ところで、アンとナンシー姉妹は1990年代にハートとは別のプロジェクトでの活動も行なった。ラヴモンガーズ(Lovemongers、ちなみに定冠詞Theがついた表記とそうでない表記の両方がある)なるアコースティック・ユニットでの活動である。このラヴモンガーズはもともとライヴイベント出演のために始まったグループのようだけれど、1992年の4曲入りミニアルバム『バトル・オブ・エヴァーモア(Battle of Evermore)』や1997年のフルアルバム『ウィアリーギグ(Whirlygig)』などをリリースした。
このラヴモンガーズ名義のカヴァー・ライヴ・ヴァージョン「バトル・オブ・エヴァーモア」こそが、ツェッペリンのアコースティックな側面の継承を示す典型だと思う。上記のミニアルバムにももちろん収録されているが、1997年に出たオムニバス盤『ブリッジ・スクール・コンサート・ライブ(The Bridge School Concerts Vol. One)』にも収録されている(問題の曲は同じくライヴではあるが、ヴァージョン違いのよう)。この『ブリッジ・スクール・~』は大物アーティストのレアなライヴ音源が多く詰まっているので、個人的にはこちらのアルバムで他の曲も楽しむのがいいと思う。