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2008.02.14
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 一番最初の校正を初校 (しょこう) と言い、初校のゲラには一般に次の2つのスタイルがあります。 1つ目は棒組みといって、初校では図の入るスペースは空けないで文字だけをズラズラと組んでもらうスタイル、2つ目は、初校から図のスペースを空ける (図を組み込む) スタイルです。

 初校では本文に大きな赤字 (修正や削除) が入ったり、著者から新しく図が追加されたり、あるいは反対に図の削除の指示があったりすることがよくあります。 こうした場合、初校の段階で本文と図を適正な配置にするのは難しいため、 初校では棒組みにして、 再校で図のスペースを空ける (図を組み込む) ようにします。

 それほど図の数が多くない場合や、 (図を含めて) 原稿の完成度が高い場合には、初校から図のスペースを空ける方法を採用できます。本当は、初校からこのスタイルで進められれば編集者としても楽なのですが、初校では赤字のオンパレードになることが多く、私の場合は、初校では棒組みというのが大半を占めています。

 図は、著者の図原稿をもとにトレース (きれいに書き起こすこと) をします。 トレースを専門に行なう会社 (あるいは個人の方) もありますが、多くの印刷会社がトレース部門をもっているということもあって、本文と図の原稿を一緒に印刷所に入稿するという場合もよくあります。ただし、図といってもイラスト風のものであれば、 「これは、このイラストレーターにお願いしたい」 というのも中にはあるので、それは個別に判断していきます。

 校正作業では、著者の原稿を左に、ゲラを右に置き、一字一句照らし合わせをしていきます。このときに重要なことは、あくまでも一つ一つの活字を照らし合わせていくことで、決して “文章として流して読んではいけない” ということです。 読んでしまうと、一つ一つの活字を照合せずに、頭の中で文章が流れてしまうからです。

 校正を終えると、次に、素読み (すよみ) を行ないます。 素読みとは、原稿は脇に置いておき、ゲラを本として読んでいくものです。素読みに臨む際に最も大切なことは、この本を読むであろう読者のレベルに自分を落とし込んで、読者の視点に立って読んでいくということです。

 この本はいったい誰に読んでもらいたいのかという、当初の狙いを常に意識しながら読み進めなければいけません。 たまたまそのテーマについて自分に知識があり、親しみやすい内容と感じたとしても、その本の読者レベルに立って、

  ・ ここは、このように書いた方がもっとわかりやすくなるのでは?
  ・ この表現の方がよいのでは?
  ・ この文章の主語がわかりにくいのでは?
  ・ この用語は、もう少し丁寧な説明を入れた方がよいのでは?
  ・ 似たような表現が繰り返されていますがOKですか?

などといった様々な質問や疑問を、気になった箇所に鉛筆で書き込んでいくことが大切です。決して妥協をしてはいけません。 原稿よりもゲラの方が “より客観的に読める” ということもあり、徹底的に読み込みをしていく姿勢が大切です。

 校正、素読みといった編集者の一連の作業が済んだゲラは、初校に対する注意事項などを書いた手紙を添えて、著者のところに直接持っていったり、あるいは郵送で送り、今度は著者自身に校正をお願いすることになります。 著者には編集者が指摘した箇所 (鉛筆での質問など) にきちんと答えてもらいながら、ゲラをしっかり読んで頂くことになります。

 そして、 初校のゲラを著者に渡してからしばらくすると、 著者から 「校正が済んだ」 との連絡がメールや電話で入ります。 そこで日程を決め、著者の所に直接ゲラを頂きに伺います。 (著者が遠方に住んでいる場合には、郵送でのやり取りになります。)

 著者から直接ゲラを受け取るときには、特に何か分量の多い原稿の追加や、図・イラストの追加・削除があるかどうか、その場で確認しておいた方がよいでしょう。 大量の追加があった場合には、その部分の原稿がきちんと揃っているかどうかの確認も大切ですし、原稿の追加が多い場合には、それが当初の狙いに沿ったものになっているかどうかのチェックも必要となるからです。 

 また、図やイラストに追加・削除がある場合には、どの図が追加でどの図が不要となるのかを著者に確認するとともに、もし図に通し番号を付けている場合には (例えば図1.1 のように) 番号にズレが生じるかどうかも確認しておく必要があります。

 著者からゲラを受け取って自分のデスクに戻ってきたら、

  1. 渡したゲラが不足なく揃っているか
  2. 著者の赤字 (直し) の程度はどうか
  3. こちらで書き入れた鉛筆書き (質問や疑問) にすべて答えてくれているか

といったことを確認し、もしも答えてくれていない箇所が見つかり、それをそのままにしておくと再校 (2回目の校正) のときに影響を与えそうなら、すぐに著者に確認をすることが必要です。 

 すべてのチェックが終了したら、初校のゲラに “要再校” (ようさいこう : 初校の赤字を直して、再校を出して下さいの意) と書いて、 印刷所の営業担当者に渡すわけですが、 初校を棒組みで組んだ場合には、 この段階でゲラに対して図のレイアウト指定を行ないます。

 こうしてすべての初校作業が終了し、印刷所から再校が出るまで、しばらく待つことになります。 






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Last updated  2008.02.15 00:09:22 コメントを書く
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