やっぱり読書  おいのこぶみ

やっぱり読書 おいのこぶみ

2021年06月19日
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カテゴリ: 名作の散歩道
副題「心に残るロングセラー名作10話」という絵本です。
「泣いた赤おに」「むく鳥のゆめ」「りゅうの目のなみだ」「ますとおじいさん」「花びらのたび」「ある島のきつね」「よぶこどり」「子ざるのかげぼうし」「光の星」「たぬきのちょうちん」

実は小学低学年のころに読んで、ながく忘れられないひろすけ童話「花びらのたび」のことはずっと前にアップしました。
ふと思い出してそのブログを読み返してみると、ものがたりをうろ覚えで書いているので本物はどうなんだっけと、またぞろ気になって正式に読んだというわけです。

2006年4月1日の​ ブログ ​は
花びらが散っている季節に感傷的に思い出したんですかねえ
こんな風です。

さくらが散ってます。
地面には花びらの山ができてます。

早朝。
ひとひらの花びらは川の中へ飛んでいきました。
川の流れに身をまかせ、流れ流されて旅をしました。

黄色一面の菜の花が「こんにちわ」「こんにちわ」
小鳥が空で歌い「どこいくのー」

昼どき。
野原で牛がのんびり「モーゥ」
子供が鏡で「ピカリ、キラリ」

夕ぐれ。
海が近づきごうごうと音が。
青ざめた花びらは「あ、」と一声、沈んでいきました。



小学校も低学年に読んだ童話。手元に本がないのでかなり創作したが。

最後のところで子供心に死をイメージしましたね。
印象深いさくらの花びらのイメージです。

日本のアンデルセンといわれた浜田廣介(ひろすけ)。他にも童話がある。いまでも読まれているのだろうか。

ストーリーはもうすこし複雑でしたわよ!

花びらがもう河口近くに流れ着いて、ながく川のたびをしてきたものがたりを
河口付近の小魚に語るというしかけだったのです。

わたしが子供心に「ピカッ」と光ったところの強烈な印象だったものは
童話の中では
花びらがまだ木にいるときにうつらうつらしていて、
農作業の人が担いでくる鍬の刃がお日様にピカリと光ったのを見たのでありました。

また、花びらは川に散って、すぐに落ちたのではなく
舞散って、蝶のようだと嬉しくひらひらしているうちに
すずめにくわえられて、川まではこばれたのだと。

そんな風にものがたりは変化に富んでいました。
ま、子供の記憶なんてそんなものですね。
でも、最後、強い印象を与える大団円には違いありませんでした。

赤い太陽が、海のはてに、もえていました。海も、まぶしくもえているかとおもわれました。けれども、どれが海か、空か、花びらは、見わけることができませんでした。ただぼんやりと、ひろいところに出たことだけわかりました。そうして、そのまま、花びらは、目をとじたのであります。(84ページ)

*****

ところで
わたしが前にブログをアップしたのが 2006年4月1日
この絵本の初版発行が 2006年7月1日

と言っていたわたくし、そのころ全くきがつきません、知りませんでした。
次に読んでアップする
ハルキ文庫『浜田廣介童話集』も初版発行日は 2006年11月8日
こんな偶然ってあるかしらん!!










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最終更新日  2021年06月19日 14時22分51秒
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Re:『浜田広介童話集』鬼塚りつ子編集(06/19)  
alex99  さん
童話という文学世界もありましたね

浜田広介
読んだはずですが、覚えていません

坪田譲治
読んだことはよく覚えているのですが
内容は覚えていません(オイオイ)

ところが

小川未明の作品は大好きで
鮮烈な印象を受け、内容をよく覚えています

レトロで国籍不明なエキゾティックな情緒がある
色彩感もすごいと思います

小川未明の童話は
童話といい条
大人向けのメルヘンだと思います

『赤い蝋燭と人魚』(1921年)
『月夜と眼鏡』(1922年)
『野薔薇』(1922年)

このうち、『月夜と眼鏡』は、あまりよく覚えていなかったので
さきほど、青空文庫で読みなおしました

(2021年06月19日 10時45分56秒)

Re[1]:『浜田広介童話集』鬼塚りつ子編集(06/19)  
ばあチャル  さん
alex99さんへ

そうそう、あのころもいいのがたくさんありました
坪田譲治、小川未明も
紙が粗雑なわら半紙みたいなざら紙で、印刷もかすれ薄れてましたね
でも、色もほとんどついてなくても、頭の中では総カラー天然色 笑

母方祖母が母の子供の時に買ってあげてた「小学全集」というの
戦前だから豪華な子供の全集をたくさん、仕舞ってあったらしく
それを戦後すぐに送ってくれた時には

「なんて、いい紙、きれいな印刷!」
と感激し、読みふけって、子供ながらに至福の時間を過ごしたものでした

ほんとに!
小川未明は青春時代にも文庫本で愛したと記憶しております
(2021年06月19日 14時06分05秒)

Re:『浜田広介童話集』鬼塚りつ子編集(06/19)  
alex99  さん
ばあチャルさんへ

そうでしたね

戦後の本・雑誌は
紙が非常に粗悪で薄かった
色も茶色っぽっくて

それに比較すれば
私の場合も母が持っていた戦前の本は
時代を考えれば結構豪華本的(笑)
アール・デコ、アール・ヌーヴォ風の装飾もされていて




(2021年06月20日 11時35分17秒)

Re[1]:『浜田広介童話集』鬼塚りつ子編集(06/19)  
ばあチャル  さん
alex99さんへ

ふふ、思い出しました
この話題、前にもしましたね

でも何度、繰り返しても
今思えば
懐かしく宝石のような子供時代でもありますから、、
(2021年06月20日 12時16分05秒)

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