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2006/07/12
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カテゴリ: 本のレビュー

天使と悪魔(上)

『天使と悪魔』(上・中・下)ダン・ブラウン 角川文庫

最近巷で話題の、本屋でババンと平置きされている『天使と悪魔』。
『ダ・ヴィンチ・コード』の前作が文庫化ということで、私も電車での暇つぶしにと上巻を購入しました。
そして、上巻を読み終えて、 とても後悔 したのです。

「なんで、三冊いっぺんに買わなかったんだ!」 (笑)

続きが気になって気になって、次に本屋行くまで大変でしたよ。
冒頭の、「猟奇的な死体」「秘密組織」「暗殺者」「被害者の親族と調査にいく」といった要素がダ・ヴィンチ・コードと全く同じだったので、「えぇ?」とも思ったのですが、読み進めたら全く問題なしでした。
17世紀から18世紀にかけ、カトリックの総本山バチカンから迫害を受けた科学者たちは、闇に潜伏し、秘密組織「イルミナティ」を名乗って報復の時を待っていた。

彼らは20世紀になって姿を消したと考えられていたが、スイスの科学研究所セルンで、一人の研究者が殺害される。
死体の胸には、滅んだはずの「イルミナティ」の焼き印が押されていた・・・。

というのが、冒頭のストーリー。
今回のテーマは、科学と宗教の対立。
イルミナティはセルンから奪った○○(とても危険)で、教皇選挙が行われているバチカンに報復を企んでいたのです。
セルンの応援に呼ばれたラングドン教授は、象徴学とイルミナティへの知識で、暗殺者を追うのですが。。。
ローマ中を駆け巡り、彫刻やガリレオの書物から道しるべを探しつつ、イルミナティを追う過程は、二転三転して息つく暇もありません。
しかも、24時間で爆発してしまう(こらえ性のない)○○を発見し、組織に捕まってしまった枢機卿たちも助け出さねばならない、ダ・ヴィンチ以上に緊迫した展開。
古代の信仰からイルミナティに受け継がれ、現代の社会にも痕跡を残している「象徴」のうんちくも面白く・・・
ラストでは、現代での宗教の意義を問いかけるような物語になっています。
終盤、大変などんでん返しがあるわけですが・・・この辺りは、ダ・ヴィンチより無理なく、読者の期待を裏切らないものでした。
「イルミナティ」というと、いかにも怪しい陰謀説なイメージで、モナリザに比べるとキャッチーさは劣るでしょうが、物語全体の質としては、こちらの方が優れている印象です。
(『ダ・ヴィンチ』の場合、一部のやや強引な解釈を作者が援用しているため、引っかかりを感じる読者も少なくないはずですが、『天使と悪魔』は作者がうまくフィクションを混ぜているので、「そういう世界」として楽しめるのだと思います。)
文庫版の解説も、適度に読者を現実に引き戻してくれる内容で好印象でした。

個人的には、イルミナティの創設者ヴァイスハウプトが(大学の法学部長さんらしい)、まさにレティシアの時代、隣国バイエルンの人なので、妙にドキドキしました。当初のイルミナティは単なる知識人の集まりで、"怪しい秘密集団”ではないようです。会員である知識層、政治家、貴族たちはフリーメイソンと掛け持ちしてる場合もあり、革命時のジャコバン党員にメイソンの会員は多かったそうで・・・グストーなんて、どこかで繋がりがあっても不思議じゃないですね、まったく。^ ^;







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Last updated  2006/07/13 06:21:53 AM
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