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2009年10月31日
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カテゴリ: あき-autumn

この年になって、生まれて初めてお茶会に出た。きっかけは、友人から送られてきた「秋のお茶会」の案内リーフレット。「お仕事場などへよかったら貼りだしてください。」ということだったので、言われるままに職場の片隅へ貼りだしておいた。

茶道に 興味はあるけれど、何となく今まで接点が無かった。リーフレットに書いてある「濃茶席」「薄茶席」「立礼席」とは何か。多分こうなんじゃないかな、くらいの知識しかない。まぁ、誰も興味を持って質問なんかして来ないだろう、というのは非常に甘い考えだった。

同僚の1人が大いに興味を持った。初めはお茶の販売会を兼ねたティーパーティーだと思っていた彼だったが、ぶっきぃがなけなしの知識をかきあつめて説明を試みたところ、さらに興味を持った。彼はアジアの文化伝統一般に関心があり、しかもホンモノ志向。いい加減な説明は許してもらえない。飲食関係には殊にうるさい男である大笑い

もう、これ以上は私の浅薄な知識とゼロ経験値では対応できない。そこで、偉大な助っ人のお力を借りることにした。そう、 スカイテリア さん。メールで相談したところ、Wordのドキュメントファイルに写真を挿入した初心者向けの手引き書 類を作って送ってくれた。「鬼に金棒」「ぶっきぃにスカイテリアさん」-である。彼女の文章を読むだけで、知らなかった基本事項が表面化した。「濃茶」は「こいちゃ」と読む。今まで「のうちゃ」だと思い込んでいたお馬鹿なわたし。「立礼」は「りゅうれい」と読む。

スカイテリアさんとご家族のお茶の世界での偉大さについては、ご本人のブログから「 初釜 」 「 ザ・お茶事 」をご参照ください。ご本人了承ずみです。

「濃茶席」は格式の高い席で、「薄茶席」に比べて決まりごとが多く、お茶そのものも練ったペースト状の感じなので、初心者向けではない- これもスカイテリアさんが教えてくれたこと。

でも、何となく思った。せっかくなら濃茶席へ出てみたい。アメリカ人の同僚君に聞いてみたところ、彼も即答「濃茶席」がいいと言う。お互いに通な初心者である。残念ながら今回の濃茶席は既にチケット完売。人気の高さが伺える。そこで2人して「薄茶席」に初めて出ることになった。主催は 裏千家ボストン 。電話で問い合わせをして、初めてで無作法であることを正直に話してみたところ、「初めての方にこそ、お茶を楽しんでもらいたい。」と快く歓迎してくださった。敷居が高そうな裏千家の先生方に、こんな風に優しく対応していただけるなんて・・・とても心が温まった。

ちなみに、お茶会へ行く気満々の同僚君にはコチラの URL を転送しておいた。しっかり読み込んで更に行く気満々。当日は小粋なジャケット姿でお茶会を楽しんでいた。


抜けるような秋晴れの日曜日。ボストンは紅葉がピーク。空の青と紅葉のコントラストが何とも言えない。

「せっかくですから、お着物でいらしてはいかがですか。」- 特にドレスコードは無いお茶会とのことだったが、和装で出てみるのは良いかもしれない。色々悩んで、グレーの幾何学模様の渋めの着物に、秋色を醸し出せそうな帯と半襟を選んでみた。

kimono (102509).jpg

あらたまった席へ出るので、お太鼓を結ぶつもりだったのだが、時間が押していたので半幅帯を都結び風に締めた。そのまま運転して行ったり来たりしたので、ちょいと形がいびつなのはご愛嬌ということで。

途中でまさかの大渋滞に遭い、今まで出したことの無いような猛スピードでかっ飛んで行ったものの(しかも着物姿で)、席が始まる時間に少し遅れてしまった。失礼極まりないことなので、お茶席には出ない旨を受付で伝えたところ、「お薄茶の席ですから構いません」と、お茶席のやりとりのタイミングを見計らって案内してくださった。申し訳ないやらありがたいやら。

遅刻のお詫びを申し上げつつ、末席へ座った。お茶菓子が出された。さて困った。作法がわからない。ふと隣を見ると、大先生と思しき方が座していらっしゃる。そこで、「実は、これが生まれて初めてのお茶席です。このお茶菓子をどう取ってどう頂けばよいか教えていただけますか?」と伺うことにした。

和装で現れたぶっきぃが「茶道の経験が無い」と言ったので、茶室内にいた全員が密かに驚いたようだった。大先生はとても親切に、「左にあるお懐紙を1枚取って、その上にお菓子を取りおいて食べてください。」と教えてくださった。以後、この大先生は遅れてやってきたこの未熟者に、それとなく仕草や目線などで所作の指示を出してくださった。

大先生はアメリカ人。裏千家教授でいらっしゃる。「日本の方が、こうした日本の文化伝統をご存知無いことは珍しくありません。私も自分の祖先が生まれ育った国々について、日本のことほどよくは知りません。」 「今ここで、初めてのお茶を楽しまれて良かったですね。」お話をできるチャンスがあると、こうしてザックバランに声をかけてくださった。

このお茶会に出られたことで、ぶっきぃは本当の多くのことを学んだ気がする。ぶっきぃの率直な感想はこうである。

お茶- お客様をもてなすということの真髄

もてなす側はお茶を点てるだけではない。お客様のことを考えて茶室の飾りつけ、お茶のお道具、器、着物や帯にまで気を配る。その気の配り方が非常に深いのにさり気ない。そして、招かれる側はそのさり気ない気配りに敬意を表する。お茶が出ると飲むことに神経が集中しがちだが、お茶椀の手触りや柄、形などを愛でることを忘れてはいけない。自分では持てないような良い器に触れる良いチャンスかもしれない。

大先生が、着物と帯との関係についてコメントされたことが印象に残った。着物と帯。同じ色味やパターンのものを敢えて合わせず、寧ろ反対色やまったく違った柄行のものを選ぶ。ぶっきぃもそれは経験上知っているが、その深い意味までは考えたこともなかった。

「着物と帯。自分の中に必ず存在する相容れない、折り合わない2つの感情や思いを表している。1つに無理やり統一することでは得られない安堵感があり、不調和の中に微妙な調和が生まれる。」

ぶっきぃは、その通りだと思う。皆さんはどう思う?

han-eri.jpg
ぶっきぃは、半襟を使って秋の色味を出してみた。今回使ったのは一番右の半襟。長じゅばんの襟に縫い付けて使う。フォーマルでは絶対に白でなければならないけれど、カジュアルでドレスコード無しのお茶会なので遊び心をちょっとだけ襟に託してみた。もちろん、お茶を点ててお客様をお迎えする側の裏千家の皆さんは白い襟。皆さん、凛としていてとても美しかった~。

初めてのお茶会体験をブログにアップするにあたり、あまりにも色々な思いが駆け巡って、短くまとめるのは無理だった。長たらしい自己満足文章を読んでくださった皆さんありがとう。それくらい、貴重で学ぶこといっぱいの体験をしてきた幸せ者。

色々と相談に乗ってくださったスカイテリアさん、これからも指南役としてどうぞよろしく。今回初めて着付を褒めてくれたダーリン、快く「いいチャンスだから是非行って来い!!」と送り出してくれてありがとね。

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Last updated  2009年10月31日 21時56分21秒
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Re:初めてのお茶会(10/31)  
アルローラ  さん
事故しなくて良かったですね^^;;)
その恰好で病院に運びこまれたら、着物を切ってもいいか すごーく躊躇されることでしょう^^;;)

う~ん 濃いわぁ(@o@;)
今日のお話はとっても濃いですねー。
お茶に着物 まさに『日本』そのものじゃないですか。
しかも 現代人が知らない(><;;)

日本に暮らしてると ホント 日本の良さが分らなくなって、乱雑に取り扱ったり忘れてしまったりしがちなんですよね。
この前も 酒屋さんのご主人と話してたんですが、知り合いのフランス人の方が お寺の事もお酒の事も勉強してて日本の事が大好きなんだそうです。

着物と帯の深い意味合いや色あわせとか、お茶の心とか 本当に日本のいい所ですよねぇ。
ずーっとそれで生活していくのは難しいけど、ピリッとした部分で ちゃんと持っていたいですね。

(2009年10月31日 16時12分23秒)

はずかしながら  
ぼたん さん
ここ一年、私もお裏のお茶のけいこに通ってます。が、ぶっきいちゃんのほうがよっぽど知識はくわしいわー。
お隣のおうちでおけいこだから近くていいんよ。
先生は、元高校の国語の先生だから、お茶以外にもいろいろ習うんだけど、帯とお着物の話は知らなかったわ。勉強になったわー。
ダーリンのやさしさに心が温かくなったよーん。 (2009年11月01日 19時32分33秒)

Re[1]:初めてのお茶会(10/31)  
bukit bintang  さん
>>アルローラさん
>>その恰好で病院に運びこまれたら…
あ~、確かに! 今初めてそのことに気がついたかも 笑) 着物来て運転席へ収まるのってちょっとテクがいります。着崩れないように座る場所へ飛び乗る感じ、ジャンプ一発勝負です(想像して笑ってくださいね)。帯締めてると運転席の背もたれが窮屈だし、草履や下駄は滑りやすいからペダルとかしっかり踏んでないといけないし。もう随分馴れましたが、和装は運転向きとは言えません… 当たり前か?

>> 今日のお話はとっても濃いですねー。
薄めよう、薄めようとがんばったんです。でも、何かどれもこれも書きたくて…。スカイテリアさんに「2度に分けたら?」って言われたんだけど、お茶会そのものの写真は無いし…。

>> それで生活していくのは難しいけど、ピリッとした部分で ちゃんと持っていたいですね。
ホントにそう思いました。「茶の心」-いい言葉です。 (2009年11月01日 23時00分18秒)

Re:はずかしながら(10/31)  
bukit bintang  さん
>>ぼたんさん
>> お隣のおうちでおけいこだから近くていいんよ。
>>先生は、元高校の国語の先生だから、お茶以外にもいろいろ習うんだけど。
いいですね~。お茶を始められたんですね。
高校国語の先生(キラキラリ~ン!!)。そんな先生にお茶を習えたらいいな~。羨ましすぎです。

着物と帯のお話は目からウロコでした。
更に驚いたのは、一緒に出席した同僚君(和装の予備知識ゼロ)。「なぜ着物と帯が全然違う色柄なのか」-彼のファッションセンスからみて違和感を感じていたそうです。気がついていたんですね(恐るべし、わが同僚)。大先生の「着物と帯」のコメントに、彼はいたく感銘を受けたそうです。

>> ダーリンのやさしさに心が温かくなったよーん。
よく知らないんだけど、ダーリンはお茶の経験があるみたい。なので行くべし!と背中を押してくれたんです。「もう、これ以上習い事を増やすな」とは釘刺されましたがね 笑)。 (2009年11月01日 23時16分49秒)

茶の心・・・  
前お家元のモットーは・・・
『一椀からピースフルネスを』です。
この言葉でグーグルするとそこに含まれた深い、深い意味がわかります。
http://osaka.yomiuri.co.jp/university/ritsumei/ro70512b.htm

現お家元は私あまり存じ上げませんが、前お家元はこの言葉を掲げ、世界各国を廻っておられました。
それに母も何度が同行させていただき、ロシア、スリランカ、などでお茶のパフォーマンスをしてきました。

昔、お茶席は政治の話し合いの場だったりしましたが、今でもお茶を通して世界の平和を願っています。

良い経験をされたようですね!
(何故かお茶の話をするときは言葉が変わってしまうスカイです。。。)
日本国内にいると身近過ぎてなかなか経験できない事も、海外に出ると興味が出てきたりしますよね!?

電話でも申し上げましたが、小さい頃はお茶のお稽古がいやでしょうが無かったんですが、、、今になると母、祖父母に大感謝です。

着物もお茶の世界に入るとこれまた色んな決まりごとがあるんです。

仰るとおり!!お茶は「人をもてなす」「人を喜ばせる」でも押し付けがましくなく、、、花一輪、花入れ1つ、、、お抹茶の選択、、、などなどぱっと見ただけでは気づかない細かい眼に見えないところまで心を使う。。。
これが出来るようになったら本当の日本人なのでなのではないかと思います。
日本人の心 美しいです。

でも最近の日本、、、日本人、、、見ていて悲しいばかりです。「日本の美」を忘れないで欲しい!!と思いますがいかがでしょうか?

なんか濃い内容のブログだったもので、コメントまでちょっと濃くなってしまいました!
すみません・・・ (2009年11月02日 07時41分58秒)

一椀からの・・・  
bukit bintang  さん
>>スカイテリアさん
『一椀からピースフルネスを』
すばらしいコメントありがとうございます。
ぶっきぃはまだまだ何も分かってはおりませなんだ。


明日は朝早くから野暮用のため4時ごろ家を出なくては…。なのでお返事コメントは明日の晩ゆっくりお礼かたがた書かせてください。グッナイ! (2009年11月02日 11時57分12秒)

一椀からピースフルネスを  
bukit bintang  さん
>スカイテリアさん

http://osaka.yomiuri.co.jp/university/ritsumei/ro70512b.htm
さっそくリンクを辿って読みました。教えてくださってありがとう。日本史の受験用語として「暗記」するだけで通過してしまった大切なものを拾い集めることができた気がします。まだまだpiece-by-pieceで像を結ぶまでには至っていませんが、これからこれから。

千玄室先生が冒頭に言われているように、私自身も「お茶の席」というものに妙な先入観を持っていました。お茶を点ててくださる方々のパフォーマンス-というような一方向的な捉え方。だから余計にカチコチになる。ところがそうじゃなかった。「通い合う」ものがいっぱいあり、それこそピースフルな空間と時間を皆で共有する感じだったんです。

スカイテリアさんはよ~くご存知のはずですが、ぶっきぃは人前で「できません」とか「知りません」とかナカナカ言えない困った奴。それが、ナントいきなり「知らないので教えてください。」って、素直に言っている自分がそこにいて、それにもびっくり。ピースフルネスの精神のなせる技でしょうか。

『一椀からピースフルネスを』

本当にステキな言葉。ピースフルネスをお茶席という限られた空間・時間で伝えるためのご準備やお気遣いは想像もできないスケールの大変さがあるんだろうな-と、規模は分からないまでも敬意を持ってそう思います。



これからも、こういうお茶会があったら出てみようと思います。出るたびにきっとまた色々勉強になるんだろうな~ (2009年11月03日 08時36分24秒)

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