2004年06月20日
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慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において

アッサラーム アライクム

第21章(スーラト=ル=アンビヤーィ)です。

マッカ中期の啓示と言われます。この章は預言者たちについて記されていますので、それが章名となりました。

「アンビヤーゥ」は「ナビー(預言者)」の複数形です。

第35節です。

クッル ナフシン ザーイカァトゥ=ル=マウトゥ、
ワ ナブルークム ビ=ッシャリ ワ=ル=ハイリ フィトナ

「人はすべて死を味わう。われは試練のために、凶事と吉事であなたがたを試みる。」


「ザーイカトゥ=マウティ」(死の味覚)は「ザーカ(味わう)」が語根である名詞「ザーイカ(味覚)」とそれを後ろから修飾するムーダーフ イレイヒの「マウトゥ(死)」から成っています。ここで区切る場合はスクーンで「マウトゥ」ですが、続ける場合は「マウティ」とカスラ表示(語尾を「イ」と発音します)をきちんと読みます。
「ワ(そして)」は接続詞。
「ナブルークム(我々はあなたがたを試す)」は語根が「バラー(試す)」の1人称複数未完了形に非分離形の2人称複数の代名詞がくっついたものです。
「ビ=ッシャリ ワ=ル=ハイリ(悪と善とで)」は「ビ(~で)」という前置詞の後ろなので定冠詞のついた「シャル(悪、凶事)」と「ハイル(善、吉事)」の語尾がカスラになっています。
「フィトナ(タン)(試練)」はマフ‘ウール(目的語)なので、フォタハタインになっています。(「アン」と語尾の母音を発音します)

慈愛深きアッラーは、禍福を全ての人間に齎します。善きことが起これば、アッラーに感謝し、凶事が起これば、「お縋りするのはアッラーしかいない」と再認識され、信仰心が高められる機会となります。

全てが上手くいっている時は、「アル=ハムド リッラー」とムスリムが、アッラーに感謝しますが、その中につい「自分の努力もある」という驕慢な気持ちをもちがちです。
逆に自分の力だけではどうにもならないような凶事に襲われた場合、普段は「神様」のことを考えないような人でも急に信仰心に目覚める人がいます。それは上手くいっている時にはあまり見られないことです。「凶事」は上手くいっているときよりもアッラーを思い、アッラーにお縋りすることを思うと、一概に「悪いこと」だとは言えないように思われます。

 筋肉をつけるには、運動して筋肉繊維に「傷をつける」ことだとスポーツ医学では言われています。「傷つけられた筋肉繊維」は、自己治癒をはじめ、その結果、以前よりも太い筋肉組織が作りあげられるそうです。
 同様に人間の心も凶事によってプレッシャーをかけられると、よりアッラーのことをジクル(想念)するようになり、アッラーの目からみて、より好ましい信仰者に変わることになるのかもしれません。
 そしてそのような災難や困難も予めアッラーが決められていたことだと理解すれば「ああすればよかった」「こう言えばよかったのに」という既に終わってしまって、今更変えようもない過去のことぐだぐだ考えたり、言ったりしなくなるのではないでしょうか。

 アッラーに帰依し、すべてをアッラーの委ねたものには、吉事も凶事もアッラーからの「お試し」であり、それは同時にアッラーからの「慈悲」であり、「恩恵」であり、どんなにじたばたしても「人間はいつか死ぬ」「その死ぬ日も定められている」と思えば、憂いも心配も軽くなると思われますがいかがでしょうか。
全ての人間に死を賜れるアッラーを畏れながら、その日まで「奮闘努力」して一刻一刻を大切に感謝しながら、生きていきたいものです。

アッラーのご加護と祝福がありますように
ワッサラーム





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最終更新日  2004年06月20日 21時36分27秒


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