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何年もアメリカに住んでいても、日本とアメリカとのちょっとした違いに戸惑うことがある。多くは、日本では常識であるはずがこちらでは通用しないといったところ。
最近だが、日本へ書類を送ることになった。日本では当然なのだが、用紙や書式、印鑑の位置までしっかりと指定されている。書き損じはするべきではないが、した場合には訂正印または実印を押して修正を立証する。
書き損じとか、用紙の状態とか、そういうところから既にあまり気にしない、というよりもいい加減でも通ってしまうことがあるアメリカに長く住んでいると、上のようなことでも苦痛に感じるようになってしまう。それが正直なところである。
今日の本題はそこではない。書類への記入、捺印以前の話である。A4という、こちらではついぞ見かけないサイズの紙で書類を作成しなければならない。しかもことは急を要していた。A版、B版はアメリカの標準的な 用紙規格 ではないのである。
ぶっきぃ:「A4の紙に印刷をしていただきたいのですが」
店員さん:「は? A・・・ナンですか???」
ぶっきぃ:「A4です。ヨーロッパ規格の用紙サイズです」
ここはヨーロッパ規格と言っておく方が分りやすいはず。A4は日本だけでなくヨーロッパでも標準規格のサイズである。
残念なことに、店員さんはA版という規格があることすら知らなかった。もちろんA4印刷なんてサービスの範疇にないそうだ。世界のキンコーズ・・・使えないやん。となるとどうすればいい?
捨てる神あれば拾う神あり - という言い方が妥当かどうか分らないが、たまたまキンコーズの店内にいたお客さんの1人がそっと教えてくれた。
「ヨーロッパ規格の用紙に印刷するの? それならメインストリートにあるケンダル・プレスがやってくれるわよ。」
さっそく調べて電話をかけてみたところ、
「A4の印刷できますよ。もし数枚だけの印刷でも、スタッフが請け負ってくれるのでおいでください。」 すごく感じが良くて親身になってくれた。
やっぱり、頼りになるのは大手フランチャイズではなく地域に根付いたスモールビジネスなんだよね。
仕事を終えてから、ケンダル・プレスへ行ってみることにした。場所はKendall/MITの駅からすぐ。ロングフェロー橋のすぐ手前にある大きなオフィスビルの1階だそうだ。
オフィスビルの受付でケンダル・プレスに行きたい、と言った。通されたのはコンクリートむき出しの社員通用口の奥の方。キンコーズやStaplesのような一般向けのコピー屋さんや印刷屋さんを想像していたぶっきぃはびっくり。
その奥の大きな空間にあったのは、整然と並べられた大きな印刷機や裁断機。どう見ても業務用専門の印刷業者さんの工場である。どうしよう。ここでまさか1枚や2枚の印刷を受けてもらえるはずがない。
あきらめて帰ろうと思ったら、工場長さんと熟練の技師さんが出て来られて、快くA4版の紙への印刷を引き受けてくださった。用紙は技師さん自ら裁断機で切りだしてくれて、(こちらの普通の印刷屋では期待できないくらい)ぴしっとキレイな仕上がりの書類を作ってくれた。たかだか2枚だが特注なのでそれなりに時間がかかったが、待ち時間は工場長さんが話相手になってくれた。支払いの段になったのだが、どうしてもお金は受け取ってくれなかった。
理由を聞いてみたところ、「どなたか知らないが、うちの客さんが紹介してくれた方だし、わざわざ探して訪ねてくれたから。」「何か業務用の印刷やデザインの引き合いがあった時、うちのことを考慮してくれればいいから。」という。
深くお礼を言って帰ってきた。人情篤いケンダル・プレスさんは、お仕事も丁寧。挨拶状やグリーティングカードから、ブルーマンショーのポスターまで各種印刷物を手がけているので、よかったら問い合わせしてみてください。
Kendall Press
info@kendall-press.com
Cambridge, MA O2142
Phone 617-354-2584
Fax 617-547-5415
A4の用紙に印刷してもらうのに、とんでもない時間とエネルギーをかけてしまったが、たまにこういう不便を経験するのが異文化生活の醍醐味なのかもしれないね。今回は骨折り損でなく骨折り得だった気がしたから、よしとしよう。
憎めないけれど、今日は憎かった彼 2016年05月21日 コメント(2)
An honest mistake- 悪気は無いから 2014年12月17日 コメント(2)
2セットずつ用意する 2014年12月06日 コメント(2)