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温泉地のホテルといえば、大宴会場、露天風呂つきの大浴場、浴衣姿にスリッパがユニフォーム。そういうものなのだと思い込んでいた。
富士屋ホテル 。
明治24年(1891年)に建築された本館のフロントデスクの前に立ったとたんに、タイムスリップをしたような不思議な気持ちになった。明治の時代から時間が止まっているみたい。
チェックインを済ませ、案内係の方に館内の説明を受けながら客室へ。広々とした洋間。
部屋からの眺め
部屋のバスタブに温泉のお湯が引かれているので、自室で温泉を楽しむことができる。浴衣もスリッパももちろん置いてあるのだが、室内での使用に限定されている。
お風呂場は少し離れた花御殿の地下にあるのだが、10人入ったら満員になりそう。
花御殿(昭和11年・1936年建築)
初めに書いたような大型温泉ホテルの様子に慣れてしまっていたので、少々戸惑ったのが正直なところ。しかしそれはそれ。住めば都、郷に入らば郷に従え- である。
お風呂場は小ぢんまりしてはいるものの、他の泊り客の方と譲り合いながら気持ちよく温泉を楽しむことができた。皆さんとてもマナーが良い。こういうところ、見習いたいと思った。
ザ・フジヤ(2階部分)を外から眺める
夕食はホテル内のダイニングルーム、ザ・フジヤ(昭和5年・1930年建築)でフランス
料理のフルコース。よく磨かれた銀製のカトラリー。何十年も磨きながら使っているというピッチャーで注いでもらう水は何か特別な味がするような気がした。食器は 大倉陶園
のもので統一されている。それはさておき、ディナーは最高に美味しかった。
有形文化財・近代化産業遺産に認定されている建物がいくつもあり、長い廊下を行ったりきたりしながら館内めぐりをしていると、自分が明治や昭和初期の時代にいるように錯覚してしまう。
庭園もとても広い。よく手入れされた庭園や温室を見てまわり、国道を隔てたところにある別館菊華荘(明治28年・1895年建築)まで歩いてみたり。時間があっという間に過ぎた。
また来てみたい。アメリカの友人にも勧めてみたい。そんな場所と出会えた箱根の1泊旅行記。
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