記憶の記録

2008.03.29
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テーマ: 住宅コラム(1841)
カテゴリ: 今月のコラム
こげんばさんと

足利学校を見学したときの話(その2)

足利学校には図書館がある。
大正モダンな感じの洋館建築で、かなり古い。
いゃ、風格があるというべきか。
足利学校の寺社風の超日本建築の棟棟と並んで、
一風変わったたたずまいを醸している。
内部にはいると、玄関ホールは高い天井でしんとした空気が『静かにしなさい』と言っているようである。

暖かく暖房され、適度に加湿もしていて気持ちがいい。
図書室右側に目を向けると、3名の女性の図書館司書が静かに仕事をしていた。
僕は、本に目を通すでもなく書架を眺めながら一巡したが、
窓沿いに設いられた書架に納められた古い本たちが気になって仕方なく、司書の一人に声をかけた。
『差し出がましいようですが』と話しかける僕に、彼女は怪訝そうに目を向けたが、ぼくはお構いなしに話し始めた。
『貴重な本が、特に窓際の本棚に収められているようですが、あれでは、本が結露して、シミが出来てしまいませんか?』
司書は、いよいよ怪訝そうに
『結露ですか?』と聴き返したが、他の二人の司書が『結露』と言う言葉に反応したように近寄ってきた。
僕の後ろには、こげんばさんがにこやかに立っていて、僕は、まるで助さんを一人だけ連れてきた黄門様のようだ。
助さんは、僕が何を話すのか解っていて、きっと嬉しそうにほほえんでいたに違いない。
僕は観客が増えたことに気をよくして、話し始めた。

本は、紙で出来ていますから、湿気を吸放湿します。室内空気が22℃の時、相対湿度が50%ならば、結露する気温は、11℃以下ですから、外壁寄りに納められた本の外側付近は、結露することになるんです。図書館の内部の湿度をどんなに調整しても、本の内部が露天以下では、シミが出来て、痛んでしまうことになります。昔は、よく本をむし干ししたものですが、結露さえしないように管理すれば、シミはでないのです。このことから、外壁に接した本棚は、作ってはいけないことが解ります。書架は、回廊状に、周りから閲覧できるように、部屋の中心にあることが望ましいのです。』
fsの長台詞に聞き入っていた司書たちから、質問攻めにあい、足利学校の書籍の延命に貢献した黄門様は、助さんと、次の目的地、COCOワイナリーへ向かったのでありました。

めでたしめでたし








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Last updated  2008.03.29 14:18:23
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