かなのうちっち      

かなのうちっち      

2005/01/31
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「君はリペアは使えないのかね」
「修理の呪文ですか、残念ながら。
貴男が使えるというのならかわりに体力を差し上げます」
器用というのははばかられる作業を見かねて、
魔術師の男は家の中から白い男に声をかけた。
そして、返答の意味に頭をめぐらし、目の前の赤い菱形のイヤリングを
ゆらしながら危なっかしい手際でくぎを打つ人が何ものなのか推測する。
先ほど呪文を使っていたこともあり同業者だろうとは思った。

「治癒となにか防御が専門の魔術師で?」

知識がある人だとリーレウは魔術師を一度みあげた。
「ええ、そうです。もっとも僕は生物学者のつもりですけど」
魔術師は自分よりだいぶ年下、20代前半に見える青年が、
はにかみながら頷き、細い顔に髪がこぼれ落ちるのを見た。

「まあ、一段落ついたら上がってくるといい」
魔術師はそういうとまた家の奥に引っ込んでいった。
リーレウは泊まれるらしいと安堵して、作業を続けた。
次第に夜が深まってゆく。さっきの犬だろう。
獣の遠吠えがすぐ近くで何度もあがる。





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Last updated  2005/01/31 07:39:34 PM
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