記憶の記録

2009.10.02
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
今回の工事ではダウンライトは撤去する事にした。

ダウンライトと天井の回収をする前に屋根裏の断熱改修と通気止め処置を先行した。
ダウンライトがあるおかげで明るい状態で作業を進める子が出来た。
赤い十字架の元となった書架も取り外し間仕切壁側に移設した。
生い茂った裏庭の植栽は枝打ちをし、明るく風通しも良くなった。
外壁のスタッコラーストは高圧洗浄と消毒をしたうえで顔料を上塗りしたら見違えるようにきれいになり、工事は予定通り一週間で完了してしまった。
これでこの家にあの赤い十字架が出現することはないだろう。
これで、いつもなら仕事を終えた後の達成感を感じ、満足して立ち去るところだが、僕の心の中にはやりきれない気持ちが充満している。




「京子、シードさんっていいひとね。お前だって満更でもないんでしょう?」
母親は、年頃の娘にズバリと言ったものだった。
「そうだねえ。わたしも良いと思うねえ。」
祖母も追い討ちをかけるように相槌を打つ。
田村京子は「そんなあ」とこたえただけだったが、女性として大先輩の二人は既にお見通しだった。
「あのね、シードさんみたいなタイプはね、優柔不断なところがあるから待ってちゃダメよ。積極的に行かなきゃダメなのよ。」
母は言う事がだんだん大胆になり、「そうそう。そうだねえ。」と祖母の合いの手もまるで打ち合わせでもしてあるかのようだった。
どうやら大先輩たちはシード捕獲作戦を伝授しようとしているらしかった。
となりの部屋でそんな作戦会議が開かれているとは露知らず、僕は旅立ちの準備をしていた。
出雲の高山邸はそろそろプラスターボードの貼り付け工事が終わる頃だろう。
秋はますます深まり、冬が近づいている。

明日は一旦、新橋の環境建築研究所に立ち寄って田村邸の工事完了を報告してから出雲へ立とうと僕は考えていた。









お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2009.10.03 06:38:03
コメント(2) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

×

Profile

フライングシード

フライングシード

Calendar

Archives

2026.05
2026.04
2026.03
2026.02
2026.01
2025.12
2025.11
2025.10
2025.09
2025.08

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: