漫画家・写真家玉地俊雄 紫煙のゆらぎ

漫画家・写真家玉地俊雄 紫煙のゆらぎ

2008.05.06
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カテゴリ: 紫煙のゆらぎ





              紫煙のゆらぎ・煙草のばらうり







昨日の落日の色彩は目が覚めても、また目を閉じて、僕の脳幹部意海馬の引き出しを
ちょぃと開ければ、その30秒足らずの映像が、秒鮮明に脳全体に広がり幸せとなれる。

だったら何故にフォトに残すのだ。
現像の色彩とプリントの出来具合は難しいはずなのに。

そこがそれ、漫画家と凡人のつらいところ。

我が家の最愛の妻である観音菩薩さまにはほど遠い、解脱の解説もできない、
只の変人狂人ウブドの達人どまりなのだから。



まだ少しイケナイ状態で体をのろりよたりと動かしている。

頭も海馬の記憶野以外はぼ~っとしてなかなか覚醒をいやがっている。
もう10時を過ぎている。
朝飯は…まっいいか。


散歩でもしよう。

その、落日の撮影ポイントから、さらに5分ほど徒歩テクした所に
そのよろずやのようで、酒も煙草も駄菓子からなんやら正体不明な変物を、
ぐちゃぐちゃに並べた、全くやる気の無いお婆さんの店がある。

やはりというかあたりまえというか、この店はまったくやる気が無い。

12時近くになっても、半分壊れて鎖と南京錠のかかった店に、
何を盗まれるような貴重品が有るはずも無いのに閉まったままである。



「若紫」

未来のビダニ、4歳のルナ・ナヘラ・イッグラハと弟アディティの為に
駄菓子でもと徒歩テク8分。

「おーい、スラマッシァァ~ン、もしもしいー」

呼べど答えず姿も見えずほんにおまはん屁のやうな。



僕の顔をみて急に愛想笑いをする。

毎日 Rp 20.000 ぐらいは買っているグッドカスタマァーだもんね。

今日は Rp 30.000 ぐらいで、 Rp 50.000 の札を出すとつり銭がないという。

でわもつと買い込むしかないのか。

「あんた Karta の家にいるんだろ、ツケとくから帰んな」

信じられない発言である。
ここは沖縄の離島かそれとも明治初期の農村か。

仕方なく買い込みに買い込み、Rp 40.000 と両手いっぱい超重量級手荷物と
なってしまってやっと釣りが出てきた。

平均月収が Rp 1.000.000 ほどの彼女たちにとって、
高額紙幣は邪魔で仕方の無い紙なのかもしれない。

店が開いているので次の客が来る。

見るからに典型的な日焼けた農夫が店に入ってきて Rp 1.000 の札を出す。


「煙草くれ」

煙草はここバリ島では Rp 8.500~Rp 10.000 と高い嗜好品の毒物である。

さぁ。

驚いた。

なんと、このお婆さんは彼に煙草を2本差し出した。

ばら売りをしているのだ。
ケースの中には、蓋の開いた香りの散り去った煙草の箱がいくつか転がっている。

なんなんだこの村は。

僕は大阪になど帰りたくなくなったがそうも行かない。

夕べの落日奇跡の色彩には、シィヴァの恵みと、このソサエテイの暖かさが、
きっと係わっているのだろう。

東大路玉山人先生も申される。

昔の村は良かった。
醤油も米も鍋まで貸し借りが合った。
ウブドとおなじぢゃった。
朝日やゴールでバットなどただでくれたワイ。

沖縄の離島には残っておるがノ。
旨いものと温かい心は現地にしか無いのヂャ。

不思議の島バリ島ウブド。









フブドの達人



                            玉地 俊雄

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              ルピアを見ると輝くお婆さん









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最終更新日  2008.09.28 15:37:17


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