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「あの日はたったの半荘九回で橋田が万歳しやがったんだ。俺はもっと勝てると思ってたのにね」映画俳優、と言っても最近はテレビのバラエティー番組で見る事の方が圧倒的に多くなった中嶌寛治朗は得意げにハジメに語った。今の所橋田が残した最後の足跡を知る人物だ。「兎に角ツキまくって返って怖くなったぐらいさ。デカピンだと思ってたらデカデカピンだったなんてなぁ」テレビ局の控え室でドーランを落として行く中嶌の顔がそんじょそこらの青白い肌をした老人に変わって行くのをみながらハジメは尋ねた。「デカデカピンって?レートですか?」必要以上手に取った、ドーランの真っ茶に変色したテッシュに目を落としながら中嶌が答える「あぁ!まさかレートが一桁違うとは考えてもいなかったからなぁ。ウマの"三・一"は三万・一万ではく三十万・十万ってことさ。お陰で払いの時もらった封筒がやけにブ厚くてなぁ。まぁ昔の勝さんや裕次郎のころは当たり前のレートだがな」「橋田さんはそれを即金で払ったんですか?」「あぁあのシブチンがなぜかな…新しい映画のスポンサーのおかげで金でも掴んでたんじゃないかなぁ」「その夜以来橋田さんには会ってないんですよね、他の方々も」「あぁ、万歳した後携帯がなって急用とかでそそくさと出て行ったのさ。洋子ちゃんも獅朗も会ってねぇらしいぞ。なんでも出演お願いしますって言われてスケジュール空けてたらプッツリ連絡がねぇって怒ってたからなぁ」
2003年11月04日
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