け、一路向かうは新橋演舞場。初春花形歌舞伎、夜の部を見に参ります!お正月の東京は、なんと4箇所で歌舞伎がかかる、という歌舞伎人気。全部見る!というツワモノも少なくないですが、ワタクシは厳選して、新橋演舞場、昼・夜2回観劇といたしました。理由は、ご贔屓がご出演なので(笑)。ちなみに、ワタクシが追っかけているのはこの方、市川段治郎さん。スラリとした2枚目で、声がとてもすばらしい方です。さて、最近の新橋演舞場お正月は、市川海老蔵さんが座長での公演が続いています。若手役者さん中心で、新しい試みや復活したお芝居などにも挑戦。そりゃ、円熟味、には欠けますが、元気溢れる、華やかな舞台を楽しめます。海老蔵さんは、かれこれ10年以上観てきたことになるのか、最初は、正直台詞下手!プライベートもなに?だったのが、最近は、お父様団十郎さんの白血病闘病もあって、俄然意欲的になったように感じます。もともとビジュアルはカッコイイ人なので、それにやる気と実力がついてくれば、いうことなし。特にこの頃は、お客様を楽しませよう!というエンタメ精神が発揮されて、それはそれは面白い舞台を見せてくれます。所詮、歌舞伎は江戸庶民の娯楽から始まったもの。お客様を面白がらせて、感動させて、満足させてナンボ!のもん。今では、世界遺産だの、重要無形文化財だのと、なんだか高尚な芸術のごとく祭上げられてしまっているキライもありますが、本当は、ああ面白かった!でいいものなんですよ。もちろん、坂東玉三郎さんはじめ、重鎮の役者さんの舞台は、まさに芸術の域に達したものです。それもいいし、でも敷居の低いエンタメ歌舞伎もあり、というのが歌舞伎の奥深いところです。そこで、歌舞伎を初めてみる人、特にお子さん(小学校高学年になれば十分楽しめます)、学生の方には、海老蔵さんを中心とした若手の舞台がおすすめ。まず、自分と年齢がそんなに離れてないから共感を持ちやすい。エンタメ重視の構成なので、話はわかりやすくテンポがよい。ビジュアル的に楽しめる演出満載。でも、ちゃんと歌舞伎の基本は守っている。なにより海老蔵さん本人が文句なくカッコイイ!思えば、我が家の特派員1号・2号が中高校生のときにも、海老蔵さんの舞台を何度か見せましたっけ。(覚えてる?)この日の夕食お弁当は、上野駅駅弁屋で調達。30品目バランス弁当、850円。こまごまとした野菜中心のおかずが盛りだくさんの、いかにも健康志向なお弁当。赤魚白醤油焼き絹揚げイタリアーノ鳥肉磯辺揚げ煮物レンコンきんぴら切干大根ひじき煮きんぴらごはん梅のせごはんかぼちゃのきんとんじゅうぶん食べ応えあり!
2009年01月24日
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最近の日本人、こじんまりとしてしまっている。そんな風に感じる昨今。特に若い人たちが、夢見ることが少なくなっているのが気になります。折も折、8月に見た舞台二つ、どちらも夢と情熱がテーマの作品。宝塚BOYS シアタークリエ葛山信吾、柳家花緑ほか戦後まもなく。清く正しく美しい乙女の園「宝塚歌劇団」に、男子部があった、という実話に基づいたお話。戦争でさまざまな傷を負った青年たちが、平和な時代になり、みんなに夢を与えるエンターティンメントの舞台に立ちたい、と宝塚男子部に応募する。厳しいレッスンをこなし、宝塚に男子はいらない、という批判にもめげず、宝塚大劇場出演を目指すのだが・・・皆さん、ご承知のように、現在の宝塚に男子部はありません。つまり、彼らの夢は実現することはなかったわけです。しかし、夢を見続け、夢に向かって情熱を燃やす彼らの姿は清々しい。宝塚の舞台に立つことは叶わなかったけれど、きっと、彼らは、別の世界で別の夢を実現させたでしょう。ラスト、夢の中の舞台。黒燕尾服をびしっと決めて、大階段で歌い、踊るBOYS。お約束の羽根も背負います。イケメン男優さんが、ずらりと並ぶ様は、まあ、眼の保養!(笑)正直、男性だけの華やかなレビューも見たいな~と。そして、昨日観たのが ガラスの仮面 さいたま芸術劇場蜷川幸雄演出 大和田美帆、奥村佳恵、夏木マリほかご存知、美内すずえ原作の王道少女マンガの舞台化。原作は、30年以上連載を続け、いまだに完結していない、というお化けのような作品。幻の名作「紅天女」の主役の座を目指し、貧しい出身ながら天才的な才能を見せる北島マヤと、映画監督の父、大女優の母を持つ演劇界のサラブレッド姫川亜弓が争う、というお話。作中に出てくる舞台の描写もすばらしく、この作品を読んで、俳優を目指したという現役のかたも実はかなり多いそう。かなりベタベタなお話ではありますが、主人公二人が演劇にかけるエネルギーがもの凄い。どちらの舞台も、夢見ること、夢を実現するために情熱を燃やすことは、すばらしい!と真っ直ぐ訴えてきます。行き詰まり感のある時代だからこそ、野暮ったささえ感じるこんなメッセージが、必要なのではないでしょうか?若い人だけでなく、かつて夢見る若者だった人たちにも、是非思い出してほしい。101氏のリハビリも、なかなかすぐに結果が見えるようなものではありません。でも、絶対に希望を捨てない、あきらめないこと、とたくさんの方から言われます。自分で車を運転する、という目標のためにも、こつこつとふたりで頑張っています。10月最終土日、101氏の大学時代のお友達(新潟在住)が、新潟ビッグスワンスタジアムでのアルビレックス新潟VS浦和レッズ戦を一緒に見よう、と誘ってくれました。群馬在住のお友達も呼んで、前日から、新潟の弥彦温泉に泊まろうじゃないか、という計画。老舗旅館「みのや」さんでバリアフリールームを予約してくれました。「大浴場のお風呂は俺たちが一緒に入るから大丈夫だよ!」という嬉しいお言葉に甘えさせてもらいます!さて往復の新幹線と、車イス観戦チケットは、自分でとらないと。(うれしい忙しさかも?)
2008年08月25日
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劇団新感線「五右衛門ロック」のとき貰ったチラシで、とても気になっていた映画「闇の子供たち」を渋谷のシネマライズでみてきました。江口洋介、宮崎あおい、妻夫木聡、佐藤浩市、鈴木砂羽、豊原功輔と言った豪華な面々が出演しているこの作品。予想以上に重い映画でした。:::バンコクで日本人の子どもが心臓移植を受ける、というネタを取材するよう命じられた新聞社のバンコク駐在員(江口洋介)と、フリーカメラマン(妻夫木聡)、そして、バンコクの子どものための活動をするNGOに飛び込んだ若い女性(宮崎あおい)。彼らの前に現れた事実は、予想以上に残酷なものだった。東南アジア諸国を中心に、ストリートチルドレンの存在、あるいは、年頃の女の子が売春をさせられる、という現実は、実際眼にすることもあり、まあ、あるだろうと想定内の範囲。(それだって、あってはいけないことですが)しかし、この映画で描かれる現実は、もっともっと酷いものでした。10歳にもならない子供たち(男の子も女の子も!)が、いわゆる先進国と呼ばれる国の大人に買われていく。そしてエイズになり、病気が進んで助からないとなると、ゴミ袋につめられて捨てられる子ども。さらに、子供たちの臓器が闇で売買されているという。しかも、心臓移植のドナーになる子どもの存在。(それが何を意味するのか、お分かりいただけるでしょうか。)さすがに、心臓移植のドナーについては、事実であってほしくない、と思いますが、コレに近いことはあるのでしょう。梁石日原作の小説を阪本順治監督が映画化。お涙頂戴でもなく、正義を振りかざしてハッピーエンドにするのでもなく、ドキュメンタリーのように淡々と話は進みます。タイ人俳優と子役たちの迫真の演技で、コレは実写ではないか、と錯覚しそうなほど。作品が作品だけに、上映館は限られていますが、機会があれば、多くの人に見てもらいたい映画。貧困、政情不安などで片付けられがちな問題ですが、根本にあるのは需要があるから供給がある、という経済の大原則。そして、その需要側に日本人もいる、ということを忘れてはいけません。児童買春は、絶対に自分には関係ない、と言い切れるあなたでも、もし、自分の子どもが移植でしか助からない病気で、タイでならすぐに移植できる、と囁かれたとしたら、心を動かさないでいられる自信はありますか?それでも、コレだけの映画が日本で作られ、平日の午前中という時間に関わらず6割ほど席が埋まっていた、ということは、日本人、まだまだ捨てたもんじゃないな、と少々安心した次第。
2008年08月04日
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昨日は、歌舞伎座夜の部観劇。7月の歌舞伎座は、坂東玉三郎の世界。ご自身が出演する、というだけでなく、演出や監修といったプロデュースにも意欲を見せる玉三郎さん。いずれ、制作側に専念なさるのではないか?とファンとしては、ちょっと寂しい予感もしますが、今は、玉三郎ワールドを確立しつつ、その世界を受け継ぐ後進の指導にも力を注いでいます。夜の部は、「夜叉が池」「高野聖」と泉鏡花作品。幻想的で異界に遊ぶ鏡花の世界は、まさに玉三郎さんにぴったり。水にまつわるストーリーも夏の夜にふさわしく、ひとしきり、涼しさを感じられる舞台でした。いちおう、自分が高校生、玉三郎さんがまだ20代だった頃から、追っかけ、ってほどじゃないですが、ずっと注目してきたので、昨今のご活躍ぶりはとてもうれしい。5月には、北京で、中国伝統の昆劇を向こうの役者さんと上演してきた玉三郎さん。かの、レスリー・チャンとも親交があったあたりが、ワタクシの好みにやはりどんぴしゃりの人だった!と(笑)。芸術性、完璧性を追求する姿勢が共通してますよね。幕間に、友人Pさんと、名古屋からお越しのHさんと歌舞伎座地下食堂「花道」で食事。開演前に、劇場で予約をしておきます。(ネットや電話で前日までに予約も可能)。そうすると、時間ちょうどに席にお食事が準備されている、というシステム。短い幕間でスピーディーに食事をするための方法ですね。ワタクシは、2100円の幕の内。歌舞伎座の幕の内、手の込んだおかずが多々入り、デザートには和菓子も付いて結構お得感があります。これ以外にも、1000円台で、おそば類やおでん定食などもあります。
2008年08月01日
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今日は、新宿コマ劇場で劇団☆新感線「五右衛門ロック」を観劇。劇団☆新感線は、もともと大阪出身の劇団で、ロックな音楽とノリのいい舞台で楽しませてくれる劇団。最近は、歌舞伎の市川染五郎さんとのコラボ作品や、他ジャンルの役者さんをまじえての舞台で、大劇場も満席にしてしまう勢いがあります。ま、音響がとにかくもの凄いので、少々難聴になりそうな(笑)、ヘビメタバンドのライブ状態。(生バンドが演奏してます。)この手の音楽がお好きな方なら楽しめる劇団です。今回の作品は、豊臣秀吉時代の大泥棒、石川五右衛門が主人公。いちおう時代劇、という体裁をとってますが、ほとんど、アニメ「ルパン3世」。主演石川五右衛門役の古田新太さんは、新感線の看板役者。峰不二子にあたる役に松雪泰子さん。・・・もっのすごくダンスがきれい!スタイル抜群でカッコイイ!銭形警部にあたる役は、江口洋介さん。・・・年齢的にも、なかなか渋くなってきた~。そして、若手では森山未来くん。・・・えっと、実は初めて拝見。なんか、好みのタイプじゃないですか!大沢たかお系のすっきり系の美形。コレはお気に入りリストに加えなければ(汗)。そして大物、北大路欣也さんがご出演です!北大路さんが出ると、舞台がびしっとひきしまること!しかも、殺陣は文句のつけようがないほど決まってるし。いわゆる大物時代劇俳優さんと呼ばれるなかで、北大路さんが一番好きなんですよ~。だから、この舞台、見てみようと思ったくらいで。7月28日まで新宿コマ劇場。8月8日から24日まで大阪厚生年金会館。今日のお弁当は、「信州サーモン弁当」。信濃の清流と技術が生んだ信州サーモン(長野県で養殖されているブランドなんだって!)を信州リンゴのお酢でマリネ!卵焼きに、舞茸とサツマイモの揚げ物。お漬物は、何かと思ったら、リンゴのガリ!(びっくり!)まさに信州の香りいっぱい、信州の空気のような爽やかなお弁当です。でもなんで信州の駅弁が?大宮駅の駅弁屋で、東日本の人気駅弁、売ってるんですよ。同行のお友達は、米沢の「牛肉どまんなか弁当」をお買い上げ。さて、昨年受検した「江戸歴史文化検定」のご案内が来ました。受ければ1級だけれど、去年の合格者、なんとたった2名!おいおい、マニアックすぎるよ。という反省からか、今年は、1級受験者のうち70~79点の人を準1級として認定するとか。1級の合格基準は80点。101に話したら、「受けるしかないでしょ!」今年から「今年の御題」もあって「江戸城~将軍と大奥」だそう。大河ドラマ「篤姫」関連ですが、どちらかといえば好きで得意な分野だし、ま、受験料払ってみるか?
2008年07月09日
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「寅さんシリーズ」「釣りバカ日誌シリーズ」に次ぐ、松竹の人情路線映画が登場。しかも、主演は、はい!王子様俳優大沢たかおさんでございます!立ってるだけでも素敵な大沢くんのため「築地魚河岸三代目」見てまいりました。しかも、築地のそば、有楽町まで出張りました(笑)。・・おはなし・・エリート商社マン赤木旬太郎(大沢くん)は、リストラ担当を命じられる。お世話になった先輩(大杉漣)にも退職をすすめることになり、会社員としての生き方に疑問を感じ始めた旬太郎。ある朝、恋人でウインドウディスプレイの仕事をしている明日香(田中麗奈)が、自転車で疾走しているのを見かける。後を追ってみると、明日香は、築地市場にいた。実は、明日香の実家は築地市場の中卸で、父親(伊東四郎)が入院したため、彼女も店を手伝っていたのだ。市場の仕事と自分の仕事とで疲れ果てている明日香。見かねた旬太郎は、店の手伝いをかってでるのだが・・・ストーリーの展開が、誰にでもわかってしまう、ベタベタな作品。でも、そこが、また、安心してみていられるというもの。なんたって、大沢くんですよ!スーツ姿のときは、ちょっと疲れたサラリーマンの感じをよく出してたし、市場の場面での、ゴム長、手ぬぐい鉢巻、エプロン、白Tシャツ姿が、またいいです!・・・いい男は、どんなカッコをしても似合う!田中麗奈ちゃんも、下町娘にぴったり。そして、小料理屋の森口瑤子さん、渋い伊原剛志さん、鮨屋のおじさん柄本明さんなど達者な役者さんぞろい。香港映画的ありえない爆笑シーンもあり。ターレ(市場内の荷物運搬車)でゴミ置き場に突っ込む大沢くん。こんなに笑いが取れる人だった?そして、こんなベタな展開で、絶対泣くなんてありえない!と思っていても、ついついほろりとしてしまう台詞がそこここに。なにより、築地、銀座、新橋と、ああ、ここ知ってる!という場所がふんだんに登場するのがうれしいところ。「寅さん」「釣りバカ」が、全国各地を訪れて、いろいろな場所のよさを知らせてくれる作品だったのに対して、こちらは、江戸っ子の中の江戸っ子「魚河岸」の、ちゃきちゃき江戸言葉が実に気持ちがいい。お江戸を楽しんで、そして、お魚料理も食べたくなる映画です。来年2作目公開予定。早くもシリーズ化決定!新たな大沢くんの魅力もお楽しみください。
2008年06月16日
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昨日は水曜日、映画レディースデイでもありことだし、いろいろと野暮用をすませつつ、映画でしめくくることにしました。銀行回り(1日に車の代金を払うので、金策に走り回ってます・・汗)をし、特派員2号が危険物取扱者の試験を受けるため、消防局に寄って願書を貰ってきてやり(甘いなあ)。平日昼間でないと埒があかない案件は、結構あるものです。できるだけ効率よくまとめないとね。さて、見た映画はこちら。「幸せになるための27のドレス」見た人の間では滅茶苦茶高評価の「相棒」にするか?はたまた「小林少女」で爆笑するか?悩みどころですが、たまたま時間がちょうどよかったので、コレに決定。31日からのロードショーが、昨日だけ、先行上映されていたのでした。「プラダを着た悪魔」が大変おもしろかったので、そのスタッフによる作品というのも惹かれるところ。ざっくりストーリーを説明すると・・・ウエディングの仕事をしている主人公は、人生でも仕事でもいつも完璧なサポート役。自分の生きたいように生きる妹とは対照的。(こう言うの、しっかりものの長女によくありがちなパターンです。)密かに恋している会社の上司をなんと妹に取られてしまい、その結婚式のプランナーを務めることに。はたして、彼女は永遠のサポート役から脱出し、自分の幸せをつかむことができるか?誰も悪い人がいない、いかにも、アメリカンな作品です。とても前向きで、楽しい気分になれる、いい映画でした。2週間ほど前見たのが、チェン・イーモア監督「王妃の紋章」。さすがにチェン・イーモアらしい、大物量作戦による絢爛豪華な映像と、ますますの美貌に迫力が加わってきたコン・リー、そして、母王妃(コン・リー)思いの王子役ジェイ・チョウはよかったけれど、あまりに救いようの無い結末に、さすがにレビューを書く気にもならなかったのでした。でも、なるほど~、コレがジェイね!というわけで、彼のかっこよさは十分に納得できましたが(笑)。映画を見たMOVIXさいたま新都心近くのケヤキ並木。このあたりから大宮の氷川神社まで続く並木です。さいたま市で大好きな風景にあげる人も多いこの通り。ちょうど今頃は、まさに緑のトンネルです。この道路の右手奥、線路を渡った向こうに、タクシー券疑惑がささやかれる国土交通省の入る合同庁舎が。そもそも、ここ、さいたま新都心から、八王子までタクシーで帰るってのはどうよ!って感じですがね。
2008年05月29日
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「さらば我が愛・覇王別姫」のついでに、お勧めのレスリー作品をあげてみようと思います。「覇王別姫」のレビューを読んで、レスリーを見てやろう!と思われた皆様。機会がありましたら、是非是非ご覧くださいませ。レスリーの作品入門編。レスリー初めて、中国・香港映画もビギナーの方向け。「君さえいれば・金枝玉葉」共演 アニタ・ユン、カリーナ・ラウハートウォーミングなラブコメディ。レスリー自身が歌うテーマ曲「追」は、名曲です。「上海グランド」共演 アンディ・ラウ王道のノワールアクション。飛び交う銃弾の数と流れる血の量は半端じゃないですが、レスリーとアンディ、いい男ふたりの燕尾服姿は、もう眼福!眼福!「金玉満堂・決戦!炎の料理人」共演 アニタ・ユンはちゃめちゃコメディ。ばかばかしいおハナシを、実に楽しそうに演じているレスリーが、かわいいっ!上級編少々マニアックですが・・「楽園の瑕」ウオン・カーウェイ監督作品いちおう古装片(時代劇)。凝りに凝った映像で、ニヒルなレスリーは滅茶苦茶かっこよいのだが、ハナシはいまひとつ理解しがたい。「大英雄」「楽園の瑕」の裏作品。豪華出演者がここまでやるか!のお馬鹿映画。さすがに、ここまでやる彼らのプロ根性には、感動すら覚えます。だから香港映画は大好きさ!
2008年04月16日
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4月は、レスリー・チャン(張國榮)追悼月間でもあり、彼の作品を目にすることが多い月です。また、3月に、シアター・コクーンで東山紀之くん主演・蜷川幸雄さん演出で「覇王別姫」の舞台を上演していたつながりもありましょう。渋谷の文化村「ル・シネマ」で、1日1回だけ「さらば、我が愛・覇王別姫」を上映。かつて深夜のテレビで衝撃的な出会いをして以来、不動のMY BEST ONE。ただ、いまだにスクリーンで見たことはなかったので、絶対行くぞ!と決意。4月10日、夜の渋谷に出かけました。監督 陳凱歌(チェン・カイコー)主演 張國榮(レスリー・チャン) コン・リー 張豊毅(チャン・フォンイー)1993年作品 原作は香港の小説家、李碧華。その作品を台湾の女性プロデューサー、徐楓が映画化。監督には中国で評価を高めていた陳凱歌を据えます。そして、主役には、当時芸能活動から引退していたレスリーを引っ張り出します。3時間に及ぶ大作映画。京劇の養成所で育った二人の少年が、長じて人気スターになります。ひとりは立ち役(男性の役)、ひとりは女方。女方の蝶衣(レスリー)は、立ち役の小楼(張豊毅)を愛するようになりますが、小楼は娼婦の菊仙(コン・リー)と結婚してしまいます。時代は、中華民国から、日本軍の侵攻、国民党と共産党の内戦、中華人民共和国成立、文化大革命、と、まさに激動の中国現代史。そのなかで、愛と芸術を貫く蝶衣。保身のために妻菊仙と蝶衣を裏切る小楼。愛することとは?芸術とは?時代の大きな流れに、人は抗しきれるのか?重いテーマながら、抜群に美しい映像と音楽で仕上げた作品。子役がまたすばらしく、前半からぐいぐい話しに引き込まれてしまいます。そして、子役のシーンが終わり、大人になった2人の人気役者のツーショットに画面が変わると、そこには、まさに端正、という言葉が相応しいレスリーが。・・・これで、たいていのひとはレスリーにやられてしまうのです!阿片を吸って、ぐだぐだになったレスリーも、また素敵。いたぶられる姿が、またよく似合うんだな、レスリー。これ以上書くと、理性をなくしそうなので、止めます(汗)。とにかく、作品としては最高。陳監督、結局いまだ、コレを越える作品は撮れていないように思います。レスリーファンでない方にも、是非お勧めしたい作品。今、アレコレ言われている中国ですが、この映画のような状況を見ると、一筋縄では行かない国だ、というのも多少は理解できるでしょう。また、北京の胡同(フートン)の映像も美しく、京劇のシーンも見ごたえありです。映画の前に、おなじみの台湾料理店「龍の髭」の豚角煮チャーハンで腹ごしらえ。中華圏ミックスの映画鑑賞デーでした。
2008年04月14日
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あまり演劇に関心がない方でも「オペラ座の怪人」という題名は聞いたことがあるのではないでしょうか?ブロードウエーの人気作品であり、日本では[劇団四季」がロングランしています。また、数年前にはミュージカル映画にもなりました。とても有名な曲もあり、耳にしたこともあると思います。ところで、この「オペラ座の怪人」、フランス・パリの「オペラ座」にまつわる話ですが、脚本家によって取り上げる部分が違い、何パターンかの舞台が存在します。一番有名なのが、ブロードウエー、劇団四季、映画化されたストーリー。オペラ座の地下に住む怪人(ファントム)が、若く美しい歌手に歌を教え、その歌手の恋人といわば三角関係になる、というもの。今回、青山劇場で大沢たかお主演で上演された「ファントム」は、別の切り口の物語。なぜ、ファントムがオペラ座の地下で暮らしているのか?ファントムと両親の関係、特に父親との葛藤が主軸になっています。人間として、掘り下げて表現されたファントムと言えるでしょう。そんな屈折した役なので、演技力に定評ある大沢くんにはぴったり!地下室で暮らさねばならない哀しみを、背中いっぱいに漂わせての登場。醜い顔のため仮面を被り続けるファントムの心の叫びが聞こえてきます。ストーリーとしては、かなり泣けます。そして、ロン毛に王子さま風衣装の大沢くんは、文句なしにかっこいい!ただね、惜しいと言うより、ミュージカルとしては致命的なのは、歌。大沢くん、新しいチャレンジをしようと思った、その心意気は買う!でも、いかんせん、ミュージカルの主役をはるのは・・・ムリだわ。(主役が一番歌が下手、ってのはどんなもんか。)やはり、大沢くんは、ストレートプレイや映画で感動を与えるほうが、より似合っているようです。ちなみに、次の大沢くんのお仕事はこれ!「築地魚河岸三代目」・・・特派員2号が、お部屋の件で不動産屋さんへ。詳しい明細書や書類を受け取ってきました。明細書の金額を見て、血の気が引いた!部屋借りるって、こんなに大変だったの?2月23日から借りて、家財保険やら、仲介手数料やら、よくわからない安心サポートやら、いろいろ込み込みで、なんと家賃の7か月分ほど!明日、金策に行かねば・・・
2008年02月12日
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ティム・バートン&ジョニー・デップコンビの「スウィーニー・トッド」見ました。見てから、これを紹介すべきかどうか?ちと悩んだのですが、条件つきでお勧め、ということでレビューを。あらすじ19世紀、ロンドン。美しい妻とかわいい女の子に恵まれ幸せに暮らしていた床屋(ジョニー)。しかし、妻に横恋慕した悪徳判事のわなで監獄に送られてしまう。15年後、脱獄に成功した彼は、若い船員に助けられ、名前をスウィーニー・トッドと変えてロンドンに戻る。そこで、元住んでいた家の階下でパイ屋を営むミセス・ラベットから、妻は毒薬を飲み、幼い娘は判事が引き取り監禁している、という話を聞く。判事への復讐を誓うスウィーニー。スウィーニーに惹かれて、復讐に加担するミセス・ラベット。スウィーニーを助けた若い船員が、偶然にも監禁されているスウィーニーの娘と恋に落ちる、というサブストーリーも絡ませながらの復讐劇。グレートーンでまとめられた映像は、陰惨なロンドンの雰囲気が十分。有名なミュージカルを映画化したものなので、ほとんどの台詞が、歌に乗せて語る、というミュージカル仕立て。勿論、俳優さんみなさん、歌います。音楽はとても美しく印象深いものばかり。ところが、その美しい音楽に乗せて、これでもかのスプラッターシーンが続くので、苦手な人にはかなりキツイかも。実際、ロンドンであった殺人事件をモデルにしたお話。しかも、人肉をミートパイにしてしまう、という「英国版人肉饅頭」。まったく救いようが無いストーリーに加え、陰惨を通り越して、不愉快になるほどのシーン続出。なので、ジョニーが好き!というだけでは相当厳しい作品。その辺はご承知おきください。ただ、グレーの映像にほとばしる紅い血は凄絶な美しさ。そして残酷な人間の闇と、復讐という業のなかに垣間見える哀しみを感じさせるジョニーの演技力はさすが。また、若い船員とスウィーニーの娘の行く末には、微かな希望を見出したい。この若い船員役の俳優さん、かなり美形です!なにより、ジョニー、素顔はどんなだったっけ?と思い出せないくらいの化けっぷり。天晴れな役者魂といえましょう!R-15指定なので、残念ながらお子様はダメ。大人でも、流血に自信があって、ブラックなエンターティンメントを理解できる、という方にはおすすめ。
2008年01月31日
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木曜日は夜8時から11時までドラマ三昧の日。8時は、NHK「鞍馬天狗」。野村萬斎さん、お気に入りです。ドラマのつくりは、映画「陰陽師」風ともいえるかな。気楽に楽しめるアクション時代劇。9時からは、TBS「3年B組金八先生」。久々に見ています。このシリーズ、もう30年近くになりますね。リアルで見ていたのは1シリーズと2シリーズ。当時、自分は中学生は卒業していたけれど、まだまだ生徒たちのほうに共感を持てた歳でした。なかでも印象深いのが、校内暴力を扱った第2シリーズ。今は亡き沖田浩之さんも出演していました。学校へ警察が介入するシーンを、金八シリーズ中一番の名場面!にあげる人も多いですね。30年もたつと、中学校の雰囲気や扱うテーマも変わってきます。放送中の作品では、最近重要な問題になりつつある格差社会も窺えます。高層マンションに暮らすエリートファミリーもいれば、格差の底辺で苦しむ親子もいる。しかし、そこは金八先生。どんなに育った環境の違う生徒たちでも、最後はお互い人として尊重しあって問題を解決していく。実際の学校はこんなじゃない、現実は、いい方向に行かないという批判もあるでしょうが、ドラマとしては希望を持たせる展開でこのまま通して欲しいものです。タイトルバックの荒川の土手は、よく高速道路から見る場所。昨日の放送では北千住駅前も登場。飾らない下町を舞台にしているからこそ成り立つドラマのように感じます。・・・舞台が世田谷や杉並では、ちょっと違う雰囲気の作品になっていたでしょうね!10時からフジテレビ「鹿男あをによし」。注目の玉木宏くん主演ということで見てしまいました!なんだかよくわからない話ではありましたが(笑)、玉木君の情けなさっぷりが笑え、また、こちらも懐かしい奈良の東大寺あたりの景色が登場してうれしかった!
2008年01月18日
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忘れもしない1997年の1月1日未明。つまり、1996年12月31日の紅白歌合戦も終わり、行く年来る年も終わって、ぼちぼち寝ようか、としていた頃だった。たまたまつけていたテレビ(テレビ東京だったと思う)で映画をやっていた。20世紀初頭の中国、きびしい京劇の修業をする子供たちの話である。美しい北京の映像と、健気な子役の演技に惹かれ見始めた。子供たちが成長し、大人の俳優にかわる。そこで、眼が釘付けになった。誰なの?この美しい人は!そのひとこそ、張國栄、レスリー・チャン。それまで、お気に入りの外国人男優といえば、ハリウッドのトム・クルーズ。正統派アングロサクソン系の美形であったが、レスリーを見てしまったら。ごめんなさい!トム!君はもういらないっ!それまで香港・中国映画といえバ、成龍(ジャッキー・チェン)の「酔拳」シリーズはよく見ていたが、正直、他の俳優さんはほとんど知らなかったのである。それから怒涛のようにレスリーを追っかける日々が始まる。日本国内で見られる映画、ビデオはすべて見た。上海ではレスリーの北京語版ベストアルバム(海賊版か?)、台湾高雄でもCDショップに飛び込んで、こちらでは台湾人アーティストとのコラボアルバムをゲット。(香港の歌手・俳優は、中華圏であれば国境を越えて活躍している。)そして、ついに、東京国際フォーラムで開催された来日公演にも行ってしまった!終了後、出待ちまでしたのだから、どうぞ笑ってやってください。レスリーは、スタッフと一緒に大型バスで駐車場からご帰還。それでもバスの窓からこっちを見て手を振ってくれました。・・・ファンを大切にする、本当にすばらしいスターである!そんなレスリー迷(ファンのこと)の日々の集大成として買ってしまったのが、この写真集。日本の出版社が出したもので、6000円なり!この写真集のなかで、なんと、坂東玉三郎さんがレスリーについて語っていらっしゃる。レスリー自身が、歌舞伎座に見に来たのだそう。やはり、美意識の高い方同士、相通じるものがあったようです。どんなに素敵なおじさま俳優になるだろうか、と楽しみにも思っていたレスリー。やはり美学を貫く人だったのか、自ら鬼籍に入ってしまいました。最近の華流スター、韓流スターにも素敵な人がたくさんいますが、やはり、レスリーを越える人は発見できないワタクシです。ちなみに、きっかけの映画は「さらば、わが愛(覇王別姫)」。香港・中国作品。チェン・カイコー監督。カンヌ映画祭で最高賞を受賞した名作です。さて、今年も多くの方にご訪問いただきありがとうございました。また、実際にお会いできたみなさま、これまたありがとうございました。・・・オフでお目にかかるのは大歓迎です。ご連絡いただければ喜んで伺います(笑)。来年も賑やかに続けてまいりたいと存じます。どうぞ、みなさま、そして世界の人たちが幸せに過ごせる2008年になりますように!
2007年12月31日
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「ミッドナイトイーグル」見てきました。某国工作員の謀略により、米軍のステルス戦闘機が北アルプスに墜落。元戦場カメラマンだった西崎(大沢たかお)は、たまたま山の写真を撮影していて、その墜落の光を目撃する。後輩の新聞記者落合(玉木宏)とともに、墜落地点を目指す西崎。しかし、そのステルス戦闘機にはさらに大きな罠がしかけられていた。国際謀略アクション、というには、少々構成が甘い。情に訴えすぎるきらいもあり、特に結末はハリウッド映画でよくありげなパターン。(この作品、アメリカでも公開だそうで。)とはいえ!北アルプスでロケを敢行したという雪山での戦闘シーンは結構な迫力。また雪山の凄まじいまでに美しい映像は見ごたえありです。そして、大沢氏、玉木氏がお好きな方なら、見て損はございません。過酷な状況を演じさせたら日本一の大沢氏(これって、こう思っているのは若干1名だけ?)は勿論、超二枚目アイドル顔の玉木氏が、かな~り頑張って過酷な雪中アクションをこなしてます。お涙頂戴パターンの結末も、大沢氏だから許します!ハンカチとティシュは必携。何度も言いますが、大沢氏が主役を張ってるから、成り立ってる作品。そして、お昼は「わっはっは風月」さいたま新都心店で、お好み焼き定食(平日のみ)880円を。このお店、大阪鶴橋で人気だそう。こちらが、本場大阪のお好み焼き。卵のふわっとした甘味に、じっくり焼き上げたキャベツの甘味も加わります。卵の印象が強いですね。地元系のお好み焼き(いわば関東風)では、粉が前面に出ていて、どちらかというと、かきあげ天ぷらを焼いてみました、という仕上がりが多いように思います。880円でスープ、サラダ、ドリンクつき。お好み焼きは、お店のスタッフが焼いてくれるので、自分では上手に焼けない!という心配も無用。おひとりさまOKです。焼きあがるまでに15分くらいかかります。
2007年12月05日
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5日、歌舞伎座で「アマテラス」鑑賞。坂東玉三郎さんと、鼓童のジョイントコンサート(といってよいのか?)です。鼓童は、佐渡を拠点に、和太鼓を中心とする音楽活動をしている集団。海外公演も豊富で、国際的にも評価の高い演奏家集団。(ということでよいでしょうか?)歌舞伎以外のジャンルともコラボを積極的に行っている坂東玉三郎さんが、鼓童の演出をしたのが縁で、玉三郎さん自身も出演する舞台が実現しました。タイトルの通り、日本神話から題材をとった舞踊劇。といっても台詞はなし。歌とフリだけでストーリーを表現するのは、バリ舞踊などアジアの芸能に通じるものがあります。ところで、正直、鼓童って、太鼓の集団でしょ。と、ちょっとなめておりました。申し訳ございません!素晴らしかったです!歌や台詞がないと飽きるかもしれない、と心配していた友人が、寝なかったほど。勿論、玉三郎さんの舞踊や、演出効果も洗練されていて見ごたえ十分ですが、太鼓の打ち手のパフォーマンスも見事!いいもの見ちゃった!という舞台でした。その鼓童のみなさんの鍛え方がもの凄い。確かに太鼓は、体育会系の楽器ですね。そして本日からスタートしたビリーズブートキャンプ!基本プログラム約50分、休みなし!しかも、かなりテンポ早し!これは、多少、週1,2回でも、ジム通い、あるいは水泳、テニス、ダンス系レッスンなどしている人で、ようやくついていけるものですね。まったく運動をしていない人だと、おそらく半分もこなせないと思います。勿論、ビリーバンドは使っていません。使わなくても十分きつい。ただし、ペースをゆっくり目にして(たとえば、2回のところを1回にするなど)、休み休み無理なく、1日おきにでも長く続けたら、相当効果はあると思います。基本プログラムは、スクワットや足を鍛えるメニューが多いので、現代人には必須。二の腕を鍛える動きも多いので、ノースリーブをかっこよく着こなしたいあなたにはぴったりです!明日は、週1回のダンスエクササイズ教室の日ですが、さすがにブートキャンプと両方は厳しいよな~。
2007年08月06日
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今日からスタートのテレビ朝日系「ホテリアー」を見ました!特別韓流ファン、というわけではないので、ぺ・ヨンジュン氏主演の韓国版は見たことなし。そして、主役の上戸彩ちゃんファン、というわけではありません。が、このドラマ枠の、ベタなストーリーが決してキライではなく、さらに、ぺ・ヨンジュン氏特別出演、ということで、ま、見てみるか、と。ホテル買収劇を中心にすえたお話。ホテルウーマン役の上戸彩ちゃんは、「エースをねらえ!」の頃より、ずっと上手くなった!加えて、共演の男性陣が、田辺誠一さん、及川光博さんとご贔屓が揃っているのがうれしい。ぺ氏は、結んだロングヘアが、とてもお似合いでした。ソウルロケで使われていたロッテホテル本館。かつて泊まったところなのでとても懐かしい。ソウルの街が、本当に綺麗になっていてびっくりです。日本でのロケは、ヒルトン東京ベイでしょうか?ホテル好きには、なかなかに楽しめるドラマかな、と思います。来週も見ようか。
2007年04月19日
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昨晩は、BSで放送されていた「グリーンディステニィー」を見た。亜州映帝チョウ・ユンファ主演ということで、封切り当時から注目はしていたのだが、映画館で見る機会はなかったものである。チャン、ツイイ-が、これをきっかけにブレイクしたのだったか?まだまだ、田舎の子、という垢抜けない彼女だが、アクションシーンはなかなかで立ち回りはびしっ!とキマル。あと、盗賊の首領役の若い男優さん(名前忘れた!)が、きりりとした風貌にワイルドさを漂わせ、光っていた。中国大陸でロケした壮大で美しい映像は目の保養だが、ストーリー的には、う~~~ん。ちょっと盛り上がりにかけるかな。星みっつ。ところで、最近、玲家で人気といえば、中国武侠ドラマである。ケーブルテレビのチャンネルNECOで放送中の「神ちょう侠侶」。何がいいって?ヒロイン龍小女役が、相田翔子ちゃん似の美少女なのだ。武侠物のヒロインといえば、ただキレイナだけではなく、腕も抜群の剣士。華麗な衣装を翻し、ワイヤーワークを使っての大立ち回りがお約束である。かなり、実際にはありえない!アクションなのだが、見ていると、とにかく美しい。中国武侠物というのは、剣士たちの戦いが主軸なので、これでもか!と立ち回りシーンが続く。ただ、この「神ちょう侠侶」は、龍小女とその弟子であるヒーローとの許されない恋を絡めているので、ドラマに深みが増している。これをきっかけに、「神ちょう侠侶」の原作者金庸の他の作品「天龍八部」を2冊ほど借りてみたのだが。・・・金庸とは、中華圏では誰でも知っている大作家。武侠小説の大御所。えんえん続く武闘シーンに、2巻目で飽きた!う~~~ん。司馬遼太郎で育ったもので、やはり、歴史的に頷けるしっかりしたストーリーが無いと、ちょっとはまれないようだ。やはり、武侠物は、華麗なアクションを映像で楽しむのがいいようである。アクション、ストーリー両方で大満足なのが、NHKで放送中の韓国時代劇「チェオクの剣」!実は、「チャングムの誓い」の総集編を暮れに見て、「面白いじゃん!」と韓流ドラマへの認識を改めたところなのである。・・・実のところ、もともと恋愛ドラマは好きではない(日本のでもね)ので、それまでの現代ものはどうにも、興味の対象にならなかったのだが、チャングムはよかった!それに輪をかけて面白いのが「チェオクの剣」。こちらのヒロインは剣を使いアクションもこなす。しかも、上司であるひとから密かに思われ(身分違いのため成就するのは難しい)、討伐する相手の盗賊の首領(これが、もしかしたら、チェオクが幼いときに別れた兄かもしれない?)に惹かれる。というどろどろ系の展開も絡むのだ。そしてどこの国のでも、時代劇のいいところは、美しい衣装と豪華なセット。やはり、宮廷が出てくるものは、目を楽しませてくれる。かなり、お勧めです!
2007年02月08日
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話題の作品、見てまいりました!なんといっても、1976年のオリジナル『犬神家の一族』以降、金田一シリーズは、映画もテレビシリーズも、おそらくすべて見ているはず。まず、横溝正史の世界が大好きで、角川文庫版も10冊ほど所有。そうなれば、やはり、見ないわけには参りません。ストーリーなどは、公式サイトをご参照ください。最初にひとこと。颯爽とした金田一さんが、きびきびと事件を解決!というのを期待すると、がっかり!。・・・それは仕方ない。なにしろ、石坂浩二さん、還暦過ぎてるんだもん。・・そのかわり、謎解きミステリーというよりも、人間ドラマが、ぐっと表に出た作品になっている。なにしろ、作品を引っ張っていくのが各世代を代表する女優陣。特に、犬神家三姉妹の富司純子さん、松坂慶子さん、萬田久子さん。みなさん、押し出しも立派で、華も貫禄もある方々。松坂さん、萬田さんも、すでにベテランの域に入った女優さんだが、やはり、富司さんの存在感が圧倒的。こういう人を、大女優というのだろうな。・・・ヒロイン松嶋奈々子さん、相当キャリアも人気もある女優さんだけど、このお三方に比べると、まだまだ、可憐な小娘(笑)。もっとも、役柄自体はそれでいいのだから、全然悪くはないですよ。犬神松子役の富司さん、実の息子の尾上菊之助くんと親子役。ということもあって、この物語の根底にある親子の情愛といったものが、実によく伝わってくる。松子がこうした行動をとってしまったことも仕方ない、と思わせる説得力。とにかく富司さん、すごいです!これは、もしかして代表作になるのでは?長野県でロケした映像がまた美しい。最近多い、テレビドラマの映画版、のようなライトなものとは違う、映画らしい映画を見た!そんな満足感も得られる作品。オリジナルを見たことない方にもおすすめ。
2006年12月21日
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パーソナルテレビつきのシート。これは初めて。チャンネルも豊富で、映画も数本、ゲームもできる。でも、さすがに飛行機に乗ってまでゲームはやらなくてもいいや。(というか、コントローラーの使い方がなれないと難しい~い)ちょうど、「ダヴィンチコード」上映。ぎりぎり、着陸までに見終われそう。で、見ました。あの原作を、うまく2時間にまとめたな、という作品。ただ、やはり、原作の深みには及ばず、表面的なストーリー展開になってしまったか。映画から見たなら、そこそこ楽しめるミステリーだが、原作を読んでしまうと少々もの足りない。でも、これを見ると、かなりルーブル美術館に行きたくなるかも!ルーブルの逆さピラミッドの入り口、ほんとに、よくこんなもの作ったよね。
2006年11月15日
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素直に、よかったです!福島県常磐ハワイアンセンター(現在はスパリゾートハワイアンズ)創設にまつわる話。行ったこともないのに、「え~ハワイアン?」と子供の頃は思ってました。あまりにベタなとこだなあ、とね。フラダンスも、御年配の方が習っていらっしゃることが多く、そんなにハードなダンスじゃないんだ、と侮っておりました。ごめんなさい!認識改めます!(ハワイアンズの皆様、フラダンス愛好者の皆様、土下座してお詫びします!単なるリゾート施設の余興じゃないのです。プロのエンターティナーのショーなのです。そしてダンサーだけでなく、炭鉱の人達みんなの力でできたハワイアンズ。今でも、新しいことをどんどん取り入れて、進化しています。この映画でさらに人気が出そうです。ラストのポリネシアンダンスは圧巻!ソロで踊る蒼井優ちゃんは見事!韓国釜山映画祭でも好評で、アカデミー賞の外国映画部門にもいくとか。これは賞もねらえそうな気がします。それはともかく、是非是非お勧めの作品。今年最高の一本にしたい!フラガール公式サイト
2006年10月25日
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三軒茶屋にある世田谷パブリックシアターは、世田谷区の施設ですが、狂言の野村萬斎さんが芸術監督になっていて、実験的な公演がよく行われます。17日、邦楽コンサート「獅子虎傳阿吽堂」というのに行きました。主催の能楽太鼓方亀井広忠さんと、歌舞伎の囃子方田中傳次郎さんはご兄弟。お父様が能楽太鼓方の人間国宝、お母様が歌舞伎囃子の家元という家に育ち、能や歌舞伎の舞台でも活躍しながら、邦楽の新しい可能性を探る活動にも取り組む若手演奏家。初心者にもわかりやすい鼓や太鼓についてのワークショップや、能楽師・歌舞伎役者のゲストをまじえて、お囃子と動きや台詞との関係の実演。最後は、能のお囃子+歌舞伎囃子+能の謡+歌舞伎の立ち回りという、もの凄いコラボレーション。これがまた、ぴったり違和感なく合ってしまうのが、もともとルーツを同じにする古典芸能の凄さでしょうか。コンサートの前に、せっかく三軒茶屋に行くので、お近くにお住まいらしいmegumegu001さんに、ランチをおつきあいいただきました。「CafeCafe」という、古い家を改装したカフェ。三軒茶屋では、こうした古い建物をおしゃれに利用したお店が目立ちます。三軒茶屋も、下北沢や吉祥寺と似た雰囲気がある街。昔ながらの商店街に、おしゃれなお店、戦後の闇市的な駅前商店街、劇場やアートスペース。ごちゃごちゃ!と、センスのいいもの、下町と山の手がミックスされた感じ。地元に住んでいる人も、他から遊びにきた人も、どちらにも過ごしやすい街だと思います。 キッシュのプレートは900円。+100円でポットの紅茶がつけられます。これはすごいかも。紅茶はセイロン紅茶のストレートリーフティー。ティーコジーを被ったポットで持ってきてくれて、これで100円でいいの? megumegu001さんは、文章どおりのセンスフルでナチュラルテイストの方でした!いろいろな出会いを作ってくれたブログに感謝!
2006年09月18日
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昨日、BSで『キリングフィールド』を、また、見てしまった。これで3回目くらいだろうか?ストーリー1975年、カンボジア。アメリカの支援を受けたロンノル政権と、中国文革派をバックにするクメールルージュとの内戦が続く。プノンペンで取材をするニューヨークタイムズの記者シャンバーグと、カンボジア人の助手プラン。ロンノル政権の敗色が濃くなり、シャンバーグは、プランの妻子をアメリカに脱出させるが、ブランはシャンバーグとともにプノンペンに留まり取材を続ける。ついにクメールルージュによってプノンペンは陥落。シャンバーグら外国人記者たちは、なんとかフランス大使館に避難する。フランス大使館から、脱出は外国人のみ、カンボジア人は連れて行けない、と言い渡され、シャンバーグと記者仲間は、ブランのパスポートを偽造。一緒に脱出を試みる。しかし、ぎりぎりのところで偽造が発覚。プランはフランス大使館から出されてしまう。無事にアメリカに戻ったシャンバーグは、カンボジアの記事でピューリツアー賞を受賞。授賞式で彼は、「この栄誉の半分はプランのものだ!」と言う。手を尽くしてプランの行方を捜すシャンバーグだったが、クメールルージュ政権下のカンボジアの情報は入らず、無事アメリカに亡命できたプランの家族のもとにも連絡はない。そのころプランは、強制移住させられた農村で労働に従事させられていた。クメールルージュは、都市の住民や知識人を嫌い、強制労働をさせたのだ。人々を、銃を持って監視するのは子供たち。余計な知識のない子供を洗脳して、忠実なクメールルージュに仕立てあげるのだ。プランは外国語がわかることを知られないように、ひたすら耐える。知識人だとわかれば、待っているのは死だ。拷問、飢えでどんどん人が死んでいく。クメールルージュ内でも対立抗争があり、仲間内での粛清も行われる。ついにプランは脱出を敢行。るいるいと骸骨が重なる荒野を横切り、アンコール遺跡とおぼしき遺跡のなかで夜を明かし、険しい山を越えて、ついに、タイの難民キャンプにたどり着く。・・・まだ不安定とはいえ、いまや、歴史の香り高いリゾート地となったシェムリアップでも、つい30年前にこんなことがあったのだ。これから行かれる方は、少しでいいから、過去に思いを馳せていただきたい。映画としては、視点が一面的だとか、いろいろ批判もあるだろうけれど、事実の一部を描いていることは間違いない。音楽も台詞も少ない。淡々としたドキュメンタリー風のつくりだが、逆に見る側をぐいぐい引き込んでいく。プラン役の俳優ニョール氏は、実際に虐殺現場を生き延びたカンボジア人医師。体験者だからこその凄み、そして、すべて悟ったような穏やかな表情が印象的。ラスト。ジョン・レノンの「イマジン」が流れるなか、シャンバーグとプランは再会。戦争の非人間性を訴える作品だが、それ以上に、感動的な友情物語なのである。自分のなかではベスト3に入る1本。東南アジアに関心のある方には、是非おすすめしたい映画。(いまだに避けて通れないことだから。)1984年作品。ジャーナリスト、シャンバーグ氏の実体験をもとにした映画。プラン役のニョール氏はアカデミー助演男優賞を受賞。その後、映画出演の傍ら、人権活動などに取り組んできた。1996年に強盗に襲われて死去。
2006年09月06日
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10年来、香港中国映画ファンをやっているので、韓流ドラマには、いまいち乗り遅れている。しかし、ヨン様以外の若手俳優さんも、CMなどで露出が増え、おっ!と目を引かれることも増えてきた。だいたい、ハリウッド系の白人より、アジアンなほうが好みなのである。アジア圏の俳優が世界で活躍するようになったのは、うれしいことである。さて、タイトルの映画。4月にAXN(ケーブルTV)で放送。韓国・中国の共同制作。音楽には、『新世紀エヴァンゲリオン』を手がけた鷺巣詩朗氏が参加している。主演は、アジアン・ビューティー、チャン・ツイイー。時代は600年前。高麗の使節団が明に向かうが、誤解を受け、囚われの身となり流刑地に送られる。ところが、その途中、明と敵対する蒙古軍が攻めてきて明軍は全滅。高麗使節団は自由の身となる。高麗へと帰国する使節団。そこに、別の蒙古軍が姿を現すが、そのなかに、人質となっている明の姫(チャン・ツイイー)がいた。使節団の若き指揮官チェ将軍(チュ・ジンモ)は、姫を助け出し、明の都南京まで送り届けると誓う。姫を助ければ、高麗使節への誤解も解ける、と考えたのだ。しかし、明の姫を助けたおかげで、使節団は蒙古軍に追われることに。圧倒的な武力を誇る蒙古軍。姫に加えて、明の難民たちまで抱え込んだ使節団は圧倒的に不利。蒙古軍は、姫さえ渡せば助ける、と言う。しかし、姫に惹かれるチェ将軍、そして、使節の奴隷上がりのヨソル(チョン・ウソン)は、姫を守ろうとする。ヨソルも姫に心惹かれており、また、姫もヨソルに好意を抱いている。だが、使節団のなかでは、姫のために危ない目に遭うのはまっぴら!という気分も高まる。蒙古の攻撃は激しさを増し、最後に姫は、みんなを助けるため、ひとり蒙古軍に投降することを決意するのだが・・・。わがままで高慢な姫にチャン・ツイイーがぴたりとはまった。若きエリート将軍役のチュ・グンモは、ちょっと見、キムタクによく似ている。甘さのあるお坊ちゃん育ちの将軍、でも、最後は姫への愛のため、そして武士のプライドのため、戦って死んでしまう。元奴隷のヨソルはそんなエリート将軍に反発しながらも、姫のために戦う、というところでは将軍と意気が通じ合う。また、わがままな姫を叱り飛ばし、他人に迎合しない孤高の立場を貫く。このヨソル役チョン・ウソン!いいです!顔にかかるさらさらの長髪。寡黙でひたすら姫のために戦うナイト。チュ・ジンモの役とは、いわば、姫をめぐって三角関係。で、こちらも、最後は姫を守って死んでしまう。他に、なにかとチェ将軍に意見する古参の軍曹にアン・ソンギ。この方、韓国映画界の大御所。渋い演技で存在感抜群。作品を引き締める。沈着冷静な副官。勇猛な蒙古軍の将軍。など、魅力的なわき役も揃って、単なるアクション映画にとどまらない作品に仕上がっています。なんといっても、大発見は、チョン・ウソン!今まで、知らなかったの?なんて、言わないでね!
2006年08月25日
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まことに過ごしやすかった一日。朝から歌舞伎座へ並びに行きました。目的は、歌舞伎十八番『外郎売』。白血病で闘病していた市川団十郎さんの復帰舞台です。(全部は見なくていいのだけれど、一幕だけ見たい!というひとのため、歌舞伎座には「一幕見」というシステムがあります。ただし、完全な先着順なので、人気がありそうなものだと、早くから並ばないとだめ。)今日は、連休中ということもあり、一幕見も大盛況。お子さんや外国人の方も多かったです。幸い、2時間並んだ甲斐あって、団十郎さんの元気な姿を見ることができました。白血病といえば、本田美奈子さんの急逝も記憶に新しいところ。過去には渡辺謙さんも白血病を克服されています。幅広い年代のひとに、突然発症する病気。他人事ではありませんね。治療は、大変つらいものだそうですが、それを乗り越えられて現場に復帰した団十郎さんに、励まされる患者さんもいらっしゃるでしょう。お芝居のあとはここに移動。銀座クレムリ。ここは、ソフトクリームが美味しい、銀座で密かな人気店。なにしろ、経営してるのが酪農組合だから。他のお店のソフトと違います!ミルキー!クリーミー!なめらかさが素晴らしい!もちろん、ソフトを使ったアレンジメニューはどれもお勧め。季節がわりのメニューも出ます。店内の喫茶スペースは広くないので、外で食べてるお客さんも多いくらい。とにかくいつも混んでるお店。でも、お味は絶対保証しますよ!銀座に行ったら是非!本日40000アクセス突破いたしました!これもひとえに皆様のおかげでございます。これからもご愛読のほど、よろしく願い上げ奉りまする~~~!チョン!
2006年05月04日
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ブルース・リーの『燃えよ!ドラゴン』以来、香港映画は好きなほうだった。大体、中国世界が大好き、特に『水滸伝』やら『西遊記』のような冒険、アクション、スペクタクル系のお話は、かなりツボに嵌っていたので、香港映画のありえないようなアクションは嫌いじゃない。ジャッキー・チェンやジェット・リーのカンフー系アクションもほとんど見たが、正直、役者さん本人は、それほど好みではなかった。ところが!偶然発見してしまったのがこの人、レスリー・チャン(張国栄)!9年ほど前の、大晦日の真夜中(ってもう新年)、テレビで『さらば、我が愛』という映画をやっていた。ちょっと見始めたら、止められなくなり明け方まで見てしまったのである。内容については、また別の日にご紹介したい。この主演がレスリーだった。こんなにキレイな男性がいるのか!というほどの驚き!日本人では坂東玉三郎さんあたりでないと太刀打ちできない。(実は、玉三郎さんも、この映画でレスリーを知って、お会いになっているそうである。)それから、怒涛のレスリー迷の日々が始まる。およそ、日本で見られる彼の作品はほとんど見た!そのレスリーがツイ・ハーク監督と組んで撮ったのがこれ。『さらば、我が愛』では、悲劇的な京劇の女方を演じたレスリー。シリアスな二枚目が大変似合うひとである。それが、一転、ドタバタコメディで大いに笑わせてくれるのだ!そして、この映画のポイントは、タイトルの通り、豪華中華料理対決。レスリー扮するチンピラのサンは、コックになってカナダに移住しようと老舗「満漢楼」に入る。(このへん、香港返還からみの事情が窺える)この「満漢楼」を乗っ取ろうと、悪の料理集団「超人集団」が満漢全席の料理対決を仕掛けてくる。受けて立った「満漢楼」。しかし、古参の料理人たちは、「超人集団」に買収され、店を辞めてしまう。残ったのはオーナーと歌手志望のその娘(アニタ・ユン)、そしてサン。サンは、味方になってくれた若手料理人のボウ(チョウ・マンチョク・・・この方、カンフー映画で活躍している)から、伝説の料理人リウ(ケニー・B)を探すように教えられる。リウとボウはかつてライバルだったのだ。恋人に去られたことで、今はすさんだ生活をしているリウを無事探し当てたサン。やる気をなくしているリウをなんとかしようとする。元恋人とも関係回復でき、一流料理人として復活したリウ。いよいよ満漢全席3本勝負が始まる!なんたって凄いのが、登場する食材。1ラウンド目が「熊の掌」。2ラウンド目「象の鼻」。3ラウンド目「猿の脳みそ」いったい、どうやって食べるの?とにかく、素晴らしい宮廷料理になるのです!他にも燕の巣やフカヒレ、キャビアなど高級食材テンコモリ!見事な包丁アンド鍋捌き!鍋から豪快に燃え上がる炎!ほとんどアクション映画のノリである!「猿の脳みそ」については、以前は、本当に食していたようですが、さすがに動物愛護法にひっかかるらしい。作品中でも、あるものが、猿の脳みその代わりに使われています。とにかく、おいしそーな映画。そして、ずらり揃ったいい男が、目一杯お笑いをぶちかましてくれる!
2006年04月04日
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絶好のお花見日和の今日、何の予定もない週末ということでおうちにいるのも勿体ない!そうだ!歌舞伎座の幕見に行こう!歌舞伎座には、幕見、というシステムがあります。通常、歌舞伎の公演は、3つか4つの演目が休憩を挟んでかかります。このなかで、1つだけ、2つだけ見たい!というときにお役立ち。1時間から1時間半程度の一幕を、1000円以下で4階席から見ることができます。詳しくはこちらさて、お目当ての一幕を楽しんだ後は、久しぶりに有楽町駅前の中華屋に参りましょう。ちょっと気取った銀座とは、うって変わった有楽町駅前。線路の下や駅前に、昔からの小さなお店がごちゃごちゃと。なぜかドリアンやマンゴーなど南国フルーツばかり売ってる果物屋があったり、パチンコ屋にマツキヨ。そんな一角にあるこの中華屋さん。銀華。数年前に、美味しげな風情を感じ取って入ったら、まずまずアタリだったお店。店内はまあ小奇麗で、デパートの紙袋を提げた女性も来ている。銀座界隈のOLさんに支持されているなら、味は外れないでしょう!お得意メニューは、麺類、ご飯もの。大きなお皿にたっぷりで、満足の量としっかりした味付けです。今日、頼んだのは「パーコー飯」840円なり。豚のロースを丸々1枚、衣をつけて揚げたのをご飯に載せて、たっぷりの野菜アンがトロリ。 こういうぶっ掛けご飯、好きなんですよね~!だんだん中国人化していくな~有楽町駅から、マリオンに向かう道沿い。道路の向かい側は、再開発事業中の場所です。
2006年04月01日
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