記憶の記録

2009.08.17
XML
カテゴリ: 住宅革命
基礎断熱の貼り付け工事は二人で丸一日かかって完成した。

のりとして使うのでペースト状に練る。マヨネーズくらいが使いやすかった。
ポリスチレンフォームの全面にグレーのマヨネーズをたっぷり塗り、基礎コンクリートに貼り付ける。
手のひらに「ぐちゃ!」という感触が伝わる。この感じで接着面に隙間が生じていないかを確認しながら作業を進める。ポリスチレンフォーム材料に多少の捩れがあるので、セメントが固まるまで角材で突っ張る。
高山邸は山が近いので蚊が多い。夕方になると大量の蚊が出没する。蚊取り線香をいたる所に置いて作業をしているが体中を刺される。ぼくも高山も人相が変わるほど顔が腫れ上がってしまった。やはり住宅の気密化は必要なのだと痛切に思う。それにしても工事中の労働環境改善のために早く網戸を取り付けなければならないと意見の一致を見て、この日の作業は終了した。

勝部家の納屋では簡易式のユニットバスが待っていてくれた。一人住まいではありえない環境だ。家庭を持つということは良いことだなあなどと思いにふけりながら風呂に入っても僕にそのような状況が訪れるのいつの日になるのだろうか。
僕は、風呂から出て体中にかゆみ止めを塗り、冷えたビールにたどり着くと、高山に一つの提案をした。
「次の工程は一階の床貼りになる。床貼りを開始する前に上下水の配管のチェックと換気システムの検討と配管、給排気口の設置が必要になる。そこで相談だが、換気装置を僕に任せてほしいんだ。」

「うん、昨日言ったように、あの家を無暖房でも暮らせるようにしたい。そのためには換気装置の選定がとても重要になる。あの土地は蚊を初めとして虫がとても多い。それだけ自然環境が保全されているということだ。あの環境を壊さずに快適に暮らすには、殺虫剤など使用せずに防虫できて、しかもきちんと必要換気量を確保できる装置でなければならない。普通の換気装置では、蚊の数だけでフィルターが目詰まりしてしまうだろう。そこで、ある換気システムを使おうと思っているんだ。」
「ある換気システム?」
高山はビールを飲みながら僕の言う言葉をオオム返しに繰り返した。

「うん、そのシステムで、昨日話したように床下を換気経路として冬は地中熱を利用して吸気を13℃~15℃程度まで暖めてから居室に取り入れる事が可能になる。地中熱はその土地毎に差があるから、断定は出来ないが・・」
「ああそうだったな、地中熱を利用するという話だった。その件はお前に任せる。手配もしてくれないか。」
「了解した。早速手配する。何しろ床を貼る前に設置しなければならないんだ。」

つづく





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2009.08.17 18:55:39
コメント(2) | コメントを書く
[住宅革命] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

×

Profile

フライングシード

フライングシード

Calendar

Archives

2026.05
2026.04
2026.03
2026.02
2026.01
2025.12
2025.11
2025.10
2025.09
2025.08

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: