ビジネス便利屋兼ライター 永嶋信晴のブログ

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2005年06月19日
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カテゴリ: ビジネス書
 さて、先日はお客さんと仲良くなる方法のひとつとして、「ほめる」ということを書きました。人は、自分がまったく気づいていなかった点についてほめられると喜びが大きいということでしたね。

 ただ、ここで気をつけなければならない点があります。ずっと昔に、糸山英太郎の「太陽への挑戦」という本を読んだのですが、この中に興味深い記述がありました。

 糸山氏は、若い頃、自動車販売会社でセールスマンをした経験があったそうです。そのとき、どの先輩セールスマンも、お客さんの所有する車を見て、悪いところばかり指摘する。今、お客さんが乗っている車は、こんなにいろいろ問題点があるんですよ、だから、私が勧める当社の車に買い替えなさい、と。

 これに対して、糸山氏は、徹底的にお客さんが今乗っている車を徹底的にほめたそうです。今、お客さんが乗っている車というのは、ライバル会社の車ですよね。敵に塩を送るというわけじゃないのですが、すばらしい車に乗っていらっしゃいますね、とお客さんのセンスをほめたたえた。するとお客さんが喜んで、糸山氏の話に耳を傾けてくれる。当然、売り上げが面白いようにあがって、糸山氏はトップセールスマンになったそうです。

 この点について、多湖輝氏の心理学の実践書シリーズには次のような記述があります。

●人は自分の一部分、あるいは自分と密接な関係にあるものを評価されると、自分の全存在が評価されたように思い込む。

 先ほどの例で言いますと、お客さんの所有している車が、「自分と密接な関係あるもの」にあたります。だから、これをけなされると、自分がけなされたような気分になる。逆に、これをほめられると自分がほめられたような気分になるんです。

 だから、お客さんの持つ服装や家族、車、家、高額な商品のことを話すときは注意が必要です。

 下手な営業マンを見ていると、結構、この罠に陥ってますな。お客さんが持っているライバル会社の商品をけなしまくってる。



 そのときのお客さんの顔を見ていると、苦笑してますが、決して目は笑っていない。

 お客さんが、ちょーむかついてるのに、下手な営業マンは自分の言葉に酔いしれちゃって全然気がつかないんです。結果として全然売れず、何で売れないんだろうと、首をかしげる。しかし、いつまでたってもその理由に気づかない。

 うーん。やっぱり相手があることですから、相手の表情から、お客さんの心理状況を読みとって、臨機応変に対応しなければ…。

 私の場合、これを逆手にとって、お客さんが持っているライバル会社の商品を徹底的にほめまくる作戦に出ました。もう、「お世辞」と言われようが、「おべっか」と言われようが、歯が浮くような口調でやる。

 すると、面白い結果になるんですよ。

 お客さんのほうで、自分が買った商品をけなしまくるんです。

 「いや、君はそう言うけど、私はこの商品のここが嫌いでね」
 「ここをもう少し変えれば、自分の好みになるんだけどな」 …、という調子で。

 その言葉にじっと耳を傾けていると、お客さんのいわゆる「顧客ニーズ」がわかるんです。

 ああ、このお客さんの商品を買うポイントはここだな、というのがわかる。これが、バイイング・ポイントというやつです。これがわかれば、その部分を集中的に説明し、自分の勧めるこの商品こそ、お客さんの求めておられる商品ですよ、と納得してもらうわけです。

 でも、実際の場面では、買うという行為にはもっといろいろな要因が結びついていて、ひとつの枠組みの中には入れられませんが…。





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最終更新日  2005年06月19日 10時20分46秒
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