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あり得ないようなご縁でカリブ海の離島に1週間滞在することになった。セントバーツ(St.Barth)で愛称されるこの島はフランスの直轄。フランス語読みするとセントバーテルミー(St.Bartheremy)になる。
St.Maarten プリンセスジュリアナ空港 は小さな島の空港とは思えない活気がある。
定刻にボストンを出発したJetBlueは予定通りセントマーテンに到着。かなり揺れる空の旅で到着時の天候は小雨だったが、まぁ雨だって降るだろうというくらいに思っていた。一応出発前に調べた週間天気予報は晴れマークばかりだったし。
ところが、知らぬ間にセントマーテン沖で熱帯低気圧が急発生していた。台風の国で生まれ育ったとはいえ、台風が発生する場所というのは初めて。無かったはずの台風が突然沸き起こって目の前にいるという状況を飲み込むのに時間がかかった。にわか雨と風が強くなり、セントバーツへ向かう船はいったん海へ出たもののとんでもない高波。船はセントマーテンに引き返すことになった。船内で「どうして行かないんだ!」「私なら船を進める」とか勝手なことを言っているフランス人が何人かいたが、こういう無責任な人たちとカリブ海で心中するのだけは勘弁してほしい。
さて困った。セントマーテンは通過するだけの予定だったから、つてが一切無い。しかも週末の夜。アメリカのエージェントに連絡の取りようもない。右も左も分からない上に暴風雨の夜、熱帯低気圧が接近中の未知の島で今夜の宿を探さなければならない。観光リゾートはよいとして正直あまり治安がベストな島ではなさそう。いまだかつてない危機である。
港に戻った船から降りて、ダーリンと手分けして荷物を確保、翌日の出航予定や連絡方法を船会社に確認。やはり最大の懸案は安全な避難先だった。港に一軒だけ観光客相手のレストランバーが店を開けていた。思い切ってそのバーにひとりで入りマネージャーらしき女性に「助けてください」とお願いしてみた。
「ノープロブレム。奥へいらっしゃい。」彼女は店の奥にある事務所へ通してくれて、お勧めできるホテルに電話をかけてくれた。ちなみにケータイはこの災害でつながらない。固定電話も途切れがちながら何とか機能していた。初めに連絡してみたホテルは大雨で浸水して客室が使えないとこのとだった。2つ目のホテルでやっと部屋を確保。オイスターベイの近くにある大型リゾートホテルだった。どれだけほっとしたか。このマネージャーさんが女神に見えた。お礼をしようとしたら「いらない」という。
他の人たちとタクシーを乗り合わせてそのリゾートへ避難。この熱帯低気圧はその後勢力を増してセントマーテンを直撃。土砂崩れ、倒木、停電。船も飛行機も出入りするはずはなく私たちはこのホテルで2晩過ごすことになった。自然災害に文句は言えないが、無事に最終目的地へ行けるのか不安な旅の始まりになってしまった。
避難滞在したリゾートホテルのプール
やけくそになって泳いでいる人もちらほら。我々はこの先のセントバーツ島に希望を託して… 部屋でゆっくりすることに。
2晩が過ぎてようやく空が明るくなり始めた。
St.Maartenのリゾートホテルのビーチを散歩
まだ少し波が高かったのだが、この日の夕方ようやくフェリーが出航することになった。相変わらず大揺れで乗り心地は最悪だったのだが、夜には目的地に到着。
セントマーテン島の人たちは大変明るく親切でありがたかった。だが、ひとつだけ難を言うなら超楽観的。外国人観光客に負のイメージを与えないようにしているのだとも思えるのだが、こういう災害時でも正確な情報が全く伝わって来ない。「大丈夫、もうピークは過ぎたから」。低気圧がまだ来ないうちからそういうコメントしか聞こえて来ない。
こういう事態を想定してはいなかったのだが、この旅行の前にスマートフォンにアップグレードしておいて本当に良かった。そしてセントマーテンに着いてすぐに電話会社との国際ローミングの面倒臭い手続きを済ませておいて良かった。後々電話がつながらなくなるなんて思いもしなかったのだが、先手先手を打っておいたが幸いだった。現地情報がアテにならないので、スマートフォンからインターネットで気象情報などを調べることができたのも随分助かった。同じようにiPad持参のフランス人家族がいて、お互いに情報交換をしながら天気が良くなるのを待った。
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