キャリア警察官出身の鮫島警部が所轄署の刑事になっていて
そんなことは異例だから、警察内部機構の矛盾をついて
いろいろぶつかりながら、事件を解決していくストーリーがおもしろい
この作品で直木賞を受賞というより
これまでのシリーズ全体に受賞という感じ
ま、その後の10巻に及ぶ作品群もおもしろいらしいから
(夫が先に全巻読んでの感想で)
大沢氏、このシリーズ作品が大力作というわけである
作品の手に汗握る事件を追うのも楽しいが
やはり展開の中にはさまれるフレーズにハッとする
それが作家の妙味
たとえば次のような、鮫島(主人公の刑事)が
新しいバンドでプロのボーカルになっている恋人、晶に
「なぜ前のバンドチームが壊れたのか」って聞く会話場面
それに答える晶
「よくある奴。みんなプロをめざしてたんだけど、
それはとりあえずのプロって奴で、なってからのこと何も考えてなかった。
で、プロの口がちょっとかかったとたんに、バラバラなこといいだした。
要はバンドがプロになることよりも、ひとりひとりがプロになることしか思ってなかったんだ、
でも、向こうはさ、最初はバンドとして見てるじゃない。全体でどうかって、具合で。
だけど、口がかかると浮き足立っちゃって、自分から別のレコード会社へ、
ソロ売りこみいったり、へんにプロダクションに相談したり、
足並みがてんでばらばらになっちゃった。それで一同、話し合ったら、
結局、プロになってからやろうと思ってることが、全員まるでちがうってことがわかってさ」
「なんだかもったいないような話だな」
「それでもとりあえずやってみようかってときもある。
プロになって、バンドとして何年かは我慢しようかって、
でも、そんときのメンバーは皆、我慢できる連中じゃなかった」
バンド組むのもグループで歌うのも同様のわけがあり
「なるほどなー」と思って読んでいた次第
この作品は1994年が初版
すこしも古びていない、というか
集団があれば、結束もあり離散もあるってこと
よみがえり 2023年12月21日
こういうエンタメが好き 2023年12月19日
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