Aug 6, 2004
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初日の昼食、たのんだセットメニューのメインは、あひるのもも肉にグリーンピースと人参の付けあわせであった。残念ながら、全体的に塩辛く、味のほどは良くわからなかった。空港そばのバーの食事など、ロンドンのパブランチのようなものなのだろう、期待する方がどうかしているのだな、と思った。

Mont-de-Marsanでの昼食、スパゲッティボロネーゼ。ここで再び犯した失敗は都市のバーだった事。デザートのケーキ(何と呼ぶのかわからない、私好みのカスタード味♪)はまあまあだった。

昼食、Arzacq-Arraziguetのレストラン、ワイン付。ポタージュは優しく滑らかな舌触り、コールドミートの前菜、ソフトサラミは脂っこくなく、生ハムは上品でしっとり、鳥のパテは繊細でいてボディのある美味しさであった。
赤ワインが進む。
メインはホワイトピラフの中央に、ミートボールの詰められた握りこぶし大のトマトが乗った物。トマトに酸味は無く、塩分控え目で、素材の味のよくわかる一品。そのあとチーズ。デザートには、前日と同じカスタード味のケーキを選ぶ。ここのケーキは優しい甘さと柔らかさで好きであった。
満席の中、泳ぐように配膳していたチャーミングなウェイトレスが印象的だった。

Ganでの夕食。前菜のサラダに乗ってきたのはうずらのもも肉。グリルで焼かれたそれは、小さな鳥ながらもメリハリのある味で、「ああこの鳥がだちょう位の大きさだったら」と思わずにはいられなかった。メインは牛肉とドライフルーツ(プルーン、アプリコット、いちじく)のシチュー。

私は果物はおかずと別なのが好きである。プルーンもアプリコットもいちじくも食べるが、「おかず」というよりは「おやつ」なのだ。それにドライフルーツは甘く、2つか3つ摘めば十分なのである。

皿に盛られた4塊の肉と、各2つずつのフルーツ。グリーンピースと人参の付けあわせの側に、横たわっていたのは炒めたと思われる、見た事のない野菜が2本。色は白く、何層にもなっている様子は、一見長ネギのようだが、ちょっと食べてみるとこれがまた、苦い。「甘い」も「苦い」も、私のおかず概念からは遠いものである。


「え、なんだか美味しいわ♪」という自分からのリアクションを期待していたが、所詮ドライフルーツ、うずらがだちょうになれないように、果物の味はそのままなのだった。

デザートの前に出された、2枚のチーズスライスとたった1つの胡桃の皿に首を傾げる。一体どうやって食べるのだろう。人はまばらで、お手本にする人もない。誰も見ていない事を確認し、くるみは指で摘み、ひょいと口に放り込み、チーズは小さく切り、まとめてフォークでぐさぐさと刺し、さっさと片付けてしまった。きっとワインを楽しみながら、ちまちまと食べていくものなのだろうが、ここの夕食は高く、とてもワインまでは手が出ない。

デザートの蜂蜜のムースは、私の砂糖消費量一年分に相当しているのかと思うくらいに甘く、スプーン半分を口にした所で頭痛がした。

Lourdesでの夕食。前菜はシーフード春巻のあんかけのようなもの。なんとなく懐かしい味だ。メインはポーク。そして、ああ、まただ。プルーンが乗っている!しかもその脇には、あの苦い野菜。
しかし私はもう昨日までの私ではない。昨夜犯したミスはもうしないぞ、とばかりに、肉だけ美味しく食べて、あとは知らん顔を決め込む。

食べると何故か口の中がおかしくなるので、ここ10年以上口にしていなかったが、デザートに出た桃が瑞々しく、新鮮で、久しぶりに旬を味わった。そしてその後、やっぱり口の中がもぞもぞしてしまうのだった(馬鹿者)。

次の夜、再び同じレストラン。前菜はピザ。今日のメインは白身魚のホイル焼き。もう果物はイヤだぞと思っていた私の目の前に出てきたのは、確かにホイル焼きであったが、包みを開くとレモンが山程乗っている。
私はしめ鯖が苦手である。

酸っぱい魚はいやー。

しかし、デザートのクリームキャラメル(カスタードプリンのような♪)はとても美味しく、魚の事などすぐ忘れ、おかわりはできないものかと本気で思った。

Pouyastrucでの昼食。ここでの騒ぎは 本編

田舎煮、とでも表現するのがぴったりである、とりどりの野菜、鳥肉にベーコンの具沢山のスープ。見なれた白っぽい、半透明のまあるい野菜は大根で、筋ばっていたがスープの味は抜群だ。ここでのメインは、フライドポテトと温野菜の付けあわせにビーフステーキであった。苦くも甘くも酸っぱくもない、ごく普通の料理がこれ程有難かった日はなかった。

Casteljaloux、宿泊したホテルでの夕食。サラダに散らされた、口の中でとろけるブルーチーズにうっとりする。カマンベール、ブリーと並ぶRoquefortだそうだ。
英国のスティルトン、デンマークのデーニッシュブルー、イタリアのゴルゴンゾーラのように「これでもか」と主張するアクの強いやつとは違い、フランスならではの(?)繊細で、柔らかく、控え目なこのブルー。早すぎず、遅すぎず、口の中でゆっくりと溶けてゆくこのクリーミーな食感と、ブルーチーズである事が不思議な位のマイルドな味わいの、バランスが見事だ。

サラダそっちのけで、チーズだけ拾い、ゆっくりと時間をかけて、思い切り楽しむ。幸せのひととき。

メインはシーフードのグラタン。そこそこだったが塩味がきつく、半分程でギブアップ。



Aurosでの昼食。初のバイキング方式である。暑い一日に体力の消耗を恐れて「食べておかなければ」との強迫観念に陥っていたためと、あまりパッとしない品ぞろえで、何を食べたかはほとんど記憶にない。にこりともしない、まるでロボットのようなウェイターが印象的であった。

Bordeaux、Merignac空港そばのホテルでの夕食。メインは牛肉の串焼き。苦く、甘く、酸っぱくなければ、文句など言わずに大人しく食べている私である。
そしてデザート、クリームブリュレ。このクリーミーで、ほんのり甘くて優しい食べ物の虜。基本はカスタードミックスなのはわかっているが、ここはキチンと確かめておかねばならないだろう。朗らかなウェイターに聞いてみる。ふむふむ。こんど試してみよう。

忘れてならないのが、朝食である。クロワッサン、バゲットにバター、ジャム各種に蜂蜜。オレンジジュースにコーヒー(か紅茶)。少し奮発した所になると、これにハム各種、チーズ、ホットチョコレート、果物にヨーグルトが加わるようだが、どうやら基本は「クロワッサンにコーヒー」らしい。

このクロワッサン、各パン屋で全く味が違う。行く先々で試したが、もっとも美味しかったのは、開店を店先で待っていた私を見つけ、10分早く店を開けてくれた、Luxeyのパン屋。柔らかな物腰のマダムが、手渡してくれたそれはほんのり暖かく、雨の中10時間以上をバスシェルターで過ごした後の、冷えた体に、灯りをともした。

食べ物の経験を通して、料理や食事には、素材や調理法も大切だけれど、それを越えた、もっと大事な何かがある事に気づいたのは貴重な体験だった。


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最終更新日  Aug 6, 2004 10:10:48 PM
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