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2006.08.05
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テーマ: たわごと(27607)
カテゴリ: カテゴリ未分類
4日目にして復活、のはずが体が重い。えーっ、こんなことあったっけ、というくらいどんどんどんっと気持ちが沈んで体を持ち上げることができない。そのうち気がつくとまたウトウトとしてしまう。あと一日でもこんな調子だと、自分を憐れんで愛してしまいそうでこわくなる。

きのうになって、久しぶりにフルタイムで働いてみる。自分を褒めてあげたい。いいこいいこ。これはいいぞと復活の手応えを感じていたら、肩が痛い。翼が思うように広げられない。そのうちあっという間に翼をまっすぐに伸ばすことさえできなくなった。
ひゃあ、なんだか満身創痍じゃん、かっこいい。中坊のかなみちゃんがこちらをのぞき込んで冷やかす。かなみちゃんは最近めっきり女らしくなったので、おじさんは落ち着かない。かなみちゃんは顔を傾けるとおじさんの瞳をじっとのぞき込む。そんなことをされると絶対にこちらから目をそらしてしまう。するとかなみちゃんは勝ち誇ったように、にやりと笑うのだ。おじさん、ほほがこけて不精ひげがセクシー。前よりかっこよくなった。抱かれてもいいよ。

かなみちゃんは認めたくないが美人である。なにが美人かわからないけれど、まあ10羽のカラスがいたとしたら、9羽がかなみちゃんを美人だと言うだろう。まず顔が小さい。足首がきゅっと締まっている。顔から下と足首から上はどのようになっているか残念ながらよくわからないけれど、羽根に覆われた体をひねったりすると、ときどき胸の筋肉がすっと盛り上がるのがわかる。鍛えられている。どきっとする。かなみちゃんはそういう自分の魅力をちゃんと知っているからやりにくい。

け、小便臭いガキがなに言ってやがる、とでも言い返したいところだが、こちらはそういうキャラじゃない。信じられない俊敏さでかなみちゃんのお尻をすっと撫でていく強者もいるけれど、そういうのでも、もちろんない。そう思うとなんだか悲しくて、ただただ足踏みするしかない。なんてたって、空を飛ぶことだっていまはできないのだから。

もともとはかなみちゃんのオヤジさんが友だちだった。だからかなみちゃんのことは、まだ羽根が生えそろわない頃から知っている。かなみちゃんのオヤジさんが到底信じられないような痛ましい事故で死んでからは、面倒だってみてきたのだ。そんなおじさんも昔だったらとうに寿命がきてるくらいに年老いた。いまは栄養状態がいいから生きてはいるけれど、先行きはそんなには長くないだろう。実際のところ、もうかなみちゃんにしてあげられることなんて、なにもないのだ。

かなみちゃんがこちらを見ている。おじさんはますます落ち着かない。だからなんなんだ、かなみちゃん、いまはおじさんをひとりにしておいてくれ。あのね、おじさん。かなみ、おじさんと結婚してもいいよ、ううん、そうしたいと思っている。(つづく)





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Last updated  2006.08.05 15:34:32
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★みゆきち★@ 性感エステってもったいないよね ムラムラってきたら性感エステに通ってた…
ウラガエル @ お久しぶりです。 suiさん どうされているのでしょう。 …
紫陽花ロック @ 鎧駅は 海に向かって断崖絶壁に駅のホームがあり…
ウラガエル @ そーですか? 育児・子育て きらりさん 「そーです…

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