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少し大げさだけれどこの若葉に、私は今までに2度救われたと思っている。
1度目は仙台に転居してすぐの頃。夫以外にこの街に知り合いはいなかった。仕事をしていなくて子供もいなければ、友達はすぐにはできない。そんな時この5月の若葉の美しさは私の心をずいぶん癒してくれた。
2度目は年子で二人目を出産した後。その頃の私はいつもいらいらしていた。些細なことで上の子を叱ってはよくそのことを後悔し、自己嫌悪に陥っていた。夫は忙しくどちらの親にもそれぞれ事情があって、誰にも頼ることができなかった。
学生時代の同級生は仕事をしてどんどんキャリアを積んでいく。そんな話を聞くと無性に寂しくなった。「おむつとミルクだけの生活がいつまで続くんだろう」と取り残されていくような気持になった。2人の子どもが順番で病気になったりするとさらに辛かった。今思うと育児ノイローゼの一歩手前だったのかもしれない。
その時も並木道の若葉はその明るさで、下を向きがちな私に上を向かせた。ふと若葉を見上げた時に「こんな美しい自然に囲まれているんだ」ということに、はたと気付いたのだ。子育てをしている間、それが見えていなかった。
その時思った。「過ぎたことを後悔するのは止めよう。先のことを心配するのも止めよう。今、目の前にこんなに美しい世界があるのだから、それをちゃんと見よう」と。大切なのは"今"なんだと気付かせてくれた。
今年、ケヤキ並木もイチョウ並木もちゃんといつもと同じように若葉をつけた。