全2件 (2件中 1-2件目)
1
…もう20年以上も経っているのに今でもその声ははっきりと脳裏に焼き付いています…その頃僕は、池袋駅から歩いて5分位にあるマンションで一人暮らしをしていました。たまたま近所に、モデルをやっている仲良しのA美も一人暮らしをしていて、よく遊んでいました。そんなある夏の日...深夜までA美のマンションで飲んでいましたがいつの間にか眠ってしまっていて、目が覚めた時には、朝の8時を廻っていました。「悪ぃ悪ぃ…いつの間にか寝ちゃった」とりあえず、自分のマンションに帰ろうと思い、ソファーから起き上がり、身支度をしました。その日は仕事が入っている訳でもなく特に急いで帰る必要もなかったのですが何故かそんな行動を取っていたのです。「あー…気を付けてネ…」ベッドの中で気怠そうにしているA美の声を聞きながら、部屋のドアを閉めました。A美のマンションから、自宅まで歩いて10分です。半分寝ぼけなから、ダラダラと歩いていきます。サンシャイン60近くの、頭上に川越街道と首都高が通っている某交差点で信号待ちになりました。アクビをしながら、歩行者用信号が青になるのを待ちます。ぼんやり前方を見ていると、僕と同じように信号待ちをしているサラリーマンが2~3人、OLが1人、自転車のオヤジが1人、小学生が1人いました。青になったら、みんなこちらに渡って来ます。まぁ、日常の何気ない光景ですので、全くもって何も気になりません。信号が青になり、対岸の人たちが渡って来ました。僕もボーッと渡り始めたのですが、何かがおかしい事に気付きました。自転車のオヤジが、小学生をすり抜けたのです。小学生の横を…ではなくて、小学生の中を、誰もいないかのようにすり抜けて行ったのです。「...えっ?」ビックリして交差点の真ん中で立ち止まった僕にその小学生が近づいてきました。そして僕の横でピタリと立ち止まり、僕の顔を見上げ、こう言ったのです。「…お兄さんにはボクが見えるんだね…」そう一言つぶやいて、消えてしまったのです。きっとあの子は今でもあの交差点の横断歩道を人知れず渡っていると思います。
2011/10/28
コメント(4)
…その奇妙な体験をしたのは、ある夏の夜でした。その日はとても蒸し暑く、夜中になっても一向に涼しくならず、少しの風さえもない、よくよく考えると、気味の悪い日だった事を覚えています。当時、バンド活動をしていた高校2年生の僕は、とあるオーディションで合格し、これからプロとしての道を歩むべく、かなり気合いを入れて、精力的に活動していた時期でした。3週間後に控えた大きなイベントに、出演が決定しており、そのイベントに向けて、連日、練習や打ち合せを行なっていました。それ故、深夜に帰宅する事が殆どでしたが、学業と芸能活動を上手く両立させる事で、充実感に浸っていました。その日も打ち合せが長引いて、深夜2時過ぎに帰宅しました。毎日そういう状況が続いていましたから、かなり疲れも蓄まっていたと思います。いつもなら暫くダラダラと無駄な時間を過ごしてから、ゆっくりとお風呂に入るのに、今日だけはいつものペースでダラダラ過ごすと、そのまま寝てしまう恐れがあったので、真っ先にお風呂に入ろうと決め、リビングに荷物を置いて、そのまま風呂場の入り口の前に行きました。ドアを開けると、脱衣所の電気が点いているのに気付き、 誰か消し忘れたな‥。と思いながら、そのまま脱衣所に入りました。お風呂自体はこの脱衣所にあるサッシを隔てた向こうにあります。もちろん風呂場の電気も点いていました。しかし、そんな事はよくある事なので、当然気にする事もなく、さっさと入ろうと思い、服を脱ぎかけた時、突然、サッシの向こうにある湯槽から、手桶でお湯を汲む音がしたのです。 ‥カポッ‥‥ザザーッ‥。誰もいないと思っていた僕は、少しびっくりしたのですが、すぐに あれ?誰か入ってるの?と尋ねました。しかし、風呂場からは、お湯を汲んで身体に掛け流す音しか聞こえず、返事がありません。家族は僕を入れて4人なのですが、その中でこの時間帯に風呂に入る可能性がある人は、どう考えても高校1年の弟しかいません。確信した僕は当然のように弟の名前を呼びました。 ○○○か? ‥オォ‥。 いつもより低めの声で返事がありました。 なぁーんだ!早く言えよ! 次、オレが入るから、早くしてくれよ! ‥オォ‥。返事が返ってきたので、脱衣所を出て、リビングに戻り、ソファーでゴロゴロと横になりながら、テレビを見ていました。テレビの音に紛れて、お湯を掛け流す音が聞こえます。連日の寝不足が効いていたのでしょう。そのうちにそのままウトウトと眠ってしまったのです。ハッと気が付いて起きた時はもう既に、時計は午前4時を指すところでした。 ‥ヤベッ!2時間近くも寝てしまった‥。テレビは放送も終了し、砂の嵐です。寝呆けながら少しボーッとしていたのですが、ふと気が付くと、その、ザァーーー‥というテレビの音に紛れて、手桶でお湯を掛け流す音がまだ続いているではありませんか。 ‥あ、あいつ!まだ入ってやがる!2時間も入っている弟に怒りを顕にした僕は、眠いのも忘れて風呂場に駆け寄りました。 おい!何時間入ってりゃ気が済むんだよ!と怒鳴りながらドアを開け、サッシを勢い良く開けました。‥誰もいないのです。僕はすぐに状況が把握出来ず、2~3秒茫然としていましたが、すぐに我に返り、慌ててサッシを閉めました。そして、脱衣所から逃げるようにして、廊下に出ようとドアノブに手を掛けたその時です。誰もいなかった風呂場から、カタンと手桶を持ち上げるような音がし、またお湯を汲んだのです。 ‥カポッ‥‥ザザーッ‥。いい知れぬ恐怖に怯えながら、慌てて廊下に出て、ドアを閉め、リビングに戻りました。ソファーに座り、気持ちを落ち着かせようと、冷蔵庫の麦茶を飲んだところで、今起こっている事実を、頭の中で整理し始めました。少し落ち着きを取り戻したところで、重要な事を思い出したのです。 …弟は3日前から、友達と泊まりで遊びに行っていて、明後日帰ってくるという事を。桶は脱衣所の一角に置く所があって、 使う人が出して使用後は元に戻すルールに なっています。先程、脱衣所に行った時も、確かにいつもの場所に伏せて置いてありました。それに、浴槽にお湯は張ってありますが、シャワーがありますので、そのお湯を使って身体を流す事はしないはずです。でもそれ以前に、浴槽にはフタがしてあるのです。‥手桶に似た音‥? ‥瞬間に風呂のフタを外して、また元に戻した?何かに結び付けようと考えても、納得のいく説明がつかないのです。一瞬にして鳥肌が立ったその時、また聞こえてきたのです。 手桶でお湯を掛け流す音。 ‥カポッ‥‥ザザーッ‥。
2007/02/01
コメント(1)
全2件 (2件中 1-2件目)
1

![]()
