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2015年09月12日
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カテゴリ: 独り言
その1は前の記事をお読みください。


日本に原爆が投下された理由は幾つか言われている。1部で述べたとおり、人体実験的要素を持っていた、日本を早く降伏させる手段、アジアを制圧したいロシアへの牽制などだ。2つ目の理由は、アメリカの自己正当化に過ぎないと、私は読み取ったが、それはさておき、この時既にソ連は共産党国家として、アメリカと敵対する立ち位置だったことから、すぐさま核開発へ本腰を入れようとする。
少し話を戻す。電子は粒子と波の二つの振る舞いをすることを主張したボーアという物理学者は、1944年初頭に既に原爆開発後の管理のあり方に目を向けていた。つまり原爆はもはや軍の手に負えない兵器であり、これを持つ国がこれを独占する限り、軍拡が進む。逆に一般公表し世界でこの知識を正しく共有すれば、軍縮に向かうことになるのではないかと。1945年11月にはこの考えに当時のアメリカの大統領トルーマンが賛同し、国連の指揮下の元で国際委員会を設置することを要請する。1946年3月には原爆の父と呼ばれたオッペンハイマーによる提案がふんだんに盛り込まれた、アチソン=リリエンソール報告書が公表される。これはいかなる資源、設備、原子炉、研究所を国有化し、国有権を世界の機関に譲渡するというものだった。この発想はつまり原爆生産の手段を皆が所有するという脅威による抑止力に繋がるとの発想だ。しかしチャーチルは違った。ソ連に力を持たせることそのものが危険であり、未成熟な国際機関にこの権利を委ねることは間違いだと言った。こうして核拡散へ世界が動くこととなる。
こうして本格的に(実際はもう少し前から)ソ連の核開発が始まる。かと言ってソ連にその知見があるわけではない。それではどのようにソ連は原爆に関する知識を得たのか。それはソ連がマンハッタン計画に携わった人間をスパイとして雇ったからである。実際核開発の段階で、情報規制には相当の気を使っていた。フックスはマンハッタン計画のメンバーでも有能だったが、1941年時点で既にスパイとなっていた。彼の提供する情報が一番有益だったとされ、その他のスパイからの情報も合わせて、ソ連は核開発を進めた。1949年、ソ連は最終的に核実験に成功し、原爆の保有国としてその地位を確立することとなった。

さて、最終的にソ連のスパイは片っ端から調べ上げられ、捕まっている。しかし何と言っても一番驚くのは、原爆の父と呼ばれ、マンハッタン計画の中心人物でもあったオッペンハイマーがスパイ行為に間接的に加担していたのだ。と言っても実際彼はメンバーに加わる時点で既に熱心な共産党員であることは知られており、どんでん返しでも何でもないが。

最後に、原爆の開発に携わった人たちの感情はどのようなものであったか。1000人を超える研究者がいたために、全員がそうとは言えないまでも、原爆投下前の時点で「我々は、戦争の終結をもたらしそうな技術的実演を提案することはできない。〜」という報告書を提出している。また、日本での原爆投下の報告に加え、直後の21日に、マンハッタン計画の中心地ロスアラモス研究所で実験に失敗して被爆した研究者の末路を目の当たりにしており、残酷な兵器を開発してしまったと痛感したことだろう。

この本はエピローグでこう述べている。1947年にオッペンハイマーが次にように公演した「戦時中の我が国の最高指導者の洞察力と将来を見据えた判断だったとはいえ、物理学者は核兵器の実現を進言し、支援し、ついにはその達成に大きく貢献したことに、甚だしく内面的な責任を覚えました。」
これに対しジム・バゴッドはこう言っている。「罪ではなかった。科学的事実は、まさにその性質上、道徳とは無関係だ。道徳的な意味においては、正しくもなく誤りでもいないし、善でもなければ悪でもない。石や木と同じように単なる存在なのだ。…言うまでもなく、道徳的な意味において、正しかったり誤っていたりするのは人間、善いのも悪いのも人間なのだ。」

本書は約600ページあり、ギュッと詰め込んだブログにしたことで、どこか曲げられていたら申し訳ございません。私の解釈が間違っていることもあるでしょう。何卒ご容赦いただきますようお願いします。



戦後70年、自分の知識の向上もあり、初めて真面目に向き合って考えた戦争。平和のために人は何を考え、どのように行動するのがいいのか、これは戦争史から学ぶことが一番ではないでしょうか。そう思った2015年夏でした。





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最終更新日  2015年09月13日 02時38分58秒
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