活き活きPC&園芸三昧

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May 6, 2020
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カテゴリ: 天文


  先にAptina社製(現在、ON Semiconductor社)の1/3インチのAR0130センサーを使った電子極軸望遠鏡の製作を話題に挙げました。その後、解像度が上位のAptina社製のMI5100センサーを使ったUSB3.0のCMOSセンサーを使ったCMOSカメラの作製を予定していますとの記事も記載しました。


                USB3.0センサーモジュール【 写真クリックで拡大します

  このUSB3.0のCMOSセンサーモジュールはAliExpressより一度入手してカメラ製作をトライしました。しかし、このモジュールのM12レンズブラケットのネジ間隔は、これまでの20㎜ではなく、18㎜でした。それを知らないままネジ止めをしようとしたら、回路に傷が入り機能不全になってしましました。

  コロナのお蔭で中国からの納期が大幅に遅れ、やっと2度目のUSB3.0センサーモジュールが入手できましたので、計画通りカメラを作製し、月面を撮影してみました。

  今回は、M12レンズホルダーブラケットのネジ穴間隔がモジュールによって異なるがわかっていましたので、ブラケットを交換しない方法で作製しました。それは、M12→C/CS変換リングを使う方法です。この変換リングはAmazonより入手できます。



                    M12→C/CS変換リング


  USB3.0CMOSモジュールをケースに4カ所ネジ止めします。ネジ止めの前に、ケース上部をネジ止めする際に基板の角がネジ穴に干渉するため基板の4か所の角をカットしておきます。

                 モジュールをケース下部にネジ止め


  ケース上部にM12レンズホールダーブラケットが通る穴を開けます。USB3.0端子も通すようにしておきます。

                    ケース上部の準備


  このケース上部をモジュールをネジ止めしたケース下部と合体させ、ネジ止めします。

                   ケースを取り付けたモジュール


  M12ネジ穴にM12→C/CS変換リングをねじ込みます。リングには高さ調節をするナットが付いていますが、それを外します。ネジの加工精度が悪く、なかなか垂直にネジが入らないので慎重にねじ込んでいきます。


                  完成したCマウントCMOSカメラ


  ガイドカメラに取り付け、合焦することも確認できました。

                    ガイド鏡に取り付けたUSB3.0カメラ


  このUSB3.0カメラのCMOSセンサーは、以下の性能を持つとされています。

  ・センサー: Aptina MI5100
  ・センサーサイズ:1/2.5インチ
  ・ピクセルサイズ:2.2μm
  ・ピクセル数:2,560 × 1,920 pixel


  一方、前回作製したAptina AR0130センサーカメラの性能は、

  ・センサー: Aptina AR0130
  ・センサーサイズ:1/3インチ
  ・ピクセルサイズ:3.75μm
  ・ピクセル数:1,280 × 960 pixel


  そして作製したCMOSカメラの性能を確かめるために月面撮影を行ってみました。比較として、Zwo ASI294MC と、Zwo ASI224MC にも登場してもらいました。


  撮影実施日は、2020年5月2日、上弦の月の翌日でした。共通の条件は、以下の通りです。

    鏡筒:SkyWatcher MAK127 (口径:127mm、焦点距離:1,500mm)
    マウント:AZ-GTi (赤道儀モード、月追尾モード)
    撮影:SharpCap 2.9  動画 200 frames
    スタック(70%):AutoStakkert! 3.0  Wavelet:RegiStax 6


【Zwo ASI294MC】

                 Zwo ASI294MCによる月面撮影



【Zwo ASI224MC】

                 Zwo ASI224MCによる月面撮影(1)


                  Zwo ASI224MCによる月面撮影(2)



【USB3.0カメラ Aptina MI5100】

                USB3.0カメラ Aptina MI5100による月面撮影(1)


                USB3.0カメラ Aptina MI5100による月面撮影(2)


【Aptina AR0130センサーカメラ】

                Aptina AR0130センサーカメラによる月面撮影



  以上、4種類のCMOSカメラの月面撮影像を示しました。評価は、

 1.自作CMOSカメラの解像度は極度に低く、実用に耐えない。
 2.CMOSカメラの性能は、センサーの性能以上にドライバーの性能が効いている。


  市販のCMOSカメラは、ドライバーで最適化されておりセンサー性能がフルに発揮されているが、自作CMOSカメラは簡単なドライバーによる稼働が強いられており解像度が非常に悪い結果となりました。モニター眼視による評価では、自作カメラも市販品と同様な像を結ぶことが出来るので、ガイドや極軸やファインダー用のカメラとしての用途には使えるものと考えられます。








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Last updated  May 9, 2020 09:33:33 AM
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