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或る瞬間を除いては愛の絶対性はあり得ない。次の瞬間には髪の毛の赤いのや白粉の 斑 (まだ) らが眼に着く。心のギャップが発見される。
2026年05月24日
若い独身者は至る処に青山を夢みるのは寧(むし)ろ当然だろう。中老インテリの徒で郷土に妻子を残して外遊したものは必ず尻が臭い。何等かの汚物が浸み附いて洗わんとしても洗い得ない人間苦が潜んでいる。売笑婦とか売春婦とかの職業婦人ならばサヨナラで問題はないが、相当良家の子女、それが処女であった場合、新歸朝者(しんきちょうしゃ) は幾多の辛い苦杯を仰がねばならぬ。国際インテリの愛欲は到る処に多い。
2026年05月23日
近代人は刺激の先鋭化を欲する。それが恋愛の上にもハッキリと響いている。今の女性は相当浮世の辛酸を 甞 (な) めた苦労人を 需 (もと) める。今の男性は生活苦に追われて、オモチャのような処女を忌(い)み嫌う傾向が生れている。つまり肉としては「最初の人」を要求するが、恋としては「最後の人」を掴みたいという心理作用だろう。
2026年05月23日
多くの異性を知るものは一人の異性を知らないものだ。真に一を理解するものは決してその他の多くを解さない。
2026年05月23日
恋に燃えた二人は万難を破って結婚した。そして半年を経た。一日相携えて郊外の春に散歩する。二人の眼は絶えず他の幸福を羨むが如く往来の若い男女に注がれる。本望を遂げたる悲劇は茲に第一幕を開いている。
2026年05月22日
姦通は全く醜い淫楽であっても、夫に対する一の復讐だと叫ばれる。と同じく畜妾は最も汚い淫楽であるのに、妻に対する一の報復だと称せられる。
2026年05月22日
性欲の自己満足を問えば百人中九十九人まで之を行う。最後の一人は唯(た)だ真実を答えざるのみと。聖者は常に嘘を吐くものなり。俗衆は淡き純一なり。人間総ての暗い罪悪は百人中の一人が独醒を装いて九十九人の共犯者を陥るに名づくるものなり。
2026年05月21日
男は浮気、女は移り気、これが現代だ。良人、情人、愛人、耳の恋、眼の恋、肚の恋、さてさて複雑な世の中だ。
2026年05月21日
途上若い女と立話した。そこを知人が通った。知人は必ず見て見ぬ振りをする。ハハア臭いなと思ったのだ。見られた男は何かの機会に必ず説明しようと努める。自ら潔白を広告したいのだ。
2026年05月21日
年増男女にして新しい変態の恋を得たる時は、何となく血色滑かに紅艶を放って見えるものだ。それは酒色に包まれた内行の「皮膚告白」だ。そして或る躓きに当面すれば忽(たちま)ち顔色は蒼ざめ来る。即ち罪の「血色自白」だ。
2026年05月20日
普通の信書は多く上部の封が切られる。恋人の手紙は妙に下部の封が切られる。それは口唇の香を長く失うまじとする熱情から湧く反映作用だ。ソッと便所に持って行って読むような手紙でないと真実に甲と乙とが結合していない。便所は人間の魂から魂への無電局だ。臭気を伝って流れる電波は骨にまで感徹するものだ。
2026年05月20日
「理想の女」など誰でも口には云うけれど、実際問題としてそんなものはあり得ないのがホントだ。理想と云うよりも「縁」だと或人は云った。げにや縁というものがあって初めて理想化されて行くのが男女の関係だろう。
2026年05月19日
或る僧堂の一雲水に「皮下に燃ゆる青春の血を如何にするや」と問うた。多くは「実験が無いから割に抑制される」と事もなげに答えた。そして遊郭に遊ぶ客の多くは妻子を持つ男である事実を挙げて「実験」の恐しさを語った。
2026年05月19日
結婚準備として情夫を造る「処女」が多く、蜜夫と情を結ぶ便宜法として結婚する「良妻」が少くない。
2026年05月18日
金づくにあらずと云う女は、助けて下さいと常に 強請 (ゆす) る女よりも、十倍以上に金を搾り取るものなり。不思議や男は前者に熱く後者に冷かなり。
2026年05月18日
脱線のみに警戒すれば内より漏電の災起る。油断のならぬ時節なり。而(しか)して人は生殖器を有する電車なり。
2026年05月17日
年若くして職業を失って自殺するものは左程に多くないが、恋人を失って 悶死 (もんし) するものは割合に多い。人の生命は食よりも性にあるか、否か。
2026年05月17日
思い切って焼餅をやき得られる程の強烈な異性が欲しいと思う日がある。
2026年05月16日
或場合、何人も色情狂たらざるもの無し。之が心理療法は唯(た)だ「老」の一字あるのみ。老いん哉、老ゆれば狂たらんと欲するも、狂たらしむべき敵手を失えばなり。窮したれども亦慰むべきかな。
2026年05月16日
今日、13時予約を入れ行きつけの理髪店で散髪をした。シャンプー、顔そり込みで4400円だった。
2026年05月15日
「女の瞳を見る男は負ける。女の鼻を見る男は勝つ」というが、また「男の口を視る女は負ける。男の眼を視る女は勝つ」という。その心理作用は説明の限りにあらず。
2026年05月15日
若い男と女が相対してニコッともしない真顔を見ると、却って一切が読み得られる。
2026年05月14日
女が見て美人と賞する女は男が見て左まで魅惑されない。女の仲間にチヤホヤ 囃 (はや) し立てられる男は男の中では 寧 (むし) ろ醜の部に属する男だ。皮肉なる男は女の顔よりも手足の美に惹かれる。遊郭の女は色の白いよりも歯の美しい男に魅せられるとか。
2026年05月14日
彼は絶えず自制し難き本能に悩み続けている。その枯淡 (こたん) な聖職に顧みて、その精力の余りに旺盛なのに人知れず泣き通している。而( しか) して、酒に隠れて自己陶酔に一切を忘れんと努める。而 (しか) も「酒魔」のために却って業火を煽 (あお) られる結果の皮肉を感じている。拜 ( おが ) まれる人は拜める人を怨み、中心に覚 (さ) めたる彼は世上 (せじょう ) の眠れる人を 羨 (うらや ) みつつある。今夕「一時の痺 (しび ) れ 」に浸って明朝更に呵責の重荷を苦しみ抜く。奈何 ( なん ) ともし難い。その矛盾性は唯(た) だ「時の裁き」に待つの外に解決の道なし。所詮人間は終に人間なるかな。
2026年05月13日
ドンナ醜い男女でも、髪の色、皮膚、手の指、爪、歯、唇、眉毛、眼、瞳子 (どうし)、鼻、耳、足の裏と点検し来れば、何処かにソレ相当に人を引く力を具 (そな) えているものだ。美は全体としての調和を要する。枯木一枝、それは部分として殺風景であっても全山としては尚幾多の詩趣 (ししゅ) を添えるようなものだ。
2026年05月12日
青年の恋する美は「顔」にのみある。中年の憧れる美は「体」にある。「 叛 (そむ) きたる女を思う秋の暮 」、「 呪わしや恋しや女秋の暮 」などいう古人の句の思出される今日此頃だ。
2026年05月12日
両性は、特に男は誰でも多少とも「残虐の美」を愛する。後ろ手に縛り上げて鞭打つと女は一段と美しく見えるものだという。よく若い夫婦の間に訳の解らぬ喧嘩が絶えなかったり、美妻の膚に生傷の斑点を見るなどは皆それだ。恋は凄艶を最上条件とするものか。
2026年05月12日
五万円か、美しい愛人か、二ツに一ツと問われた時に今の青年は何れと答うるや。百万円か、十年の若返りか、二ツに一ツと問われた時に今の六十男は何れと答うるや。現代は唯(た)だ金と女よりない世の中だ。「二ツに一ツ」と云う問が既に意味をなさぬ。二ツながら 雙手両掴 (もろてりょうづかみ) と甘い夢を見るものばかりだと高笑い。
2026年05月11日
失恋の男は 燭光 (しょつこう) まばゆき遊郭に走って自ら苦悩を慰めんとし、失恋の女は 燦爛眼 (さんらんがん)を奪う百貨店に入って半日の忘愁に過さんとする。
2026年05月10日
男性美の権威は化粧水を待って落ち、女性美の芳香は新流行を追うて 褪 (あせ) る。
2026年05月10日
人 生 日 録 夫 婦
2026年05月10日
新緑や川辺で遊ぶ子らがいて
2026年05月09日
嫉妬に燃ゆる夫は若き妻に向いて、「 ホントのことを白状せよ、屹度 (きっと) 許してやる 」と呼吸苦しく迫った。「 許してくれればホントの事を云う 」と妻は云った。そして妻は心底深く他の男性を慕っていることを白状した。夫は忽(たちま)ち怒髪 (どはつ) 天を衝いて殆んど狂気の如く若妻を殴って傷(きずつ)けた。そして直ぐ後悔の 臍 (ほぞ) を噛んで苦しみ悩んだ。「真実を語れ」と要求しながら「真実」に触れることを恐れた。「真実を求むるものは却って「虚為」を望んでいるのだ。若(も)し妻が「嘘の告白」を試みたら彼は疑いつつ尚平和の夢に浸ったであろう。真実に徹底することは、人生の最も憧れながらに避けようとする危険線だ。
2026年05月09日
人生に最も偉大なるものは二人が一線上を何時迄も歩み続けることだ。男の一歩が外に脱する時、女はその手を握って之を引戻し、女が危く軌道を踏み外した時、男はその身を抱いて之を線上に還らす。かくて青春は去り、五十年の一生は「夫婦」の名に於て「魂の離背」をボカシ終る。
2026年05月09日
愛の真味を解しないような義理づくめに結ばれた夫婦間に生れた長男には野良甚六が多く、男女の愛の世界から 堰 (せ) かれて高潮に達した時に生れた子は妙に優良だ。其れが即(すなわ)ち私生児の中に傑出した優良児の多い根源を物語っているのだと。
2026年05月08日
男の一生を通じて一番高価なものは妻であり、同時に一番安価なものも妻である。
2026年05月08日
夫を一番能(よ)く正解するものは妻なり。而(しか)して夫を一番能く誤解するものも亦妻なり。妻は最も「近き他人」にして亦最も「遠き親友」なりと解釈すべし。
2026年05月07日
新しい枕で寝てみたが前使用の枕より大きくふんわりとしている。昼寝に使ったがぐっすり眠れた。これからは熟睡できるかなあ?
2026年05月07日
結合された二人者は初めて鋏の作用に活きる。鋏は一本づつ離せば双方共に廃物だが、たましいの釘で中心を結べば生命躍動する。廃物の結合作用を人生の真髄とする。
2026年05月07日
父子には自ら父子の世界があり、夫婦には自ら夫婦の世界がある。それは決して第三者の 一毫 (いちごう) 喙(くちばし)を容るることを許さぬ別境であるべきだ。いかに近ければとて他人は則(すなわ)ち他人だ。いかに親しければとて友人は則ち友人だ。冷たい裁きをを親子の間に試みんとしたり。白い眼で 閨門 (けいもん)の奥まで覗かんとする気苦労の人を 憫笑 (びんしょう)する。
2026年05月07日
第三者の前に夫の不身持を訴える女、同じく妻の不貞操を鳴らす男、必ず何か求める変形の声だ。それに対して熱き同情を寄せる第三位の男?女?或物を 贏 (み)ち得れば即(すなわ)ち又、更に第四者に同じことを訴える素質の人だ。畢竟(ひっきょう)するに禍は人から人へと循環する。
2026年05月06日
他人の前に夫の濫行を毒づく良妻がある。焉 (いずく) んぞ知らん。その濫行あらしめた源に逆れば妻に三分以上の欠陥あるを覚(さと)らない。と同じく他人の前に妻の不貞を鳴らす賢夫がある。焉んぞ知らん、その不貞ならしめた動機を探れば夫に五分以上の過失あるを省みない。要するに夫婦は喧嘩しつつ仲好く暮らすものだ。けれど、喧嘩は成るべく家庭内に保留して一切他人に迷惑をかけぬ心掛けが最も必要だ。
2026年05月06日
妾とすれば風俗に害あり。愛人と呼べば天下何者も怪しまず、妻あり子あり故に愛人あり。愛人は時に家庭教師とぼかさる。静かに十年後の日本を想う。
2026年05月05日
未婚の人よりも既婚の人は 惑溺 (わくでき) の危機に触れ易きものなり。妻子は或る犯罪の武装にして、家庭は時に風評防御の機関たることあり。青年と処女の恐怖せる密会よりも、有妻の男と有夫の女との「 大胆なる公会 」は最も警戒すべきなり。
2026年05月05日
嫉妬深い女は多くは貞操を二三にする。けれども、その夫に向っては愛するが故に焼くのだと説明する。
2026年05月05日
稀に家妻を携えて旅行する時、成るべく多く人に知られんと望む。即(すなわ)ち背後にその監督権を侵害せんとする犯罪ある証なり。賢き主人は妻の存在を侮辱しつつ其婦徳(ふとく)の袖に隠れて終に自らの存在すら無視す。
2026年05月04日
理想の 姦夫 (かんぷ)を 懷 (なつ) ける妻は、夫の健康を祈りつつ常に軽き暗殺を夢む。若(も)し今、夫死すれば遺産の保証あり、衣食と共に恋を新にすべき特権は天與 (てんよ) さるべしなど、時に夢想に耽るものなり。
2026年05月04日
夫婦生活が爛熟(らんじゅく)して来ると、種々技巧を弄(ろう)してその熟度を再び三度 昂騰 (こうとう) せしめようと焦慮 (しょうりょ)する。即(すなわ)ち故意に別居して見たり、家を飛出して他人を騒がせたり、敵味方のように争ったりする。新たに電気を発せんとしての摩擦運動なのだ。畢竟(ひっきょう)犬も喰わぬサデスズムの前衛戦線の光景だ。それが或る時間を過ぐると「愛」の名に於て高速度の抱擁に幕が落ちる。第三者は常に道具に使われて恋の色上げ作業に利用されるものだ。
2026年05月04日
夫婦生活の第二期に入ったものは、両性互いに相飽きて其処には何か知ら無意識的に新しい刺激を求めている。その時、幸か不幸かが襲い来って夫妻の何れかが死にゆく。涙の哀愁に閉されて三十五日、四十九日、百ケ日、一年忌と経て行く内に、その残された一人即(すなわ)ち夫か妻かの胸三寸の何処かに微かなる欲求が芽生えて来る。或る意味に於ては夫婦の生別は 呪咀 (じゅそ) を残すけれども、死別は即ち解放だ。他語で云えば天恵 (てんけい) の若返り法だ。
2026年05月03日
故(ことさ)らに其妻を愛するものは必ず他の方面に或る欠陥を有する男なるべし。妻の求むる儘に美衣金環(きんかん)を買い興え、妻の欲する儘に花見芝居に伴れ行く主人には必ず一種の秘密あるべし。夫妻の愛は自然の儘にて可なり。故らに人為的の愛情を表わすは、他の満足せざる或物に対する謝罪的意義の表現と見るを得べし。
2026年05月03日
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