鉄道ジャーナリスト加藤好啓のblog 国会審議集

2020.11.15
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テーマ: 鉄道(22811)
カテゴリ: 桜木町事故
久々に更新させていただきます。
今回も中澤証人の証言が続きますが
​号係は電気の職長を無視していたのか?​
以下のやりとりでは、事故発生後中澤職長は信号所に飛び込み、上り線に電車を入れないことを強く申し入れしたのですが、信号係はその命令?を聞かなかったと、思われる節が多々あり、以下の記述でもでみることが出来ます。
○福田(喜)委員 あなたが信号所に飛び込みまして、えらいことになる、上り線に電車を入れてはだめだと言われたのですが、そのとき信号所におきまして――われわれしろうとですからよくわかりまんけれども、信号所はスイツチ一つで、信号所自身で上り線に入れないような措置ができるのですか。
○中澤証人 できます。できると思います。
○福田(喜)委員 それを怠つたわけですね。
○中澤証人 怠つたか怠らないか、私にはわかりません。
○福田(喜)委員 あなたがそういうことを言つたのは、電車が来る……。
○中澤証人 全然見えないときです。

​職長の依頼は信号掛に無視される事に​
この時点で、中澤証人は電車が進入する前にポイントを切り替えるように伝えていますし、電車が見えないときと言うことですから、まだ十分にポイントを切り替えることは出来たと思われますし。
証言の内容では、「スイツチ一つで、信号所自身で上り線に入れないような措置ができるのですか。」と質問をしていますので、当然のことながら、継電連動装置のことを指していると思われます。
さらに、この事故の後助役が、呼びに来たと言う質問を受けていますが、この時の様子も、助役の対応も少し首をかしげるというか、指揮命令系統がなっていないと言えるわけで、助役からは具体的な指示を受けていないと証言しています。


画像 出典 wikipedida:継電連動装置 の画像
○福田(喜)委員 それから第二点は、あの騒ぎの最中に助役があなたを呼びに来たと言いましたね。
○中澤証人 はい。
○福田(喜)委員 それは電車に火がついてどんどん燃え出してからですか。
○中澤証人 そうです。
○福田(喜)委員 発火してからどのくらいたって……。
○中澤証人 発火して、時間でどうもはっきり私もどれくらいという時間の予測が立ちませんが、助役さんが来てくれというときには、相当時間がたつたと思います。
○福田(喜)委員 助役ははたして自分で呼んだのですか、だれかに呼ばせたのですかわかりませんか。
○中澤証人 それはどうかわかりませんが、信号手が、さつきから見つけていたが、助役さんが用事があるから早く行ってくれ、こう、いました。
○福田(喜)委員 助役がそのときにあなたに言つたのは、現場で何か事故を起した、だから火事を鎮火さすとか、あるいは応急措置を講ずることを命じたのですか。
○中澤証人 いやそうではないと思います。
○福田(喜)委員 どういうことを言つたのですか。
○中澤証人 その事故の原因を、大体どういうことで事故が起ったかということを、助役さんは聞いたのではないかと思います。
○福田(喜)委員 事故の原因を聞いただけで、応急措置を講ずることを何ら指令はしなかつたわけですか。
○中澤証人 何にも指令はありません。

信号係とのやりとりについて質問されていますが。
信号所に飛び込んでいって、信号手に向かって、中澤証人は最初に、ポイントとの切換をしてくれと強く頼んだと言っており、
下記のような会話がおこなわれたと証言しています。

​信号掛の不作為が惨事を招くことに

「飛び込むとすぐに、上り線が断線したので、上り線側に入れてもらつては困る、頼む、とこう力を入れて言いましたら、上りがだめなら下り線はどうかと向うでも力を入れてこう聞きましたから、私は、下り線に入れる分にはさしつかえない、こう言つたのに対して、信号所の方は、そうかとまた向うも力を入れたのであります。ですから私としては十分納得ができた、こう思いまして、話を一応打切つたのであります。」

ここで、中澤証人は少なくともポイントは切り換えられると思うには十分な確信を得たと言えそうです。
しかし実際には事故が発生するまで信号手はポイントを切り換えなかっ事による惨事が起きてしまいました。​
○田渕委員 架線が落ちて、これはえらいことをしたと思つてあなたが信号所に行かれたときに、今から考えてみると、もう少しきつく、えらいことになった、すぐ電車をとめる信号を出せと言つたら、信号手はやつたのではないですか、どうでしよう。
○中澤証人 私が一旦現場はみな頼むと言つた意味は、私のいないときには、副長というものが全部私のかわりに責任を持って、架線の方も見てくれる、また電車が来たらとめてくれる、こういうふうにやってくれるものと思つて、私は現場を頼むと言って行つたのであります。

○田渕委員 ところが信号手が――もちろんあとで知らなかつたと隠すことはよくわかるのですけれども、この場合にあなたが、自分の権限あるいは職場を越すかもわからないけれども、とにかく自分が架線の方をやっているので、その架線が切れた、電車がえらいことになる、だから何としてもここで電車をとめなければならぬのだからというわけで、信号手におとなしい態度で、えらいことをした、ちょっと電車をとめてくれ、こう言うのと、たいへんなことだ、すぐこれをやらなければ大事が起るというようにきつく言うのと、信号手の受ける感じが非常に違うと思うのですが、それはどうでしようか。​
○中澤証人 私の力を入れたところは、一旦現場を頼む、とこう言って行つたのであります。
○田渕委員 それはあなたの部下に言つたことで、高原信号手にあなたが言つたときに、あなたが、えらいことをした、とめてくれ、こう言うのと、たいへんなことになってしまった、こう言って叱責するようにきつく言うのと、そこの違いですが……。
○中澤証人 信号手ですか。
○田渕委員 ええ、きつくばばつとすぐにも信号に手をかけるくらいに……。
○中澤証人 それはやはり飛び込んだときに、私は一番先にそれを強く言つたのであります。
○田渕委員 相当大きい声で……。
○中澤証人 そうです。もう入られたらこれは最後だと思いまして、飛び込むとすぐに、上り線が断線したので、上り線側に入れてもらつては困る、頼む、とこう力を入れて言いましたら、上りがだめなら下り線はどうかと向うでも力を入れてこう聞きましたから、私は、下り線に入れる分にはさしつかえない、こう言つたのに対して、信号所の方は、そうかとまた向うも力を入れたのであります。ですから私としては十分納得ができた、こう思いまして、話を一応打切つたのであります。
○田渕委員 それは、そのときの様子とすれば相当熱心に言われたことと思いますが、信号手はそのときにいすに腰かけておったのですか。立つておりましたか。
○中澤証人 一人の専任の信号手は立つておりました。一人の信号手の方は、あまりはっきりはしませんが、腰かけていたように思われます。
​続く

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○福田(喜)委員 証人に一、二点お伺いいたしますが、五号柱と信号所までどのくらい距離がありますか。
○中澤証人 三十五メートルくらいじやないかと思います。
○福田(喜)委員 あなたが信号所に飛び込みまして、えらいことになる、上り線に電車を入れてはだめだと言われたのですが、そのとき信号所におきまして――われわれしろうとですからよくわかりまんけれども、信号所はスイツチ一つで、信号所自身で上り線に入れないような措置ができるのですか。

○福田(喜)委員 それを怠つたわけですね。
○中澤証人 怠つたか怠らないか、私にはわかりません。
○福田(喜)委員 あなたがそういうことを言つたのは、電車が来る……。
○中澤証人 全然見えないときです。
○福田(喜)委員 それから第二点は、あの騒ぎの最中に助役があなたを呼びに来たと言いましたね。
○中澤証人 はい。
○福田(喜)委員 それは電車に火がついてどんどん燃え出してからですか。
○中澤証人 そうです。
○福田(喜)委員 発火してからどのくらいたって……。
○中澤証人 発火して、時間でどうもはっきり私もどれくらいという時間の予測が立ちませんが、助役さんが来てくれというときには、相当時間がたつたと思います。
○福田(喜)委員 助役ははたして自分で呼んだのですか、だれかに呼ばせたのですかわかりませんか。
○中澤証人 それはどうかわかりませんが、信号手が、さつきから見つけていたが、助役さんが用事があるから早く行ってくれ、こう、いました。
○福田(喜)委員 助役がそのときにあなたに言つたのは、現場で何か事故を起した、だから火事を鎮火さすとか、あるいは応急措置を講ずることを命じたのですか。
○中澤証人 いやそうではないと思います。
○福田(喜)委員 どういうことを言つたのですか。
○中澤証人 その事故の原因を、大体どういうことで事故が起ったかということを、助役さんは聞いたのではないかと思います。
○福田(喜)委員 事故の原因を聞いただけで、応急措置を講ずることを何ら指令はしなかつたわけですか。
○中澤証人 何にも指令はありません。
○田渕委員 架線が落ちて、これはえらいことをしたと思つてあなたが信号所に行かれたときに、今から考えてみると、もう少しきつく、えらいことになった、すぐ電車をとめる信号を出せと言つたら、信号手はやつたのではないですか、どうでしよう。
○中澤証人 私が一旦現場はみな頼むと言つた意味は、私のいないときには、副長というものが全部私のかわりに責任を持って、架線の方も見てくれる、また電車が来たらとめてくれる、こういうふうにやってくれるものと思つて、私は現場を頼むと言って行つたのであります。
○田渕委員 ところが信号手が――もちろんあとで知らなかつたと隠すことはよくわかるのですけれども、この場合にあなたが、自分の権限あるいは職場を越すかもわからないけれども、とにかく自分が架線の方をやっているので、その架線が切れた、電車がえらいことになる、だから何としてもここで電車をとめなければならぬのだからというわけで、信号手におとなしい態度で、えらいことをした、ちょっと電車をとめてくれ、こう言うのと、たいへんなことだ、すぐこれをやらなければ大事が起るというようにきつく言うのと、信号手の受ける感じが非常に違うと思うのですが、それはどうでしようか。
○中澤証人 私の力を入れたところは、一旦現場を頼む、とこう言って行つたのであります。
○田渕委員 それはあなたの部下に言つたことで、高原信号手にあなたが言つたときに、あなたが、えらいことをした、とめてくれ、こう言うのと、たいへんなことになってしまった、こう言って叱責するようにきつく言うのと、そこの違いですが……。
○中澤証人 信号手ですか。
○田渕委員 ええ、きつくばばつとすぐにも信号に手をかけるくらいに……。
○中澤証人 それはやはり飛び込んだときに、私は一番先にそれを強く言つたのであります。
○田渕委員 相当大きい声で……。
○中澤証人 そうです。もう入られたらこれは最後だと思いまして、飛び込むとすぐに、上り線が断線したので、上り線側に入れてもらつては困る、頼む、とこう力を入れて言いましたら、上りがだめなら下り線はどうかと向うでも力を入れてこう聞きましたから、私は、下り線に入れる分にはさしつかえない、こう言つたのに対して、信号所の方は、そうかとまた向うも力を入れたのであります。ですから私としては十分納得ができた、こう思いまして、話を一応打切つたのであります。
○田渕委員 それは、そのときの様子とすれば相当熱心に言われたことと思いますが、信号手はそのときにいすに腰かけておったのですか。立つておりましたか。
○中澤証人 一人の専任の信号手は立つておりました。一人の信号手の方は、あまりはっきりはしませんが、腰かけていたように思われます。





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最終更新日  2022.10.04 00:25:23
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